
体幹トレーニングのなかでも基本となる種目のなかから、比較的負荷が低く、女性や初心者むけのメニューを5種目厳選しました。まずは、継続していくことが大切です。
本記事でご紹介する体幹トレーニングメニューを順番に上からこなしていき、一日のトレーニングとしてください。
体幹インナーマッスルとは?
厚生労働省による記載
姿勢の維持やバランスを取るときに使われる体幹部の深層筋(インナーマッスル)
特に「コア」と呼ばれる腹部から臀部にかけての背骨だけで身体を支えている部分に関連するインナーマッスル(外腹斜筋・腹直筋・内腹斜筋・腹横筋など)については、背骨の安定に大きく関係し、スムーズな動作と正しい姿勢や内臓の正しい機能を引き出すための出発点として重要とされます。
体幹トレーニングの特徴

一般的な筋トレで鍛える体幹部の表層筋(大胸筋・広背筋・僧帽筋など)は、積極的にものを押したり引いたりする動きに使われます。一方、深層筋である体幹筋群は、ものを押したり引いたりする時の姿勢の制御や体勢の保持に働きます。
このため、体幹を鍛えるためには速く強い動きは必要なく、ゆっくりとした姿勢を保持する動作のトレーニングが有効です。
体幹トレーニングを行うと、スポーツや身体作りに効果があることが知られています。
スポーツに効果のある理由
まず、一つ目は手足が強く速く動くようになるということです。一般的に手足を強く速く動かすためには、腕や脚の筋肉を鍛えればよいと誤解されがちですが、それは間違った認識です。
手足を動かしているのは、その基部にあたる体幹の筋肉なので、手足を強く速く動かすためには、肩関節周辺と股関節周辺の体幹インナーマッスルをトレーニングする必要があるのです。
もう一つは、腹部周辺や腰椎周辺の体幹筋群が強くなると姿勢を制御する能力が向上するので、スポーツの動きにおいてブレがなくなり、スムーズに動作と動作をつなぐことが可能になります。つまり、上手に動けるようになるのです。また、相手と直接コンタクトのある競技では、ぶつかった時に姿勢が崩れにくくなり、素早く次の動作に移ることができるようになります。
身体作りに効果がある理由
体幹トレーニングは身体作りにも効果があることで知られていますが、それはなぜでしょう。
体幹トレーニングをすると、体幹筋群の筋密度・筋量があがります。もちろん、通常の筋トレで鍛える表層筋のように筋肥大はしないので、見た目はかわりません。人間の消費エネルギーの多くは基礎代謝によるものであり、その基礎代謝には筋肉も重要な要素の一つとして関与しています。
このため、体幹トレーニングによって体幹の筋密度・筋量が向上すると、エネルギー消費のよい状態になります。
正しい身体作りとは
正しい身体作りとは、ただ身体作りをするだけでなく、適切な運動と食事管理によって健康的に行うもので、それらに関しては国の機関でも明言されています。
厚生労働省による記載
食生活や生活習慣が多様化した現在では、過食や運動不足による「肥満」や「メタボリックシンドローム」がある一方で、不健康なダイエットなどによる「やせ」も社会問題となっています。楽しく健康でいきいきと過ごすためには、適切な体重の認識と体重管理が大切です。
多くの若い女性が持つ「やせ願望」やダイエット指向。実はその多くの者がやせる必要がないのに、偏った食生活を送ったり極端なダイエットを繰り返しています。若い女性の「やせ」は多くの健康問題のリスクを高め、さらに若い女性や妊婦の低栄養問題は「次世代の子ども」の生活習慣病のリスクを高めると危惧されています。
アップのフロントプランクで体幹前面を鍛える
まずは体幹トレーニングの代名詞とも言える基本種目のフロントプランクでアップを行いましょう。
背すじを真っ直ぐすることに気をつけて、30秒×1セットを行います。体力に余裕のある方は60秒を1セットにしてください。
主に体幹前面の腹筋群に効果的です。

腹筋群は腹部にある筋肉群で、表層から順に腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の四層構造をしています。それぞれの主な作用は以下の通りです。
腹直筋:体幹の屈曲
外腹斜筋:体幹の回旋
内腹斜筋:体幹の回旋
腹横筋:腹圧の維持
Wikipediaによる腹筋群に関する記載
腹筋とは、4つの部位で構成されており、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋で成り立っている。
腹直筋(ふくちょくきん、Rectus abdominis)は、腹部の筋肉のうち前腹壁の中を走る前腹筋の一つ。体幹部の屈曲や回旋、側屈に関与し、呼吸にも寄与している。
外腹斜筋(がいふくしゃきん)は、腹部の筋肉のうち腹壁外側部を走る側腹筋の一つ。肋骨とともに胸郭を引き下げ、脊柱を曲げると同時に、骨盤を引き上げる作用がある。
内腹斜筋(ないふくしゃきん)は、腹部の筋肉のうち腹壁外側部を走る側腹筋の一つ。外腹斜筋と同様に、肋骨とともに胸郭を引き下げ、脊柱を曲げると同時に、骨盤を引き上げる作用がある。
腹横筋(ふくおうきん)は、腹部の筋肉のうち腹壁外側部を走る側腹筋の一つ。内腹斜筋の深層に存在し、下位肋骨、鼠径靱帯、腸骨稜、胸腰筋膜を起始とし、水平に外側に向かって走り、腱膜に移行して腹直筋鞘に付着する。いわゆるインナーマッスルの1つ。下位肋骨を下方に引き、腹圧を高める作用がある。
フロントプランクは、体幹トレーニングのなかでも全ての基礎となるとても重要なトレーニング種目ですので、さらに詳しく動作ポイントを解説します。
動作で大切なポイントは四つあり、それは次の通りです。
①腰を曲げない
腰を曲げて突き出したスタイルでフロントプランクを行うと、負荷の大半は肝心の体幹部分に加わらず、腕や脚に負荷が逃げてしまいます。あくまでも体幹トレーニングですので、しっかりと背すじを真っ直ぐに伸ばし、腹筋群や脊柱起立筋に効かせるようにしてください。
②お腹を突き出さない
逆に、お腹を突き出したスタイルでのフロントプランクも、負荷の多くが腕や脚に逃げてしまう上、腰が反った状態になるため腰椎に対して負担となり、腰痛の原因となってしまうことも少なくありません。お腹を突き出さないと姿勢を維持できなくなった場合は、セットを中止し、少し休憩してから再びセットを行なうと効果的です。
③肩の真下に肘を置く
フロントプランクは腕を鍛えるトレーニングではありませんので、できるだけ腕の筋力に頼らないように、肩の真下に肘を置き、上半身の体重は筋力ではなく上腕骨で垂直に支えるようにしてください。
④前を見て姿勢を維持する
フロントプランクのセット終盤になってくると、どうしても苦しくなって下を向いて顎を引きがちですが、フロントプランクで姿勢を支える背筋群=脊柱起立筋と顎の連動性は「顎を上げると背筋が収縮する」です。
下を向いて顎を引いてしまうと、脊柱起立筋は弛緩しがちで余計に姿勢を維持しにくくなりますので、前を見ることで顎を上げて姿勢を維持することが大切なポイントです。
サイドプランクで体幹側面を鍛える
続いて、外腹斜筋と内腹斜筋と呼ばれる体幹側面をサイドプランクで鍛えていきます。
こちらも背すじを真っ直ぐに保つことに注意して、片側30秒×1セットずつを行ってください。体力に余裕のある方は、60秒の静止を目指しましょう。
なお、サイドプランクの動作ポイントは以下の通りです。
①腰を上げない
腰を上げてサイドプランクを行うと、体幹側部に対する負荷が少なくなり、腕と脚にかかる負荷が増加します。このため、状態を維持するにはやりやすくなりますが、肝心の体幹に効いてない状態になりますので、腰を上げなくては姿勢が維持できない状態になったら、一度セットを中止し、少し休憩してから再びセットを行なうほうが効率的です。
②腰を下げない
腰を下げた状態でサイドプランクを行うと、腕や脚の筋力が使えるのでやりやすく感じますが、肝心の体幹側部に効果が弱くなるだけでなく、腰椎に負担がかかり腰痛の原因になりかねませんので、背すじは真っ直ぐに保つようにしてください。
③肩の真下に肘を置く
フロントプランクの場合と同じく、上半身の体重は腕の筋力ではなく上腕骨で支えるようにします。このため、床に対して上腕骨が垂直になるよう、肩の真下に肘を置くようにしてください。
アームレッグクロスレイズで体幹背面を鍛える
脊柱起立背筋をはじめとした脊柱沿いのインナーマッスルである長背筋群を鍛えるのに最適な体幹トレーニングがアームレッグクロスレイズです。

長背筋群は脊柱起立筋・多裂筋・回旋筋などから構成される脊柱沿いのインナーマッスルです。それぞれの主な作用は以下の通りです。
脊柱起立筋:体幹の伸展
多裂筋:姿勢の維持
回旋筋:体幹の回旋
Wikipediaによる長背筋群に関する記載
長背筋(ちょうはいきん)は、棘背筋のうち、長筋である筋肉の総称。長背筋に属する筋|板状筋(musculus splenius)「頭板状筋(musculus splenius capitis)・頸板状筋(musculus splenius cervicis)」|脊柱起立筋(musculus erector spinae)「腸肋筋(musculus ilicostalis)・最長筋(musculus longissimus)・棘筋(musculus spinalis)」|半棘筋(musculus semispinalis)|多裂筋(musculus multifidus)|回旋筋(musculi rotatores)
対角線になる手足を上げて維持する運動ですが、手足は上げすぎず床と水平を維持するようにしてください。
一度の挙上で2~3秒ほど静止し、左右交互に10回ずつ繰り返して1セットにするのが初心者むきです。
なお、アームレッグクロスレイズの動作ポイントは以下の通りです。
①腰を曲げない
腰を曲げて突き出したスタイルでアームレッグクロスレイズを行うと、負荷の大半は肝心の体幹部分に加わらず、腕や脚に負荷が逃げてしまいます。
②お腹を突き出さない
逆に、お腹を突き出したスタイルでのアームレッグクロスレイズも、負荷の多くが腕や脚に逃げてしまう上、腰が反った状態になるため腰椎に対して負担となり、腰痛の原因となってしまうことも少なくありません。
③肩の真下に手を置く
アームレッグクロスレイズは腕を鍛えるトレーニングではありませんので、できるだけ腕の筋力に頼らないように、肩の真下に手を置き、上半身の体重は筋力ではなく上腕骨と前腕骨で垂直に支えるようにしてください。
④股関節の真下に膝をつく
アームレッグクロスレイズは脚を鍛えるトレーニングでもありませんので、できるだけ脚の筋力に頼らないように、股関節の真下に膝を置き、下半身の体重は筋力ではなく大腿骨で垂直に支えるようにしてください。
⑤手と足は床と平行まで上げれば良い
アームレッグクロスレイズは、つい手足を高く上げようとしてしまいがちですが、あくまでも体幹インナーマッスルの静的トレーニングであり、通常の筋トレのような動的動作は必要ありません。手と足は静かに床と垂直まで上げて維持するだけで十分です。
レッグレイズで腸腰筋を鍛える
骨盤と大腿骨をつなぎ脚を持ち上げる作用のあるインナーマッスルが腸腰筋群です。その腸腰筋群を鍛えるのに最適な体幹トレーニングがレッグレイズです。
反動を使わずゆっくりとした動作で20回×1セットを行ってください。

腸腰筋群は骨盤と大腿骨をつなぐインナーマッスルで、大腰筋・小腰筋・腸骨筋から構成されており、股関節を屈曲させる作用を持ちます。
Wikipediaによる腸腰筋群に関する記載
腸腰筋(ちょうようきん)は腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群の総称。腸骨筋と大腰筋が関連している。内臓と脊椎の間にあり、深部腹筋群とも総称され見えない筋肉の一つ。主に股関節を屈曲させる働きをするが、腰椎のS字型を維持する働きを併せ持つ。腹腔の後ろにあり、脊柱を前屈させる筋でもあるため「深腹筋」と呼ばれることもあり(とくにスポーツ選手やトレーナの間でよく用いられる)運動に非常に重要な働きをしている。
サイドレッグレイズで内転筋を鍛える
骨盤と大腿骨内側をつなぎ脚を閉じる作用を持つのが内転筋群で、それを鍛えるのに最適な体幹トレーニングがサイドレッグレイズです。
ゆっくりとした動作で左右15回×1セットを行ってください。

内転筋群は骨盤と大腿骨をつなぐインナーマッスルで、大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋から構成され、股関節の内転作用を持ちます。
Wikipediaによる内転筋群に関する記載
大内転筋(だいないてんきん、adductor magnus muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲を行う。小内転筋(しょうないてんきん、adductor minimus muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲、外旋を行う。短内転筋(たんないてんきん、adductor brevis muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲、外旋を行う。長内転筋(ちょうないてんきん、adductor longus muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲、外旋を行う。
引用:Wikipedia
バランスボール体幹トレーニング
ここからは、バランスボールを使った、女性にも楽しい体幹トレーニングをご紹介します。ぜひ、チャレンジしてみてください。
厚生労働省によるバランス運動に関する記載
バランス能力とは、静止または動的動作における姿勢維持の能力のことで、この能力は感覚系・中枢司令系・筋力系などの要素によって決まります。高齢者においてはこのうちの筋力の要素がより重要であることが指摘されています。バランスボールなどのトレーニング器具を使ったトレーニングが実施されていますが、それらによる効果は研究により確認されています。
バランス能力を向上させるための様々なトレーニンググッズが市販され、それらによるトレーニングが実行されています。多くのバランストレーニンググッズは「不安定な支持面を作り、その上で姿勢を保持する」という手法をとっています。
バランストレーニングのグッズを用いたトレーニングによってバランス能力の向上が実際に起こることがいくつかの研究から証明されています。効果の得られる有効なトレーニング法と言えるでしょう。
バランスボールファンクショナル
こちらのバランスボールを使ったファンクショナルは動作が簡単で初心者や女性が取り組みやすく、なおかつ体幹インナーマッスルに効果が高いトレーニング方法です。
バランスボールクランチ
こちらはバランスボールを使用したクランチです。この場合も、姿勢の制御が不安定になることで、体幹筋肉群をより有効に鍛えることができます。
エッグエクササイズ
上級者向けともいえる器具を使った体幹トレーニングの一つ「エッグエクササイズ」の動画です。このような動作ができるようになる頃には、スポーツも身体作りにもかなりの効果が出ていると言えるでしょう。
部位分割メニュー例

週2・3・4回の部位分割筋トレメニュー
主な筋トレ種目一覧

図解付き主要種目の一覧ページ
下記にリンクしています主要種目の個別解説記事は、動画だけでなく一目で理解しやすい図解付きでフォームについて説明しています。
自重トレーニング
腕立て伏せ(大胸筋)パイクプッシュアップ(三角筋)
ベンチディップス(上腕三頭筋)
懸垂(背筋群)
バックエクステンション(背筋群)
逆手懸垂(上腕二頭筋)
自重スクワット(下半身)
チューブトレーニング
チューブチェストプレス(大胸筋)チューブチェストフライ(大胸筋)
チューブショルダープレス(三角筋)
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブローイング(背筋群)
チューブカール(上腕二頭筋)
チューブレッグプレス(下半身)
ダンベルトレーニング
ダンベルプレス(大胸筋)ダンベルフライ(大胸筋)
ダンベルショルダープレス(三角筋)
ダンベルサイドレイズ(三角筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルカール(上腕二頭筋)
ダンベルスクワット(下半身)
マシントレーニング
マシンチェストプレス(大胸筋)ケーブルフライ(大胸筋)
スミスマシンベンチプレス(大胸筋)
マシンショルダープレス(三角筋)
ケーブルプレスダウン(上腕三頭筋)
ラットプルダウン(背筋群)
ケーブルローイング(背筋群)
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
ケーブルカール(上腕二頭筋)
マシンレッグプレス(下半身)
スミスマシンスクワット(下半身)
バーベルトレーニング
バーベルベンチプレス(大胸筋)バーベルショルダープレス(三角筋)
ナローベンチプレス(上腕三頭筋)
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルベントオーバーロウ(背筋群)
バーベルグッドモーニング(背筋群)
バーベルカール(上腕二頭筋)
バーベルスクワット(下半身)
