
ハラミは焼肉の定番部位として知られ、「赤身なのに旨い」「柔らかいのにコクがある」と評価されることの多い肉です。一方で、精肉でありながら内臓扱いされることもあり、その分類に違和感を覚える人も少なくありません。この独特な立ち位置は、どこの筋肉なのかを見ればはっきりします。
先に結論を言います。ハラミは解剖学的に見ると横隔膜そのものにあたる筋肉です。
ハラミはどこの筋肉か
ハラミは、胸腔と腹腔を隔てる膜状の筋肉である横隔膜に由来する部位です。横隔膜は呼吸のたびに上下動し、肺に空気を取り込み、吐き出す動作を担っています。意識しなくても一生止まらずに動き続ける、生命維持に直結した筋肉です。
この筋肉は四肢のように大きな可動域を持つわけではありませんが、収縮と弛緩を高頻度で繰り返し、呼吸量や体内圧を精密に調整しています。そのため、使用頻度は極めて高く、常に血流が保たれ、代謝回転も速いという特徴を持ちます。
なぜハラミは赤身なのに旨いのか
横隔膜は、力を爆発的に発揮する筋肉ではなく、一定のリズムで動き続けることが求められる筋肉です。この性質から、筋線維は比較的細かく、ミオグロビン量が多くなります。これが、ハラミ特有の「赤身の濃さ」や「鉄分を感じる旨味」の正体です。
一方で、内臓に近い位置にあるため、脂肪の付き方や結合組織の性格は、一般的な赤身肉とは異なります。このため、見た目は赤身でも、焼くと独特のコクと香りが立ち、内臓系に近い扱いを受ける理由になります。
ハラミが「内臓扱い」される理由
ハラミが内臓扱いされる最大の理由は、筋肉でありながら内臓に隣接し、解体時の流通区分が精肉と異なる点にあります。横隔膜は臓器を支える境界に位置するため、分類上はホルモン系と同列で扱われることが多くなります。
しかし、構造的には明確な骨格筋であり、タンパク質源としての性質も赤身肉に近いものです。内臓扱いされているから内臓なのではなく、位置と流通の都合でそう呼ばれているという理解が実態に近いと言えます。
ハラミの実際の食べ方(筋トレとの関係)
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筋トレの成果を安定して積み上げるには、日々のタンパク質摂取を途切れさせないことが重要です。そのために、競技生活の中で私自身も実践してきたのが、良質な冷凍タンパク質食材のストックです。下記は、日本代表としての実体験にもとづき、常時ストックしていた肉類・魚介類の一例です。



