本記事は元JOC強化指定選手・現フィジーク競技選手による執筆記事です。

細マッチョになる背筋群(広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋)の筋トレメニュー|自宅やジムでのやり方を現役フィージーク選手が解説

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

細マッチョに最適な背筋群(広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋)トレーニングのメニュー(種目)のやり方や適切な負荷回数設定について解説します。なお、本記事では自宅でできる自重&ダンベルトレーニング、ジムで行うマシン&バーベルトレーニングの種目を網羅しています。

この記事の執筆者

この記事を執筆したのは当サイト所属選手・監修者であるJOC元強化指定選手・現フィジークのHAYATE選手です。

【監修者】テコンドー・フィジーク上岡颯選手・プロフィール
当サイト監修者であるテコンドー・フィジークの上岡颯選手のプロフィールです。 監修者プロフィール 大東文化大学テコンドー部卒 幼少からフルコンタクト空手を始め、ジュニア県チャンピオンになった後、指導者に蹴り技の資質を見いだされ五輪競技...
執筆者・監修者・運営者情報

背筋群の作用と構造

広背筋の作用と構造

読みかた:こうはいきん
英語名称:latissimus dorsi muscle
部位詳細:上部|下部
起始:下位第6胸椎~第5腰椎の棘突起・肩甲骨下角第9~12肋骨|正中仙骨稜・腸骨稜後方
停止:上腕骨小結節稜

僧帽筋の作用と構造

読みかた:そうぼうきん
英語名称:trapezius muscle
部位詳細:上部|中部|下部
起始:後頭骨上項線・外後頭隆起・頚椎棘突起|第7頚椎・第1~3胸椎棘突起|第4~12胸椎棘突起
停止:肩甲棘・肩峰

脊柱起立筋の作用と構造

読みかた:せきちゅうきりつきん
英語名称:erector spinae muscle
部位詳細:腸肋筋|最長筋|棘筋
長背筋群=脊柱起立筋+多裂筋+回旋筋など

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細マッチョ体型=フィジーク競技の採点基準

細マッチョに最適化された、各筋肉の具体的発達具合とは次のようなものです。

肩幅が広く逆三角形の体型を強調するために、広背筋と三角筋は発達していればいるほど理想的です。また、力強さを感じる「力こぶの筋肉=上腕二頭筋」も発達しているのが理想です。

逆に、僧帽筋・大胸筋・上腕三頭筋が過度に発達していると、細マッチョではなくムキムキのゴリマッチョ感がと良くなってきますので、これらの筋肉は適度な発達が望ましい部位です。同様に、太すぎる下半身も細マッチョの理想体型とは相反する要素です。

ですので、細マッチョ体型を目指すフィージーク系トレーニングの場合、これらに最適化された負荷回数設定で各筋肉をトレーニングしていく必要があります。

筋繊維の種類と負荷回数設定

筋トレ対象となる筋肉=骨格筋は、筋繊維が束状になり構成されています。そして、その筋繊維は主に2種類(速筋と遅筋)に分類され、さらに速筋は2タイプ(TYPEⅡa・TYPEⅡb)に分類されます。これらの各筋繊維タイプにはそれぞれに特性があり、トレーニングに対する反応や適正な負荷回数設定も異なります。

①遅筋(筋繊維タイプⅠ)

60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

②速筋(筋繊維タイプⅡa)

30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

③速筋(筋繊維タイプⅡb)

30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

細マッチョトレーニングの負荷回数設定

発達させたい筋肉=広背筋・三角筋・上腕二頭筋の負荷回数設定

細マッチョ体型になるために発達させたい筋肉である、広背筋・三角筋・上腕二頭筋については、速筋(筋繊維タイプⅡb)をターゲットに6~10回(6~10RM)の反復回数で限界が来るような重めの重量・負荷設定でトレーニングしていきます。

過度に発達させない大胸筋・僧帽筋・上腕三頭筋の負荷回数設定

逆に、過剰な発達が細マッチョ体型の妨げとなる、大胸筋・僧帽筋・上腕三頭筋については過度に筋肥大しないように、速筋(筋繊維タイプⅡa)をターゲットにして15回前後(15RM前後)の反復回数で限界が来るような中程度の重量・負荷設定でトレーニングしていきます。

理想的な細マッチョ体型とは?現役フィージーク選手(元JOC強化指定選手)が解説
細マッチョは男性にも女性にも人気の体型として、日々トレーニングにいそしむ男性陣も少なくありませんが、その理想的な体型とはどのようなものなのでしょう? 元JOC強化指定選手で、現フィージーク競技選手(細マッチョ体型を競う公式競技)である...

細マッチョ向きの背筋群メニュー(自宅編)

懸垂

懸垂(チンニング)は背筋群を高負荷で鍛えられる自重筋力トレーニングです。 懸垂を行う場合にもっとも大切なポイントは、ただ身体を引き上げるのではなく、肩甲骨を寄せて背筋群をしっかりと収縮させることです。

このため、一般的な懸垂の概念である「バーから顎を出して一回」ということにこだわらず、「バーに胸をつけにいく軌道」で確実に肩甲骨を寄せることが、背筋力トレーニングーニングとしての懸垂には重要です。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①肩幅より広く手幅をとり、バーをグリップして背すじを真っ直ぐにして構える

②胸を張り、肩甲骨を寄せながら上半身を引き上げる

③上半身を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる

④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る

パラレル懸垂

パラレル懸垂は背中の中央部に効果的な自重筋力トレーニングです。

パラレル懸垂は通常の懸垂よりも背中の中央部に負荷がかかりやすい懸垂バリエーションです。

また、通常の懸垂よりもやや動作が楽なため、順手懸垂ができない人の練習種目としてもおすすめします。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①手の平が向き合うように懸垂バーをグリップし、背すじを真っ直ぐにして構える

②胸を張り、肩甲骨を寄せながら上半身を引き上げる

③上半身を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる

④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る

バックエクステンション

バックエクステンションは脊柱起立筋に効果的な自重筋力トレーニングです。 バックエクステンションは、うつ伏せになり上半身を反らせる動作のトレーニングで、自身の手と腕が負荷として働くため、手をどこに構えるかで強度が変わってきます。

運動経験のあまりない方におすすめなのが、動画のように手を腰位置に構えるやり方です。

うつ伏せになった状態から、手を指先まで伸ばしながら上半身を起こしていきますが、この時に勢いをつけて動作を行うと、腰に強い負担がかかりますので、ゆっくりと動き出すように十分に注意してください。

また、背筋群と首の連動性から、上半身を反らせながら顎を上げるように意識をしてください。苦しいと、つい顎を引いてしまいがちですが、顎を引くと背中が丸まり背筋が十分に収縮しません。苦しい時ほど顎を上げるイメージで動作を行ってください。

なお、トレーニングに慣れてきたら、手の位置を真横に、さらに手の位置を前方にすることで、本種目の負荷を少しずつ高めることが可能です。

最終的には、手を前方にするとともに、足先を浮かせるようにすると最高負荷が得られますが、これはスーパーマンバックエクステンションと呼ばれています。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①うつ伏せになり手を腰位置に構える

②上半身を起こしながら手を指先まで伸ばす

③ゆっくりと効かせながら元に戻る

ダンベルデッドリフト

ダンベルデッドリフトは背筋群全体に効果的なトレーニングの基本となるダンベル筋力トレーニングです。

ダンベルデッドリフトは非常に効果の高いトレーニング方法ですが、正しいやり方で実施しないと腰や膝を痛めるリスクが高い種目ですので、しっかりと基本フォームをマスターしてください。

そのフォームのポイントは以下の通りです。

・胸を張って背すじを伸ばす(腰椎保護のため)

・目線は常に上に向ける(腰椎保護のため)

・曲げた膝はつま先より前に出さない(膝関節保護のため)

・ガニ股や内股にならない(膝関節保護のため)

ダンベルデッドリフトには、大きく二つのバリエーションがあり、一つは肩幅に開いた足の外側でダンベルを持つ「ルーマニアンダンベルデッドリフト」で、もう一つは大きく開いた足と足の内側でダンベルを持つ「ダンベルスモウデッドリフト」です。

背中の筋肉をメインのターゲットにする場合は前者が、下半身の筋肉をメインのターゲットにする場合は後者が効率的なバリエーションになります。

どちらのバリエーションも、先の基本的なフォームポイントは同じで、ダンベルを引きかげながら息を吐き、最後に肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させるのも共通の動作ポイントです。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①胸をあり背すじを伸ばして構える

②膝がつま先よりも前に出ないように気をつける

③肩甲骨を寄せながらダンベルを引き上げる

④肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させる

⑤ゆっくりと元に戻る

ダンベルローイング

ダンベルローイングは広背筋に効果的な筋力トレーニングです。

ダンベルローイングには数多くのバリエーションがありますが、なかでも最もおすすめなのがワンハンドダンベルローイングで、全てのバリエーション中で最大の可動範囲がとれ、とくに広背筋に有効な方法です。

ベンチなどに片手をついて構え、ダンベルを胸の高さまで引き上げていきますが、効率的に広背筋に効かせるためにはいくつかのポイントがあります。もっとも大切なのは、「背筋群を完全収縮させること」で、そのためには以下のようなフォームに気をつける必要があります。

・胸を張って背すじを伸ばす

・前方に目線をやる

また、腕を引きながら肩甲骨を寄せていき、ダンベルを胸の高さまで上げたら、肩甲骨を寄せきって広背筋を完全収縮させることがとても重要な動作ポイントです。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①片手をつき前を見て構える

②肩甲骨を寄せながらダンベルを上げる

③肩甲骨を寄せきり広背筋を完全収縮させる

④ゆっくりと効かせながら元に戻る

ダンベルシュラッグ

ダンベルショルダーシュラッグは僧帽筋に集中的な効果があるダンベル筋力トレーニングです。

ダンベルショルダーシュラッグは、ダンベルを両手に保持して真っ直ぐに立って構え、そこから肩をすくめて肩甲骨を寄せる動作を行います。

この時に、肩甲骨以外の関節を動かさないように注意するのが大切で、肩関節などを動かしてしまうと、ターゲットとなる僧帽筋から刺激が分散してしまいますので気をつけてください。

また、息を吐きながら肩甲骨を寄せていき、最後に息を吐ききって顎をやや上げることで僧帽筋が完全収縮して効果が倍増します。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①胸を張り背すじを伸ばしてダンベルを持って構える

②息を吐きながら肩甲骨を寄せていく

③息を吐ききり、肩甲骨も寄せきり僧帽筋を完全収縮させる

④ゆっくりと効かせながら元に戻る

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細マッチョ向きの背筋群メニュー(ジム編)

T-バーローイング

Tバーローイングは背筋群に爆発的な負荷の掛かるジムマシン筋トレです。

Tバーローイングでもっとも大切な動作ポイントは「背中を丸めない」ことで、本種目は爆発的な効果がある反面、間違ったフォームで行うと強い負担が腰にかかりますので十分に注意して下さい。

背中を丸めないためには以下のフォームポイントが重要です。

・胸を張る

・お尻を突き出す

・前を見る

動作の正しい手順は以下の通りです。

①バーをまたぎ、胸を張り前を見て、背筋を伸ばしてシャフトをグリップする

②肩甲骨を寄せながらシャフトを引き上げる

③シャフトを引き上げたら、肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させる

④ある程度筋力でコントロールし、ウエイト負荷に耐えながら元に戻る

ケーブルローイング

ケーブルローイングは背筋群に効果的な基本となるジムマシン筋トレです。

まずは、シートの位置を前後に調整しますが、ポイントは腕をもっとも伸ばして構えた位置(スタートポジション)でウエイトが着地せず、筋肉にテンションがかかるようにセットすることです。

シート位置を決めてアタッチメントバーをグリップしたら、胸を張り顎を上げて前を見ます。これは、背中が丸まらないようにするためで、背筋トレーニング共通の基本となる姿勢です。

スタートポジションのフォームが決まったら、そこから腕を引き寄せていきますが、この時に肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せることが大切です。肩甲骨の寄せ動作をともなわずに腕を引いてくると、腕の筋力だけでの動作となり、肝心の背筋群に負荷がほとんどかかりません。そして、腕を引ききったら肩甲骨を寄せきり、背筋群を完全収縮させてください。

また、引く時だけでなく、戻す時にもウエイトに耐えながらゆっくりと動作し、背筋群をエキセントリック収縮(伸張性収縮)させることも、しっかりと効かせるためには重要なコツです。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①シートの前後位置を調節する

②グリップを握り肩甲骨を寄せながら腕を引いていく

③腕を引ききったら肩甲骨を寄せきり、背筋群を完全収縮させる

④ゆっくりと効かせながら元に戻る

なお、ケーブルローイングにはいくつかのバリエーションが、各アタッチメントに対応してありますが、それは以下の通りです。

ナローグリップケーブルローイング

パラレルアタッチメントを使う、狭い手幅で両手の平が向き合う(パラレルグリップ)で行うバリエーションで、僧帽筋と広背筋中央部に効果があります。

ワイドグリップケーブルローイング

ワイドアタッチメントを使う、広い手幅で手の平が下向きになるグリップで行うバリエーションで、広背筋の側部に効果があります。

リバースグリップケーブルローイング

ストレートバーアタッチメントを使う、狭い手幅で手の平が上向きになるグリップで行うバリエーションで、広背筋下部に効果があります。

ロープケーブルローイング

ロープアタッチメントを使うバリエーションで、金属製のアタッチメントと違いフレキシブルに手幅が変えられるため、自在にターゲットにする背筋部位を変えられますが、コントロールにはかなりの慣れが必要となる、上級者むけのバリエーションです。

ケーブルラットプルダウン

ラットプルダウンは広背筋に効果的な筋トレです。

まず、ラットマシンに座り、膝パットの高さを調整してトレーニング中に腰が浮かないようにセットします。

バーをグリップしたら、上半身を倒しすぎないように、肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていきます。この時に、背中が丸まらないように目線を上に向けるのがコツです。

腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させます。そして、同じ軌道でゆっくりと効かせながら(筋肉にエキセントリック収縮を加えながら)元に戻ります。

また、ラットマシンプルダウンはケーブルアタッチメントとグリップ方法によって効果のある部位が異なりますが、それは次のようになります。

ノーマルワイドグリップ

広背筋側部に集中的な負荷がかかります。

ナローパラレルグリップ

僧帽筋に集中的な負荷がかかります。

リバースグリップ

僧帽筋と広背筋下部に負荷がかかり、動画のバリエーションがこのグリップです。女性にもっともおすすめのやり方になります。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①膝パットを密着させてマシンに座り、バーをグリップして構える

②あまり上半身を倒さず、肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく

③腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり背筋を完全収縮させる

④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る

バーベルデッドリフト

バーベルデッドリフトは背筋群に効果的な筋力トレーニングです。

バーベルデッドリフトは非常に効果の高いトレーニング種目ですが、正しいやり方で行わないと、膝や腰を痛めるリスクが高い筋力トレーニング方法ですので、しっかりと適切なフォームを身につけて行ってください。

バーベルデッドリフトの二大スタイル(種類)

①ルーマニアン(ナロースタンス)デッドリフト

こちらは、ヨーロピアン(ルーマニアン)スタイルと呼ばれるデッドリフトのバリエーションで、肩幅程度に開いた足の外側をグリップするのが特徴で、背筋を使う比率が高いため、背中にターゲットを絞ったエクササイズとしてはこちらのスタイルのほうがおすすめです。

②スモウ(ワイドスタンス)デッドリフト

一方、こちらは主に競技選手が行うワイドスタンス(スモウ)デッドリフトと呼ばれるバリエーションで、大きく開いた足の内側をグリップするのが特徴です。背中の筋肉だけでなく下半身の筋肉も多く使ってバーベルを挙げるので、挙上重量を狙うパワーリフター選手が愛用する方法になります。

細マッチョ筋力トレーニングとしては、下半身も同時に使うので、全身シェイプ運動としての効果が高く、忙しい週に背中と下半身の両方を一度にトレーニングしたい場合などにおすすめです。

バーベルデッドリフトの正しいフォーム

いずれのスタイルにしろ、バーベルデッドリフトを行う上でもっとも大切で、怪我を防ぐために必要なことは「背中を丸めない」ことで、背中が丸まった状態でバーベルを持ち上げると非常にリスクが高いので、まずはこのことを徹底して意識してください。

背中が丸まらないためには、バーベルを握って構えたと時にいくつかのポイントに中止すればよいのですが、それは次のようになります。

・胸を張る

・顎を上げる

・背中を真っ直ぐにする

・お尻を突き出す

この4点を、構えた時にチェックし、全てクリアした状態であれば「背中が丸まった状態でスタートする」ことは防げます。

このほかに、膝関節を痛めないために次の2点もあわせてチェックしてください。

・膝をつま先より前に出さない

・つま先の方向に膝を向ける

以上の6点を全てクリアしたフォームであれば、怪我のリスクを大幅に回避できます。

脚で引き始める意識をする

次に、構えた後のスタートですが、意識として「腕・背中で引き始める」のではなく、「脚で引き始める」ようにし、バーベルを地面から浮かせる初動は必ず脚の筋力で行ってください。

腕や背中で引き始めるイメージで初動を行うと、どうしても背中が丸くなってしまいがちです。「脚で引き始め」→「背中で引き上げる」というのが正しい挙上の順番になります。

肩甲骨を寄せる

脚で初動を行ってバーベルを引き上げ始めたら、次に主働筋を背中に移していき、「背中で引きながら肩甲骨を寄せる」ことが大切です。この肩甲骨の寄せを行わないと上半身にバーベルがぶら下がったまま立ち上がるような動作となり、特に背中の上半分には効果が低くなってしまいます。

そして、肩甲骨を寄せながらバーベルを引き上げ、フィニッシュポジションで肩甲骨を寄せきり、背筋群を完全収縮させます。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①胸を張り、背すじを伸ばし、お尻を突き出してバーベルを握る

②膝をつま先のほうに向け、なおかつ、つま先より前に出ないように構える

③脚の筋力でバーベルを床から浮かせる

④肩甲骨を寄せながら背中でバーベルを引く

⑤引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる

ベントオーバーローイング

バーベルベントオーバーローイングは背筋群に効果的なバーベル筋力トレーニングです。

バーベルベントオーバーローは、背中に効果がありますが、やり方を間違えると腰に大きな負担がかかりますので、正しいフォームで行うことが重要です。その、フォームのポイントは次の通りです。

・胸を張る

・背中を真っ直ぐにする

・顎を上げる

・お尻を突き出す

この4点をしっかりとチェックして構えれば、腰に負担のかかる「背中が丸まった状態」になることを防ぐことができます。

次に、バーベルベントオーバーローの挙上動作で大切なのは、バーベルと身体の重心を垂直線上に保つことで、具体的には常にヘソの真下にバーベルのセンターがくるように引き上げます。

このためには、太ももの上を滑らすような軌道で挙げていくと確実です。

そして、バーベルを引き上げながら肩甲骨を寄せていき、最後に肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させます。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①胸を張り、背すじを真っ直ぐにし、お尻を突き出してバーベルを握る

②顎を上げて、太ももに沿わせてバーベルを引き上げる

③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる

④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る

バーベルショルダーシュラッグ

バーベルショルダーシュラッグは僧帽筋に集中的な効果があるバーベル筋力トレーニングです。

バーベルショルダーシュラッグは、シャフトを肩幅程度の手幅でグリップして真っ直ぐに立って構え、そこから肩をすくめて肩甲骨を寄せる動作を行います。

この時に、肩甲骨以外の関節を動かさないように注意するのが大切で、肩関節などを動かしてしまうと、ターゲットとなる僧帽筋から刺激が分散してしまいますので気をつけてください。

また、息を吐きながら肩甲骨を寄せていき、最後に息を吐ききって顎をやや上げることで僧帽筋が完全収縮して効果が倍増します。

動作の正しい手順は以下の通りです。

①胸を張り背すじを伸ばしてバーベルを持って構える

②息を吐きながら肩甲骨を寄せていく

③息を吐ききり、肩甲骨も寄せきり僧帽筋を完全収縮させる

④ゆっくりと効かせながら元に戻る

細マッチョ筋トレメニュー例

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本記事は元JOC強化指定選手・現フィジーク競技選手による執筆記事です。