【ミックスナッツ】基本8種類の栄養素とカロリー|筋トレとの関係を脂質面から解説

この記事の数値は文部科学省の食品成分データベースに基づいて算出しています。

ミックスナッツはおやつにおつまみに美味しくて、健康維持に役立つ栄養素もたくさん含まれています。そんなミックスナッツの全てを解説するとともに、筋トレとの関わりを脂質面からも解説していきます。

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ナッツとは?

ナッツとは、植物の種子のうち水分量が少なく脂質を多く含む「堅果類(けんかるい)」を中心とした総称で、生物学的には単一の分類群ではなく複数の科にまたがって存在する食品です。植物が発芽のために蓄えたエネルギー源として脂質やタンパク質、ビタミン類、ミネラル類を高濃度に含んでいることが特徴で、少量で効率よく栄養を摂取できる食品として評価されています。また、不飽和脂肪酸を豊富に含むため、循環器系の健康維持や代謝調整に関する研究報告も多数存在します。

ナッツの科学的特徴

ナッツ類は、植物が発芽のために蓄えた栄養素を種子内部に高密度で保持しているため、脂質・タンパク質・食物繊維・微量栄養素が濃縮されている点が大きな特徴です。とくに脂質はエネルギー源としての比率が高く、植物性食品の中でも最もエネルギー密度が高い部類に入ります。

脂質組成が特徴的

ナッツ類に含まれる脂質は、不飽和脂肪酸であるオレイン酸・リノール酸・αリノレン酸などが主体となっており、これらは細胞膜の構造維持やホルモン合成、炎症反応の調整などに関与すると考えられています。また、飽和脂肪酸の比率が比較的少ないため、同じ脂質量であっても動物性脂肪と比べて血中脂質への影響がマイルドになりやすいとされています。

微量栄養素が集中

ナッツ類にはビタミンEやビタミンB群、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などの微量栄養素が高濃度で含まれており、抗酸化作用やエネルギー代謝、神経・筋機能の維持などをサポートします。少量でこれらの栄養素をまとめて摂取できるため、一般的な食生活で不足しがちな栄養素を補う食品としても有用です。

ナッツの脂質が筋トレに与える影響

ナッツに多く含まれる脂質はカロリー密度が高く、筋トレに伴うエネルギー消費を補ううえで重要な役割を担います。一方で、摂り過ぎると総摂取カロリーが過剰になり体脂肪の増加につながりますので、筋肥大期とシェイプアップ期で摂取量を調整することが大切です。

エネルギー源として役立つ

ナッツの脂質はゆっくりと消化・吸収されるため、長時間の活動や高ボリュームの筋トレを行う際のエネルギー源として有効に働きます。糖質だけに頼らず脂質からもエネルギーを供給することで、トレーニング全体のパフォーマンス維持に役立ちます。

回復やコンディション維持を支える

不飽和脂肪酸やビタミンEなどの抗酸化物質は、筋トレ後の酸化ストレスの低減や細胞膜の修復をサポートすると考えられています。また、マグネシウムなどのミネラルは筋収縮や神経伝達に関与するため、適量のナッツ摂取はコンディション維持にもプラスに働きます。

摂り過ぎは体脂肪増加につながる

ナッツは健康的な脂質を多く含みますが、1gあたり9kcalとエネルギー密度が高いため、無自覚に食べ過ぎると体脂肪の増加につながります。筋肥大期であっても一日の総摂取カロリーのバランスを確認しながら量を決めることが重要ですし、シェイプアップ期には間食として少量を計画的に取り入れることが推奨されます。

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ナッツ類と筋トレ

ミックスナッツはトレーニング目的で食べ方が変わる

ミックスナッツは脂質量が多くエネルギー密度が高い食品ですので、筋肥大を目指す場合は不足しがちな脂質を補って総摂取カロリーを確保する目的で役立ちます。一方、シェイプアップの場合は一日の脂質許容量の範囲で少量を摂ることで、代謝維持や空腹感のコントロールに活用できます。

筋肥大の場合の最適な摂取量

20〜40gを目安に

筋肥大を目的とする場合は、1日に20〜40gを目安に摂ることで不足しやすい脂質を効率よく補えます。高重量トレーニングの日や活動量が多い日は、やや多めに摂ることで総摂取カロリーの底上げにもつながります。

シェイプアップの場合の最適な摂取量

10〜15gを目安に

減量期は脂質許容量が厳しくなるため、10〜15g程度に抑えると無理なく継続できます。ナッツは少量でも満足感が得やすいので、間食として利用することで空腹のコントロールに役立ちます。

ミックスナッツの8つの種類

一般的にミックスナッツとして販売されているものは、クルミ・アーモンド・ピーカンナッツ・カシューナッツ・マカデミアナッツ・ヘーゼルナッツ・ピスタチオ・ピーナッツの8種類のナッツです。

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ミックスナッツの栄養素

ビタミン類が豊富

ナッツ類には、動脈硬化やコレステロールとの関わりが報告されているビタミンEや、消化吸収やエネルギー代謝に関与するとされるビタミンB群などが豊富に含まれています。

ミネラルが豊富

ナッツ類にはカルシウムや鉄分といった一般的な日本人の食生活では不足しがちなミネラル分が豊富に含まれています。乳製品が苦手な方でもミックスナッツを食べることで必要なミネラル分を摂取できます。

良質な脂質が豊富

ナッツには多くの脂質が含まれるので、食べ過ぎると太ります。しかしながら、ナッツに含まれている脂質は、αリノレン酸やオレイン酸などの良質で健康に良い不飽和脂肪酸の割合が高いので、適切な量を食べることで受ける恩恵・メリットは多いと言えるでしょう。

必須アミノ酸が豊富

ナッツ類には、バリン・ロイシン・イソロイシンといった必須アミノ酸が含まれており、これらは筋肉組織の構造やエネルギー供給に関わる栄養素として知られています。また、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファンなどの必須アミノ酸も含まれており、体内のさまざまな代謝プロセスを支える成分として利用されています。ナッツはこれらの栄養素をまとめて摂取できる食品であり、一般的な食生活では不足しやすいアミノ酸を補うのに役立ちます。

ミックスナッツのカロリー

一般的なミックスナッツに含まれる8種類のナッツそれぞれの100gあたりのカロリーは、クルミ(674kcal)・アーモンド(606kcal)・ピーカンナッツ(701kcal)・カシューナッツ(576kcal)・マカデミアナッツ(719kcal)・ヘーゼルナッツ(684kcal)・ピスタチオ(614kcal)・ピーナッツ(585kcal)となっています。

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ミックスナッツの種類ごとの栄養素(PFC)

クルミ

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クルミは、クルミ科クルミ属に属する落葉高木で、その核果の種子を加工したものがナッツとして食べられています。ヨーロッパ南西部からアジア西部にかけてのユーラシア大陸が原産地とされていますが、現在では北半球の温帯地域に広く分布しています。

クルミ10個50gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:337kcal
タンパク質:7.3g (29.2kcal)
脂質:34.4g (309.6kcal)
炭水化物:5.85g (23.4kcal)

クルミの詳細記事はこちら

アーモンド

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アーモンドは、バラ科モモ属に属する落葉高木で、その実の種子がナッツとして扱われています。和名はヘントウやハタンキョウとも呼ばれ、果肉は食用とされていません。

アーモンド10粒10gあたりのカロリー・栄養素

エネルギー:60kcal
タンパク質:1.86g (7.44kcal)
脂質:5.42g (48.78kcal)
炭水化物:1.97g (7.88kcal)

アーモンドの詳細記事はこちら

ピーカンナッツ

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ピーカンナッツは、クルミ科に属する落葉高木でその種実がナッツとして食べられます。脂肪分が多いことから「バターの木」とも俗称されています。アメリカ合衆国テキサス州の州木としても有名です。

ペカン(ピーカンナッツ)100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:702kcal
タンパク質:9.6g (38.4kcal)
脂質:73.4g (660.6kcal)
炭水化物:13.3g (53.2kcal)

ピーカンナッツの詳細記事はこちら

カシューナッツ

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カシューナッツは中南米原産のウルシ科の常緑高木で、 その種子がナッツとして食用にされています。

カシューナッツ100gあたりのカロリー・栄養素

エネルギー:576kcal
タンパク質:19.8g (79.2kcal)
脂質:47.6g (428.4kcal)
炭水化物:26.7g (106.8kcal)

カシューナッツの詳細記事はこちら

マカデミアナッツ

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マカデミア(マカダミア)はヤマモガシ科の常緑樹で、その殻果はマカダミアナッツとして食用とされています。 原産地はオーストラリアですが、近年、世界的な主生産地はハワイとなっています。

マカダミアナッツ100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:720kcal
タンパク質:8.3g
脂質:76.7g
炭水化物:12.2g

マカダミアナッツの詳細記事はこちら

ヘーゼルナッツ

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ヘーゼルナッツはカバノキ科ハシバミ属に属する落葉低木の果実で、ドングリに似ています。食用として世界に広く流通している、ナッツの代表的なものの一つです。

ヘーゼルナッツ100gあたりのカロリー・栄養素

エネルギー:684kcal
タンパク質:13.6g (54.4kcal)
脂質:69.3g (623.7kcal)
炭水化物:13.9g (55.6kcal)

ヘーゼルナッツの詳細記事はこちら

ピスタチオ

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ピスタチオは、ウルシ科カイノキ属の落葉高木で、その実はナッツとして食用とされています。

ピスタチオ100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:615kcal
タンパク質:17.4g (69.6kcal)
脂質:56.1g (504.9kcal)
炭水化物:20.9g (83.6kcal)

ピスタチオの詳細記事はこちら

ピーナッツ

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ピーナッツは落花生(ラッカセイ)とも呼ばれるマメ亜科ラッカセイ属の一年草の種子です。別名ナンキンマメとも呼称されます。

ピーナッツ100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー: 562kcal
タンパク質:25.4g (101.6kcal)
脂質:47.5g (427.5kcal)
炭水化物:18.8g (75.2kcal)

ピーナッツの詳細記事はこちら

なお、数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。

競技者としての実際の食べ方

ナッツ類は脂質由来のエネルギー密度が高く、少量で満足感を得やすいため、目的に応じて摂り方を変えることで使い分けがしやすい食品です。バルクアップ期と減量期では最適なタイミングや量が異なりますので、以下に基本的な考え方をまとめます。

バルクアップ期は「間食や食後の追加食」

バルクアップ期は総摂取カロリーが不足しやすく、特に脂質量が足りなくなりがちです。ナッツ類は少量でカロリーを効率よく追加できるため、間食として利用したり、食後の追加食として取り入れることで総摂取カロリーを無理なく上乗せできます。また、ゆっくり消化される脂質はトレーニングのエネルギー維持にも役立ちます。

減量期は「食前に少量」で空腹コントロール

減量期は脂質摂取量が制限されますが、ナッツ類は少ない量でも満腹感を得やすい特徴があります。そのため、食前に10g前後を少量つまむことで空腹感を和らげ、食べ過ぎを防ぐ工夫として利用できます。咀嚼回数が自然と増えるため、満腹中枢の働きが早く立ち上がる点もメリットです。

ナッツ類の適量の目安(目的別のg基準)

ナッツ類は脂質由来のカロリー密度が高いため、目的に応じて摂取量の目安を決めておくと使いやすくなります。バルクアップ期と減量期では必要とするカロリーが異なるため、1日に摂る量の基準も変えて調整します。

バルクアップ期は1日20〜40g

バルクアップ期は総摂取カロリーを確保する必要があるため、脂質の不足を補いやすいナッツ類は20〜40gが目安になります。20g前後であれば間食として取り入れやすく、30〜40g前後であれば高重量トレーニングの日の追加カロリーとしても利用しやすくなります。

減量期は1日10〜15g

減量期は脂質摂取量に制限がかかるため、ナッツ類は10〜15gほどの少量に抑えるのが適量になります。この範囲であれば満腹感を得やすい一方、脂質量が過剰になりにくく、食前の空腹コントロールにも使いやすくなります。

活動量が多い日はやや増量

日常の活動量が多い日やトレーニングボリュームが大きい日は、エネルギー消費が増えるため、目安量に5〜10gほど追加して調整する方法もあります。ナッツ類は持ち運びが容易で計量がしやすい食品なので、状況に合わせて柔軟に利用できます。

ナッツに近い食べ物のカロリー・栄養素

ひまわりの種100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:611kcal
タンパク質:20.1g (80.4kcal)
脂質:56.3g (506.7kcal)
炭水化物:17.2g (68.8kcal)

詳細記事はこちら

銀杏(ぎんなん)10個30gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:56kcal
タンパク質:1.41g (5.64kcal)
脂質:0.51g (4.59kcal)
炭水化物:11.55g (46.2kcal)

詳細記事はこちら

栗(くり)100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:164kcal
タンパク質:2.8g (11.2kcal)
脂質:0.5g (4.5kcal)
炭水化物:36.9g (147.6kcal)

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