
牛肉や豚肉の中でも「やわらかくて脂肪が少ない」「高級部位」という印象のあるヒレ肉ですが、それがどこの筋肉かを正確に理解している人は多くありません。
先に答えを言います。ヒレ肉は、人間で言うところの「腸腰筋」にあたる筋肉です。
ヒレ肉はどこの筋肉か
ヒレ肉は背骨の内側、体幹の最深部に位置する筋肉で、解剖学的には大腰筋と腸骨筋から構成される腸腰筋に相当します。腸腰筋は股関節を屈曲させる働きを持ち、歩行や姿勢保持といった日常動作のたびに動員される、いわば身体の動きを裏側で支える制御筋です。
この筋肉は常に使われていますが、瞬発的に大きな力を出すことは求められず、伸び縮みを繰り返しながら関節角度や動作精度を整える役割を担っています。そのため、筋線維は細かく、過剰な張力や衝撃にさらされにくいという特徴を持ちます。
牛や豚など食用家畜の大腰筋のことである。骨盤の内側にあって大腿骨と脊椎骨を結ぶ1対の棒状で結合組織が少ない筋肉であり、肉の部位のなかでは最も運動しない箇所であるため、非常に柔らかく脂肪のほとんどない赤身肉である。一頭の家畜から採れる量がわずかな、最高級の部位とされる。引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒレ
一般的な解説では「最も運動しない筋肉」と表現されることが多いですが、実際には姿勢保持や歩行のたびに動員される制御筋であり、「高負荷を受けない筋肉」と理解するほうが実態に近いと言えます。
なぜヒレ肉はやわらかいのか

ヒレ肉がやわらかい理由は、「あまり使われない筋肉だから」ではありません。腸腰筋は使用頻度こそ高いものの、強い負荷を受けることが少なく、力を発揮するよりも動作を正確に制御することに作用するインナーマッスルです。
そのため、筋線維はきめ細かく、筋膜や結合組織も発達しすぎません。また、体幹深部に位置するため脂肪を蓄える必要性もなく、いわゆる赤身中心の肉質になります。こうした理由により、ヒレ肉は短時間の加熱でも硬くなりにくい、独特のやわらかさを持つ部位になります。
筋トレとヒレ肉(腸腰筋)の関係

ヒレ肉は高タンパク質で脂質が少なく、消化吸収も比較的穏やかなため、筋トレ食材として扱いやすい部位です。ただし、バルクアップ期にはカロリーが不足するため揚げ物にしたり、他のカロリー食品と組み合わせて食べるといった工夫化必要となります。
実際に作ったヒレ肉料理のレシピ

【牛ヒレ肉の時短ローストビーフ】筋トレむきの赤身肉を美味しく食べる

【筋トレ後に最適なヒレカツ】麩で衣を作り筋肥大の栄養黄金比率にするレシピ

【筋トレむき豚ヒレとんかつ】衣に麩を使い揚げずに焼いて仕上げる料理レシピ
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その肉ってどこの部位?シリーズ

このシリーズでは、肉を「栄養」ではなく「どの筋肉か」という視点から捉え、筋トレとの関係を解剖学的に整理しています。
【ヒレ肉ってどこの肉?】やわらかい理由は部位にある|解剖学的に見ると腸腰筋|筋トレとの関係
【ささみってどこの肉?】むね肉ではなく解剖学的に見ると別の筋肉|筋トレとの関係
【スペアリブとカルビって同じ肉?】解剖学的に見ると肋間筋|筋トレでの食べ方
【ハラミってどこの肉?】内臓扱いの理由は部位にある|解剖学的に見ると横隔膜|筋トレでの食べ方
身体を鍛えたら食事にも気を使う
タンパク質の安定摂取と冷凍食材

筋トレの成果を安定して積み上げるには、日々のタンパク質摂取を途切れさせないことが重要です。そのために、競技生活の中で私自身も実践してきたのが、良質な冷凍タンパク質食材のストックです。下記は、日本代表としての実体験にもとづき、常時ストックしていた肉類・魚介類の一例です。




