筋トレ後に寿司を食べたいと考える人は少なくありません。魚由来の良質なタンパク質と、シャリによる炭水化物補給を同時に行えるため、理屈としては合理的だからです。ただし、一般的な握り寿司や丼形式の寿司は、筋トレ後の食事としてはカロリーと糖質が過剰になりやすいという欠点があります。
そこで選択肢として最適なのが、手巻き寿司です。
この手巻き寿司を作って食べた競技者

上岡岳プロフィール
アームレスリング主戦績
全日本マスターズ80kg超級2位
アジア選手権マスターズ90kg級3位
学芸員(J-Global掲載ページ)

上岡颯選手プロフィール
テコンドー主戦績
(2009~2020)
JOC全日本ジュニア選手権準優勝
全日本選手権東日本地区大会優勝
全日本学生選手権準優勝
全日本選手権準優勝
2020年度強化指定選手
フィジーク主戦績
(2023~)
マッスルゲート北関東2優勝
手巻き寿司が筋トレ後に向いている理由
手巻き寿司の最大の利点は、シャリの量を自分で調整できる点にあります。筋トレ後に必要なのは、回復と合成を支える最低限の炭水化物であり、満腹になるまでの白米ではありません。手巻き寿司であれば、具材を主役にしながら、シャリを少量ずつ足すという設計が可能になります。
この写真の構成でも、シャリは別皿に分けられ、主役は明らかに刺身や肉などの具材です。結果として、糖質に依存しない食事設計が自然に成立しています。
この手巻き寿司の主な具材100gあたりのカロリー・栄養素
マグロ(赤身)
エネルギー:125kcal
タンパク質:26.4g(105.6kcal)
脂質:1.4g(12.6kcal)
炭水化物:0.1g(0.4kcal)
赤身マグロは脂質が非常に少なく、純粋なたんぱく質源として使えるため、筋トレ後の主軸になりやすい食材です。
サーモン(刺身用)
エネルギー:218kcal
タンパク質:20.1g(80.4kcal)
脂質:16.1g(144.9kcal)
炭水化物:0.1g(0.4kcal)
脂質は多めですが、エネルギー密度が高く、トレーニング量が多い日の回復食としては成立します。
うなぎ(蒲焼き)
エネルギー:293kcal
タンパク質:23.0g(92.0kcal)
脂質:21.0g(189.0kcal)
炭水化物:3.1g(12.4kcal)
脂質比率が高く、筋トレ後の常用には向きませんが、シャリ量を抑えた手巻き寿司であれば嗜好枠として成立します。
カツオ(刺身)
エネルギー:114kcal
タンパク質:25.8g(103.2kcal)
脂質:0.5g(4.5kcal)
炭水化物:0.1g(0.4kcal)
マグロに近い構成で、脂質が極端に少なく、筋トレ後に使いやすい魚介類です。
牛肉焼き(赤身・肩〜もも相当)
エネルギー:176kcal
タンパク質:26.0g(104.0kcal)
脂質:8.0g(72.0kcal)
炭水化物:0.3g(1.2kcal)
魚介に比べて消化はやや重くなりますが、動物性たんぱく質として十分に筋トレ向きです。
豚肉焼き(ロース赤身寄り)
エネルギー:242kcal
タンパク質:22.0g(88.0kcal)
脂質:17.0g(153.0kcal)
炭水化物:0.2g(0.8kcal)
脂質は多めなため、量を調整しながら使う具材になります。手巻き寿司で分量管理できる点が活きます。
卵焼き(だし巻き相当)
エネルギー:158kcal
タンパク質:10.5g(42.0kcal)
脂質:11.3g(101.7kcal)
炭水化物:3.0g(12.0kcal)
たんぱく質量は控えめですが、食事全体の満足感を補う副材として使いやすい具材です。
※記載している数値は、一般的な可食部・家庭調理を想定した推定値です。
※数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を基礎データとして算出した一般的な目安です。実際の製品・部位・調理状態によって数値は前後します。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスについては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。
魚介類を主軸に据えられる

手巻き寿司は、刺身を「そのまま食べる」か「少量のシャリと合わせる」かを選べます。これにより、タンパク質摂取を優先しつつ、脂質量やカロリーを状況に応じて調整できます。特にマグロ赤身や白身魚、サーモンなどは、筋トレ後の食事として使いやすい食材です。
握り寿司のように、最初からシャリと一体化していない点が、筋トレ向きである決定的な違いです。
余計な脂質を増やしにくい
寿司というと、マヨネーズ系や揚げ物系のネタが混ざりがちですが、手巻き寿司ではそれらを完全に排除できます。必要なのは、海苔と刺身、そして最低限のシャリだけです。味付けも醤油を少量使う程度で済むため、筋トレ後の胃腸への負担も抑えられます。
筋トレ後の寿司は「量」ではなく「構成」で決まる
寿司が筋トレに向いているかどうかは、寿司そのものではなく、どう食べるかで決まります。シャリが主役になった瞬間に、寿司は単なる高糖質食に変わります。一方で、手巻き寿司のように構成を分解できれば、寿司は筋トレ後の回復食として十分に機能します。
筋トレ後に寿司を食べるなら、満腹になるためではなく、必要な栄養を過不足なく入れるために食べる。その考え方と最も相性がいいのが、手巻き寿司です。
寿司を我慢する必要はありません。競技者は、同じ寿司という料理を、こうやって目的に合わせて使い分けてきました。


