
シェイプアップ筋トレは毎日行うのではなく、筋肉の超回復理論にのっとり週3回の部位分割トレーニング=スプリットメニューで行うのが確実に効果があります。その具体的なプログラム例を自宅筋トレ(自重・チューブ・ダンベル)とジム筋トレ(マシン・バーベル)別に詳しくご紹介します。
なお、本記事は当ジムでの女性シェイプアップ会員指導実績に基づいて執筆しています。
女性が筋トレだけでシェイプアップするのは可能?
むしろ筋トレ中心のほうが効率的

シェイプアップと言えば、どうしてもランニングなどの有酸素運動のほうが効果的に感じてしまいますが、実際には筋トレのほうがはるかに効率的にシェイプアップすることが可能です。
シェイプアップをするためには、食事で摂取するカロリーよりも、消費するカロリーを高くするのですが、有酸素運動や筋トレはこの消費カロリーを上げることでシェイプアップ効果があります。
消費カロリーには二種類あり、一つは運動で消費する「運動カロリー」、もう一つは新陳代謝で消費される「代謝カロリー」です。
有酸素運動も筋トレも運動動作ですので、「運動カロリー」が発生します。ちなみに、そのカロリー量は、緩やかな30分のランニングと一般的な30分の筋トレとではほぼ同量と言われています。ですので、運動カロリーにおいては有酸素運動と筋トレはほぼ同じシェイプアップ効果があると言えます。
ところが、筋トレはトレーニングを行うと筋繊維が微細な裂傷をおい、その回復に24~72時間が必要で、この回復期間をおいて「より引き締まって高密度」に回復します。
この回復機能を超回復と言いますが、超回復にかかる24~72時間は筋肉を修復するために基礎代謝が上がり、通常よりも代謝カロリーが高い状態が続きます。もちろん、寝ている間もです。
つまり、代謝カロリーにおいては圧倒的に有酸素運動よりも筋トレのほうがシェイプアップ効果が高いのです。
さらに、筋トレを続けていくと、超回復を繰り返し、筋肉はどんどん高密度になって引き締まっていきます。これにより、全身に対する筋量の比率が上がり、根本的に基礎代謝の高い身体になっていき「痩せやすく太りくい」リバンド知らずの体質が得られます。
このように、シェイプアップにおいて筋トレは、はるかに有酸素運動よりも効率的であることがおわかりいただけると思います。
ムキムキにならずに綺麗にシェイプアップする方法

しかしながら、筋トレと聞くと女性の方はどうしても「ムキムキになるのでは?」と不安になってしまいますが、そんなことは決してありません。これは、筋骨隆々の女性ボディービルダーのような身体を連想してしまうからですが、彼女たちは「筋肉が太くなる負荷回数設定」でトレーニングをしています。
ですので、一般の女性は「筋肉が美しく引き締まる負荷回数設定」で筋トレをすることで、ムキムキにならずにシェイプアップすることが可能です。そのためには、筋肉を構成する筋繊維の種類と特徴を知る必要があります。

筋肉を構成している筋繊維には、大きく三種類があり、それは次の通りです。
筋繊維TYPE2b(速筋FG筋)
30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲット。
筋繊維TYPE2a(速筋FO筋)
30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。細マッチョ筋トレや女性の部分ボリュームアップのターゲット。
筋繊維TYPE1(遅筋SO筋)
60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。シェイプアップ筋トレのターゲット。
このことから、女性のシェイプアップ筋トレは、基本的に筋繊維TYPE1(遅筋SO筋)をターゲットにした20回以上の反復動作ができる負荷回数設定で行い、胸の位置を上げる目的やお尻の位置を上げるなどの部分的なボリュームアップでは筋繊維TYPE2a(速筋FO筋)をターゲットに15回前後で限界がくる反復回数でトレーニングを行えばよいことがおわかりいただけると思います。
筋肉の構造と主な作用
各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)

シェイプアップ筋トレを行っていく上で、基礎知識として最低限知っておきたいのが主要な筋肉の場所・名称と作用およびグループ分けです。それは、以下のようになります。
上半身の押す筋肉
大胸筋:腕を前に押し出す
三角筋:腕を上横前後に上げる
上腕三頭筋:肘関節を伸ばす
上半身の引く筋肉
広背筋:腕を後ろに引く
僧帽筋:肩甲骨を寄せる
上腕二頭筋:腕を曲げる
体幹部の筋肉
腹筋群:体幹を曲げる・捻る
脊柱起立筋:体幹を伸ばす
下半身の筋肉
大腿四頭筋:膝を伸ばす
ハムストリングス:膝を曲げる
臀部筋群:脚を後ろに上げる
下腿三頭筋:足首を伸ばす
前脛骨筋:足首を曲げる
▼さらに詳しい筋肉の名前と働き
【筋肉の名前の読み方と役割】女性が筋トレで鍛えるべき部位と効果を図解
シェイプアップ筋トレの適切な頻度
週3回をベースに間に腹筋の日を挟む
筋肉は一度鍛えると、その筋繊維が破壊され一定期間の回復期間の後に筋密度が高くなって回復します。これを超回復と言い、筋肉に備わった生体反応であることはすでに解説しました。
この超回復を利用して身体をシェイプアップしたり、部分的に筋肉をつけていくのが女性のシェイプアップ筋トレの基本で、超回復前にトレーニングをしてしまうと筋肉は逆に萎縮してしまいますので、しっかりと回復期間をとりながらトレーニングしていきます。
全身の筋肉部位別のおおよその超回復期間は以下の通りです。
上半身の押す筋肉
大胸筋:48時間
三角筋:48時間
上腕三頭筋:48時間
上半身の引く筋肉
広背筋:72時間
僧帽筋:48時間
上腕二頭筋:48時間
体幹部の筋肉
脊柱起立筋:72時間
腹筋群:24時間
下半身の筋肉
大腿四頭筋:72時間
ハムストリングス:72時間
臀部筋群:48時間
下腿三頭筋:24時間
前脛骨筋:24時間
このことから、毎回全身全てをトレーニングすると週に2回が限界であることがわかります。それですと、あまり効率的ではありませんので、全身の筋肉を4つのグループに分け、トレーニングする部位をローテーションしながら一週間をかけて3回のペースで筋トレを行っていくのが効率的です。
このような方法を部位分割法=スプリットトレーニングと言います。
女性のシェイプアップ筋トレの場合、効率がもっともよいのは「上半身の押す筋肉の日」「上半身の引く筋肉の日」「下半身の筋肉の日」の週3回をベースにし、間に回復の早い「腹筋の日」を組み込んで合計週5回のペースで行っていくプログラムです。
具体的には以下のようになります。
①上半身の押す筋肉の日
②腹筋の日
③下半身の筋肉の日
④腹筋の日
⑤上半身の引く筋肉の日(脊柱起立筋も含む)
なお、ジムでのトレーニングの場合、週5回もジムに通うのは大変ですので、腹筋のトレーニングを週3回のなかに組み込んで以下のようになります。
①上半身の押す筋肉+腹筋の日
②下半身の筋肉の日
③上半身の引く筋肉+腹筋の日
なお、女性の場合は運動経験がなく30代前後以降から筋トレを始める場合、まずは週2回のプログラムから開始することがよいとされています。該当する方は、まずは下記の記事をご参照ください。
▼関連記事

アラサー30代女性の筋トレメニュー例|一週間2回の自宅またはジムでの具体的プログラム
アラフォー40代女性の1週間2回筋トレメニュー|自宅とジムそれぞれの具体的組み方例
アラフィフ50代女性の筋トレメニュー例|一週間2回の自宅またはジムでの具体的プログラム
それでは、次の項目では、自宅筋トレ(自重・チューブ・ダンベル)とジム筋トレ(マシン・バーベル)別に具体的なシェイプアップ筋トレプログラムを例示していきます。
なお、各種目のやり方は種目名が解説記事へのリンクになっていますので、リンク先の記事をご参照ください。
自宅でのシェイプアップ部位分割筋トレ
週1回目のトレーニング
①腕立て伏せまたは膝つき腕立て伏せまたは斜め腕立て伏せまたはチューブチェストプレス(インクライン・デクライン含め)またはダンベルプレスを2~3セット
②チューブチュストフライまたはダンベルフライを1~2セット
②チューブプルオーバーまたはダンベルプルオーバーを1~2セット
③パイクプッシュアップまたはチューブショルダープレスまたはチューブアップライトローまたはダンベルショルダープレスまたはダンベルアップライトローを2~3セット
④チューブリアラテラルレイズまたはダンベルリアラテラルレイズを1~2セット
⑤ベンチディップスまたはチューブキックバックまたはダンベルフレンチプレスまたはダンベルキックバックを1~2セット
⑥カールアップクランチまたはチューブクランチまたはダンベルクランチを1~2セット
⑦レッグレイズまたはチューブレッグレイズまたはダンベルレッグレイズを1~2セット
⑧四の字クランチまたはチューブサイドベントまたはダンベルサイドベントを1~2セット
週2回目のトレーニング
①自重スクワットまたはチューブスクワットまたはチューブレッグプレスまたはダンベルスクワットを2~3セット
②ブルガリアンスクワットまたはフロントランジを1~2セット
③ワイドスクワットまたはサイドランジまたはチューブアダクションを1~2セット
④チューブレッグエクステンションまたはダンベルレッグエクステンションを1~2セット
⑤チューブレッグカールまたはダンベルレッグカールを1~2セット
週3回目のトレーニング
①斜め懸垂またはチューブローイングまたはダンベルローイングを2~3セット
②チューブラットプルを1~2セット
③バックエクステンションまたはチューブグッドモーニングを2~3セット
⑤カールアップクランチまたはチューブクランチまたはダンベルクランチを1~2セット
⑥レッグレイズまたはチューブレッグレイズまたはダンベルレッグレイズを1~2セット
⑦四の字クランチまたはチューブサイドベントまたはダンベルサイドベントを1~2セット
ジムでのシェイプアップ部位分割筋トレ
週1回目のトレーニング
?マシンチェストプレスまたはバーベルベンチプレスを2~3セット
?マシンチェストフライまたはケーブルフライを1~2セット
?マシンショルダープレスまたはバーベルショルダープレスを2~3セット
④バーベルアップライトローを1~2セット
?ケーブルサイドレイズを1~2セット
?ケーブルプレスダウンまたはケーブルキックバックまたはバーベルナロープレスを2~3セット
⑦マシンクランチまたはケーブルクランチまたはトルソーマシンツイストを2~3セット
週2回目のトレーニング
?マシンレッグエクステンションを2~3セット
?マシンレッグカールまたはバーベルフロントランジを2~3セット
④バーベルサイドランジを2~3セット
週3回目のトレーニング
?ケーブルローイングまたはバーベルデッドリフトを2~3セット
?ケーブルラットプルまたはバーベルベントオーバーローを2~3セット
?ケーブルリバースフライまたはバーベルショルダーシュラッグを2~3セット
④ハイパーバックエクステンションまたはバーベルグッドモーニングを2~3セット
⑥マシンクランチまたはケーブルクランチまたはトルソーマシンツイストを2~3セット
筋トレ効果を高める食事メニュー

シェイプアップ筋トレの効果を高める、栄養の基礎知識と具体的な料理レシピ例は下記の記事で詳しく解説しています。
▼関連記事
【筋トレ食事メニュー例女性版】シェイプに最適な食材と料理レシピ紹介
筋トレ全種目一覧(女性)
胸の筋肉の筋トレ
腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せ
斜め腕立て伏せ
足上げ腕立て伏せ
ヒンズープッシュアップ
バランスボール腕立て伏せ
チューブチェストプレス
チューブチュストフライ
チューブプルオーバー
ダンベルプレス
ダンベルインクラインプレス
ダンベルデクラインプレス
ダンベルフライ
ダンベルプルオーバー
スミスマシンベンチプレス
マシンチェストプレス
マシンチェストフライ
ケーブルフライ
バーベルベンチプレス
バーベルインクラインプレス
バーベルデクラインプレス
バーベルプルオーバー
肩の筋肉の筋トレ
チューブショルダープレス
チューブアップライトロー
チューブフロントレイズ
チューブサイドレイズ
チューブリアラテラルレイズ
ダンベルショルダープレス
ダンベルアップライトロー
ダンベルフロントレイズ
ダンベルサイドレイズ
ダンベルリアラテラルレイズ
スミスマシンショルダープレス
マシンショルダープレス
ケーブルアップライトロー
ケーブルサイドレイズ
二の腕(後側)の筋トレ
ナロープッシュアップ
ダイヤモンド腕立て伏せ
ベンチディップス
チューブプレスダウン
チューブフレンチプレス
チューブキックバック
背中の筋肉の筋トレ
懸垂
斜め懸垂
バックエクステンション
スーパーマンバックエクステンション
バランスボールバックエクステンション
チューブデッドリフト
チューブローイング
チューブラットプル
チューブグッドモーニング
ダンベルデッドリフト
ダンベルローイング
ダンベルショルダーシュラッグ
スミスマシンデッドリフト
ケーブルローイング
ケーブルラットプル
ケーブルリバースフライ
ハイパーバックエクステンション
バーベルデッドリフト
バーベルベントオーバーロー
バーベルショルダーシュラッグ
バーベルグッドモーニング
二の腕(前側)の筋トレ
お腹の筋肉の筋トレ
カールアップクランチ
レッグレイズ
四の字クランチ
ロシアンツイスト
チューブクランチ
チューブレッグレイズ
チューブアブツイスト
チューブサイドベント
ダンベルクランチ
ダンベルレッグレイズ
ダンベルサイドベント
下半身の筋トレ
自重スクワット
バランスボールスクワット
ブルガリアンスクワット
フロントランジ
ワイドスクワット
サイドランジ
バックレッグリフト
チューブスクワット
チューブレッグプレス
チューブレッグエクステンション
チューブレッグカール
チューブアダクション
チューブバックレッグリフト
ダンベルスクワット
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグカール
スミスマシンスクワット
マシンレッグプレス
マシンレッグエクステンション
マシンレッグカール

