
スペアリブとカルビは、どちらも「骨のまわりが旨い肉」として知られています。料理のジャンルや提供される場面は違いますが、食べたときの満足感や脂の入り方に、どこか共通した印象を持つ人も多いはずです。この2つの肉は、偶然似ているわけではありません。解剖学的に見ると、どちらも肋間筋を中心とした肋骨周辺の筋肉に由来する部位だからです。
先に結論を言います。スペアリブもカルビも、筋トレにおける食べ方はバルクアップ期一択です。
スペアリブとカルビはどこの筋肉か
スペアリブもカルビも、肋骨の内外に付着する肋間筋を中心とした体幹筋です。肋間筋は、呼吸のたびに胸郭を広げたり縮めたりする作用を持つ筋肉で、吸う時も吐く時も常に動員され続けています。このため、完全に休む瞬間がなく、生命維持に直結した役割を担っている筋肉になります。
このような筋肉は、大きな瞬発力を発揮することはありませんが、使用頻度が極めて高く、周囲を支える筋膜や結合組織が発達します。そして、その構造が、そのまま肉質の特徴として現れています。
肋間筋そのものは筋線維が細かい一方で、その周囲には結合組織や脂肪層が重なっています。特に骨に近い部位では、筋膜や骨膜が発達しており、短時間の加熱では硬さとして感じられやすくなります。しかし、脂質と結合組織が多いということは、裏を返せばエネルギー密度が高く、旨味の源が豊富だということでもあります。
スペアリブとカルビの違いは筋肉ではなく文化
スペアリブとカルビの違いは、筋肉部位の違いそのものではありません。違いは、食肉としての切り出し方、そして食文化です。豚は体が比較的小さく、肋骨ごと切り出しても調理しやすいため、骨付きのスペアリブとして扱われます。一方、牛は体が大きく、骨を外しても十分な量が確保できるため、焼肉用にスライスされたカルビとして提供されます。
つまり、同じ肋間筋周辺の肉を、骨付きで食べるか、骨なしで食べるかの違いに過ぎません。
筋トレでの食べ方は「バルクアップ期一択」
スペアリブやカルビは、高タンパク質低脂質が是体的な基準となる「減量期の食材」ではありません。脂質が多く、消化にも時間がかかり、摂取カロリーは自然と高くなります。この特性は、減量期や調整期ではあきらかに不要です。
しかし、バルクアップ期においては評価が一変します。高重量トレーニングや高ボリュームの練習が続く時期は、筋肉に大きな負担がかかります。そこで、脂質とエネルギー密度の高い肋骨周辺肉(スペアリブやカルビ)を食べることは、単に「太るため」ではなく、高強度トレーニングに耐えられる身体を作るための食事になります。
スペアリブやカルビの実際のレシピ
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