
反動を使うことで、通常では挙上できない重量でトレーニングすることにより、爆発的な刺激を筋肉に与えることができるチーティング法の特徴ややり方について解説します。
あわせて、チーティングセット後に必ず行ないたいトレーニング方法もご紹介します。
チーティング法とは

本来、ウエイトトレーニングの基本は反動を使わずにターゲットにした筋肉の筋力だけで動作を行うストリクトな方法です。
しかし、筋肥大停滞期などでは、使用重量が伸び悩むことも少なからずあり、そのような時にあえて反動を使って高重量で筋肉に負荷を与え、停滞期を突破する刺激を与えられるのがチーティング法です。
筋トレ種目には、チーティング法に適した種目と適さない種目があり、適さない種目でチーティング法を行うと関節や靭帯を痛めるリスクもありますので、注意が必要です。
チーティング法に適さない筋トレ種目

チーティング法に適さない主なトレーニング種目は筋トレBIG3をはじめとした高重量・コンパウンド種目の多くです。チーティング法が有効なのは、一部のプル系種目や上腕のアイソレーション種目と考えましょう。
・ベンチプレス
バウンドさせると胸骨損傷のリスクがある
・デッドリフト
反動を使うと腰椎損傷のリスクが高すぎる
・スクワット
反動を使うと膝関節損傷のリスクが高すぎる
チーティング法が適した筋トレ種目
バーベルローイングはチーティング法を使いやすい筋トレ種目です。こちらは過剰重量設定をすると、デッドリフトと同様に腰椎損傷のリスクがありますので、くれぐれも慎重に設定を行ってください。
比較的安全にチーティング法を使って背筋を鍛えられるのがケーブルローイング系の種目です。この場合も、背中を倒し過ぎないように留意して、扱える範囲の重量設定にしてください。
チーティング法が有効なことでよく知られているのがバーベルカールです。ただし、あくまでも上腕二頭筋を使って挙上できる重量設定で行ってください。
過剰な重量では、ウエイトリフティングのクリーンのような状態になり、背筋群のトレーニングになってしまいます。
チーティング法のあとにはストリクト法で
チーティング法でトレーニングをしたら、その後のセットで必ずストリクト(反動を使わない)に効かせるセットを行ないましょう。チーティング法で鍛えられる主な筋繊維は爆発的な瞬発動作を主働するFG筋です。ストリクトトレーニングでFO筋もしっかりと鍛えなければ総合的な筋肥大は得られません。
こちらの動画は、チーティング法とは正反対の考え方で「反動を抑える」ためのストリクト法補助器具であるアームブラスターを使ったバーベルカールの動画です。このように、確実にしつこく筋肉を追い込むことが筋肥大のためには必要です。
さまざまな筋トレメソッド

筋トレ効果を高める各種のメソッド・トレーニング方法を詳細解説したものが下記の記事です。刺激を変えたい、さらに追い込みたいときなどに是非ご活用ください。
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【筋トレ効果を高めるメソッド】効率的に筋肉を追い込むテクニック集
筋トレを快適にする3大マストアイテム
①手首を保護するリストラップ
ジムトレーナーが本音で解説

プレス系トレーニングの効率を高め、手首を保護するために必須ともいえるマストアイテムがリストラップですが、本当にたくさんのメーカー・種類がありすね。そして、検索ででてくる「おすすめリストラップ」は正直、全くおすすめではありません。なぜなら、多くの記事は素人またはそれに近いライターさんが書いているもので、リストラップの本質について書かれてはいません。もちろん、そのチョイスについてもしかりです。
下記の記事は、国内主要メーカーのリストラップ(IPF公認含む)を「ウエイト下垂実験」もふくめて本気で試用・考察したものです。筆者のトレーナーとしての意見、パワーリフティング元日本王者の理論など、「本物のリストラップについて本音で解説」しています。
②グリップを助けるパワーグリップ
握力を補助してオールアウトする

プル系トレーニングによくあるのが「握力が先になくなってターゲットの筋肉を十分に追い込めない」というケースです。このような場合、パワーグリップやエイトストラップと呼ばれる握力補助グッズを使うことで、限界まで追い込めオールアウトが可能になります。
その特徴や具体的な使い方は下記の記事で、実際に使用しているものを解説しています。
リストストラップ&パワーグリップの種類と筋トレ目的別の使い方
③腰を守るトレーニングベルト
腹圧を上げて筋力を向上させる効果もある

筋トレのマストアイテムとも言えるのがトレーニングベルトですが、ナイロンベルト・革ベルト・ピン式パワーベルト・フック式パワーベルト・レバーアクション式パワーベルトと、さまざまな種類があります。
下記の記事は各種のトレーニングベルト(パワーベルト)の種類と特徴についてわかりやすく解説しています。
トレーニングベルト(パワーベルト)の種類と効果|筋トレ目的別におすすめのタイプを解説
筋トレ効率を上げる基本理論
もう一度基本を見直すことも大切

トレーニングの効率を上げて成果を出すためには、様々なセット法を試す以外にも「トレーニング理論の基本を見直す」ことも大切です。
トレーニング種目を実施する順序

トレーング種目を実施する順序は、コンパウンド種目(複数の筋肉と関節を動かす多関節運動種目)を先に行い、その後でアイソレーション種目(単一の筋肉と関節を動かす単関節運動)を行うのが基本です。また、複数のコンパウンド種目・アイソレーション種目を実施する場合は、それぞれ使用重量の高い種目から先に行います。
トレーニング動作と首の連動性

トレーニングフォーム全般において重要となるのは、実施する種目の動作と首の位置関係を適切に保つことです。特に、身体の前側の筋群(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋など)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで軽く顎を引き、首を安定させることが有効です。
一方で、身体の後ろ側の筋群(広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋・脊柱起立筋・ハムストリングスなど)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで首の位置をわずかに後方へ誘導し、顎の角度を適切に調整することで動作が安定します。
トレーニング動作と呼吸

トレーニング動作における呼吸タイミングも重要な要素です。一般に、筋肉は息を吐く局面で収縮が高まり、息を吸う局面で弛緩しやすくなります。そのため、動作フィニッシュの位置では息をしっかり吐いて筋活動を安定させ、いったん動作を止めてから息を吸い、元の姿勢へ戻る流れを作ることが有効です。
その他の筋トレ基本理論



停滞期を突破するには食事の見直しも大切

筋肥大の停滞期に重要なのは、筋肉を騙すトレーニング法だけではありません。
筋トレの効果を出すための基本である食事メニューを見直すのも非常に重要です。
まず、筋トレをして筋肥大するためには体重あたり2gの純タンパク質が必要とされています。つまり、70kgの人の場合、一日に140gの純タンパク質(肉類に換算して700g)とかなり多く、この量を摂りきれていないために筋肥大が停滞しているケースも少なくありません。
なお、筋トレと食事に関する情報は多岐にわたりますので、下記の記事をご参照ください。
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