
筋トレBIG3と呼ばれるベンチプレス・デッドリフト・スクワットを中心に、そのバリエーションや全身の筋肉部位別のトレーニング方法・種目を解説します。
※筋トレと食事に関するネット情報はさまざまですが、当サイトでは下記の公的機関の情報に基づいて記載しています。
▼筋トレと食事についての情報
バーベルの基礎知識
シャフト・スリーブ・プレート・カラーなどから構成される

バーベルは、シャフト(握る部分)・プレート(ウエイト)・スリーブ(プレートを取り付ける部分)・カラー(プレートを止める部品)から構成されており、パワーリフティングやウエイトリフティングなどのバーベル公式競技では、これら全てを足した重量が試技重量となります。
シャフトの太さは直径28mmで、スリーブには28mmと50mmのものがあります。前者をノーマルシャフト、後者をオリンピックシャフト(オリンピック競技で使用されることから)と呼びます。
プレートにも28mm用と50mm用があり、その重量は1.25kg・2.5kg・5kg・7.5kg・10kg・15kg・20kg・30kgが一般的です。また、カラーには1.25kg・2.5kg・5kgなどのものがあり、これらを組み合わせて2.5kg刻みで重量を作っていきます。
バーベルトレーニングのメリット
高重量高負荷で筋肉を鍛えられる
バーベルトレーニングの最大のメリットは、両手でウエイトを保持することにより安定するので、ダンベルなどに比べると高重量を扱うことが可能で、より高負荷で筋肉を鍛えることができる点です。
体幹インナーマッスルも同時に鍛えられる
バーベルトレーニングはウエイトのブレや揺れを自身で支えて止めながら筋トレをしなくてはいけません。これにより、ブレがレールに支えられたマシントレーニングに比べると、はるかに体幹インナーマッスルが強化されます。
全身の筋肉を分類
各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)
上半身の押す筋肉・上半身の引く筋肉・下半身の筋肉

全身の筋肉部位別のバーベル種目を解説するために、まずは、全身の筋肉を簡単にご紹介します。全身の筋肉は、大きく以下のようなグループに分けられ、今回ご紹介するのは体幹の筋肉グループを除いた3つのグループのトレーニング方法です。
上半身の押す筋肉グループ:大胸筋・三角筋・上腕三頭筋・前腕伸筋群など
上半身の引く筋肉グループ:僧帽筋・広背筋。上腕二頭筋・前腕屈筋群など
下半身の筋肉グループ:大臀筋・大腿四頭筋・大腿二頭筋・下腿三頭筋など
体幹の筋肉グループ:長背筋群・腹筋群・腸腰筋群・回旋筋腱板など
トレーニング目的別の負荷回数設定
ターゲットにする筋繊維に最適な反復回数

筋肉を構成している筋繊維には主に三種類があり、それは、筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)、筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)、筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)で、それぞれの特徴と鍛えるのに適切な反復回数は以下の通りです。
筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)
筋肥大を目的とした筋力トレーニングを実施する場合は、筋肥大しやすい特性を持つ「筋繊維タイプ2b(短時間に爆発的な収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には8~10回前後の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)
体力作りを目的とした筋力トレーニングを実施する場合は、中程度に筋肥大する特性を持つ「筋繊維タイプ2a(持久要素のある瞬発的な収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には12~15回前後の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)
筋肥大を伴わない筋力トレーニングを実施する場合は、ほぼ筋肥大せずに緊密度が向上する特性を持つ「筋繊維タイプ1(持久的に収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には20回以上の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
トレーニングの基本理論
トレーニング種目を実施する順序

トレーング種目を実施する順序は、コンパウンド種目(複数の筋肉と関節を動かす多関節運動種目)を先に行い、その後でアイソレーション種目(単一の筋肉と関節を動かす単関節運動)を行うのが基本です。また、複数のコンパウンド種目・アイソレーション種目を実施する場合は、それぞれ使用重量の高い種目から先に行います。
トレーニング動作と首の連動性

トレーニングフォーム全般において重要となるのは、実施する種目の動作と首の位置関係を適切に保つことです。特に、身体の前側の筋群(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋など)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで軽く顎を引き、首を安定させることが有効です。
一方で、身体の後ろ側の筋群(広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋・脊柱起立筋・ハムストリングスなど)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで首の位置をわずかに後方へ誘導し、顎の角度を適切に調整することで動作が安定します。
トレーニング動作と呼吸

トレーニング動作における呼吸タイミングも重要な要素です。一般に、筋肉は息を吐く局面で収縮が高まり、息を吸う局面で弛緩しやすくなります。そのため、動作フィニッシュの位置では息をしっかり吐いて筋活動を安定させ、いったん動作を止めてから息を吸い、元の姿勢へ戻る流れを作ることが有効です。
一週間のトレーニングプログラムの組み方
筋トレと超回復の関係を知る

ここからは、これまでご紹介した筋トレメニューを組み合わせて、具体的に効果の高い一週間のトレーニングプログラムについて解説していきますが、トレーニングプログラムを組むためには、まずは筋肉の持つ「超回復」という性質を理解する必要があります。
筋肉は筋トレなどで強い負荷を受けると、その筋繊維が破壊されます。そして、回復するときに、筋トレ前より筋繊維は強くなって回復する特徴がありますが、この性質を「超回復」と言います。超回復にかかる時間は、筋肉部位や年齢によって異なりますが、一般的に以下のようになります。
筋肉部位別の超回復期間

・72時間:背筋群・大腿筋群
・48時間:大胸筋・上腕筋群
・24時間:腹筋群・前腕筋群・下腿筋群
これらの超回復期間を考慮すると、一つの筋肉部位に対して筋トレをできるのは、腹筋群・前腕筋群・下腿筋群をのぞくと一週間に1~2回程度になります。ただし、この回復期間は上級者が行うような食事・栄養を補う食品補給と筋トレ中心の生活スタイルをした場合なので、一般的には「一つの筋肉部位は週に一回鍛える」のが最適になります。
このため、全身の筋肉を、その共働グループごとに分け、一週間をかけて全身を鍛えていく「部位分割トレーニング法」=「スプリットトレーニング」が最も理想的なプログラムです。
週3回のバーベル筋トレの具体例
週一回目:胸筋系の筋トレメニュー

①バーベルベンチプレス:3セット
②バーベルショルダープレス:2セット
③バーベルナローベンチプレス:2セット
④バーベルプルオーバー:2セット
⑤バーベルアップライトロー:2セット
⑥腹筋種目:3セット
さらに詳しい胸筋系部位別筋トレ
【大胸筋の筋トレ大全】上部・下部・内側・外側の鍛え方を完全解説
【肩の筋トレ大全】三角筋前部・中部・後部とローテーターカフの鍛え方
【上腕三頭筋の筋トレ大全】長頭と短頭それぞれの鍛え方を完全解説
週二回目:下半身の筋トレメニュー

①バーベルスクワット:5セット
②バーベルフロントランジ:3セット
③バーベルサイドランジ:3セット
さらに詳しい下半身の部位別筋トレ
【下半身の筋トレ大全】大腿四頭筋・ハムストリングスの鍛え方を完全解説
週三回目:背筋系の筋トレメニュー

①バーベルデッドリフト:3セット
②バーベルベントオーバーロー:2セット
③バーベルプルオーバー:2セット
④バーベルショルダーシュラッグ:2セット
⑤バーベルドラッグカール:2セット
⑥バーベルカール:2セット
⑦腹筋種目:3セット
さらに詳しい背筋系部位別筋トレ
【背中の筋トレ大全】僧帽筋・広背筋・長背筋の鍛え方を完全解説
【上腕二頭筋の筋トレ大全】長頭と短頭それぞれの鍛え方を完全解説
さらに詳しい腹筋部位別筋トレ
週2回のバーベル筋トレの具体例
週一回目:胸筋系+大腿四頭筋の筋トレメニュー


①バーベルスクワット:3セット
②バーベルベンチプレス:3セット
④バーベルショルダープレス:1セット
⑤バーベルナローベンチプレス:1セット
⑥バーベルフロントレイズ:1セット
⑦バーベルアップライトロー:1セット
⑧バーベルフレンチプレス:2セット
⑨ケーブルクランチ:3セット
週二回目:背筋系の筋トレメニュー


①バーベルデッドリフト:3セット
②バーベルベントオーバーロー:3セット
③バーベルショルダーシュラッグ:1セット
④バーベルプルオーバー:1セット
⑤バーベルスティッフレッグドデッドリフト:2セット
⑥バーベルカール:3セット
⑦ケーブルサイドベントorトルソーマシンツイスト:2セット
週4回のバーベル筋トレの具体例
週一回目の筋トレ(胸+腹)
①バーベルベンチプレスを2~3セット
②バーベルデクラインプレスを1~2セット
③バーベルワイドグリッププレスを1~2セット
④バーベルインクラインプレスまたはバーベルリバースグリッププレスを1~2セット
⑤マシンチェストフライまたはケーブルフライを1~2セット
⑥ケーブルクランチを2~3セット
⑦ケーブルサイドベントまたはトルソーマシンツイストを2~3セット
週二回目の筋トレ(下半身)
①バーベルスクワットを2~3セット
②バーベルフロントランジまたはバーベルスティッフレッグドデッドリフトを2~3セット
③バーベルサイドランジを2~3セット
④マシンレッグエクステンションを2~3セット
⑤マシンレッグカールを2~3セット
週三回目の筋トレ(背筋+腹)
①バーベルデッドリフトを2~3セット
②バーベルベントオーバーローを2~3セット
③バーベルプルオーバーを2~3セット
④バーベルショルダーシュラッグを2~3セット
⑤バーベルグッドモーニングを2~3セット
⑥ケーブルクランチを2~3セット
⑦ケーブルサイドベントまたはトルソーマシンツイストを2~3セット
週四回目の筋トレ(肩+腕)
①バーベルショルダープレスを2~3セット
②バーベルアップライトローを1~2セット
③ケーブルフェイスプルまたはバーベルリアデルタローイングを1~2セット
④バーベルナローベンチプレスを2~3セット
⑤バーベルフレンチプレスを1~2セット
⑥バーベルカールを1~2セット
⑦バーベルドラッグカールを1~2セット
大胸筋のバーベル筋トレ
大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜
大胸筋のバーベルトレーニングメニュー
バーベルベンチプレス

大胸筋・三角筋・上腕三頭筋と上半身の押す筋肉グループ全体に効果の高いのが、筋トレBIG3の一つベンチプレスです。
肩甲骨をしっかりと寄せ、肘がバーの真下にくるようにコントロールして挙上を行うのがポイントです。
また、軽くアーチを作り(ブリッジを作り)行うことで、より効率的なトレーニングが化膿になります。
◆バーベルベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
ストリクトに効かせるためには、勢いをつけてシャフトをバウンドさせないようにすることと、腰を浮かせないようにすることが大切です。
なお、ベンチプレスは上半身の押すトレーニング全ての基本となるバーベル筋トレ種目ですので、はじめから自己流でやらず、専門家の正しいやり方・フォームなどを知ってから取り組むことが大切です。
バーベルインクラインベンチプレス

バーベルインクラインベンチプレスは大胸筋上部に対して効果の高い種目です。ブリッジを作ると挙上方向が通常のベンチプレスと同様になってしまうので、あまり高いブリッジはおすすめしません。
また、セット終盤で腰を浮かせがちですが、これも大胸筋上部に効果のある軌道からずれることになりますので、ベンチにしっかりと背中をつけて行ってください。
◆インクラインベンチプレスのやり方と動作ポイント
①インクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋上部と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
腰を浮かせると、せっかくの大胸筋上部に効果のある軌道が失われますので、最後までしっかりとベンチに腰をつけて行なってください。
バーベルリバースグリップベンチプレス

インクラインベンチがない場合でも大胸筋上部に負荷を加えられるのが、リーバースグリップベンチプレスです。
どうしても、ラックアウトが不安定になりますので、必ずセーフティーバーを用い、できれば補助者をつけて行ってください。
◆リバースグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、60~70cm前後の手幅でシャフトを逆手にグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる(補助者をつけることを推奨)
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋上部と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
補助者がいない場合は、通常グリップでラックアウトして、いったんシャフトをセーフティーバーの上に置き、グリップを逆手に握りなおしてから行うことをおすすめします。
バーベルデクラインベンチプレス

バーベルデクラインプレスは大胸筋下部に効果的なトレーニング種目です。限界近くでブリッジを強くする(やや腰を浮かせるの)ことでさらに追い込むことが可能です。
また、さらに追い込みたい場合は、大きく腰を浮かせるのも一つの手段ですが、それよりは補助者をつけることをおすすめします。
◆デクラインベンチプレスやり方と動作ポイント
①デクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
ワンポイントアドバイス
セット終盤で少しだけ腰を浮かせることで、セルフ補助が可能ですが、はじめから腰浮きありきの重量設定はおすすめしません。
ワイドグリップベンチプレス

ワイドグリップベンチプレスは大胸筋外側に効果の高いベンチプレスのバリエーションで、通常のベンチプレスより拳一つ分ほど広くグリップ幅をとって行います。
なお、肘を張りだしすぎると肩を痛めるリスクがありますので注意してください。
◆ワイドグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、90cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
本種目は、肩甲骨の寄せが甘いと、特に肩関節に大きな負担がかかりますので注意してください。
ベントアームプルオーバー

大胸筋全体に縦方向の刺激を与えられるだけでなく、胸郭の拡張にも効果的なのがベントアームプルオーバーです。広背筋ターゲットのストレートアームプルオーバーと違い、肘を曲げるのが大きな特徴です。
大胸筋のトレーニングだけでなく、大胸筋の土台となる胸郭を広げる効果もありますので、大胸筋トレーニングの仕上げとして組み込みたい種目と言えます。
◆バーベルベントアームプルオーバーのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肘を曲げてバーベルを胸の上で構える
②肩甲骨を寄せながら、肘を曲げたままダンベルを頭の後ろに下ろす
③肘を曲げたまま、肩甲骨を開きながらバーベルを上げていく
④ダンベルを元の位置まで上げたら、肘を絞り、やや顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
大胸筋に効かせるためには、動作中常に胸の筋肉の動きを意識するようにしてください。
胸郭トレーニングも大事
大胸筋の土台を広げるメソッド
また、大胸筋を発達させていくためには、大胸筋自体の筋トレだけでなく、その土台となる胸郭を広げていくことも非常に重要です。
▼胸郭の拡張トレーニング
【胸郭を広げる方法】胸囲100cmを超え110cmサイズの胸周りになるための筋トレメソッドを公開
三角筋のバーベル筋トレ
三角筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:さんかくきん
英語名称:deltoid muscle
部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面
三角筋のバーベルトレーニングメニュー
バーベルショルダープレス

三角筋のバーベルトレーニングの基本となるのがバーベルショルダープレスです。反動を使うと刺激が体幹に逃げてしまうので、立って行うよりも座って行うシーテッドプレスがおすすめです。
また、肘が体幹より後ろにくるフォームで行うと肩を痛めるリスクがありますので注意してください。
◆バーベルショルダープレスのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、肩の高さでシャフトをグリップして構える
②背中が丸くならないように視線を上に向け、腕を上に押し出していく
③腕を押し出したら、腕をしっかりと伸ばし三角筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
三角筋は背筋や大胸筋に隣接しているため、肩甲骨を動かしてしまうと負荷がそれらの体幹表層筋に逃げてしまいますので、セット中は肩甲骨を動かさないことが大切です。
バーベルアップライトロー

三角筋の筋トレは、大胸筋や背筋群と隣接しているため負荷が体幹に逃げやすく、三角筋を的確に鍛えるのはやや慣れが必要ですが、このバーベルアップライトローはあまりテクニックが必要なく、初心者の方におすすめの方法です。
上体を反らせたり、肩甲骨を寄せて背筋を使ったりしないように意識して行ってください。
◆バーベルアップライトローのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②肘を先行させて、肩甲骨を寄せないように気をつけて、バーベルを真上に引き上げていく
③バーベルを肩の高さまで引き上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。
バーベルフロントレイズ

バーベルフロントレイズは数少ないバーベルで三角筋前部を集中的に鍛えることのできる種目です。反動を使ったりのけぞると背筋群に刺激が逃げてしまいますので気をつけてください。
また、膝の屈伸を使っても負荷が全身に分散しますので、直立して行える重量設定をすることが大切です。
◆バーベルフロントレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにバーベルを前に上げていく
③バーベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
バーベルリアデルタローイング

バーベルリアデルタローイングは三角筋後部を集中的に鍛えることのできる種目です。通常のバーベルローイングと違い、肘を張り出し、背筋群をできるだけ使わずに胸に向けてバーベルを引き上げます。
腰に不安のある方は、インクラインベンチにうつ伏せにもたれて動作を行うとよいでしょう。
◆バーベルリアデルタローイングのやり方と動作ポイント
①前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せないように気をつけてバーベルを引き上げていく
③バーベルを肩の高さまで引き上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
上腕三頭筋のバーベル筋トレ
上腕三頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:じょうわんさんとうきん
英語名称:triceps
部位詳細:長頭|外側頭|内側頭
起始:肩甲骨関節下結節|上腕骨後面|上腕骨後面
停止:尺骨肘頭
上腕三頭筋のバーベルトレーニングメニュー
バーベルナローグリップベンチプレス

上腕三頭筋を鍛えるためのバーベル筋トレの基本となるのがナローグリップでのベンチプレスです。肘を閉じて行うと上腕三頭筋長頭に、やや開いておこなうと内側頭と外側頭に効果があります。
なお、肘を開くフォームではグリップ幅を狭くしすぎると手首関節に負担がかかりますので、肩幅より拳一つ分程度グリップを狭めるにとどめることをおすすめします。
◆ナローグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、60~70cm前後の手幅でシャフトをグリップして構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
肘を外に張り出すと上三頭筋短頭に、肘を絞って行うと上腕三頭筋長頭に効果があります。
バーベルトライセプスエクステンション

複合関節運動・コンパウンド種目のあとに、上腕三頭筋を追い込むのに最適なのが単関節運動・アイソレーション種目がバーベルトライセプスエクステンション(バーベルフレンチプレス)です。
図のようにベンチに仰向けになって行うとライイング形式はどちらかと言えば上腕三頭筋短頭に効果があります。
上腕三頭筋長頭は肩甲骨と接合しているという特性があり、完全伸展→完全収縮のフルレンジで鍛える場合は、ベンチに座り頭上に肘を上げて行うシーテッド形式のほうが効果的です。
◆バーベルフレンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肘を曲げ、バーベルを顔の上で保持して構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、肘を伸ばしていく
③しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと大胸筋に負荷が逃げてしまうので、肘の位置をしっかりと固定して行うことが大切です。
前腕伸筋群のバーベル筋トレ
バーベルリバースリストカール

前腕筋群は他の多くの筋肉部位と筋繊維の組成が違うので、20~30回で限界がくるハイレップの重量設定で行ってください。
背筋群のバーベル筋トレ
広背筋と僧帽筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:こうはいきん
英語名称:latissimus dorsi muscle
部位詳細:上部|下部
起始:下位第6胸椎~第5腰椎の棘突起・肩甲骨下角第9~12肋骨|正中仙骨稜・腸骨稜後方
停止:上腕骨小結節稜

読みかた:そうぼうきん
英語名称:trapezius muscle
部位詳細:上部|中部|下部
起始:後頭骨上項線・外後頭隆起・頚椎棘突起|第7頚椎・第1~3胸椎棘突起|第4~12胸椎棘突起
停止:肩甲棘・肩峰
広背筋と僧帽筋のバーベルトレーニングメニュー
バーベルデッドリフト

背筋群に効果が高く、基本トレーニングと言えるのが筋トレBIG3の一つでもあるデッドリフトです。足を閉じ気味にし外側でバーをグリップする「ルーマニアンデッドリフト」と足を大きく開き内側でバーをグリップする「スモウデッドリフト」の2種類があります。
手足の長い人は前者、短い人は後者が向いています。また、競技ではなくトレーニングとして行う場合は、ルーマニアンデッドリフトのほうがおすすめです。
膝がつま先より前に出ないこと、胸を張り背中を反らせること、やや視線を上にすることが主なポンとです。また、高重量では左右の手を互い違いに保持するオルタネイトグリップがおすすめです。
◆バーベルデッドリフトのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、足を肩幅程度に開き、膝がつま先よりも前に出ないようにお尻を突き出し、足の外側でシャフトをグリップして構える
②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、バーベルが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりバーベルを引き上げていく
③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びバーベルルを引き上げていく
◆ワンポイントアドバイス
腰を曲げ、背中が丸まった状態で動作を行うと腰に対して大きな負担がかかりますので、視線を上に向け、背すじを伸ばすことを意識してください。
なお、デッドリフトもバーベル筋トレの基本となる種目ですので、はじめから自己流の癖をつけず、専門家による情報を知った上で取り組むことが大切です。
バーベルベントオーバーローイング

広背筋中央部と僧帽筋に効果的なのがバーベルベントオーバーローです。膝がつま先より前に出ないことに留意し、胸を張り背中を反らせるとともに、やや視線を上に向けて行うのが正しいフォームです。
また、バーベルを引いてくる軌道は「太ももをバーこすりながら」引き上げるフォームが正しいやり方になります。
◆バーベルベントオーバーローのやり方と動作ポイント
①前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら、太ももにシャフトを沿わせるようにしてバーベルを引き上げる
③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
腰に不安のある場合は、インクラインベンチを使ってうつ伏せに構えると腰への負担が大幅に軽減されます。
バーベルショルダーシュラッグ

僧帽筋を集中的に鍛えることのできるのがバーベルショルダーシュラッグです。肩甲骨を完全に寄せきることで僧帽筋も最大収縮します。
また、バーベルを下ろした時に背中を丸めると、負荷が分散するだけでなく、腰に負担がかかりますので注意してください。
◆バーベルショルダーシュラッグのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、肘を伸ばし腕を下ろした位置でシャフトをグリップして構える
②肘を伸ばしたまま肩甲骨を引き寄せてバーベルを引き上げていく
③肩甲骨を引き寄せたら、顎をやや上げて僧帽筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩関節や肘関節を動かしてしまうと、僧帽筋から負荷が逃げてしまいますので肩甲骨を寄せる動作だけに集中して行ってください。
バーベルプルオーバー

大胸筋狙いのプルオーバーと違い、肘を伸ばしてグリップを広くとるストレートアームプルオーバーは広背筋を中心とした背筋群に効果があります。
◆バーベルプルオーバーのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肘を伸ばして胸の上でバーベルを構える
②肘を伸ばしたまま、肩甲骨を開きながらバーベルを頭の後ろに下ろす
③肩甲骨を寄せながら、肘を伸ばしたままでバーベルを元の位置まで上げていく
④バーベルを上げたら、肘を外に張り出し肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
動作の最後に肩甲骨を寄せて背筋群を収縮させることが大切で、そのためには肘を外に張り出すようなテンションをかけます。
脊柱起立筋のバーベル筋トレ
脊柱起立筋の英語名称・構造・部位詳細

読みかた:せきちゅうきりつきん
英語名称:erector spinae muscle
部位詳細:腸肋筋|最長筋|棘筋
長背筋群=脊柱起立筋+多裂筋+回旋筋など
脊柱起立筋のバーベルトレーニングメニュー
バーベルグッドモーニング

背部インナーマッスルの脊柱起立筋に対して効果があるのが、バーベルグッドモーニングです。腹筋よりもその拮抗筋の脊柱起立筋群に効果のある種目です。
おじぎをしている仕草に動作が似ていることから、グッドモーニングの名称がつけられましたが、実際には頭は常に前を向いた状態で行ってください。
なお、脊柱起立筋はインナーマッスルですので、20回程度の反復ができる軽めの重量設定でトレーニングします。
また、反動を使ったり、腰を90度以上深く曲げると腰に強い負担がかかりますので、十分に注意してください。
◆バーベルグッドモーニングのやり方と動作ポイント
①バーベルを肩に担ぎ、背すじを伸ばして構える
②背中を丸めないように気をつけ、上半身を倒していく
③上半身を倒したら、ゆっくりと効かせながら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸くなると腰を痛めるリスクがありますので、前を見て背すじを伸ばした状態を保ってください。また、転倒のおそれがありますので、上半身は90度以上倒さないようにします。
上腕二頭筋のバーベル筋トレ
上腕二頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:じょうわんにとうきん
英語名称:biceps
部位詳細:長頭|短頭
起始:肩甲骨関節上結節|肩甲骨烏口突起先端
停止:橈骨粗面
上腕二頭筋のバーベルトレーニングメニュー
バーベルカール

上腕二頭筋の基本バーベル筋トレ種目がバーベルカールです。動画のようなEZバーを使うと手首に対する負担が軽減されるのでおすすめです。
本来、肘を曲げる動作には前腕の回旋動作が連動しています。それを直線軌道で真っ直ぐのバーを使って行うと、ねじれ負荷が手首関節に集中します。
直線のバーを使う場合は、手首関節保護のため(回旋動作ができるように)、小指を握り過ぎないようにしてください。
◆バーベルカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置で肩幅よりやや狭い手幅でシャフトをグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてバーベルを持ち上げていく
③ベーベルを持ち上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと僧帽筋に負荷が逃げやすくなりますので、しっかりと肘の位置を固定して行うことが大切です。
バーベルリバースカール

上腕二頭筋とその共働筋の上腕筋および前腕筋群にも効果の高いのがバーベルリバースカールです。この種目もEZバーの使用がおすすめです。
また、限界まで追い込む場合は、握力がなくなりバーベルを落としやすい種目ですので、リストストラップの使用をおすすめします。
◆バーベルリバースカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置で肩幅よりやや狭い手幅でシャフトを逆手でグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてバーベルを持ち上げていく
③ベーベルを持ち上げたら、手首を反らせて前腕筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
バーベルを持ち上げたポジションで手首を反らせることで、前腕筋群を強く収縮させることが可能です。
バーベルドラッグカール

本来、アイソレーション種目(単関節運動)であるバーベルカールに肘を引きこむ動きを加え、背筋も動員するコンパウンド種目(複合関節運動)としたのが、こちらのバーベルドラッグカールです。
肘を後ろに引くため、手首へのねじれ負荷を抑えて限界まで上腕二頭筋短頭を追い込むことが可能です。
◆バーベルドラッグカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置で肩幅よりやや狭くシャフトをグリップして構える
②肘を後ろに引きながら、肘を曲げてバーベルを持ち上げていく
③バーベルを持ち上げたら、同じ軌道でウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘関節を後ろに引くときに肩甲骨を寄せてしまうと負荷が僧帽筋に逃げてしまうので注意が必要です。
前腕屈筋群のバーベル筋トレ
バーベルリストカール

前腕筋群は他の多くの筋肉部位と筋繊維の組成が違うので、20~30回で限界がくるハイレップの重量設定で行ってください。
下半身のバーベル筋トレ
下半身の筋肉のの英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:でんきんぐん
英語名称:gluteus muscles
部位詳細:大臀筋|中臀筋|小臀筋
起始:腸骨稜・腸骨翼|腸骨翼殿筋面・腸骨稜|腸骨翼
停止:大腿筋膜外側部・大腿骨粗面|大腿骨大転子尖端|大腿骨大転子前面

読みかた:だいたいしとうきん
英語名称:quadriceps
部位詳細:大腿直筋|外側広筋|内側広筋|中間広筋
起始:腸骨下前腸骨棘・寛骨臼上縁|大腿骨大転子外側面・転子間線・殿筋粗面|大腿骨粗線内側唇|大腿骨前外側面
停止:膝蓋骨上縁・脛骨粗面|膝蓋骨上外側縁・頸骨粗面|膝蓋骨上内側縁・脛骨結節|膝蓋骨・頸骨粗面

読みかた:はむすとりんぐす
英語名称:hamstrings
部位詳細:大腿二頭筋長頭|大腿二頭筋短頭|半膜様筋|半腱様筋
起始:坐骨結節|大腿骨粗線外側唇・外側筋間中隔|坐骨結節|坐骨結節内側面
停止:腓骨頭|腓骨頭|脛骨内側顆・斜膝窩靭帯|脛骨粗面内側

読みかた:かたいさんとうきん
英語名称:triceps muscle of calf
部位詳細:腓腹筋外側頭|腓腹筋内側頭|ヒラメ筋
起始:大腿骨外側上顆|大腿骨内側上顆|腓骨頭・脛骨後面
停止:踵骨隆起|踵骨隆起|踵骨隆起
下半身のバーベルトレーニングメニュー
バーベルスクワット

大臀筋・大腿四頭筋・大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋といった下半身の筋肉全体に非常に効果の高いのが筋トレBIG3の一つでもあり「キングオブトレーニング」とも呼ばれるバーベルスクワットです。
膝がつま先より前に出ないこと、胸を張り背中を反らせること、やや視線を上にすること、斜め後ろにしゃがむことなどが主なポイントです。
◆バーベルスクワットのやり方と動作ポイント
①足を肩幅程度に開き、背すじを伸ばし、バーベルをかついで構える
②膝がつま先よりも前に出ないように気をつけ、お尻を突き出しながらしゃがんでいく
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる
◆ワンポイントアドバイス
椅子に座る要領で動作をすると正しいフォームになります。また、背中が丸くならないように、視線をやや上に向けるのがコツです。
バーベルランジ

バーベルランジはハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)に効果的なバーベルトレーニング種目です。膝がつま先より前に出ないように注意して行ってください。
なお、後ろにした脚に意識を集中し、後ろ脚主働で動作を行うとより強くハムストリングスに負荷をかけられます。
◆バーベルランジのやり方と動作ポイント
①片側の足を前に出し、片側の足を後ろに引き、バーベルかついで構える
②前にした足の膝がつま先よりも前に出ないように、斜め後ろにしゃがんでいく
③前にした足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる
④所定回数を行った後、足の前後をかえて再び同様の動作を行う
◆ワンポイントアドバイス
前にした足を主働で行うと大腿四頭筋に、後ろにした足を主働で行うとハムストリングスに効果があります。
スティッフレッグドデッドリフト

膝をほぼ伸ばした状態でデッドリフトを行うスティッフレッグドデッドリフトは、ハムストリングスを集中的に鍛えることのできるバーベル筋トレ種目です。
高重量を追求するのではなく、軽めの重量でしっかりとハムストリングスのストレッチを行いながら効かせることがポイントです。
◆バーベルスティッフレッグドデッドリフトのやり方と動作ポイント
①足を閉じ、背すじを伸ばし、バーベルを保持して構える
②膝を伸ばしたまま、上半身を前に倒していく
③ハムストリングスに十分にストレッチをかけたら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
本種目は重量を狙うのではなく、いかにハムストリングスを丁寧にストレッチングさせるかが重要です。
バーベルサイドランジ

太ももの内側にあるインナーマッスルの内転筋群に効果的なのがバーベルサイドランジです。インナーマッスルは高重量で鍛えても怪我のリスクが上がるだけですので、20回程度の高レップ低負荷でトレーニングを行ってください。
◆バーベルサイドランジのやり方と動作ポイント
①足を大きく開き、バーベルをかついで構える
②片側の膝を曲げてしゃがんでいく
③曲げたほうの足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、伸ばしたほうの足で身体を引き寄せるようにして立ち上がる
④反対側にしゃがんでいく
◆ワンポイントアドバイス
曲げたほうの足を主働で行うと大腿四頭筋に、伸ばしたほうの足を主働で行うと内転筋群に効果があります。
下腿三頭筋のバーベル筋トレ
バーベルカーフレイズ

下腿三頭筋は前腕筋群と同じく、他の多くの筋肉部位と筋繊維の組成が違うので、20~30回で限界がくるハイレップの重量設定で行ってください。
筋トレBIG3のメリット
BIG3は最大筋力を最も効率よく高められる
BIG3の最大の強みは、最大筋力を短期間で効率よく高められる点にあります。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトはいずれも多くの筋肉を同時に動員する複合関節運動であり、身体が持つ潜在的な力を引き出しやすい構造になっています。高重量を扱えるため、中枢神経系の発達が促され、筋力全体の底上げにつながります。筋力向上においてBIG3ほど効率の良い体系はほとんどありません。
BIG3は全身の主要筋群を一度に鍛えられる
BIG3は全身の多くの筋群を同時に使うため、全身トレーニングとして非常に優れています。スクワットは下半身の大筋群と体幹、デッドリフトは背部と下半身の連動、ベンチプレスは胸・肩・腕の押す筋群を中心に強い刺激を与えます。複数部位を一度に鍛えられるため、トレーニング時間が限られている人でも効果を得ることができます。効率を考えるうえでBIG3は理想的な構成といえます。
BIG3は基礎代謝と筋量を大きく引き上げやすい
BIG3は大きな筋群を使う運動であるため、筋量の増加につながりやすく、基礎代謝を高める効果があります。特にスクワットとデッドリフトでは、多くの筋肉に高い張力がかかるため、筋肥大の基礎となる全身の筋量を効率よく増やすことができます。筋量が増えることで消費エネルギーが高まり、日常生活の代謝が向上し、身体づくり全体の土台が強化されます。
BIG3はスポーツパフォーマンスを高める基礎になる
BIG3で鍛えられる最大筋力と体幹の安定性は、多くのスポーツに共通する重要な要素です。スクワットで得られる下半身の発揮力、デッドリフトで養われる地面からの引き上げ力と姿勢保持能力、ベンチプレスで向上する押し出す力は、競技パフォーマンス全体の向上に直結します。BIG3は専門競技の前提となる基礎能力を効率よく高める優れた方法です。
BIG3は負荷調整が明確で成長を把握しやすい
BIG3は扱う重量が明確に数値化されるため、成長が把握しやすいというメリットがあります。自分がどれだけ力をつけているのか、前回との比較がどのように変化しているのかが数字として判断できるため、トレーニングの進歩を客観的に理解できます。成長が見えることはモチベーションの維持にもつながり、継続しやすいトレーニング体系を作り上げます。
BIG3は筋力と技術の両面で向上を楽しめる
BIG3は重量だけでなく技術の向上が結果に反映されるため、習熟する過程に楽しさがあります。フォームが安定すると重量が伸びやすくなり、重量が伸びるとさらに技術が洗練されるという相乗効果が生まれます。この「技術×筋力」の成長構造は、他のトレーニング種目では得にくいBIG3ならではの魅力です。
BIG3はトレーニング全体の基盤として活用しやすい
BIG3は補助種目との相性が良く、トレーニングプログラム全体の軸として使いやすいという特徴があります。BIG3で土台となる筋力と安定性を高め、その上に補助種目を積み重ねることで、身体全体のバランスが整い、トレーニング効果が高まります。初心者から上級者まで、トレーニングの中心に置く価値のある体系です。
筋トレBIG3のデメリット
BIG3は全身の筋肉を完全には鍛えられない
BIG3は非常に優れたトレーニング体系ですが、鍛えられる部位には偏りがあります。特に広背筋の下部や中部、上腕二頭筋、三角筋中部、内転筋群、腹筋群の細かな部分などは、BIG3だけでは十分に刺激が入りません。コンパウンド動作中心であるため、細かい筋群を狙った収縮が難しく、全身を完全に均等に鍛えるには補助種目が必要になります。この偏りはBIG3の明確な弱点のひとつです。
BIG3はフォームの再現性が難しく技術依存が強い
BIG3は高重量を扱いやすい反面、フォームの再現性を保つことが難しく、技術的な要素が非常に大きいという弱点があります。フォームがわずかに乱れるだけで負荷が異なる筋群に逃げたり、怪我のリスクが上がったりします。スクワットでは骨格差によって最適なフォームが大きく変わり、ベンチプレスでは肩を痛めやすく、デッドリフトでは腰部への負担が高くなります。技術の習得に時間がかかることは、BIG3の出力を安定させにくいという欠点につながります。
BIG3は疲労が極めて大きく回復コストが高い
BIG3は多くの筋群を同時に使うため、神経系と筋肉の双方に強い疲労を残します。特にデッドリフトは中枢疲労が顕著で、頻度を上げるとパフォーマンスが低下しやすくなります。回復力が高くない人や、仕事・家庭の負担が重い人にとっては、十分な回復を確保することが難しく、トレーニングの質を維持しにくいという問題が生じます。疲労の大きさはBIG3の隠れた弱点であり、適切な頻度管理が必須となります。
BIG3は怪我のリスクが高く安全性の確保が難しい
BIG3は高重量を扱う構造上、肩、腰、股関節、膝などの主要関節に大きな負荷が集中します。フォームが未熟な段階で重量を増やすと怪我につながるリスクが高くなります。特にデッドリフトでは腰部の負担が大きく、ベンチプレスでは肩関節の損傷が起こりやすく、スクワットでは膝と股関節に強いストレスがかかります。安全に行うには高度なフォーム理解だけでなく、設備や補助者の有無も大きな影響を与えます。
BIG3は環境と設備の依存度が高い
BIG3はバーベル、ラック、プレート、ベンチなどの設備が必要であり、自宅環境だけでは十分に行えない場合があります。器具を使わない自重トレーニングと比べると、環境整備のコストが高く、ジムに通える環境でなければ実施が難しくなります。また、混雑したジムではラックが空かず、計画どおりのメニューを組みにくいという問題も生じます。
BIG3は身体の長所と短所が結果に強く影響する
BIG3は骨格や体型との相性の影響が大きく、得意・不得意が明確に出るという弱点があります。四肢の長さ、体幹の長さ、股関節の構造、肩関節の可動域などによって、ある種目は強いのに別の種目では苦手というケースが普通に起こります。体型差による相性の違いを補正しにくい点は、BIG3の性能を安定させにくい要因となります。
BIG3は筋肥大の最適解ではない場合がある
BIG3は筋力向上に強く寄与しますが、筋肥大を最大化するための種目としては必ずしも最適ではありません。高重量・低回数の特性上、筋の伸張性刺激やトップレンジの張力を狙いにくい場面があり、部位によっては単関節種目のほうが肥大効率が高いことがあります。BIG3は強い土台を作る上では優れていますが、筋肥大目的だけで見れば補助種目の重要度が高くなることが弱点として挙げられます。
筋トレBIG3の歴史

筋トレBIG3の起源はストロングマン文化にある
筋トレBIG3であるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの原点は、19世紀後半のストロングマン文化にあります。当時は、床から重りを引き上げる、物を担いで立ち上がる、寝た姿勢から押し上げるといった、現在の筋力トレーニングの基礎となる動作が素朴な力試しとして披露されていました。これらの動作は形式こそ現代とは異なりますが、筋力発揮の本質を示すものとして後のBIG3へとつながっていきます。
20世紀初頭は重量挙げが主役だった
20世紀前半において、筋力競技の中心はオリンピック重量挙げでした。スナッチやクリーン&ジャークのような爆発的な挙上動作が国際的な競技として確立し、筋力を測る標準的な方法とされていました。一方で、現代のBIG3に相当する動きはまだ体系化されておらず、競技として扱われることもありませんでした。筋力トレーニングは存在していましたが、現在のような三種目の枠組みはまだ形成されていなかった時代です。
ベンチプレスは1950年代に急速に広まった
BIG3の中で最も早く一般層に広まったのはベンチプレスです。1950年代のアメリカでは家庭用バーベルセットが普及し、ジム文化が拡大する中で、ベンチプレスが胸を鍛える代表的な種目として急速に浸透しました。ベンチ台やラックが標準設備として定着し、ベンチプレスは筋力トレーニングの中心的な存在としての地位を固めていきます。
スクワットとデッドリフトは1960年代に技術として確立した
スクワットとデッドリフトが現在のように技術体系として整理され始めたのは1960年代後半です。スクワットではバーの担ぎ位置やしゃがむ深さが分析され、バックスクワットやフロントスクワットなどの形式が確立しました。デッドリフトでは足幅や背中の角度、握り方の研究が進み、コンベンショナルとスモウという二つのスタイルが明確に区別されるようになります。この時期に二つの種目が“技術としてのBIG3”の基礎を整えていきました。
BIG3は1970年代に競技として統一された
BIG3が三種目として正式に統一されたのは1970年代です。1972年にアメリカでパワーリフティングが独立した競技として成立し、1973年には国際パワーリフティング連盟(IPF)が設立されました。この流れにより、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目が競技の核として明確に定義され、世界的な統一ルールのもとで実施されるようになりました。
1980年代以降にBIG3は筋トレの基本として定着した
1980年代から1990年代にかけて、BIG3は競技としてだけではなく、一般の筋力トレーニングの基礎として広く浸透していきます。ボディビル文化の発展、ジム人口の増加、トレーニング理論の整備が進む中で、BIG3は全身を効率よく鍛えられる基本種目として強い支持を得るようになりました。この頃から、幅広いトレーニーがトレーニングの中心にBIG3を置くようになります。
2000年以降はBIG3が科学的トレーニングの中心となった
2000年代に入ると運動生理学や筋肥大研究が進み、BIG3は科学的分析の対象としてさらに重視されるようになりました。関節角度や筋活動の解析、RPEやRIRといった指標の普及、ボリューム管理の重要性などが明確になり、BIG3は筋力向上と筋肥大の双方において理論的基盤を持つ存在となりました。現代では、BIG3は単なる重量挙げではなく、科学に基づいたトレーニングモデルとして扱われています。
現在ではBIG3は筋トレ文化の共通言語となっている
今日のフィットネス界では、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目は競技者から一般トレーニーまで広く支持され、筋力トレーニングの中心的存在として扱われています。BIG3は、筋トレの歴史の中で最も研究が進み、最も多くの人々に実践されてきた種目であり、現在では筋トレ文化を象徴する“共通言語”となっています。
筋トレ効果を高めるストレッチ

筋トレの効率を良くし、効果を高めるためにはトレーニングの前・中・後それぞれにストレッチを行うことをおすすめします。筋トレ前・中・後のストレッチは効果や行う意味が違いますが、それは以下の通りです。
○筋トレ前:筋肉を温めるアップの効果があり、あわせて神経系を運動をするモードに切り替える意味があります。
○筋トレ中:筋肉が冷めるのを防ぎ、血行を上げ疲労物質が蓄積するのを予防しパフォーマンス維持の意味があります。
○筋トレ後:筋肉を冷まし、緊張した筋肉の収縮感を取り除くことで神経系を休息モードに切り替える意味があります。

ストレッチの基本的なやり方として、ストレッチをする対象筋肉の作用と収縮方向を理解し、その筋肉の逆方向に伸ばしてストレッチを行います。
また、反動を使ったようなやり方は怪我のリスクがあるため、ゆっくりと静かに少しずつストレッチをしていくことが非常に重要です。
自宅でバーベル筋トレをするための器具類
自宅でバーベルトレーニングを行う場合、バーベルのほかに各種ラック類が必要になります。
ベンチプレス台

もっともリーズナブルにホームジムを作る場合、ベンチプレス台だけを準備し、後はバーベルを床置きでトレーニングを行うことになります。ただし、高重量スクワットができないのが難点です。
おすすめの家庭用ベンチ台は、競技規定グリップがとれるこちらのワイドタイプのもので、当ジムでもベンチプレス選手が使用しています。150kg程度の重量ならびくともしません。セーフティーバーも付属しているので単独トレーングでも安心です。
パワーラック

ベンチプレス・デッドリフト・スクワットのバーベルBIG3種目をきっちりと行う場合、やはり必要不可欠なのがパワーラックです。最近はこちらのようなコンパクトタイプも人気です。

懸垂なども含めた、総合的な自宅トレーニングを考えると、こちらのようなフルタイプのパワーラックが必要になってきます。簡易型のラットマシンが付属するタイプも人気です。
カール台

スペースに余裕があれば、是非とも揃えたいのがカール台ですが、パワーラック+カール台になってくると広さとして、専用のトレーニングルームが必要になってきます。

カール台のかわりに、アームブラスターを使用するのが現実的かもしれません。
全バーベル筋トレ種目一覧
大胸筋の筋トレメニュー
バーベルベンチプレス
バーベルインクラインプレス
バーベルデクラインプレス
バーベルワイドグリッププレス
バーベルリバースグリッププレス
背筋の筋トレメニュー
バーベルデッドリフト
バーベルベントオーバーロー
バーベルプルオーバー
バーベルショルダーシュラッグ
三角筋の筋トレメニュー
バーベルフロントレイズ
バーベルアップライトロー
バーベルリアデルタローイング
