
細マッチョになるためのフィージーク系筋力トレーニングにおいて、各筋肉部位別に適切な負荷回数設定について解説します。
この記事の執筆者

この記事を執筆したのは当サイト所属選手・監修者であるJOC元強化指定選手・現フィジークのHAYATE選手です。

公式細マッチョ競技=フィジーク競技
まずは、HAYATE選手が優勝したフィージーク競技の実際の試合をご覧ください。どの選手も典型的かつ理想的な細マッチョ体型ですが、そう感じるのは各筋肉が「細マッチョに最適化されて発達している」からです。
理想的な細マッチョ体型の各筋肉部位の発達具合

細マッチョに最適化された、各筋肉の具体的発達具合とは次のようなものです。
肩幅が広く逆三角形の体型を強調するために、広背筋と三角筋は発達していればいるほど理想的です。また、力強さを感じる「力こぶの筋肉=上腕二頭筋」も発達しているのが理想です。
逆に、僧帽筋・大胸筋・上腕三頭筋が過度に発達していると、細マッチョではなくムキムキのゴリマッチョ感がと良くなってきますので、これらの筋肉は適度な発達が望ましい部位です。同様に、太すぎる下半身も細マッチョの理想体型とは相反する要素です。
ですので、細マッチョ体型を目指すフィージーク系トレーニングの場合、これらに最適化された負荷回数設定で各筋肉をトレーニングしていく必要があります。
筋繊維の種類と負荷回数設定

筋トレ対象となる筋肉=骨格筋は、筋繊維が束状になり構成されています。そして、その筋繊維は主に2種類(速筋と遅筋)に分類され、さらに速筋は2タイプ(TYPEⅡa・TYPEⅡb)に分類されます。これらの各筋繊維タイプにはそれぞれに特性があり、トレーニングに対する反応や適正な負荷回数設定も異なります。
①遅筋(筋繊維タイプⅠ)
60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。
②速筋(筋繊維タイプⅡa)
30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。
③速筋(筋繊維タイプⅡb)
30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。
細マッチョ筋トレでの各筋肉の負荷重量・反復回数設定

筋トレの反復回数とは
筋トレにおいて反復回数と言われるのは、ある任意の重量で何回の反復回数で限界がくるか、という意味合いです。これを限界反復回数の重量負荷設定と言います。
筋トレ用語で表すと、10回で反復限界がくることを10RMと呼びますが、RMとはRM=Repetition Maximum(最大反復回数)のことです。
発達させたい筋肉=広背筋・三角筋・上腕二頭筋の負荷回数設定
細マッチョ体型になるために発達させたい筋肉である、広背筋・三角筋・上腕二頭筋については、速筋(筋繊維タイプⅡb)をターゲットに6~10回(6~10RM)の反復回数で限界が来るような重めの重量・負荷設定でトレーニングしていきます。
過度に発達させない大胸筋・僧帽筋・上腕三頭筋の負荷回数設定
逆に、過剰な発達が細マッチョ体型の妨げとなる、大胸筋・僧帽筋・上腕三頭筋については過度に筋肥大しないように、速筋(筋繊維タイプⅡa)をターゲットにして15回前後(15RM前後)の反復回数で限界が来るような中程度の重量・負荷設定でトレーニングしていきます。

なお、全身の各筋肉の詳細に関しては下記のデジタル図鑑をご参照ください。

細マッチョになる筋トレメニューと食事

細マッチョになるためには、筋肉をつける増量期トレーニングと、食事制限をともない無駄な脂肪を落としていく減量期トレーニングとを交互に繰り返していき、徐々に理想体型に近づけていくのが効率的です。
下記は、HAYATE選手が実際にフィージーク競技に臨むにあたり実践している増量期筋トレメニュー・減量期筋トレメニューです。



また、下記の記事は筋肉をできるだけ落とさないように、体脂肪を落としていくための具体的な食事メニュー例です。


