
バストアップ筋トレで大切なことは、バストを「寄せる」種目と「上げる」種目を理解した上で、適切な重量回数設定で行っていくことです。
これらのメソッドを間違えて自己流でトレーニングを行うと、「離れて下がる」ことになったり、予定外に胸まわりが引き締まってしまうことにもなりかねません。
自宅でのバストアップ大胸筋筋トレを前提として、自重トレーニング・チューブとレーニング・ダンベル筋トレから種目を厳選してやり方を解説するとともに、具体的な一日のメニュープログラムを例示します。
■バストアップ筋トレの重量負荷設定
●程よく筋肥大する速筋タイプⅡaをターゲットにする

筋肉を構成する筋繊維には、主に三種類があり、その名称とトレーニングでの負荷回数設定は以下の通りです。
①遅筋:筋繊維タイプⅠ:SO筋|20回以上の反復
②速筋:筋繊維タイプⅡb:FG筋|10回前後の反復
③速筋:筋繊維タイプⅡa:FO筋|15回前後の反復
①の遅筋は、持久的な動作に使われる筋繊維で、具体的には1分以上の継続操作に使われます。遅い動き(Slow)を酸素(Oxgen)をエネルギー源として行うためSO筋とも呼ばれます。鍛えても筋肥大せず、引き締まっていく特性がありますので、バストアップ筋トレのターゲットではありません。
②の速筋タイプⅡbは、瞬発的な動作に使われる筋繊維で、具体的には10秒前後の動作に使われます。速い動き(Fast)をグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として行うためFG筋とも呼ばれています。鍛えると非常に強く筋肥大し、ボディービルダーなどがターゲットにする筋繊維です。これも、ムキムキになりたくない女性にとってはターゲットではありません。
③の速筋タイプⅡaは、やや瞬発的で持久的でもある動作に使われる筋繊維で、具体的には30~60秒程度の動作に使われます。速い動き(Fast)を(Oxgen)をエネルギー源として行うためFO筋とも呼ばれています。鍛えると程よく筋肥大し、男性の細マッチョトレーニングなどで鍛える筋繊維でもあり、女性のバストアップ筋トレでターゲットにするべき筋繊維です。
具体的には、バストアップ筋トレでは、15回前後で反復限界がくる負荷設定でトレーニングを行っていきます。
自重トレーニングであればバリエーションや動作速度で負荷を調整し、チューブやダンベルでは強度・重量を調整して適切な負荷に設定します。
■バストアップ筋トレで鍛える胸筋部位
●大胸筋内側と上部および小胸筋をターゲットにする

バストアップ筋トレの対象となるのは胸の筋肉で、大胸筋と小胸筋があります。また、大胸筋は上部・下部・内側に分けられ、それぞれの作用は以下の通りです。
・小胸筋:大胸筋外側深層にあるインナーマッスルで、大胸筋の補助として働くとともに、大胸筋全体を上方に保持する作用があります。バストアップ筋トレの対象部位です。
・大胸筋上部:腕を斜め上方に押し出す作用があり、鍛えることでバストを上方にリフトする作用もあります。バストアップ筋トレの対象部位です。
・大胸筋下部:腕を斜め下方に押し出す作用があり、鍛えすぎるとバストが下方外側に引っ張られますので、バストアップ筋トレでは刺激を避けるべき部位です。
・大胸筋内側:腕を前方で閉じる作用があり、鍛えるとバスとを体幹中央方向に寄せる作用もあります。バストアップ筋トレの対象部位です。
■バストアップ筋トレの適正な頻度
●中2~3日あけて週に2回のトレーニング

筋肉を筋トレで鍛えると筋肉痛になります。この筋肉痛が回復するときに、筋繊維はより発達して回復しますが、これを超回復と言います。
超回復が終わる前に、再び筋繊維を筋トレで刺激すると、筋肉は発達せず縮小してしまいますので、筋トレ→超回復→筋トレ→超回復というサイクルを、適正な頻度で繰り返す必要があります。
大胸筋の超回復期間はおおよそ48~72時間ですので、中2~3日をあけて、週に2回の頻度でトレーニングを行っていくのが最適なバストアップ筋トレの頻度です。
■バストアップ筋トレの種目の順番
●複合関節運動から単関節運動の順に行う

バストアップ筋トレに限りませんが、筋トレの基本的な順番として守らなくてはいけないのが、大きく強い動きの複合関節運動(複数の関節と筋肉を使う動作)からはじめ、単関節運動(単一の関節と筋肉を使う動作)で仕上げるということです。
この順番を間違えて、先に単関節運動で特定の筋肉だけが疲れてしまうと、全体を上手く鍛えることができなくなるので注意が必要です。
バストアップ筋トレにおいては、複合関節運動は腕立て伏せ・ダンベルプレスなどのプレス系種目、単関節運動はダンベルフライなどのフライ系種目になりますので覚えておきましょう。
それでは、次の項目からは、具体的なバストアップ筋トレのメニュープログラムをご紹介していきます。
■バストアップ筋トレメニュープログラム
●まずはアップで合掌ポーズ

まずは、トレーニングのアップ運動として合掌ポーズを行います。胸の前で両手を合わせ、少しずつ力を加えながら大胸筋を刺激していきます。
このようなトレーニング方法をアイソメトリック筋トレ(静的トレーニング)といい、本格的な筋トレ前に行うことで、対象となる筋肉を効率的に刺激できる環境にします。
1セット30秒を目安に2~3セット行ってください。
●プレス系種目で大胸筋上部を追い込む
アップが終わったら、まずは複合関節運動で大胸筋上部を追い込んでいきます。・足上げ腕立て伏せ(自重)を2~3セット
大胸筋上部に強い負荷をかけられる自重トレーニングが、この動画のような足上げ腕立て伏せです。ついお腹を突き出してしまいがちですが、そうなるとせっかくの「腕を斜め上方に押し出す」軌道が失われますので注意してください。
やや腰を曲げて行うくらいのイメージで動作するとよいでしょう。
◆デクラインプッシュアップのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を床につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、足を台の上に乗せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出さないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
お腹を突き出すとせっかくの大胸筋上部に負荷がかかる軌道が、通常の腕立て伏せ同様になってしまうので、どちらかと言えば少し腰を曲げ気味にするフォームが効果的です。
実際のところ、かなり強度の高い足上げ腕立て伏せをできる女性は多くありません。できない方は、この動画のような膝つき腕立て伏せで代用しましょう。

なお、そのまま普通に膝つき腕立て伏せを行うと、バストアップには不適切な、大胸筋下部に負荷のかかる軌道になりますので、図のように上半身を後ろに押す=腕を斜め上方に押し出す軌道で動作をし、大胸筋上部に負荷をかけて行ってください。
◆膝つき腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を台につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、膝を床について構える
②肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり、逆に腰を曲げたりしないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
はじめは無理に深く身体を下ろさず、筋力がついてきたら徐々に床まで身体を下ろすようにしてください。
・インクラインプレス系種目を2~3セット
つづいて、ダンベルやトレーニングチューブを使ったプレス系種目でさらに大胸筋上部を追い込んでいきます。
ダンベルの場合はインクラインベンチが必要になってきますが、トレーニングチューブの場合はベンチ類がなくても、自分で「腕を斜め上方に押し出す」軌道を作って動作すれば問題ありません。
また、バランスボールをお持ちの方は、インクラインベンチのかわりに使ってダンベルプレスを行うことも可能です。
プレス系種目の動作ポイントは、ただ腕を押し出すだけでなく、腕を押し切ったポジションでさらに手と手を合わせるように力を入れることです。これにより、大胸筋上部内側が完全収縮して効果が倍増します。
◆インクラインダンベルプレスのやり方と動作ポイント
①インクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、ダンベルを胸の上でグリップして構える
②肩甲骨を寄せたまま、ダンベルを押し上げる
③ダンベルを押し上げたら、肘をしっかりと伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
④ダンベルのウエイトに耐えながら、筋肉に負荷をかけながら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
腰を浮かせると、せっかくの大胸筋上に負荷のかかる軌道が損なわれますので、しっかりとインクラインベンチに背中と腰をつけて動作を行ってください。
●プレス系種目で大胸筋内側の仕上げにかかる
・ダイヤモンド腕立て伏せを2~3セット
大胸筋上部のトレーニングが終わったら、次は大胸筋内側を仕上げていきますが、まず最初に行いたいのが自重トレーニングのダイヤモンド腕立て伏せです。
親指と人差し指で菱形を作って腕立て伏せを行うことで、大胸筋内側に負荷が集中するとともに、手首への負担を軽減できます。
◆ダイヤモンド腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、親指と人差し指でダイヤモンド型を作って手を床につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せて構える
②肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり腰を曲げたりせずに身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
肘をあまり絞って行うと手首に負担がかかりますので、肘は外に張り出すようにしてください。
筋力的に通常のダイヤモンド腕立て伏せを行うことが難しい方は、この動画のような膝つきダイヤモンド腕立て伏せで代用してください。
●フライ系種目で大胸筋内側を仕上げる
・インクラインフライ系種目を2~3セット
大胸筋内側の仕上げとして、ダンベルやトレーニングチューブを使ってインクラインフライを行います。
「斜め上方向に腕を閉じる」ことを意識して行ってください。
なお、ダンベルプレス同様、インクラインベンチのかわりにバランスボールを使って行うことも可能です。
◆インクラインダンベルフライのやり方と動作ポイント
①インクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、肘を伸ばして胸の上でダンベルを構える
②肩甲骨を寄せたまま、肘を曲げずに腕を開き、ダンベルをできるだけ深く下ろす
③ダンベルを下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま同じ軌道で腕を閉じる
④腕を閉じたら、ダンベルを少し押し上げながら顎をやや引いて大胸筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
腰を浮かせて動作を行うと、せっかくの大胸筋上に負荷のかかる軌道が損なわれますので、しっかりとインクラインベンチに背中と腰をつけて行ってください。
●クールダウンで小胸筋をトレーニング
・フロアーディップスを1~2セット
バストアップ筋トレの最後に、クールダウンもかねて小胸筋をトレーニングしていきます。小胸筋は小さなインナーマッスルなので、大きなアウターマッスルの大胸筋の後に、十分に身体が温まった状態で行います。
小胸筋のトレーニングとして最適なのが、この動画のようなフロアーディップスです。あまり肘を屈伸させすぎると、二の腕の筋肉・上腕三頭筋のトレーニングになってしまいますので、大胸筋外側部分(および小胸筋)を使って小刻みに動作するようにしてください。
■バストアップ筋トレにおすすめの器具類
それでは、最後にバストアップ筋トレにおすすめの器具類をご紹介していきます。●プッシュアップバー
腕立て伏せ系種目では、プッシュアップバーの使用をおすすめします。手首が真っ直ぐ保てるので手首関節の保護になるだけでなく、動作範囲が広がるのでトレーニング効果が倍増します。●アーミーダンベル
女性の自宅トレーニングにおすすめなダンベルが、床や家具を傷つけず、また、転がらないのでプッシュアップバーとしても使用できるアーミーダンベルです。ダンベルはトレーニングチューブに比べると、ややとっつきにくい感はありますが、実際の効果としては、やはり若干ですが、ダンベル>トレーニングチューブです。
●トレーニングチューブ
トレーニングチューブは単体で揃えていくと割高になりますので、はじめから強度の違う複数本がセットになったものがおすすめです。ダンベルよりも扱いやすいのが女性には嬉しいポイントです。●バランスボール
バランスボールは、インクラインベンチのかわりに使えるだけでなく、お腹周りのや下半身のトレーニングにも大きな効果がありますので、できれば揃えておきたいトレーニンググッズです。ホームセンターなどで安価なものもありますが、やはり、メーカー製のアンチバースト仕様のものが安全な上、グリップ感や反発力などもワンランク上です。●トレーニングベンチ
自宅にそろえるのには、やや敷居が高い器具ですが、本格的に自宅トレーニングをしていくのならば、最終的に必要となってくるのがトレーニングベンチです。一台あると大幅にトレーニングの幅が広がります。■筋肉の名称と作用

身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
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