ワイドスクワットは誰に向いているのか|万能視すると失敗する下半身トレーニング

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

結論から言います。ワイドスクワットは、股関節と内転筋を使える人にとっては有効ですが、全員に勧められる万能種目ではありません。下半身トレーニングとして語られることが多い一方で、前提条件を満たしていない人が行うと、狙った効果が出ないまま終わる可能性が高い種目です。

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ワイドスクワットは内転筋主導のスクワット種目

ワイドスクワットは、通常のスクワットと動作が似ているようで、負荷構造は大きく異なります。スタンスを広く取ることで、股関節の外旋と内転筋群の関与が強くなり、大腿四頭筋主体のスクワットとは別の性質を持ちます。

この種目では、しゃがむ深さよりも、股関節がどの方向に折りたためているかが重要になります。膝を前に出してしゃがむタイプの人ほど、ワイドスクワットの特性を活かせません。

ワイドスクワットのやり方と動作ポイント

①足を大きく開き、胸を張り背すじを伸ばして構える

②膝がつま先よりも前に出ないように気をつけ、お尻を突き出しながらしゃがんでいく

③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる

当サイト運営ジム「FutamiTC」での指導経験をもとに記載しています。

なお、本記事は元日本代表・生物学学芸員の上岡岳が初稿執筆し、元JOC強化指定選手・現フィジーク選手の上岡颯が最新の競技知見と実践を加えて追記・編集しています。

股関節が使えない人には効果が出にくい

ワイドスクワットが機能するかどうかは、股関節主導で動作できるかにほぼ依存します。股関節の可動域が狭い、内転筋が使えない、骨盤を立てたまましゃがめない。この条件に当てはまる場合、ワイドスクワットは単なる「脚を広げただけの中途半端なスクワット」になります。

その結果、太ももの内側にも効かず、臀部やハムストリングにも負荷が乗らず、膝や腰に違和感だけが残るケースが少なくありません。

深くしゃがめること自体は絶対条件ではない

ワイドスクワットは、必ずしもフルボトムまでしゃがむ必要はありません。重要なのは、しゃがむ深さではなく、しゃがむ過程で内転筋と股関節が使えているかどうかです。

無理に深さを追求すると、骨盤が後傾し、腰部にストレスが集中します。特に柔軟性に自信がない人が深さだけを求めると、フォームは崩れやすくなります。

初心者向けスクワットとしては適していない

ワイドスクワットは、初心者向けとして紹介されることがありますが、実際には逆です。股関節の使い方や下半身の連動が分かっていない段階では、フォームの再現性が低くなります。

通常のスクワットで下半身全体を安定して使えるようになってから、内転筋への刺激を増やす目的で取り入れる。この順序を守らないと、トレーニング効率は上がりません。

ワイドスクワットが有効に機能するケース

ワイドスクワットが活きるのは、内転筋を強化したい場合や、競技特性として股関節の安定性が求められるケースです。相撲、柔道、レスリングなど、下半身を横方向に使う競技では、通常のスクワットよりも意味を持つ場合があります。

また、スクワットの補助種目として使う場合にも価値があります。メインの高重量スクワットとは別枠で、股関節周りの出力を底上げする目的で取り入れると効果的です。

膝や腰に違和感が出る場合は即中止すべき

ワイドスクワット中に膝が内側に入る、腰が丸まる、しゃがむたびに不安定になる。この状態で続ける意味はありません。これは筋力不足ではなく、構造的に合っていない可能性が高いサインです。

無理に続けても、フォームが改善されることはほとんどありません。別のスクワット種目に切り替える判断が必要です。

ワイドスクワットの結論

ワイドスクワットは、条件付きで有効な下半身トレーニングです。誰にでも効く種目ではなく、股関節と内転筋を使える人が、目的を持って選択したときに初めて価値が生まれます。

万能種目として取り入れるのではなく、自分の身体構造と目的に合っているかを判断した上で使う。この距離感を保てる人ほど、ワイドスクワットを正しく活かせます。

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部位分割メニュー例


週2・3・4回の部位分割筋トレメニュー

主な筋トレ種目一覧


図解付き主要種目の一覧ページ

下記にリンクしています主要種目の個別解説記事は、動画だけでなく一目で理解しやすい図解付きでフォームについて説明しています。

自重トレーニング

腕立て伏せ(大胸筋)
パイクプッシュアップ(三角筋)
ベンチディップス(上腕三頭筋)
懸垂(背筋群)
バックエクステンション(背筋群)
逆手懸垂(上腕二頭筋)
自重スクワット(下半身)

チューブトレーニング

チューブチェストプレス(大胸筋)
チューブチェストフライ(大胸筋)
チューブショルダープレス(三角筋)
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブローイング(背筋群)
チューブカール(上腕二頭筋)
チューブレッグプレス(下半身)

ダンベルトレーニング

ダンベルプレス(大胸筋)
ダンベルフライ(大胸筋)
ダンベルショルダープレス(三角筋)
ダンベルサイドレイズ(三角筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルカール(上腕二頭筋)
ダンベルスクワット(下半身)

マシントレーニング

マシンチェストプレス(大胸筋)
ケーブルフライ(大胸筋)
スミスマシンベンチプレス(大胸筋)
マシンショルダープレス(三角筋)
ケーブルプレスダウン(上腕三頭筋)
ラットプルダウン(背筋群)
ケーブルローイング(背筋群)
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
ケーブルカール(上腕二頭筋)
マシンレッグプレス(下半身)
スミスマシンスクワット(下半身)

バーベルトレーニング

バーベルベンチプレス(大胸筋)
バーベルショルダープレス(三角筋)
ナローベンチプレス(上腕三頭筋)
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルベントオーバーロウ(背筋群)
バーベルグッドモーニング(背筋群)
バーベルカール(上腕二頭筋)
バーベルスクワット(下半身)

全トレーニング種目一覧

筋トレメニュー全200種目一覧|動画つき解説記事(男女別)
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