
スクワットは下半身の代表的なトレーニングメニューですが、二次的な効果として腹筋周辺=腹直筋下部や腸腰筋にも効果の高い筋トレ種目です。
スクワットが効果のある筋肉部位を解説するとともに、その正しいやり方、種類についてもご紹介します。
スクワットのやり方図解

スクワットが効果のある筋肉部位
筋肉の構造と作用に関しては下記の学術サイトを参照しています。
・https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/
大腿四頭筋の構造と作用

大腿四頭筋は、大腿部の前面に広く分布している筋肉で、人体の筋肉のなかで最も体積が大きく筋力も最大の筋肉です。
大腿四頭筋は大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つの筋肉からなる筋肉群で、この4つの筋肉が共働して膝関節を伸展する働きを持ちます。
また、大腿部を外転(横に開く)作用にも関わっています。
ハムストリングスの構造と作用

ハムストリングスは大腿部の後面に分布している筋肉群で、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉から構成されています。大腿四頭筋の拮抗筋として作用し、膝関節を屈曲させる働きがあります。
日常やスポーツ競技において、人体最大の筋肉群である大腿四頭筋に拮抗することから、ハムストリングスはその体積に対してかかる負荷が高く、肉離れなどの故障を起こしやすい筋肉群としても知られています。
臀筋群の構造と作用

臀筋群は、大臀筋・中臀筋・小臀筋の三層構造をしており、股関節の伸展および外転の作用を持っています。
内転筋群の構造と作用

骨盤と大腿骨に接合するように内転筋と呼ばれるインナーマッスルがあり、大内転筋・小内転筋・長内転筋・短内転筋の四部位に分けられ、大腿の内転作用を持っています。
下腿三頭筋の構造と作用

下腿には、後面の下腿三頭筋(ふくらはぎ)と前面の前脛骨筋があり、それぞれ足首を伸展および屈曲させる作用があります。
腸腰筋群の構造と作用

股関節前面には、腸腰筋群と呼ばれるインナーマッスルがあり、大腰筋・小腰筋・腸骨筋に分けられ、股関節の屈曲と骨盤の維持の作用があります。
スクワットは、股関節の屈曲・伸展を大きくともなう動作ですので、この腸腰筋群に対しても非常に有効です。
腸腰筋群が鍛えられると、骨盤の位置が正常になり、結果として内臓代謝も良くなり、下腹ぽっこりの解消にもつながるとされています。
腹筋群の構造と作用

一般に「腹筋」と呼ばれているのは「腹筋群」の俗称で、腹筋群は「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」の四つの筋肉が折り重なった四層構造をしています。
腹直筋は表層にある筋肉で、俗にシックスパックとも呼ばれるもっとも外見に影響する筋肉です。この筋肉は縦に長く、その機能から「腹筋上部」と「腹筋下部」に分けられます。腹筋上部は主に「体幹を屈曲させる」働きがあり、腹筋下部は腸腰筋群と共働して「脚を前に上げる」働きがあります。
外腹斜筋と内腹斜筋は体側にかけて分布する筋肉で、共働して「腹部を横に曲げる」「腹部を捻る」といった働きがあります。
スクワットは、このなかでも腸腰筋群と連動性の高い「腹直筋下部」=「下腹」にも効果的です。
結論:スクワットは特に腹筋下部に有効
これら、スクワットが効果のある筋肉群を考慮すると、スクワットは特に腹筋下部=下腹にも有効であると言えます。
スクワットで主に動員される大腿四頭筋からハムストリングスにかけての筋群は、人体の中でも特に筋量が大きい部位として知られています。この部位にしっかりと負荷がかかり、トレーニング後の回復過程が進むことで、身体全体の代謝活動に関与するエネルギー消費も増加しやすくなります。
こうした代謝活動の変化によって、日常生活を含めた総エネルギー消費量にも影響が及ぶため、運動習慣全体の負荷設計という観点から見ても、下半身のトレーニングは重要な位置づけになります。
スクワットは、体幹や下半身を中心とした身体の安定性や動作効率に幅広く関与する種目であり、全身を連動させて動かすという意味でも、トレーニングの中核に据えやすい代表的な種目です。
スクワットの基本四種類のやり方
ノーマルスクワット

自重スクワットの基本となるのが、ノーマルスクワットで下半身全体に有効です。スクワット運動は大きく二つの動作、すなわち立ち上がる動作としゃがむ動作に分けられ、それぞれで負荷のかかる筋肉部位が異なります。
立ち上がる動作で負荷のかかる筋肉部位

スクワットの立ち上がる動作で負荷のかかる筋肉部位は、大腿四頭筋・臀筋群・下腿三頭筋です。
なお、このように筋肉が収縮しながら動作を行うと、該当する筋繊維にはコンセントリック収縮(短縮性収縮)と呼ばれる負荷がかかります。
しゃがむ動作で負荷のかかる筋肉部位

しゃがむ動作をゆっくりと重力に逆らいながら行うことで、筋肉にはエキセントリック収縮(伸張性収縮)と呼ばれる負荷がかかり、スクワット運動に組み込んだ場合、ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)・腸腰筋群・前脛骨筋に対して負荷が加わります。
自重スクワットの動作ポイント
スクワット系運動全てに言えることですが、もっとも大切な動作ポイントは「膝をつま先よりも前に出さない」ということで、これは膝関節・靭帯に過負荷がかからないようにするために非常に重要なことです。
膝がつま先を越えるまでは筋力で体重を支えていますが、膝がつま先よりも前に出た時点で体重は膝の靭帯の張力で支えてしまう状態になります。十分に留意してください。
また、スクワット系運動においては膝の向きとつま先の向きを揃えることも大切で、この向きが揃っていないと膝関節に「ねじれ負荷」がかかってしまうので注意が必要です。
効果的に筋肉に負荷をかけるためのポイントとしては、背すじを伸ばす(背中を丸めない)ことが重要で、これは背すじを伸ばす意識だけでなく、目線を上に向けてセットを行うことで大幅に改善されます。
ワイドスクワット

ワイドスクワットは大きく足幅を開いて行うスクワットです。足はやや外向きに開き、つま先の方向と膝の向きを揃えます。通常のスクワットと違い、斜め後方ではなく下方に腰を下ろし、太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに立ち上がります。
特に注意したいポイントが、膝の向きとつま先の向きを揃えることで、これができておらず股関節が外旋(外股状態)または内旋(内股状態)で行うと、股関節のみならず膝関節にも負担となりますので注意が必要です。
シシースクワット

シシースクワットは上半身を後方にのけぞるようにしてしゃがむことで、太もも前面の大腿四頭筋に対して負荷を集中できるスクワットのバリエーションです。図のように、柱などを保持して行うと初心者でも取り組みやすくなります。
ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワット(ワンレッグスクワット)は、下半身後ろ側に負荷をかけられるスクワットのバリエーションで、特に後ろに置いた脚を主働にして動作を行うことで、ハムストリングスや臀筋群に有効です。
スクワット系種目一覧
自重スクワット
ブルガリアンスクワット
ワイドスクワット
シシースクワット
フロントランジ
サイドランジ
部位分割メニュー例

週2・3・4回の部位分割筋トレメニュー
主な筋トレ種目一覧

図解付き主要種目の一覧ページ
下記にリンクしています主要種目の個別解説記事は、動画だけでなく一目で理解しやすい図解付きでフォームについて説明しています。
自重トレーニング
腕立て伏せ(大胸筋)パイクプッシュアップ(三角筋)
ベンチディップス(上腕三頭筋)
懸垂(背筋群)
バックエクステンション(背筋群)
逆手懸垂(上腕二頭筋)
自重スクワット(下半身)
チューブトレーニング
チューブチェストプレス(大胸筋)チューブチェストフライ(大胸筋)
チューブショルダープレス(三角筋)
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブローイング(背筋群)
チューブカール(上腕二頭筋)
チューブレッグプレス(下半身)
ダンベルトレーニング
ダンベルプレス(大胸筋)ダンベルフライ(大胸筋)
ダンベルショルダープレス(三角筋)
ダンベルサイドレイズ(三角筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルカール(上腕二頭筋)
ダンベルスクワット(下半身)
マシントレーニング
マシンチェストプレス(大胸筋)ケーブルフライ(大胸筋)
スミスマシンベンチプレス(大胸筋)
マシンショルダープレス(三角筋)
ケーブルプレスダウン(上腕三頭筋)
ラットプルダウン(背筋群)
ケーブルローイング(背筋群)
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
ケーブルカール(上腕二頭筋)
マシンレッグプレス(下半身)
スミスマシンスクワット(下半身)
バーベルトレーニング
バーベルベンチプレス(大胸筋)バーベルショルダープレス(三角筋)
ナローベンチプレス(上腕三頭筋)
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルベントオーバーロウ(背筋群)
バーベルグッドモーニング(背筋群)
バーベルカール(上腕二頭筋)
バーベルスクワット(下半身)
