2019年IFA世界選手権に出張時のホテル
まず前提をはっきりさせます。試合前など筋トレを最優先にしている期間に、遊び目的の旅行は基本的に入りません。これは競技者や本気で身体を作っている人にとって、ごく自然な判断です。
したがって、ここで扱うのは、避けられない出張や用事としての移動が発生した場合の食事戦略です。「楽しみながら筋トレも頑張る」話ではありません。
本記事では、競技者として世界大会に出張してきた筆者が、実際に行ってきた出張中の食事の組み立て方を、写真とともに解説します。

筆者自身、現役時代は日本代表選手として、現在は連盟役員として、国内だけでなく海外の試合にもよく出張に行きます。そのような場合にも、できるだけ食の乱れをさせる選択をしていますので、実際の出張時の食事写真などを交えながら解説します。
上岡岳プロフィール
アームレスリング主戦績
全日本マスターズ80kg超級2位
アジア選手権マスターズ90kg級3位
学芸員(J-Global掲載ページ)
旅行・出張中の食事で起きる現実
2019年IFA世界選手権に出張中の機内
出張や移動が入ると、次の条件がほぼ同時に発生します。食事の選択肢が減り、調理ができず、移動による疲労が増え、食事時間も不規則になります。
この環境で普段と同じ食事管理を再現しようとすると、確実に破綻します。そこで重要になるのは、理想を追わない代わりに、致命的な崩れを防ぐことです。
筋トレ視点での最優先事項はタンパク質です
旅行や出張中の食事で最優先すべきなのは、タンパク質を切らさないことです。脂質や炭水化物の質が多少乱れても、短期間であれば大きな問題にはなりません。
逆に、数日間タンパク質摂取が落ちると、筋肉量・回復感・トレーニング再開時の感覚に確実に影響が出ます。
コンビニは出張中の筋トレ食事の基盤になります
2023IFA世界選手権に出張時のホテル横コンビニ
出張中に最も安定して使えるのがコンビニです。サラダチキン、ゆで卵、焼き魚、納豆、豆腐、プロテイン飲料、チーズ類。これらを組み合わせることで、外食中心でもタンパク質量だけは確保できます。
一品で完璧を狙う必要はありません。主食や弁当の内容が多少雑でも、タンパク質源を別で足すだけで状況は大きく改善します。
外食チェーンもあり
ポーランド出張時は、会場近隣にマクドナルドがあったので、チキン系などできるだけ高タンパク質低カロリーなメニューを選んで食べていました。
また、マレーシア出張中は会場近隣にすき家があったので、こちらも、できるだけ高タンパク質低カロリーなメニューを選んで食べていました。
余裕があればスーパーで買う
2019IFA世界選手権時のホテルの近隣スーパー
ベストは、時間に余裕があればコンビニや外食で済ませず、地元のスーパーで食品を買うことです。スーパーのほうが明らかに選択肢は広がります。
実際、筆者もポーランド出張中にはホテル近隣のスーパーでサーモンなどを買って食べていました。
外食や会食が入る場合の考え方
出張では会食を避けられないこともあります。この場合、料理そのものを評価するのではなく、自分の食べ方を管理する意識が重要です。
揚げ物中心でも、肉や魚を先に食べる。丼物なら大盛りにしない。無理に完食しない。
こうした判断だけで、総摂取カロリーと脂質の暴走はかなり抑えられます。
ホテル朝食は「選び方」で差がつきます
ホテルの朝食ビュッフェは、筋トレ視点では使いどころがあります。卵料理、焼き魚、納豆、ヨーグルトなど、タンパク質源は意外と揃っています。
ここで意識したいのは、先にタンパク質を確保し、その後に他を取る順番です。
この順序を守るだけで、食べ過ぎは自然と防げます。
ポーランドの宿泊ホテルでの実際の朝食の組み立てです。
以下は、国内出張時の実際の朝食バイキングでの組み合わせです。
このように、まずはタンパク質食品を中心に選び、最低限の炭水化物を追加しています。
出張中は攻めずに維持が正解
出張や移動が続く期間に、筋肥大や記録更新を狙う必要はありません。ここでの正解は、筋肉を落とさず、体重を大きく動かさないことです。
トレーニング頻度が落ちても、タンパク質摂取と過剰摂取の回避ができていれば、筋肉は簡単には失われません。
結論:出張中の筋トレ食事は「割り切り」
筋トレと出張が重なったときの食事は、理想論では回りません。必要なのは次の認識です。
移動中は攻めない、タンパク質だけは切らさない、数日単位で体を見る、筋トレを本気でやっている人ほど、こういう割り切りがうまい。それが、長く身体を作り続けるための現実解です。


