
自重トレーニングのディップスは大胸筋下部と上腕三頭筋に効果の高い筋トレ種目ですが、時々「ディップスが肩に効いてしまう」という質問を受けます。
ディップスが肩に効くのはフォームが間違っているからであり、さらにフォームによっては肩の筋肉・三角筋ではなく、肩関節に効く(負担がかかる)場合すらあります。
これらを踏まえて、ディップスの正しいやり方と肩に効いてしまう場合の原因について解説します。
ディップスを行った際に「肩に効いてしまう」と感じるケースについて、筋肉ではなくフォーム構造と関節の使われ方から整理しています。
本記事は、ディップスを胸や上腕三頭筋狙いで行っているにもかかわらず、意図しない部位に違和感が出る場合を想定しています。
ディップスが効果のある筋肉部位
筋肉の構造と作用に関しては下記の学術サイトを参照しています。
・https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/
大胸筋下部と上腕三頭筋長頭

プレス系種目のほとんどは、上図の上半身の押す筋肉三つ(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋)に効果がありますが、ディップスにかぎっては正しいフォームで行えば三角筋に負荷がかかることはありません。
ディップスは大胸筋のなかでは大胸筋下部に、上腕三頭筋のなかでは上腕を閉じた(脇を閉めた)状態で作用する上腕三頭筋長頭に効果的です。
ディップスの正しいフォーム

上半身をやや前傾させ脇を閉めて行う
こちらが、模範的な正しいフォームでディップスを行っているトレーニング動画です。
まず、大胸筋下部を鍛えるためには、その作用である「腕を斜め前下方」に押し出す軌道でディップスを行う必要があり、このためには、上半身をやや前傾させて斜め前方向に身体を下ろす必要があります。
これが、ディップスの一つ目のポイントです。
次に、上腕三頭筋長頭を鍛えるためには、その作用である「肘関節伸展および上腕内転」が満たされる軌道でディップスを行わなければなりません。
このためには、脇を閉め(上腕を内転させ)さらに肘を閉めて動作を行う必要があります。
これが、ディップスの二つ目のポイントです。
以上、二つのポイントをしっかり守った正しいフォームでディップスを行えば、「ディップスが肩に効く」ということにはなりません。
ディップスが肩に効く原因

本文で述べている「肩に効く」という感覚には、筋肉への刺激ではなく関節周辺に負担が集中しているケースが含まれます。
①真下または斜め後ろに身体を下ろしている
ディップスが肩に効いてしまう場合の、良くないケースが「真下または斜め後ろに身体を下ろしている」というフォームです。
このように、上半身が後ろに傾いた状態でディップスを行うと、多くの方(肩関節が柔軟な方以外)は肩関節の可動範囲を越えてしまいます。
この状態でトレーニングを繰り返すと、肩の筋肉・三角筋ではなく肩関節周辺の靭帯に過剰負荷がかかってしまい、怪我や故障の原因になってしまいます。
後傾したディップスのフォームで「肩に効いている」のは筋肉に効いているのではなく、靭帯に効いてしまっているのです。
その場合の翌日の痛みは、筋肉痛ではなく、より深層の靭帯の痛みですので、すみやかにフォームを改善しましょう。
②脇が開いて肘が横に張り出している
ディップスが肩に効いてしまうもう一つのケースが、脇が開いて肘が横に張り出し、結果として上腕三頭筋短頭と三角筋を動作に使ってしまっているというものです。
ちょうどデクラインベンチプレスの軌道になっていると言えます。
このケースは、先のケースほどリスキーな間違いではありませんが、ディップスの最大の効果である大胸筋下部と上腕三頭筋長頭への負荷を逃がしていますので、やはりフォーム改善が大切です。
③肩甲骨を寄せていない
ディップスだけでなく、大胸筋のトレーニング全般に言えることですが、肩甲骨を引き寄せずに肩が前に出たフォームだと、負荷が大胸筋に直接加わらず、肩に逃げる(三角筋や肩関節に負荷がかかる)ことになります。軽度だと「三角筋に効いてしまう」状態ですが、重度だと「肩が痛くなる」原因になります。
④結論
正しいフォームで行えば、ディップスは肩に負担をかける種目ではありません。
肩甲骨を寄せるギア

プレス系種目で大切なフォームの一つに「肩甲骨を寄せた姿勢を保つ」ことがありますが、これは肩関節が前方へ突出することを防ぎ、①大胸筋へ負荷を集中させる、②肩への余計な負担を防ぐ、という2つの意味があります。
肩甲骨を寄せた姿勢をとることが苦手な方は、スパインサポーターなど専用のトレーニンググッズを使用するのも一つの方法です。
LARA★STARスパインサポーター|肩甲骨を寄せた姿勢をつくるグッズ
発想の筋トレ
目からうろこのコラム記事集

大好評の発想と工夫の筋トレシリーズを一覧にまとめました。うまく効かせられない筋トレ種目がある時は、ぜひ、参考にしてください。
【効率的な筋トレ】まだそのやり方で消耗してるの?目からウロコのコラム記事集
筋トレを快適にする3大マストアイテム
①手首を保護するリストラップ
ジムトレーナーが本音で解説

プレス系トレーニングの効率を高め、手首を保護するために必須ともいえるマストアイテムがリストラップですが、本当にたくさんのメーカー・種類がありすね。そして、検索ででてくる「推薦されているリストラップ」は正直、全くそうではありません。なぜなら、多くの記事は素人またはそれに近いライターさんが書いているもので、リストラップの本質について書かれてはいません。もちろん、そのチョイスについてもしかりです。
下記の記事は、国内主要メーカーのリストラップ(IPF公認含む)を「ウエイト下垂実験」もふくめて本気で試用・考察したものです。筆者のトレーナーとしての意見、パワーリフティング元日本王者の理論など、「本物のリストラップについて本音で解説」しています。
②グリップを助けるパワーグリップ
握力を補助してオールアウトする

プル系トレーニングによくあるのが「握力が先になくなってターゲットの筋肉を十分に追い込めない」というケースです。このような場合、パワーグリップやエイトストラップと呼ばれる握力補助グッズを使うことで、限界まで追い込めオールアウトが可能になります。
その特徴や具体的な使い方は下記の記事で、実際に使用しているものを解説しています。
リストストラップ&パワーグリップの種類と筋トレ目的別の使い方
③腰を守るトレーニングベルト
腹圧を上げて筋力を向上させる効果もある

筋トレのマストアイテムとも言えるのがトレーニングベルトですが、ナイロンベルト・革ベルト・ピン式パワーベルト・フック式パワーベルト・レバーアクション式パワーベルトと、さまざまな種類があります。
下記の記事は各種のトレーニングベルト(パワーベルト)の種類と特徴についてわかりやすく解説しています。
トレーニングベルト(パワーベルト)の種類と効果|筋トレ目的別に適したタイプを解説
部位分割メニュー例

週2・3・4回の部位分割筋トレメニュー
主な筋トレ種目一覧

図解付き主要種目の一覧ページ
下記にリンクしています主要種目の個別解説記事は、動画だけでなく一目で理解しやすい図解付きでフォームについて説明しています。
自重トレーニング
腕立て伏せ(大胸筋)パイクプッシュアップ(三角筋)
ベンチディップス(上腕三頭筋)
懸垂(背筋群)
バックエクステンション(背筋群)
逆手懸垂(上腕二頭筋)
自重スクワット(下半身)
チューブトレーニング
チューブチェストプレス(大胸筋)チューブチェストフライ(大胸筋)
チューブショルダープレス(三角筋)
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブローイング(背筋群)
チューブカール(上腕二頭筋)
チューブレッグプレス(下半身)
ダンベルトレーニング
ダンベルプレス(大胸筋)ダンベルフライ(大胸筋)
ダンベルショルダープレス(三角筋)
ダンベルサイドレイズ(三角筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルカール(上腕二頭筋)
ダンベルスクワット(下半身)
マシントレーニング
マシンチェストプレス(大胸筋)ケーブルフライ(大胸筋)
スミスマシンベンチプレス(大胸筋)
マシンショルダープレス(三角筋)
ケーブルプレスダウン(上腕三頭筋)
ラットプルダウン(背筋群)
ケーブルローイング(背筋群)
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
ケーブルカール(上腕二頭筋)
マシンレッグプレス(下半身)
スミスマシンスクワット(下半身)
バーベルトレーニング
バーベルベンチプレス(大胸筋)バーベルショルダープレス(三角筋)
ナローベンチプレス(上腕三頭筋)
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルベントオーバーロウ(背筋群)
バーベルグッドモーニング(背筋群)
バーベルカール(上腕二頭筋)
バーベルスクワット(下半身)
