
みんな大好きマクドナルドですが、ジャンル的にはジャンクフードに分類されるため、筋トレ愛好家には「避けるべき食品」として認識されています。そこで、今回はスポーツ競技で元日本代表(けっこうマクドナルドを食べていた)の筆者が、筋トレとマクドナルドの関係を考察するとともに、現役時代にやっていた「マクドナルドのタンパク質強化レシピ」をご紹介します。
マクドナルドと筋トレは両立できるのか

マクドナルドの食品は脂質が多く高カロリーな印象を持たれやすいですが、筋合成において重要なのは一日の総摂取量とPFCバランスであり、外食の利用そのものが筋肥大を妨げるわけではありません。
PFCバランスについての基礎知識

食品は主に「三大栄養素」と呼ばれている3種類の栄養素から構成されています。それは、P=タンパク質・F=脂質・C=炭水化物で、この3種類の栄養素を食事として摂取する比率のことを「PFCバランス」と呼びます。「タンパク質:脂質:炭水化物」の比率として「2:2:6」が一般的に適切とされているPFCバランスですが、筋トレの効果を高める食事のPFCバランスとしては、筋肉合成に重要なタンパク質の比率を増やして「4:1:5」がベストです。
ライフスタイルに合わせたPFCバランスの調整
筋トレの食事としては、先に述べたようにタンパク質の比率を多くするのが定石ですが、カロリーの摂取量はトレーニング量だけでなく、個人のライフスタイルに合わせて調整することも重要です。具体的には運動量の多い仕事をしている場合には脂質・炭水化物を増やし、デスクワーク主体の仕事をしている場合には脂質・炭水化物を減らす、といった微調整が必要になります。
タンパク質とは
タンパク質とはアミノ酸が鎖状に連結して構成される高分子化合物で、人体においては筋肉(筋繊維)の主な構成物質です。このため、筋肉(筋繊維)を太く強くすることが主目的の筋力トレーニングの食事としては、最も重要視されるべき栄養素です。筋肥大をしていくためには、適切な筋力トレーニングだけでなく、体重1kgあたり2gの純タンパク質が必要となります。純タンパク質2g≒肉類魚介類換算で10gに相当。
脂質について
脂質は1gあたり9kcalと高カロリーであることから、筋トレの食事としては「太りやすい」と考えられて敬遠されがちですが、非常にエネルギー効率が良い栄養素であるため、長時間のハードトレーニング前に摂取するカロリー源として優れています。また、腹持ちが良いことから、適度に摂取することで間食を防ぐ効果もあります。
炭水化物について
炭水化物は運動エネルギーの主体となる栄養素で、摂取から吸収されてエネルギーに換わるまでが速やかなことが特徴です。このため、トレーニング中のエネルギー補給、トレーニング直後のエネルギー補給などに有効です。また、筋肉が消化吸収・再合成される過程では多くのエネルギーが必要となるため、筋トレ後の食事においてはタンパク質食品と合わせて炭水化物を摂取していくことが重要です。
食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。
筋合成と食事を最適化するための基本原則

筋肉はトレーニング後に合成系が優位となり、48時間にわたり材料(タンパク質)とエネルギー(炭水化物・脂質)を必要とします。この期間に十分なタンパク質とエネルギーが入ってくることが最優先になります。
脂質が多い食品は消化速度を遅らせますが、筋合成を阻害するわけではありません。目的とタイミングを誤らなければ、利用価値が十分にあります。
また、外食は短時間で炭水化物とエネルギーを確保できるため、特に増量期では現実的なな利点にもなります。
目的別にみたマクドナルドの使い方

増量期における利用価値
増量期では一日の総摂取カロリーを安定して確保することが必要であり、消化が速い食品ばかりでは量が不足する場合があります。
マクドナルドの食品は炭水化物と脂質が同時に入ってくるため、エネルギーの底上げとして機能しやすく、忙しい日や高頻度トレーニング週において役立ちます。
ハンバーガーやビッグマックなどのスタンダードなめゆーのPFCは下記リンク先の記事で確認することで、より正確な調整が可能です。

維持期における利用の指針
維持期では体重変動を抑えながらトレーニング量を確保する必要があり、脂質の少ないメニュー選択が重要になります。
ハンバーガーやチキンクリスプのように脂質が比較的低いメニューは扱いやすく、食事全体のPFCを安定させやすいです。
揚げ物を避けるだけでもPFCの乱れが減り、過食を防ぎやすくなります。
減量期における注意点
減量期では総摂取カロリーの管理が重要であり、脂質の多い食品は消化に時間がかかるためトレーニングのパフォーマンスを低下させることがあります。
ハンバーガー単品やサイドサラダを中心に構成することで、GI値と消化速度を安定させることができます。
高脂質メニューは一日の摂取量を超えやすいため、リフィード日や特定日に限定して利用することでコンディションを保ちやすくなります。
トレーニング前後の使い分け

トレーニング前の摂取
トレーニング前は消化速度が重要で、脂質量が多い食品は胃内滞留時間を延ばすため適しません。
ハンバーガー単品や少量のポテトなど、炭水化物中心で消化負担が軽い構成が適しています。
トレーニング直後の摂取
トレーニング直後は筋合成が最も高まる時間帯であり、タンパク質と炭水化物を優先的に入れる必要があります。
揚げ物や高脂質メニューは消化が遅く、直後には適しません。ナゲットやハンバーガーのように比較的消化の立ち上がりが速い食品の方が筋合成に有利です。
マクドナルドのメニューを筋トレ視点で分類する
高タンパクで利用しやすいカテゴリ
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チキンナゲットはタンパク質と脂質の比率が安定しており、トレーニング後の補給として扱いやすいです。
チキンマックナゲット5個100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:270kcal
タンパク質:15.8g
脂質:17.2g
炭水化物:13.1g

えびフィレオはタンパク質が確保しやすい一方で脂質が多いため、利用するタイミングを選ぶ必要があります。
えびフィレオ1個174gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:395kcal
タンパク質:12.5g
脂質:17.4g
炭水化物:47.7g
脂質が少なく利用しやすいカテゴリ

チキンクリスプはタンパク質は控えめですが、脂質が調整しやすいため全体のPFCを崩しにくい特徴があります。また、サイドサラダは総量の調整として利用しやすく、外食で偏りがちなPFCの補正に役立ちます。
チキンクリスプ1個128gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:345kcal
タンパク質:14.0g
脂質:15.5g
炭水化物:37.7g
避けるべきカテゴリ
脂質が極端に多くタンパク質が少ない食品は筋合成の観点で優先度が低いです。
ナトリウム量が高い食品は浮腫みを生じさせやすく、翌日のパフォーマンスに影響しやすいです。
トランス脂肪酸を含む可能性がある揚げ物は使用頻度を下げることでコンディションが安定します。
マクドナルドを利用する際の三つの戦術
一日のPFCを先に決めておく
外食は選択肢が多く過剰摂取になりやすいため、一日のPFCを先に決めておくことで迷いなくメニューを選べます。
揚げ物の使用頻度を管理する
揚げ物は消化負担が大きいため、利用する日を限定することで体重管理が容易になります。
高タンパク化のための追加一品戦略
ナゲットやサイドサラダを追加することでPFCの調整がしやすくなり、外食でも筋合成に必要な条件を満たしやすくなります。
まとめ
マクドナルドは筋トレと両立できる外食であり、重要なのは食品単体の善悪ではなく目的とタイミングと一日の総量です。
増量期では効率的なエネルギー補給として利用でき、維持期や減量期ではメニュー選択によってPFCを大きく崩さずに利用できます。
トレーニング前後の使い分けとメニュー分類を理解することで、外食を戦略的に運用できるようになります。
バルクアップ期限定のマック筋トレ最適化
ダブルチーズバーガー

マクドナルドハンバーガーのダブルチーズバーガーは、ジャンクフードの代名詞のように言われ「筋トレには向かない」と一般的にはされていますが、決してそんなことはありません。今回はダブルチーズバーガーに手を加え、バルクアップ筋トレに最適化しましたのでご紹介します。
【ダブルチーズバーガーの筋トレ最適化】マクドナルドでも筋肉は作れる
チーズバーガー

ジャンクフードの代名詞のように言われるマクドナルドのハンバーガーですが、一手間かければ優良な筋トレバルクアップ食事になります。今回は、マクドナルドのダブルチーズバーガーとマックチキンナゲットをベースに、筋トレ食品として最適化チャレンジを行いましたので、その過程と結果をご紹介します。
【チーズバーガー筋トレ最適化チャレンジ】マクドナルドのジャンクフードを優良食事にする方法
チキンフィレオ

マクドナルドの人気チキンメニューであるチキンフィレオですが、どのうようなカロリー・栄養素かをご紹介するとともに、バルクアップ筋トレに最適な栄養素比率「タンパク質:カロリー」=「1:2」に近づけるように強化チャレンジした過程をご報告します。
【チキンフィレオ】筋トレ最適化チャレンジ!鶏もも肉をさらに追加して高タンパク質食事に強化
チキンクリスプ

たった100円で食べられるチキンクリスプは、なんと言っても「鶏肉」が材料なので筋トレにもよさそうですが、実際のカロリー・栄養素はどのようなものかご紹介するとともに、同バーガーメニューを強化して筋トレに最適な食事にするチャレンジをご報告します。
【チキンクリスプ】筋トレ最適化チャレンジ!格安マックを筋肥大バルクアップ食に強化
ビッグマック

ジャンクフードの王様的存在とも言えるのが、マクドナルドのビッグマックセットです。ジャンクフードの定義は「低タンパク質高カロリー&野菜不足」ですので、肉と豆腐と野菜を追加して「高タンパク質高カロリー&野菜たっぷり」とし、バルクアップに最適化チャレンジを行いました。
【筋トレむきビッグマック改】肉と豆腐を追加してバルクアップ最適化チャレンジ
付録データ:マクドナルドの主なメニューの栄養素(PFC)
エッグマフィンのカロリーと栄養素
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エッグマフィン1個139gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:311kcal
タンパク質:19.2g
脂質:13.5g
炭水化物:27.1g
ソーセージマフィンのカロリーと栄養素
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ソーセージマフィン1個120gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:323kcal
タンパク質:14.75g (59kcal)
脂質:18.7g (168.3kcal)
炭水化物:22.33g (89.32kcal)
ソーセージエッグマフィンのカロリーと栄養素
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ソーセージエッグマフィン1個180gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:436kcal
タンパク質:21.38g (85.52kcal)
脂質:27.88g (250.92kcal)
炭水化物:21.78g (87.12kcal)
てりたまマフィンのカロリーと栄養素
てりたまマフィン1個191gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:527kcal
タンパク質:18.9g
脂質:34.9g
炭水化物:33.3g
チキンクリスプマフィンのカロリーと栄養素
チキンクリスプマフィン1個134gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:364kcal
タンパク質:15.2g
脂質:17.3g
炭水化物:37.0g
メガマフィンのカロリーと栄養素
メガマフィン1個229gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:695kcal
タンパク質:29.7g
脂質:49.7g
炭水化物:31.2g
ビッグブレックファストのカロリーと栄養素

ビッグブレックファスト1セット254gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:659kcal
タンパク質:26.2g
脂質:42.7g
炭水化物:40.2g
チキンマックナゲットのカロリーと栄養素
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チキンマックナゲット5個100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:270kcal
タンパク質:15.8g
脂質:17.2g
炭水化物:13.1g
フィレオフィッシュのカロリーと栄養素
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フィレオフィッシュ1個137gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:326kcal
タンパク質:14.3g
脂質:14.0g
炭水化物:36.1g
チキンクリスプのカロリーと栄養素

チキンクリスプ1個128gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:345kcal
タンパク質:14.0g
脂質:15.5g
炭水化物:37.7g
エッグチーズバーガー(エグチ)のカロリーと栄養素

エッグチーズバーガー(エグチ)1個169gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:387kcal
タンパク質:22.3g
脂質:18.9g
炭水化物:31.0g
スパイシービーフバーガー(スパビー)のカロリーと栄養素

スパイシービーフバーガー(スパビー)1個114gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:329kcal
タンパク質:12.8g
脂質:18.4g
炭水化物:28.3g
スパイシーチキンバーガー(スパチキ)のカロリーと栄養素

スパイシーチキンバーガー(スパチキ)1個139gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:386kcal
タンパク質:14.2g
脂質:19.7g
炭水化物:38.3g
てりたまバーガーのカロリーと栄養素
てりたまバーガー1個208gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:558kcal
タンパク質:21.9g
脂質:35.7g
炭水化物:36.6g
ベーコンエッグサンドのカロリーと栄養素
ベーコンエッグサンド1個125gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:292kcal
タンパク質:15.9g
脂質:13.3g
炭水化物:26.4g
ダブルチーズバーガーのカロリーと栄養素
ダブルチーズバーガー1個169gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:457kcal
タンパク質:26.5g
脂質:25.0g
炭水化物:31.4g
チキンフィレオのカロリーと栄養素

チキンフィレオ1個183gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:465kcal
タンパク質:20.0g
脂質:21.9g
炭水化物:47.3g
てりやきチキンフィレオのカロリーと栄養素

てりやきチキンフィレオ1個195gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:498kcal
タンパク質:20.2g
脂質:23.2g
炭水化物:52.4g
えびフィレオのカロリーと栄養素

えびフィレオ1個174gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:395kcal
タンパク質:12.5g
脂質:17.4g
炭水化物:47.7g
ベーコンレタスバーガーのカロリーと栄養素

ベーコンレタスバーガー1個136gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:374kcal
タンパク質:17.7g
脂質:20.8g
炭水化物:29.1g
ごはんチキンタツタのカロリーと栄養素

ごはんチキンタツタ1個201gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:397kcal
タンパク質:15.3g
脂質:13.7g
炭水化物:53.7g
ベーコントマト肉厚ビーフバーガーのカロリーと栄養素
ベーコントマト肉厚ビーフバーガー1個215gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:471kcal
タンパク質:26.7g
脂質:23.7g
炭水化物:38.2g
ダブル肉厚ビーフバーガーのカロリーと栄養素
ダブル肉厚ビーフバーガー1個223gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:625kcal
タンパク質:39.0g
脂質:36.2g
炭水化物:36.3g
ビッグマックのカロリーと栄養素
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ビッグマック1個217gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:525kcal
タンパク質:26.0g
脂質:28.3g
炭水化物:41.8g
倍フィレオフィッシュのカロリーと栄養素
倍フィレオフィッシュ1個195gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:437kcal
タンパク質:22.4g
脂質:18.8g
炭水化物:45.5g
倍ダブルチーズバーガーのカロリーと栄養素

倍ダブルチーズバーガー1個237gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:655kcal
タンパク質:42.0g
脂質:40.1g
炭水化物:31.4g
倍チキンフィレオのカロリーと栄養素

倍チキンフィレオ1個277gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:709kcal
タンパク質:34.8g
脂質:34.7g
炭水化物:64.4g
倍てりやきチキンフィレオのカロリーと栄養素

倍てりやきチキンフィレオ1個309gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー768kcal
タンパク質:35.3g
脂質:36.1g
炭水化物:76.0g
倍ベーコンレタスバーガーのカロリーと栄養素

倍ベーコンレタスバーガー1個170gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:473kcal
タンパク質:25.5g
脂質:28.4g
炭水化物:29.1g
倍えびフィレオのカロリーと栄養素

倍えびフィレオ1個253gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:553kcal
タンパク質:19.4g
脂質:25.5g
炭水化物:62.8g
倍スパイシーチキンバーガー(スパチキ)のカロリーと栄養素

倍スパイシーチキンバーガー(スパチキ)1個197gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:538kcal
タンパク質:23.2g
脂質:28.3g
炭水化物:48.2g
倍スパイシービーフバーガー(スパビー)のカロリーと栄養素

倍スパイシービーフバーガー(スパビー)1個148gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:428kcal
タンパク質:20.5g
脂質:25.9g
炭水化物:28.3g
倍ビッグマックのカロリーと栄養素
倍ビッグマック1個285gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:724kcal
タンパク質:41.4g
脂質:43.4g
炭水化物:41.8g
なお、画像・数値は「マクドナルド公式ホームページ」を参照しています。

