
さつまいもが筋トレと相性が良いとされる理由を解説するとともに、バルクアップに適切な料理とその栄養成分をご紹介します。
さつまいもが筋トレに良い理由

さつまいもは炭水化物食品のなかでもGI値(グリセミック指数)が低く、血糖値が急上昇しにくい特徴を持っています。また、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富なことも筋トレと相性が良いとされている理由です。
さつまいもの栄養成分
薩摩芋(さつまいも)のカロリーと栄養素

薩摩芋(さつまいも)100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:132kcal
タンパク質:1.2g (4.8kcal)
脂質:0.2g (1.8kcal)
炭水化物:31.5g (126kcal)
なお、数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。
バルクアップに必要な栄養成分

食品は主にタンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素から構成されています。このなかでも筋トレに重要となる栄養素は、筋肉の材料となるタンパク質量です。このため、筋トレの食事としてはまずは食品に含まれているタンパク質量をもとに考えます。
筋トレをして効率的に筋肉をバルクアップさせていくためには、体重1kgあたり約2g(肉類や魚介類にして10g分)の純タンパク質を1日に摂取することが必要です。
具体的には、体重60kgの人が筋トレでバルクアップするためには、1日に純タンパク質120g(600g相当の肉類・魚介類)を食べる必要があります。
さらに、摂取したタンパク質を筋肉として消化吸収・再合成するためには多くのカロリーが必要です。バルクアップのために必要なカロリー食品(脂質・炭水化物 )は、摂取したタンパク質の約2〜3倍が目安です。
さつまいもは干し芋にしたほうが効率的

さつまいもは、そのままでも筋トレと相性のいい糖質源ですが、干し芋にすることでさらに糖質を濃縮でき、また携帯性も格段に向上するため、日中の間食やトレーニング前後の糖質補給に最適です。
筆者も、スポーツ競技の日本代表当時は干し芋を愛用していましたが、最大のネックは「価格が高い」ことです。そこで、下記に紹介するように干し芋を自作するようになりました。
これだと、とてもリーズナブルかつ大量に干し芋を確保できるので、ハードなトレーニングに励んでいる方々におすすめです。
自作干し芋の芋ようかん
出来上がりました。干し芋のもっちり感が良いアクセントになります。
これら、干し芋作りやその応用に関しては、下記の記事に詳しく記載していますので、そちらをご参照ください。

さつまいもは筋トレスイーツとしても優秀
筆者は干し芋以外にも、次のようなさつまいもスイーツを作ってきましたが、筋トレスイーツとしても最適です。
これは、さつまいもの一品種である隼人芋の芋ようかんです。けっこう簡単につくれます。
また、ある時は隼人芋(さつまいもの一種)のスイートポテトを作りました。さつまいもは食物繊維が豊富でGI値が低いので、筋トレのスイーツ素材として優秀です。
これら、筋トレ向きさつまいもスイーツに関しては下記の記事で詳しく解説しています。

さつまいもの筋トレ向きレシピ
ここからは、筆者がこれまでに作ってきたさまざまな筋トレ向きさつまいも料理をご紹介します。
干し芋ご飯
干し芋と雑穀を入れて炊き上げたご飯です。白米だけの場合よりもGI値が低くなり、ゆっくりと消化吸収されます。
隼人芋(さつまいも)の肉じゃが風
ふっくら甘いさつまいもと甘辛風味の具材がマッチして、とても美味しかったです。
隼人芋(さつまいも)コロッケ
ほっこりほくほくで、とても美味しかったです。
隼人芋(さつまいも)と牛すじの煮物
隼人芋(さつまいも)は煮崩れしにくい特性があるので、さまざまな煮物料理におすすめです。
これら、隼人芋(さつまいも)の詳細なレシピは、下記の記事をご参照ください。

さつまいもの情報まとめ
さつまいもの植物としての概要
サツマイモ(学名: Ipomoea batatas)はヒルガオ科サツマイモ属の根菜であり、地下の肥大した貯蔵根にデンプンを多く蓄えることで高いエネルギー密度を持つ植物です。本種はもともと日本には生育しておらず、東南アジア(または中国大陸)など南方から渡来しました。それら海外から伝わったものが薩摩藩(これが和名の由来)で栽培されるようになり、「享保の大飢饉」の際に日本全国に広まったと考えられています。
参照:https://ja.wikipedia.org/サツマイモ
さつまいもの栄養素概要
さつまいもは炭水化物を主成分としながら、豊富な食物繊維・カリウム・ビタミンC・ビタミンB群を含むため、単純な糖質源ではなく身体機能維持に必要なさまざまな微量栄養素を摂取できる点が筋トレにとっても有効です。
糖質源としてのさつまいも
さつまいもは白米やパンに比べてGI値が低く血糖値上昇が緩やかであり、トレーニング前後の糖質補給において急激な高血糖を避けながら筋グリコーゲンを確実に回復させたい場合に有効です。
他の炭水化物との比較(簡潔まとめ)
白米:GI約85(吸収が速い)
食パン:GI約90前後(急上昇)
さつまいも:GI約55前後(緩やか)
干し芋:GI約35〜50(さらに緩やか)
パン・白米 → 短時間高強度の直前補給に向く
さつまいも・干し芋 → 長時間の安定エネルギー補給に向く
バルクアップ筋トレでの食べ方
バルクアップ目的では、タンパク質摂取後の筋グリコーゲン回復に必要な炭水化物量を確保する必要があるため、さつまいもは焼き芋・蒸し芋・干し芋など吸収速度の異なる形態を使い分けながら1日2〜3回の糖質補給源として組み込むと筋合成効率が安定します。
シェイプアップ筋トレでの食べ方
シェイプアップ目的では脂質が少なく腹持ちの良い糖質源として利用できるため、さつまいもは朝食やトレーニング前の軽食として少量を摂取するのが有効です。さつまいもが食物繊維が多く腹持ちが良いため、空腹感を抑えながらもトレーニング強度を維持するのに向いています。
干し芋に加工するメリット
さつまいもを干し芋に加工すると水分が抜けて糖質密度が上がり、携帯性が向上してトレーニング前後や日中の間食として即時補給が可能になるため、バルクアップ期・減量期のどちらにも使いやすい高機能糖質源になります。
バルクアップ向きさつまいも料理と栄養成分
ここから先では、代表的なさつまいも料理について、バルクアップ期のメニュー選びやPFC調整の参考になるようにカロリーと栄養成分を一覧的にまとめました。
さつまいもの甘煮のカロリーと栄養素

さつまいもの甘煮100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:65kcal
タンパク質:0.62g (2.48kcal)
脂質:0.08g (0.72kcal)
炭水化物:15.8g (63.2kcal)
さつまいもコロッケのカロリーと栄養素

さつまいもコロッケ1個100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:301kcal
タンパク質:4.19g (16.76kcal)
脂質:18.21g (163.89kcal)
炭水化物:29.2g (116.8kcal)
さつまいもの天ぷら(芋天)のカロリーと栄養素

さつまいもの天ぷら(芋天)100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:217kcal
タンパク質:2.06g (8.24kcal)
脂質:9.89g (89.01kcal)
炭水化物:29.36g (117.44kcal)
さつまいもご飯(芋飯)のカロリーと栄養素

さつまいもご飯(芋飯)1膳150gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:227kcal
タンパク質:3.33g (13.32kcal)
脂質:0.6g (5.4kcal)
炭水化物:49.98g (199.92kcal)
さつまいもパンのカロリーと栄養素

さつまいもパン1個80gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:197kcal
タンパク質:4.67g (18.68kcal)
脂質:5.34g (48.06kcal)
炭水化物:32.02g (128.08kcal)
さつまいも餅のカロリーと栄養素

さつまいも餅1個50gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:88kcal
タンパク質:0.68g (2.72kcal)
脂質:2.46g (22.14kcal)
炭水化物:15.63g (62.52kcal)
さつまいもサラダのカロリーと栄養素

さつまいもサラダ100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:145kcal
タンパク質:1.06g (4.24kcal)
脂質:6.57g (59.13kcal)
炭水化物:21.3g (85.2kcal)
さつまいもシチューのカロリーと栄養素

さつまいもシチュー1皿180gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:175kcal
タンパク質:5.47g (21.88kcal)
脂質:10.33g (92.97kcal)
炭水化物:14.38g (57.52kcal)
さつまいもポタージュのカロリーと栄養素

さつまいもポタージュ1皿180gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:126kcal
タンパク質:2.65g (10.6kcal)
脂質:3.47g (31.23kcal)
炭水化物:21.08g (84.32kcal)
なお、数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。
さつまいものスイーツ
筋トレ中でも上手に取り入れたいさつまいもスイーツ類についても、目安となるカロリーとPFCを整理しました。おやつやチートデイの計画に活用してください。
スイートポテトのカロリーと栄養素

スイートポテト1個60gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:136kcal
タンパク質:0.84g (3.36kcal)
脂質:5.64g (50.76kcal)
炭水化物:19.76g (79.04kcal)
さつまいもケーキのカロリーと栄養素

さつまいもケーキ1切れ80gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:262kcal
タンパク質:4.27g (17.08kcal)
脂質:12.79g (115.11kcal)
炭水化物:31.46g (125.84kcal)
さつまいもアイスクリームのカロリーと栄養素

さつまいもアイスクリーム100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:156kcal
タンパク質:3.05g (12.2kcal)
脂質:4.13g (37.17kcal)
炭水化物:26.56g (106.24kcal)
さつまいもパイのカロリーと栄養素

さつまいもパイ100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:277kcal
タンパク質:4.15g (16.6kcal)
脂質:14.3g (128.7kcal)
炭水化物:31.83g (127.32kcal)
さつまいもマフィンのカロリーと栄養素

さつまいもマフィン100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:294kcal
タンパク質:3.59g (14.36kcal)
脂質:13.9g (125.1kcal)
炭水化物:38.14g (152.56kcal)
なお、数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。

