本記事は元JOC強化指定選手・現フィジーク競技選手による執筆記事です。

細マッチョになる三角筋の筋トレメニュー|自宅やジムでのやり方を現役フィージーク選手が解説

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

細マッチョに最適な三角筋トレーニングのメニュー(種目)のやり方や適切な負荷回数設定について解説します。なお、本記事では自宅でできる自重&ダンベルトレーニング、ジムで行うマシン&バーベルトレーニングの種目を網羅しています。

この記事の執筆者

この記事を執筆したのは当サイト所属選手・監修者であるJOC元強化指定選手・現フィジークのHAYATE選手です。

【監修者】テコンドー・フィジーク上岡颯選手・プロフィール
当サイト監修者であるテコンドー・フィジークの上岡颯選手のプロフィールです。 監修者プロフィール 大東文化大学テコンドー部卒 幼少からフルコンタクト空手を始め、ジュニア県チャンピオンになった後、指導者に蹴り技の資質を見いだされ五輪競技...
執筆者・監修者・運営者情報

三角筋の作用と構造

読みかた:さんかくきん
英語名称:deltoid muscle
部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面

三角筋は上腕最上部に位置する筋肉で、前部・中部・後部に分けられ、それぞれ「腕を前に上げる」「腕を横に上げる」「腕を後ろに上げる」働きがあります。

なお、全身の主な筋肉の名称・作用・構造については下記のデジタル図鑑をご参照ください。

【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
全身の筋肉のなかでも筋トレで鍛える対象となる骨格筋(表層筋・深層筋)を部位別にその名称と作用を解説します。また、あわせて各筋肉部位別の代表的な筋トレ種目を図説するとともに、部位別筋トレ記事(動画付き)のリンクもご紹介します。 なお、体...
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細マッチョ体型=フィジーク競技の採点基準

細マッチョに最適化された、各筋肉の具体的発達具合とは次のようなものです。

肩幅が広く逆三角形の体型を強調するために、広背筋と三角筋は発達していればいるほど理想的です。また、力強さを感じる「力こぶの筋肉=上腕二頭筋」も発達しているのが理想です。

逆に、僧帽筋・大胸筋・上腕三頭筋が過度に発達していると、細マッチョではなくムキムキのゴリマッチョ感がと良くなってきますので、これらの筋肉は適度な発達が望ましい部位です。同様に、太すぎる下半身も細マッチョの理想体型とは相反する要素です。

ですので、細マッチョ体型を目指すフィージーク系トレーニングの場合、これらに最適化された負荷回数設定で各筋肉をトレーニングしていく必要があります。

筋繊維の種類と負荷回数設定

筋トレ対象となる筋肉=骨格筋は、筋繊維が束状になり構成されています。そして、その筋繊維は主に2種類(速筋と遅筋)に分類され、さらに速筋は2タイプ(TYPEⅡa・TYPEⅡb)に分類されます。これらの各筋繊維タイプにはそれぞれに特性があり、トレーニングに対する反応や適正な負荷回数設定も異なります。

①遅筋(筋繊維タイプⅠ)

60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

②速筋(筋繊維タイプⅡa)

30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

③速筋(筋繊維タイプⅡb)

30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

細マッチョトレーニングの負荷回数設定

発達させたい筋肉=広背筋・三角筋・上腕二頭筋の負荷回数設定

細マッチョ体型になるために発達させたい筋肉である、広背筋・三角筋・上腕二頭筋については、速筋(筋繊維タイプⅡb)をターゲットに6~10回(6~10RM)の反復回数で限界が来るような重めの重量・負荷設定でトレーニングしていきます。

過度に発達させない大胸筋・僧帽筋・上腕三頭筋の負荷回数設定

逆に、過剰な発達が細マッチョ体型の妨げとなる、大胸筋・僧帽筋・上腕三頭筋については過度に筋肥大しないように、速筋(筋繊維タイプⅡa)をターゲットにして15回前後(15RM前後)の反復回数で限界が来るような中程度の重量・負荷設定でトレーニングしていきます。

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細マッチョ向きの三角筋メニュー(自宅編)

パイクプッシュアップ

パイクプッシュアップは腕を押し出す軌道が身体に対して斜め上方になることから、三角筋に効果の高い自重トレーニングです。これは、ショルダープレス系トレーニングと近い軌道になることからお分かりいただけると思います。

本種目のフォームにおいて注意すべきポイントは「肘を張り出し過ぎない」ことです。このことはショルダープレス系トレーニンウに置き換えていただくと理解しやすいと思いますあ、肘が張り出し過ぎると肩関節に対して過度な負荷がかかります。十分に意識して動作してください。

また、肩関節への負荷のみならず、三角筋への適切な負荷のかかり方を考慮すると、動作の折り返しポイントで反動は使うべきではありません。しっかりと動作と自重をコントロールして行ってください。

本種目の動作手順

①手を肩幅より広く置き、腰を曲げてうつ伏せに構える

②肘を張り出さないように注意しつつ、斜め前方に身体を下ろす

③身体を下ろしたら反動を使わないように一旦停止し、そこから元に戻る

ダンベルショルダープレス

ダンベルショルダープレスは三角筋の発達が重要視されるフィジーク競技においては非常に重要な基礎種目です。ただし、二次的に効果の出る上腕三頭筋は過度な発達は避けるべきなので、実施する際にはフォームに注意が必要となります。

具体的には、完全にダンベルを押し上げず、上腕三頭筋が完全収縮しないように注意します。これにより、三角筋には刺激が入りますが、上腕三頭筋へ過度な刺激が入ることを防ぐことができます。

このほかに、肘があまり後ろに入らない軌道で動作することも意識します。肘が後方に入り込むフォームだと、三角筋に負荷がかかりにくいだけでなく、肩関節に負担となりますので注意してください。

なお、三角筋への負荷を最大化するためには、上げる時だけでなく下ろす時にもしっかりとウエイトをコントロールし、ネガティブ動作でも効かせていくことが大切です。

本種目の動作手順

①胸の前でダンベルを保持して構える

②肘が後ろ側に入らないように気をつけながらダンベルを押し上げる

③完全に押し上げる前に停止し、効かせながら元に戻る

ダンベルサイドレイズ

ダンベルサイドレイズは三角筋のなかでも横方向へのバルクアップにつながる三角筋中部に効果が高い重要種目です。また、軌道を前よりすると三角筋前部に、後ろ寄りにすると三角筋後部に負荷のかかり方が変化します。

本種目は重量を追い求めると「ダンベルを振り回すだけのトレーニング」になりがちですので、完全にコントロールできる重量で、反動を全く使わずに動作することがベストです。

ダンベルを上げる高さですが、肩の位置よりも上に上げていく必要はあまりなく、肩の高さよりもやや低いくらいで一瞬停止してから、効かせながら下ろすことで効果が倍増します。

本種目の動作手順

①ダンベルを身体の横側で保持して構える

②ウエイトをコントロールしながら肩の高さよりもやや下までダンベルを上げる

③しっかりと効かせながら元に戻る

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細マッチョ向きの三角筋メニュー(ジム編)

スミスマシンショルダープレス

スミスマシンショルダープレスはは三角筋に効果的なジム筋トレで、フリーウエイトトレーニングに近い感覚で取り組むことができます。

スミスマシン共通の特徴として、ウエイトのブレをマシンレールが支えてくれるので筋肉に負荷を加えることに集中できる反面、軌道が固定されているのでズレが全て関節にかかってしまうというものがあります。事前に十分に構え方のチェックをして、関節に負担がかからないフォームか確認してください。

スミスマシンショルダープレスの場合は、シャフトを下ろした時に上半身が反り、肩関節に開き負荷がかからないかを事前に確認し、実際のトレーニングでは、「肘が身体の後ろ側にならない」ように注意して動作を行ってください。

また、シャフトを押し上げる時に三角筋の前部と中部に、ウエイトに耐えながら下ろす時に三角筋の後部に効果がありますので、下ろす時もしっかりと筋力でコントロールして効かせるようにしましょう。

なお、シャフトを首の後ろに下ろすミリタリープレスと呼ばれるやり方もありますが、肩の柔軟性が十分にある方にかぎりおすすめします。

本種目の動作手順

①肩に負担がないか確認してから構える

②肘が身体の後ろ側にならないように押し上げる

③ゆっくりと効かせながら元に戻る

マシンショルダープレス

マシンショルダープレスはは三角筋に効果的な基本となるジムマシン筋トレです。

まずは、マシンのシートに座ってバーを握りますが、この時に肘が体幹の後ろ側にならないように気をつけて構えてください。肘が後ろにいきすぎると、肩関節に開き負荷がかかり痛めるリスクがあります。

次に、バーを押し上げていきますが、バーの真下に手首と肘がくるように注意し、ウエイトを前腕骨に垂直に乗せるイメージで動作してください。

マシンショルダープレスは、腕を押し上げる時に三角筋の前部と中部に、ウエイトに耐えながら下ろす時に三角筋後部に効果があります。

元に戻る時も、しっかりと筋力でコントロールして効かせるようにしましょう。

また、マシンによっては手の平が向き合うパラレルグリップで行えるタイプもあり、肩関節への負担が少ないのが特徴です。グリップが選べる場合は、両方試してみて、ご自身に合ったグリップをチョイスするとよいでしょう。

本種目の動作手順

①シートに座りバーをグリップする

②肘が体幹の後ろ側にならないように構える

③バーの真下に手首と肘がくるように注意し、バーを押し上げる

④ゆっくりと効かせながら元に戻る

ケーブルデルタレイズ

ケーブルサイドレイズ

ケーブルサイドレイズは三角筋中部に集中的な効果があるジムマシン筋トレです。

ケーブルサイドレイズでまず注意したいポイントは、上半身を反らさないようにすることです。上半身を反らせてしまうと、負荷が背筋下部に逃げてしまいますので、直立を維持して動作ができる重量設定をしてください。

また、勢いをつけてケーブルを引き上げると、負荷の多くが僧帽筋にかかり、肝心の三角筋には効きづらくなります。

本種目の動作手順

①マシンの横に立ち、シングルハンドアタッチメントを持ち、背すじを伸ばして構える

②上半身を反らせたり、勢いをつかったりせずに、肘を伸ばしたまま拳を真横に上げる

③拳を肩の高さまで上げたら、ゆっくりと効かせながら元に戻る

ケーブルフロントレイズ

ケーブルフロントレイズは三角筋前部に集中的な効果があるジムマシン筋トレです。

ケーブルフロントレイズで大切なポイントには二点あり、まず、背筋下部に負荷を逃がさないために上半身を反らさないこと、そして、背筋上部に負荷を逃がさないために肩甲骨を寄せないことです。

上手く動作ができない場合は、両手で持つバーアタッチメントではなくシングルハンドアタッチメントで片腕ずつトレーニングを行ってください。

ケーブルリアラテラルレイズ

ケーブルリアラテラルレイズは三角筋後部に効果的な筋トレです。

ケーブルリアラテラルレイズは中腰になり、大きく前傾して構えます、そこからケーブルアタッチメントを横に上げていきますが、この時に「肩甲骨を寄せないこと」を意識して動作を行ってください。

三角筋のトレーニングは、隣接している背筋群に負荷が逃げやすく注意が必要ですが、これは一般的なトレーニングで行う「肩甲骨を寄せる動作をせず」、肩甲骨を寄せずに動作することで防ぐことができます。

三角筋のトレーニングでは、基本的に肩甲骨は寄せずに固定することを覚えておいてください。

ケーブルアタッチメントを引き上げたら、次に下ろしていきますが、この時にウエイトに耐えながらゆっくりと下ろし、三角筋後部にエキセントリック収縮(伸張性収縮)の負荷を与えることも大切です。反動を使わず、常にゆっくりとした動作を行いましょう。

バーベルショルダープレス

バーベルショルダープレスは三角筋効果的な筋トレです。

バーベルショルダープレスには、動画のように座って行うシーテッドスタイルと立って行うスタンディングスタイルとがありますが、反動を使って高重量を扱う男性のトレーニングと違い、確実な動作でしっかりと効かせていくシェイプアップトレーニングでは、シーテッドバーベルショルダープレスのほうがおすすめです。

バーベルショルダープレスで注意したいポイントは、「肘が身体の後ろ側にいかない」ことで、肘が体幹より後ろに入るような上半身が反ったフォームだと、肩関節に開き負荷がかかりますので注意してください。

また、バーベルを押し上げる時に肩の筋肉・三角筋の前部と中部に、ウエイトに耐えながら下ろす(エキセントリック収縮)の時に三角筋後部に効果がありますので、下ろす時もしっかりと筋力でコントロールして効かせるようにしましょう。

なお、バーベルを首の後ろに下ろすミリタリープレスと呼ばれるやり方もありますが、肩の柔軟性が十分にある方にかぎりおすすめします。

本種目の動作手順

①ベンチに座り胸の上でバーベルを構える

②肘が身体の後ろに入らないように気をつけてバーベルを押し上げる

③ゆっくりと効かせながら元に戻る

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