
バーベルベンチプレスの女性向きのやり方(フォームやコツ)をご紹介するとともに、トレーニング目的別(シェイプアップ・ボディメイク)に適切な負荷重量設定についてわかりやすく解説します。
※本記事はパワーリフティング競技としてのベンチプレスのやり方ではなく、一般的なトレーニングとしてのやり方を解説したものです。
動画付き解説

バーベルベンチプレスが効果のある筋肉部位
各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)

バーベルベンチプレスは主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋に有効なトレーニング種目です。
さらに詳しい、全身の筋肉の名称と働き、各筋肉部位を女性がトレーニングするメリットに関しては下記のリンク先をご参照ください。
女性がバーベルベンチプレスを行うメリット
大胸筋:デコルテやバストの土台がボリュームアップされる

女性が大胸筋を筋トレすることで、デコルテやバストの土台となる筋肉部分がボリュームアップします。もちろん、筋トレでバスト本体がボリュームアップするわけではありません。また、シェイプアップ筋トレと並行して体脂肪を落としていくとバスト全体のボリューム自体は下がります。
三角筋:美しい上半身バランスになる

女性が三角筋を筋トレすることで若干ですが肩幅が増し、結果として広がりのある上半身になり、ウエストラインがより強調される体型に近づきます。
上腕三頭筋:二の腕のラインの乱れがなくなる

女性が上腕三頭筋をトレーニングすることで、二の腕後ろ側に張りが生じ、しなやかですっきりとした印象の二の腕に近づきます。
バーベルベンチプレスの女性向きのやり方

バーベルベンチプレスは、肩甲骨をしっかりと寄せたまま動作することが大切です。肩甲骨の寄せ方が不十分であったり、途中で緩んでしまうと負荷が大胸筋ではなく三角筋に集中してしまうので注意してください。
また、バーベルを押し上げたポジションで顎をやや引く動作を加えると、大胸筋がさらに強く収縮します。
なお、手首への負担を避け、なおかつダイレクトにウエイト負荷を筋肉にかけるために、常に手首と肘の真上でバーベルを保持することがポイントです。
バーベルベンチプレスのバリエーション
インクラインバーベルベンチプレス

インクラインベンチを用いて斜め上軌道にバーベルを押し上げるバリエーションで、大胸筋上部に負荷が強くかかります。
デクラインバーベルベンチプレス

デクラインベンチを用いて斜め下軌道にバーベルを押し上げるバリエーションで、大胸筋下部に負荷が強くかかります。
リバースグリップベンチプレス

バーベルをリバースグリップ(逆手)で保持して行うバリエーションで、インクラインベンチがない環境で大胸筋上部に負荷をかけるのに有効です。
ナローバーベルベンチプレス

肩幅より狭いグリップで行うバリエーションで、大胸筋内側と上腕三頭筋に強く負荷がかかります。
バーベルベンチプレスの目的別に適切な負荷重量設定

筋トレの対象となる骨格筋は筋繊維から構成されており、その筋繊維には主に三種類があります。そして、それらはそれぞれ異なる収縮特性を持っており、トレーニング目的に合わせてターゲットにする筋繊維を考慮する必要があります。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な(持続的な)収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによってあまり筋肥大しない特性を持ちます。このため、シェイプアップ系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは20回以上の反復回数で限界が来る、軽めの重さ(低負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素もある瞬発的収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによって中程度に筋肥大する特性を持ちます。このため、ボディメイク系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは12~15回の反復回数で限界が来る、やや重めの重量(中負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10回の反復回数で限界が来る、かなり重めの重量(高負荷設定)でセットを実施します。
女性トレーニングの重さの決め方

このように、三種類の筋繊維の特性を考え、女性筋トレにおいて目的別に適切な負荷重量設定(重さの決め方)は以下のようになります。
ボディメイクは1セット15回を目安にトレーニング
筋肉を適度にボリュームアップするボディメイク筋トレでは、上記の速筋繊維Ⅱaを対象にして1セット15回の負荷重量設定で行います。
シェイプアップは1セット20回以上を目安にトレーニング
筋肉をできるだけ筋肥大させないシェイプアップ筋トレでは、上記の速筋繊維Ⅰを対象にして1セット20回以上の負荷重量設定で行います。
女性のトレーニングと食事

女性のシェイプアップトレーニングに適切な食事メニューの具体例とレシピ例は、下記の記事で詳しく解説しています。リンク先をご参照ください。
女性の筋力トレーニング総合解説

下記の記事は、女性の筋力トレーニングついて(筋トレメニュー・プログラムの組み方・基礎知識など)について詳しく解説した総合記事です。
あわせて、ご参照ください。
女性の部位別トレーニング一覧
世界チャンピオン執筆記事




