本記事は元JOC強化指定選手・現フィジーク競技選手による執筆記事です。

細マッチョ向きケーブルラットプルダウンのやり方とフォーム・コツをフィジーク選手(元JOC強化指定選手)が解説

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

ケーブルラットプルダウンの細マッチョ向きのやり方とフォームのポイント・コツ、適切な負荷回数設定などについて、現役フィジーク選手で元JOC強化選手が解説します。

この記事の執筆者

この記事を執筆したのは当サイト所属選手・監修者であるJOC元強化指定選手・現フィジークのHAYATE選手です。

【監修者】テコンドー・フィジーク上岡颯選手・プロフィール
当サイト監修者であるテコンドー・フィジークの上岡颯選手のプロフィールです。 監修者プロフィール 大東文化大学テコンドー部卒 幼少からフルコンタクト空手を始め、ジュニア県チャンピオンになった後、指導者に蹴り技の資質を見いだされ五輪競技...
執筆者・監修者・運営者情報

細マッチョとは

細マッチョとは、きっちりとした基準があるわけでなく、あくまでも一般的なイメージ・概念ですが、一般的な概念としては、「体脂肪が少なく腹筋が割れて見える」「過度に筋肉がつきすぎていない」です。そして、この基準を競技化したのがフィジーク競技です。詳しくは下記の記事をご参照ください。

細マッチョの体重と体脂肪率|身長ごと(165・170・175・180・185cm)の標準値
一般的にいわゆる「細マッチョ」と呼ばれる体型とはいったいどのようなものでしょう? 体脂肪率とBMI指数から算出した身長ごとの標準的な体重の基準値をご紹介します。 この記事の執筆者 この記事を執筆したのは当サイト所属選手・監修者であ...
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ケーブルラットプルダウンが主に効果のある筋肉部位

ケーブルラットプルダウンは主に広背筋と僧帽筋に対して、に上腕二頭筋にも負荷がかかり、トレーニング効果があります。なお、筋力トレーニングの対象となる主な全身の筋肉については下記のデジタル図鑑をご参照ください。

【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
全身の筋肉のなかでも筋トレで鍛える対象となる骨格筋(表層筋・深層筋)を部位別にその名称と作用を解説します。また、あわせて各筋肉部位別の代表的な筋トレ種目を図説するとともに、部位別筋トレ記事(動画付き)のリンクもご紹介します。 なお、体...

ケーブルラットプルダウンのやり方とフォームのポイント

本種目の概要

ケーブルラットプルダウンは広背筋に効果的な筋トレです。

まず、ラットマシンに座り、膝パットの高さを調整してトレーニング中に腰が浮かないようにセットします。

バーをグリップしたら、上半身を倒しすぎないように、肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていきます。この時に、背中が丸まらないように目線を上に向けるのがコツです。

腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させます。そして、同じ軌道でゆっくりと効かせながら(筋肉にエキセントリック収縮を加えながら)元に戻ります。

また、ラットマシンプルダウンはケーブルアタッチメントとグリップ方法によって効果のある部位が異なりますが、それは次のようになります。

本種目の動作手順

①膝パットを密着させてマシンに座り、バーをグリップして構える

②あまり上半身を倒さず、肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく

③腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり背筋を完全収縮させる

④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る

動画付き解説

【ラットマシンプルダウン】アタッチメントやグリップの種類で効く筋肉部位が変化する背筋トレーニング
広背筋や僧帽筋に効果的なマシントレーニング種目のケーブルラットプルダウンは、グリップの仕方やケーブルアタッチメントの種類によって効果のある筋肉部位が変化します。そのバリエーションをご紹介します。 ラットマシンプルダウンが効果のある筋肉部...
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ケーブルラットプルダウンのバリエーション種目

ノーマルワイドグリップ

広背筋側部に集中的な負荷がかかります。

ナローパラレルグリップ

僧帽筋に集中的な負荷がかかります。

リバースグリップ

僧帽筋と広背筋下部に負荷がかかり、動画のバリエーションがこのグリップです。

筋繊維の種類と細マッチョになるための負荷回数設定

筋トレ対象となる筋肉=骨格筋は、筋繊維が束状になり構成されています。そして、その筋繊維は主に2種類(速筋と遅筋)に分類され、さらに速筋は2タイプ(TYPEⅡa・TYPEⅡb)に分類されます。これらの各筋繊維タイプにはそれぞれに特性があり、トレーニングに対する反応や適正な負荷回数設定も異なります。

①遅筋(筋繊維タイプⅠ)

60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

②速筋(筋繊維タイプⅡa)

30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

③速筋(筋繊維タイプⅡb)

30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。

▼厚生労働省公式ページ

骨格筋(こっかくきん)

参照記事:筋トレ目的別の適切な負荷回数設定

細マッチョ筋トレの重量負荷設定(反復限界回数)を筋肉部位ごとに現役フィージーク選手(元JOC強化指定選手)が解説
細マッチョになるためのフィージーク系筋力トレーニングにおいて、各筋肉部位別に適切な負荷回数設定について解説します。 この記事の執筆者 この記事を執筆したのは当サイト所属選手・監修者であるJOC元強化指定選手・現フィジークのHAYAT...

理想的な細マッチョ体型とは

理想的な細マッチョ体型とは、細マッチョ体型を競う公式競技であるフィージーク競技の審査基準と同様で、上図のようになります。

できるだけ筋肥大すべき筋肉

広背筋・三角筋・上腕三頭筋

これらの筋肉は筋肥大を最優先して、速筋(筋繊維タイプⅡb)をターゲットに6~10回の反復動作で限界が来る負荷設定でトレーニングしていきます。

過度に筋肥大すべきでない筋肉

大胸筋・僧帽筋・上腕二頭筋・下半身

これらの筋肉は過度に筋肥大しないよう、速筋(筋繊維タイプⅡa)をターゲットにして15回前後の反復で限界が来るような負荷設定でトレーニングしていきます。

理想的な細マッチョ体型とは?現役フィージーク選手(元JOC強化指定選手)が解説
細マッチョは男性にも女性にも人気の体型として、日々トレーニングにいそしむ男性陣も少なくありませんが、その理想的な体型とはどのようなものなのでしょう? 元JOC強化指定選手で、現フィージーク競技選手(細マッチョ体型を競う公式競技)である...
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細マッチョになるための二つのアプローチ

細めの体形か太めの体形かで異なる

一般的に、細マッチョの基準とされるのがBMI22前後、体脂肪率15%前後ですが、このような体形になるためには現状の自分の体形によって二つのアプローチがあり、それは以下の通りです。

①細めの体形の場合:まずバルクアップ筋トレを行う

②太めの体形の場合:まずシェイプアップ筋トレを行う

そして、BMI22前後・体脂肪率15%前後の体形の場合、またはトレーニングによってそうなった場合は、筋肉を維持したり、より見栄えのよい形にするために、筋繊維TYPE2aをターゲットにした15回前後の反復で限界がくる負荷回数設定で「細マッチョ筋トレ」を行っていきます。

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細マッチョ筋トレの一週間の組み方

筋肉はトレーニングを行うと筋繊維に微細な損傷を受け、その回復に24~72時間が必要になります。そして、回復するときにはトレーニング前よりも筋密度が向上して回復する特性があり、これを超回復と言います。そして、この超回復を適切に繰り返すことで筋密度を上げていくのが細マッチョ筋トレの基本です。

超回復前に筋肉に負荷を与えてしまうと、筋肉は筋密度が上がるどころか、逆に縮小してしまいますので、いかに超回復を妨げずに高い頻度でトレーニングを行うかがポイントですが、一日に全身全てをトレーニングしてしまうと72時間はトレーニングができないので、週3回程度の頻度で行うのが限界になってきます。

そこで、全身の筋肉をグループごとにローテーションで鍛えていき、超回復を行いながら高頻度でトレーニングをしていくメソッド「部位分割法|スプリットトレーニング」を導入するのがもっとも効率的です。

その分割方法例は以下のようになります。

週一日目:上半身の押す筋肉

週二日目:体幹部の筋肉

週三日目:下半身の筋肉

週四日目:体幹部の筋肉

週五日目:上半身の引く筋肉

この分割法ですと、超回復を妨げず、なおかつ週5回のトレーニングで常に代謝の高い状態も維持することが可能です。

細マッチョ筋トレメニュー例

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