【バリスティック法】瞬発的動作のトレーニングで神経系を鍛え競技に筋力をフル活用する方法

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

baristick.jpg

バリスティックトレーニング法は、ウエイトトレーニングのなかで瞬発的な動作をすることで、筋肉を制御する神経系を強化し、持っている筋力を最大限に活用できるようにするためのトレーニング方法です。そのメリット・デメリットや具体的なやり方をご紹介します。

執筆者・監修者・運営者情報

バリスティックトレーニングのメリット

バリスティックトレーニング法のメリットは、神経系が強化されることにより、爆発的な瞬発動作が必要となる実際の競技において、ウエイトトレーニングで身につけた筋力を実践的にかつ効率的に発揮できるようになることです。

ウエイトトレーニングだけをしている人の身体が「見せる筋肉」などと言われるのは、筋肉の種類でなく、単に筋力を発揮する神経系を鍛えていないからなのです。

スポンサーリンク

バリスティックトレーニングの注意点

一方、バリスティックトレーニングにも注意点やデメリットがあります。まず第一に、瞬発的で高負荷のウエイトを扱うため、怪我のリスクが高まります。軽めの重量でしっかりと正しいフォームを身につけてから高重量でトレーニングしましょう。

また、バリスティックトレーニングは全身のバネを使って動作します。これは、言い換えると「全身の反動を使っている状態」です。このため、個々の筋肉に対しては通常のウエイトトレーニングのような負荷はかからず、筋肥大・筋力トレーニングとしては不向きになります。

筋肥大・筋力向上は通常のウエイトトレーニングで養い、その筋肉を使うための神経系訓練がバリスティックトレーニングであると頭の中を整理しましょう。

具体的なバリスティックトレーニング

ここからは、代表的なバリスティックトレーニングを、自重トレーニング、フリーウエイトトレーニングから厳選してご紹介します。

トゥタッチプッシュアップ

自重トレーニングのなかでも、特に上半身や体幹前面に効果的なのが、こちらの動画のようなトゥタッチプッシュアップです。

ジャンピングスクワット

また、自重トレーニングでも下半身強化に最適なバリスティックトレーニングが、こちらの動画のようなジャンピングスクワットになります。しゃがんだ時に膝がつま先より前に出すぎないように注意してください。

ダンベルクリーン

ダンベルを用いた全身のバリスティックトレーニングの代表的な種目がダンベルクリーンです。腰から上だけでなく、下半身のバネも使うように意識してください。

ケトルベルクリーン

ダンベルクリーンと似ていますが、ケトルベルはグリップ部とウエイトの重心がずれているため、ダンベルよりも制御が難しく、その分、体幹インナーマッスルの強化に優れています。

バーベルクリーンプレス

最後にご紹介するのが、バーベルクリーンプレスです。全身の筋肉ほぼ全てを使う種目ですので、バリスティックトレーニングのなかでも最高強度のトレーニングになります。

なお、本種目はリスクの高い種目です。十分なスペースのとれるトレーニングジムなどで、トレーナーの指導のもとに行うことを推奨します。

スポンサーリンク

さまざまな筋トレメソッド

weights-664765_960_720_20161102064100da6.jpg

筋トレ効果を高める各種のメソッド・トレーニング方法を詳細解説したものが下記の記事です。刺激を変えたい、さらに追い込みたいときなどに是非ご活用ください。

▼関連記事

【筋トレ効果を高めるメソッド】効率的に筋肉を追い込むテクニック集

筋トレ効率を上げる基本理論

もう一度基本を見直すことも大切

weights-820144_960_720_20160626195216fdf.jpg

トレーニングの効率を上げて成果を出すためには、様々なセット法を試す以外にも「トレーニング理論の基本を見直す」ことも大切です。

トレーニング種目を実施する順序

トレーング種目を実施する順序は、コンパウンド種目(複数の筋肉と関節を動かす多関節運動種目)を先に行い、その後でアイソレーション種目(単一の筋肉と関節を動かす単関節運動)を行うのが基本です。また、複数のコンパウンド種目・アイソレーション種目を実施する場合は、それぞれ使用重量の高い種目から先に行います。

トレーニング動作と首の連動性

トレーニングフォーム全般において重要となるのは、実施する種目の動作と首の位置関係を適切に保つことです。特に、身体の前側の筋群(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋など)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで軽く顎を引き、首を安定させることが有効です。

一方で、身体の後ろ側の筋群(広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋・脊柱起立筋・ハムストリングスなど)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで首の位置をわずかに後方へ誘導し、顎の角度を適切に調整することで動作が安定します。

トレーニング動作と呼吸

トレーニング動作における呼吸タイミングも重要な要素です。一般に、筋肉は息を吐く局面で収縮が高まり、息を吸う局面で弛緩しやすくなります。そのため、動作フィニッシュの位置では息をしっかり吐いて筋活動を安定させ、いったん動作を止めてから息を吸い、元の姿勢へ戻る流れを作ることが有効です。

その他の筋トレ基本理論

筋トレの挙上速度|筋力向上と筋肥大それぞれに適切な動作
筋力トレーニングにおいて、その目的別(筋力向上・筋肥大)に適切な挙上動作速度について解説します。まずは、筋繊維の種類と特徴について解説します。筋繊維の種類と特徴筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、そ
【インターバル】筋トレ目的別(筋力向上・筋肥大・シェイプアップ)の適切なセット間の時間
筋トレ目的=筋力向上・筋肥大・シェイプアップそれぞれに適切なセット間インターバルについて解説します。きっちりとトレーニング効果を出したいのなら、インターバルの時間も管理するほうが効率的です。筋繊維の基本特性筋トレで限界まで挙上するようなセッ...
筋トレの適正セット数|1セットあたりと1日あたりそれぞれに解説
筋肥大にとって最適とされる1種目あたりのセット数および1日あたりの総セット数の目安について解説します。1種目あたりの有効なセット数1セットよりも複数セットが有効スポーツ科学・生理学の分野で一般的に有効と考えられているのが、「トレーニング種目...
スポンサーリンク

停滞期を突破するには食事の見直しも大切

筋肥大の停滞期に重要なのは、筋肉を騙すトレーニング法だけではありません。

筋トレの効果を出すための基本である食事メニューを見直すのも非常に重要です。

まず、筋トレをして筋肥大するためには体重あたり2gの純タンパク質が必要とされています。つまり、70kgの人の場合、一日に140gの純タンパク質(肉類に換算して700g)とかなり多く、この量を摂りきれていないために筋肥大が停滞しているケースも少なくありません。

なお、筋トレと食事に関する情報は多岐にわたりますので、下記の記事をご参照ください。

▼関連記事

【筋トレの食事メニューレシピ例紹介】バルクアップ・シェイプアップそれぞれに最適なカロリー・栄養素比率

筋肉部位別ストレッチ法

筋トレと合わせて行うことで、トレーニング効果を高めてくれるのがストレッチです。ストレッチを行うタイミングはトレーニング前・トレーニング中・トレーニング後ですが、それぞれに異なる意味があります。

下記の記事では、全身の筋肉部位別のストレッチ方法を、大胸筋・背筋群(僧帽筋・広背筋)・三角筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋・大腿筋群それぞれに動画をまじえて詳しく解説しています。

また、筋トレにおけるストレッチの効果と行うのに最適なタイミングもご紹介していますので、ご参照ください。

▼関連記事

【筋肉部位別ストレッチ方法】大胸筋・背筋・三角筋・上腕・大腿別に動画で解説

本サイト「GLINT」は、2019年より筋力トレーニングと運動生理学および生物学に関する専門情報を継続して公開しています。競技経験に基づく実践的な知識と、博物館学芸員としての科学的根拠を重視した解説をもとに、正確で信頼できる情報の提供を目指しています。

競技者が本音で解説シリーズ


当サイト運営ショップ

マズレンコ製作所日本正規輸入代理店


当サイト協賛ショップ

高品質トレーニングギア武器屋・鬼・GLFIT


当サイト提携ジムONI GYM 24
ONIGYM24大阪店ONIGYM24東京店

人気製品・記事

人気のベルトがフルラインナップ! 

愛用ベルトが最新式になるバックル

試合や高重量トレーニングに最適化

北米に続き日本でもブレイク開始
マシン筋トレの疑問を解決する記事

自宅トレーニングに必要不可欠な器具

スポンサーリンク

当サイト運営ジムで実際に使用している用品

記事制作©FutamiTC/MazurenkoJapan


筋肉知識
マズレンコ製作所公式ブログ|筋トレ専門サイトGLINT