筋トレが基礎代謝に影響する理由|筋肉量とエネルギー消費の関係

本記事は、生物学の学芸員として身体構造に携わってきた経験と、競技者として実際に身体を使ってきた視点から、筋肉の名称と働きを分かりやすく解説するものです。医療目的ではなく、身体の理解と安全なトレーニングのための教育的な情報をまとめています。

筋力トレーニングを継続的に実施していくと、筋肉量が増加(筋肥大または筋密度向上)し、基礎代謝が向上します。

基礎代謝が高まると、一日のエネルギー消費量が増えやすくなります。食事量が大きく変わらない条件では、体のコンディションが整いやすい状態になります。

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基礎代謝とは

体表面積と筋肉量に正比例する

基礎代謝とは生命維持のために必要最低限のエネルギー(カロリー)のことで、臓器の活動、体温の維持、新陳代謝などがこれにあたります。

基礎代謝量は体表の面積および筋肉量と比例し、また、10代をピークとして加齢とともに必要なエネルギー量は減少していきます。また、標準的な体型の場合、男性よりも女性のほうが基礎代謝量が少ない傾向にあります。

基礎代謝(きそたいしゃ、英:Basal metabolism)とは、覚醒状態の生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動における必要最低限のエネルギーのことである。相当するエネルギー量(熱量)は、成長期が終了して代謝が安定した一般成人で、1日に女性で約1,200、男性で約1,500キロカロリー(kcal)とされている。

消費量は大人の場合肝臓が27%、脳が19%、筋肉(骨格筋)が18%で、この3器官のみで6割以上を占める。

引用:Wikipedia「基礎代謝」

厚生労働省による基礎代謝に関する記載

何もせずじっとしている時でも、体は生命活動を維持するために、心拍や呼吸・体温の維持などを行っていますが、基礎代謝量(単に基礎代謝ともいいます)はこれらの活動で消費される必要最小限のエネルギー量のことです。

基礎代謝量は年齢・性別が同じであれば体の表面積にほぼ比例しますが、体表面積を測定することは難しいため近似値として、体重当たりの基準値が広く用いられています。

基礎代謝量は通常10代をピークに加齢とともに低下します。また体の組成すなわち筋肉と脂肪の比率も基礎代謝量に大きく影響します。基礎代謝量を臓器別に見ると、筋肉・肝臓・脳がほぼ2割ずつを消費しており、筋肉の少ない人は基礎代謝量が低くなります。一般に男性に比べ女性の基礎代謝量が低いのはこのためです。

引用:厚生労働省eヘルスネット「基礎代謝」

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筋繊維の種類と筋肉量の増加

筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。

それぞれ、下記のような特徴を持っています。

遅筋(遅筋繊維Ⅰ)

持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。

筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。

速筋(速筋繊維Ⅱa)

持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。

筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。

速筋(速筋繊維Ⅱb)

瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。

筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。

筋繊維タイプ別の筋肉量増加

いずれの筋繊維をターゲットにトレーニングを実施しても筋肉量は増加します。速筋(速筋繊維Ⅱaおよび2b)の場合は主に筋肥大によって、遅筋(遅筋繊維Ⅰ)の場合は主に筋密度向上によって筋肉量が増加します。

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