
上半身の押す作用の筋肉だけでなく、体幹の筋肉にも効果のある片足腕立て伏せについて、効果のある筋肉部位、やり方・フォーム・コツを解説します。
片足腕立て伏せが効果のある筋肉部位
各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)
大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜
三角筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:さんかくきん
英語名称:deltoid muscle
部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面
上腕三頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:じょうわんさんとうきん
英語名称:triceps
部位詳細:長頭|外側頭|内側頭
起始:肩甲骨関節下結節|上腕骨後面|上腕骨後面
停止:尺骨肘頭
腹筋群の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

読みかた:ふっきんぐん
英語名称:abdominal muscles
部位詳細:腹直筋|外腹斜筋|内腹斜筋|腹横筋
起始:恥骨稜・恥骨結合・恥骨結節|第5~12肋骨外面|胸腰筋膜深葉・上前腸骨棘・鼡径靭帯・腸骨稜|第7?12肋軟骨内面・鼡頚靭帯・上前腸骨棘
停止:剣状突起・第5~7肋軟骨外面|鼡径靭帯・腹直筋鞘前葉・腸骨稜外唇|第10~12肋骨下縁・腹直筋鞘・精巣挙筋|剣状突起・白線・恥骨
長背筋群・脊柱起立筋の英語名称・構造・部位詳細

読みかた:せきちゅうきりつきん
英語名称:erector spinae muscle
部位詳細:腸肋筋|最長筋|棘筋
長背筋群=脊柱起立筋+多裂筋+回旋筋など
片足腕立て伏せは、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋といった上半身の押す作用の筋肉だけでなく、腹筋群や脊柱起立筋など体幹の筋肉にも効果があります。
片足腕立て伏せの動画
こちらが、片足腕立て伏せの模範的な動画です。
背筋を伸ばし、手を肘の真下に置いて行うのは通常の腕立て伏せと同様です。
もっとも気をつけたいポイントは、足を体軸の中心線上に置くことで、これによってバランスがとりやすくなります。
◆片足腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を床につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、片足を体軸上に置いて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出さないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
バランスがとりづらい場合は、やや手幅を広めにとって行うことをおすすめします。

当サイト執筆者は、運営しているクラブチームジム「FutamiTC」で日常的にトレーニング指導を行っており、本記事の内容も実際の指導現場で得た経験をもとにフォームのポイントやアドバイス点をまとめています。
ジムトレーナーとしての実際の指導ポイント
トレーニング動作と首の連動性

トレーニングフォーム全般において重要となるのは、実施する種目の動作と首の位置関係を適切に保つことです。特に、身体の前側の筋群(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋など)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで軽く顎を引き、首を安定させることが有効です。
一方で、身体の後ろ側の筋群(広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋・脊柱起立筋・ハムストリングスなど)を収縮させる局面では、動作フィニッシュで首の位置をわずかに後方へ誘導し、顎の角度を適切に調整することで動作が安定します。
トレーニング動作と呼吸

トレーニング動作における呼吸タイミングも重要な要素です。一般に、筋肉は息を吐く局面で収縮が高まり、息を吸う局面で弛緩しやすくなります。そのため、動作フィニッシュの位置では息をしっかり吐いて筋活動を安定させ、いったん動作を止めてから息を吸い、元の姿勢へ戻る流れを作ることが有効です。
それでは、次の項目では、実際に筆者がジムトレーナーとして運営ジムで選手に指導している本種目の具体的な動作ポイント・フォームについて解説します。
本種目の具体的な動作ポイント・フォーム

片足腕立て伏せは、セット後半に疲れてくるとバランスを崩しがちになります。スタート時にしっかりと両手と片足で二等辺三角形を作るように構えましょう。
片足腕立て伏せの目的別回数設定

シェイプアップ目的なら20回を目安に、筋肥大やが目的なら10~15回で限界がくるように、動作スピードをゆっくりするなどして調整してください。
片足腕立て伏せの呼吸方法
筋肉は息を吐く時に収縮し、息を吸う時に弛緩します。
このため、身体を押し上げながら息を吐き、身体を下ろし終わってから息を吸うのが正しい呼吸方法になります。
筋肉の名称と作用

身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑
【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
さまざまな筋トレメソッド

筋トレ効果を高める各種のメソッド・トレーニング方法を詳細解説したものが下記の記事です。刺激を変えたい、さらに追い込みたいときなどに是非ご活用ください。
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身体を鍛えたら食事にも気を使う

筋トレの効果を高めるためには、トレーニングだけでなく食事や栄養に関する基礎知識が欠かせません。下記の記事では、三大栄養素の基本から、目的別の食事設計、具体的な食品例に加えて、筋肥大期と減量期における実践的な食事レシピまでを解説しています。
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