
結論から言います。膝つき腕立て伏せは、条件が合う人にとっては非常に意味のある自重トレーニングです。
ただし、腕立て伏せの下位互換でもなければ、誰にでも勧められる万能種目でもありません。使い方を間違えると、成長を止める種目にもなります。
膝つき腕立て伏せは負荷調整されたプレス動作
膝つき腕立て伏せは、通常の腕立て伏せから体重負荷を大きく減らしたプレス系自重種目です。
膝を床につけることで、体幹と下半身の重量が抜け、主に上半身だけで押す構造になります。狙われる筋肉自体は通常の腕立て伏せと同じで、大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋が中心です。
ただし、負荷方向と筋出力は大きく異なります。体幹の固定が弱くなりやすく、全身運動としての要素は薄くなります。
腕立て伏せができない人にとっては価値が高い
膝つき腕立て伏せが最も機能するのは、通常の腕立て伏せが1回もできない段階です。
このレベルでは、いきなりフルの腕立て伏せを行っても、フォームが崩れ、肩や肘に負担が集中しやすくなります。
膝つきにすることで、押す動作そのものを安全に反復でき、プレス動作の基礎を作ることができます。この段階では「効かせる」よりも「正しく動かす」ことが最優先です。
膝つき腕立て伏せのやり方と動作ポイント

①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を床につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、膝を床について構える
②肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり、逆に腰を曲げたりしないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

当サイト運営ジム「FutamiTC」での指導経験をもとに記載しています。

なお、本記事は元日本代表・生物学学芸員の上岡岳が初稿執筆し、元JOC強化指定選手・現フィジーク選手の上岡颯が最新の競技知見と実践を加えて追記・編集しています。
初心者向けだが雑にやっていい種目ではない
膝つき腕立て伏せは初心者向けとされがちですが、適当に行うと意味がなくなります。特に多いのが、腰が折れたまま腕だけで上下する動作です。この状態では胸にも腕にもまともな刺激は入りません。
膝をついていても、頭から膝までを一直線に近づける意識を持ち、胸を床に近づける動作を作る必要があります。膝つき=楽、ではありません。
筋肥大を狙う主力種目にはならない
膝つき腕立て伏せは、筋肥大を最大化する種目ではありません。負荷が軽いため、一定レベルを超えると刺激が頭打ちになります。胸や腕を明確に太くしたい場合、通常の腕立て伏せ、加重腕立て伏せ、ベンチプレス系への移行が必要になります。
膝つきのまま回数だけを増やしても、成長は止まります。
中級者以上が使う価値は限定的
トレーニング経験がある人にとって、膝つき腕立て伏せの出番は多くありません。ウォームアップ、リハビリ、疲労が強い日の軽い刺激入れといった限定的な用途に絞られます。
これを胸トレの中心に据えると、確実に出力不足になります。
膝つき腕立て伏せは通過点であってゴールではない
膝つき腕立て伏せは、最終形ではありません。目標は、通常の腕立て伏せを安定して行えるようになることです。膝つきでフォームと押す感覚を作り、段階的にフルの腕立て伏せへ移行する流れが重要です。
この移行が起きない場合、膝つき腕立て伏せは「逃げの種目」になります。
膝つき腕立て伏せの結論
膝つき腕立て伏せは、誰にでも必要な種目ではありません。しかし、腕立て伏せができない段階にある人にとっては、安全かつ有効な導入種目です。
万能視せず、目的と期間を限定して使うこと。この距離感を理解している人ほど、膝つき腕立て伏せを正しく活かせます。
動画付きの詳細解説

筋トレコラム記事集

【効率的な筋トレ】まだそのやり方で消耗してるの?目からウロコのコラム記事集
部位分割メニュー例

週2・3・4回の部位分割筋トレメニュー
主な筋トレ種目一覧

図解付き主要種目の一覧ページ
下記にリンクしています主要種目の個別解説記事は、動画だけでなく一目で理解しやすい図解付きでフォームについて説明しています。
自重トレーニング
腕立て伏せ(大胸筋)パイクプッシュアップ(三角筋)
ベンチディップス(上腕三頭筋)
懸垂(背筋群)
バックエクステンション(背筋群)
逆手懸垂(上腕二頭筋)
自重スクワット(下半身)
チューブトレーニング
チューブチェストプレス(大胸筋)チューブチェストフライ(大胸筋)
チューブショルダープレス(三角筋)
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブローイング(背筋群)
チューブカール(上腕二頭筋)
チューブレッグプレス(下半身)
ダンベルトレーニング
ダンベルプレス(大胸筋)ダンベルフライ(大胸筋)
ダンベルショルダープレス(三角筋)
ダンベルサイドレイズ(三角筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルカール(上腕二頭筋)
ダンベルスクワット(下半身)
マシントレーニング
マシンチェストプレス(大胸筋)ケーブルフライ(大胸筋)
スミスマシンベンチプレス(大胸筋)
マシンショルダープレス(三角筋)
ケーブルプレスダウン(上腕三頭筋)
ラットプルダウン(背筋群)
ケーブルローイング(背筋群)
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
ケーブルカール(上腕二頭筋)
マシンレッグプレス(下半身)
スミスマシンスクワット(下半身)
バーベルトレーニング
バーベルベンチプレス(大胸筋)バーベルショルダープレス(三角筋)
ナローベンチプレス(上腕三頭筋)
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルベントオーバーロウ(背筋群)
バーベルグッドモーニング(背筋群)
バーベルカール(上腕二頭筋)
バーベルスクワット(下半身)
