
フレンチプレスの方法別(自重・チューブ・ダンベル・マシン・バーベルなど)の種類と特徴、男性の筋肥大向き・女性のシェイプ向きそれぞれのやり方(重量回数設定・セットの組み方)を解説します。
この種目が効果のある筋肉部位
各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)

この筋トレ種目の対象となる筋肉は主に次の部位です。
上腕三頭筋
なお、さらに詳しい筋肉名称と作用については下記のデジタル図鑑をご参照ください。
▼デジタル筋肉図鑑
【筋肉名称デジタル図鑑】各部位(胸筋・背筋・肩・腕・腹筋・脚)の名前・作用・筋トレ方法
筋繊維の種類と筋トレの反復回数

筋トレ対象となる筋肉=骨格筋は、筋繊維が束状になり構成されています。そして、その筋繊維は主に2種類(速筋と遅筋)に分類され、さらに速筋は2タイプ(TYPEⅡa・TYPEⅡb)に分類されます。これらの各筋繊維タイプにはそれぞれに特性があり、トレーニングに対する反応や適正な負荷回数設定も異なります。
①遅筋(筋繊維タイプⅠ)
60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。
②速筋(筋繊維タイプⅡa)
30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。
③速筋(筋繊維タイプⅡb)
30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
▼厚生労働省公式ページ
参照記事:筋トレ目的別の適切な負荷回数設定
以上のことから、男性の筋肥大向きトレーニング・女性のシェイプ向きトレーニングでの重量回数設定は以下のようになります。
男性の筋肥大筋トレ
10回前後の反復で限界が来るような中~高負荷設定
女性のシェイプアップ筋トレ
20回前後の反復で限界が来るような低負荷設定
筋トレの種類とそれぞれの特徴

筋トレ=筋力トレーニングの種類には大きく5種類があります。それは「自重トレーニング」「ダンベル筋トレ」「バーベル筋トレ」「マシントレーニング」「体幹トレーニング」です。これに加えて、最近では「チューブトレーニング」「バランスボール筋トレ」なども盛んになってきています。
トレーンニングの種類やそれぞれの特徴・長所・短所は下記の通りです。
自重トレーニング
器具なしで簡単に取り組めますが、単一の筋肉だけを鍛えることができません。
ダンベル筋トレ
全身を自宅でくまなく鍛えられますが、ジム筋トレほどの高負荷トレーニングはできません。
バーベル筋トレ
あらゆる筋トレの基本で効果的ですが、大きな器具類が必要になります。
マシントレーニング
マシンが動作軌道を支えるので高負荷で筋トレができますが、反面、インナーマッスルが発達しにくくなります。
体幹トレーニング
従来の筋トレが「動的トレーニング」なのに対し、体幹トレーニングは姿勢維持で鍛える「静的トレーニング」です。筋肥大にはむきません。
バランスボール筋トレ
不安定な状態で姿勢を維持することで、体幹インナーマッスルが鍛えられます。筋肥大にはむきません。
チューブトレーニング
伸びれば負荷が増加する「漸増負荷特性」により筋肉を最大収縮させることができ、仕上げ筋トレに最適です。
本種目の実施方法(フォームと注意点)
チューブフレンチプレス

チューブフレンチプレスは上腕三頭筋の基本となる種目です。
肘の位置を動かしてしまうと、負荷が大胸筋や背筋群に分散してしまうので、肘の位置をしっかりと固定して動作を行うことがポイントです。
図のようなベンチに仰向けになって行うライイングスタイルのほかに、立って頭上でトレーニングチューブを保持するスタンディングスタイルもあります。
ダンベルフレンチプレス

ダンベルフレンチプレスは主に上腕三頭筋短頭に強い負荷を加えられる種目です。肘を閉じ気味にすると内側寄りに、肘を開き気味にすると外側寄りに負荷がかかります。
図のように立って行うダンベルフレンチのバリエーションをオーバーヘッドダンベルフレンチはとも呼び、肩甲骨に接合している上腕三頭筋に特に有効です。
また、トレーニングベンチに仰向けになって行うバリエーションをライイングダンベルフレンチプレスと言い、どちらかと言えば上腕三頭筋短頭に有効なバリエーションになります。
バーベルフレンチプレス

バーベルフレンチプレスは主に上腕三頭筋短頭に強い負荷を加えられる種目です。肘を閉じ気味にすると内側寄りに、肘を開き気味にすると外側寄りに負荷がかかります。
なお、上腕三頭筋長頭をターゲットにする場合は立って(または座って)頭上でバーベルを扱うオーバーヘッドバーベルフレンチプレスが有効です。
ケーブルフレンチプレス
フレンチプレスにはケーブルマシンを使って行うバリエーションもあり、ライイングスタイルとスタンディングスタイルとがあります。
具体的な週2・3・4回の筋トレメニュー

部位分割筋トレとは、全身の筋肉をいくつかのグループに分け、一週間をかけてローテーションで鍛えていく方法です。
筋肉は一度鍛えると72時間程度の超回復期間が必要なため、一度に全身の筋肉を鍛えると、週に二回鍛えるのが限度です。しかし、部位を分割することにより、ローテーションで鍛えながら超回復もさせられるので、部位分割筋トレは非常に効率的なトレーニングメソッドです。
週4回の部位分割トレーニング
週3回の部位分割トレーニング
週2回の部位分割トレーニング
筋トレ効果を高めるテクニック

筋トレを続けていくと、誰しもがぶつかるのが「発達停滞期=プラトー」ですが、これは筋肉がトレーニングの刺激に慣れてしまうことが大きな要因です。この壁を突破していくためには「筋肉をだますテクニック」が必要になります。下記の記事では、筋トレ効果を高める・効率を上げてプラトーを突破するためのさまざまなテクニックをご紹介しています。
▼関連記事
【筋トレ効果・効率を高めるテクニック】停滞期を突破し成果を出す方法
筋トレ効果を高める食事
栄養面の管理はトレーニングと同様に重要な要素

初心者の方にありがちなのが、トレーニング自体をするだけで満足してしまい、トレーニングと同等に重要な栄養面の管理を怠ってしまうことです。いくら筋トレを頑張っても、食事や栄養管理をしないとほとんど効果がありません。
まず、筋トレをして筋肥大するためには体重あたり2gの純タンパク質が必要とされています(シェイプアップやシェイプアップの場合は1~1.5g)。つまり、70kgの人の場合、一日に140gの純タンパク質(肉類に換算して700g)とかなり多く、筆者のジムでは、この量を摂りきれていないために筋肥大が停滞していると思われる初心者会員も少なくありません。
また、タンパク質を一度に吸収できる量は純タンパク質で約30g(肉類換算で150g)と一般的に言われており、一日三度の食事では筋肥大に必要なタンパク質量をまかないきれないと考え、筆者のジムでは、選手や会員は一日五食ほどにするか、プロテインを利用しています。
なお、実際の筋トレ食事メニュー例・レシピに関しては下記の記事をご参照ください。
▼筋肥大筋トレ向き記事
【目的別筋トレ食事メニュー例】増量期・減量期の食品と具体的レシピを紹介
▼シェイプアップ筋トレ向き記事
【筋トレ食事メニュー例女性版】シェイプに最適な食材と料理レシピ紹介
本種目と関連のある筋トレ種目
本種目と関連のある筋トレ種目
上腕三頭筋のトレーニング(男性)
チューブフレンチプレス
チューブキックバック
チューブプレスダウン
ダンベルトライセプスプレス
ダンベルフレンチプレス
ダンベルキックバック
ダンベルテイトプレス
マシンディップス
スミスマシンナロープレス
ケーブルトライセプスプレスダウン
ローププレスダウン
ケーブルキックバック
二の腕(後側)の筋トレ(女性)
ナロープッシュアップ
ダイヤモンド腕立て伏せ
ベンチディップス
