カツオ藁焼きたたきの作り方・焼き方|サーモン・マグロ・焼き鳥・うなぎかば焼きにも応用できるテクニック

この記事の数値は文部科学省の食品成分データベースに基づいて算出しています。

カツオ藁焼きたたきの本格的な作り方・焼き方を、藁焼き器を自作して日常的にたたきを作っている筆者が解説します。また、この技法はマグロ・サーモン・焼き鳥・うなぎのかば焼きなどにも応用できるため、応用テクニックもあわせてご紹介します。

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藁焼きとは?

藁焼きは高温の瞬間火力で香りを移す調理法

藁焼きは、藁を一気に燃やして非常に高温の炎を作り、その炎を食材の表面にだけ瞬間的に当てることで香ばしさと独特の香りを付与する調理法です。内部まで火を通さず、表面だけを焼き切ることで、たたき特有の食感と風味が生まれます。

カツオ以外の食材にも幅広く応用可能

藁焼きの原理は「高温の炎で表面だけを焼き、香りを移す」というシンプルなものなので、カツオだけでなくマグロ・サーモン・焼き鳥・うなぎのかば焼きなど、多くの食材に応用できます。食材ごとの脂の量や身の厚さに応じて火との距離や時間を調整することで、それぞれの持ち味を引き出すことが可能です。

自宅でも再現できる専用装置と工程が重要

本格的な藁焼きは、ガスコンロの火力では再現が難しく、自宅で行う場合でも藁焼き専用の焼き台や風防、送風ブロワーなどを組み合わせた装置が必要になります。火の流れや炎の高さをコントロールできる環境を整えることで、安全かつ安定した焼き上がりが得られます。

焼成後の処理で味と食感が大きく変わる

藁焼きは焼いた瞬間で終わりではなく、焼成後に氷水で締めるかどうか、どのタイミングで粗熱を取るか、どの厚さで切るかによって、最終的な味と食感が大きく変わります。特にカツオの場合は氷じめを行うことで身が締まり、切り口も美しくなります。

筋トレ向きの高タンパク料理としても優秀

藁焼きは追加の油をほとんど使わずに高タンパクな魚や肉を香ばしく仕上げられるため、筋トレ向きの食事としても非常に優秀です。カツオやマグロなどの赤身魚を中心に使うことで、高タンパク低脂質の筋トレ向きメニューにしやすく、バルクアップ期・減量期のどちらにも対応できます。

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藁焼きとはどんな調理法か

藁焼きとは、高知をはじめとする地域で発展してきた伝統的な調理法で、藁を燃やして生じる高温の炎を利用して食材の表面だけを焼き切る技法です。特にカツオのたたきと組み合わせることで有名で、皮目が強い火力で一瞬にして炙られ、内部は生のまま残る独特の仕上がりになります。ガス火や炭火に比べて火力の立ち上がりが非常に速く、藁特有の香りが食材に移ることも大きな特徴です。

藁焼きに必要な道具と自作装置の構成

本格的な藁焼きを安定して行うためには、燃料の藁だけでなく、火力をコントロールするための装置が重要です。ここでは筆者が実際に使用している自作藁焼き装置を例に、必要な道具と構成を解説します。

藁は燃焼温度が高く、短時間で強い火力を生み出すことができます。十分な量を用意し、焼き台全体に敷き詰めることで、均一な炎を作り出せます。

焼き台と金網

ステンレス製の浅い焼き台などに藁を敷き、上に金網を設置することで、藁の燃焼と食材の位置を安定させます。耐熱性が高く、炎の流れが素直に上方向に抜ける構造が理想的です。

送風ブロワー

藁は着火直後に強い火力を出せますが、酸素供給が不足すると火力が安定しません。送風ブロワーで空気を送り込むことで、一気に高温の炎を立ち上げ、短時間で焼き切るための環境を作ります。

風防と耐火レンガ

ドラム缶や金属製の囲い、耐火レンガなどを組み合わせて風防を作ることで、炎の方向と高さをコントロールできます。屋外での使用が前提となるため、風向きの影響を受けにくい構造にしておくことが重要です。

串・トングなどの保持具

カツオやマグロなどの大ぶりの魚は、半身を串で固定して焼きます。丈夫な金属串や耐熱性の高いトングを準備し、炎との距離を細かく調整できるようにしておくと焼きムラを防げます。

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カツオ藁焼きたたきの基本プロセス

ここからは、筆者が実際に行っているカツオ藁焼きたたきの工程を順を追って解説します。高知出身として本場で食べてきた味を、自宅の藁焼き装置で再現している方法です。

カツオの下準備

カツオは半身を使用し、血合いの処理や表面の水分を丁寧に拭き取ります。皮目をしっかり残した状態で、串を打つ位置と角度を調整し、炎に対して皮目がまっすぐ向くように準備します。焼く前に冷えすぎていると脂が弾けにくいため、冷蔵庫から出して常温に近づけておくのがポイントです。

藁を敷き詰め火を起こす

焼き台に藁をたっぷりと敷き詰め、最初はトーチなどで着火します。火が回り始めたら送風ブロワーで空気を送り、一気に炎の高さと温度を上げていきます。藁焼きの魅力はこの急激な火力立ち上がりにあり、ここで十分な炎を作れないと香りの乗りが弱くなります。

皮目を一気に焼き切る

炎が十分に立ち上がったタイミングで、カツオの皮目を炎に向けて数十秒間当てます。目的は内部まで火を通すことではなく、表面の脂を一瞬で弾かせて香りを付けることです。炎に近づけすぎると焦げすぎ、遠すぎると香りが弱くなるため、炎の頂点付近に皮目が来るように距離を調整します。

氷水で締める

焼き上がったカツオは余熱で火が入りすぎないよう、すぐに氷水に入れて表面温度を下げます。氷じめを行うことで身がほどよく締まり、切ったときの断面もきれいになります。長時間浸けすぎると水っぽくなるため、表面の温度が落ちたらすぐに引き上げ、ペーパータオルなどで水分を拭き取ります。

厚切りにカットして盛り付ける

藁焼きたたきは、ある程度の厚みを残して切ることで、表面の香ばしさと内部の生の部分とのコントラストが強くなり、本場らしい食感になります。お好みでにんにく・しょうが・小葱・玉ねぎスライスなどの薬味を合わせ、ポン酢や塩でシンプルに仕上げると、藁焼き特有の香りをしっかりと感じられます。

藁焼きテクニックの応用例

藁焼きはカツオだけでなく、他の食材にも応用することでレパートリーが大きく広がります。ここではマグロ・サーモン・焼き鳥・うなぎのかば焼きに応用する際のポイントをご紹介します。

マグロの藁焼き

マグロはカツオよりも脂が多く、表面の脂が溶け出しやすい食材です。藁焼きにする際は炎との距離をやや遠めにとり、脂が滴り落ちながらも焦げすぎない位置で焼きます。中トロ程度の部位を使うと、表面は香ばしく中はとろりとした食感になり、刺身ともステーキとも異なる味わいが得られます。

サーモンの藁焼き

サーモンは脂質が非常に多く、藁焼きとの相性が良い食材です。短時間でもしっかりと香りが乗るため、焼き時間はごく短くし、表面を軽く炙る程度にとどめます。サラダやカルパッチョのトッピングとしても優秀で、高タンパク高脂質の筋トレ向き一皿としても活用できます。

藁焼きの焼き鳥

焼き鳥を藁焼きで仕上げる場合は、あらかじめ炭火などで八分通り火を通しておき、最後の仕上げとして藁の炎を当てます。皮目の脂が瞬間的に弾けて香ばしさが増し、通常の焼き鳥とは一段階違う風味になります。モモ肉やむね肉だけでなく、皮やぼんじりなど脂の多い部位との相性も良好です。

藁焼きうなぎのかば焼き

うなぎのかば焼きに藁焼きを組み合わせる場合は、タレをつける前の素焼き段階で藁焼きを行います。皮目を藁の炎で一気に炙ることで、香りと軽い燻香が加わり、通常のかば焼きとは異なる奥行きのある味わいになります。その後にタレをつけて仕上げると、香ばしさと甘辛さが重なった一品になります。

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筋トレ視点で見た藁焼き料理のメリット

藁焼き料理は、筋トレ向きの食事としても多くのメリットがあります。まず、高タンパクな魚や肉を中心に使うため、主菜一皿でしっかりとタンパク質を確保できます。また、調理の際に追加の油をほとんど使わないため、余計なカロリーを抑えつつ香ばしさだけをプラスできるのも利点です。

バルクアップ期には、藁焼きカツオを丼ものやパスタの具材として用い、炭水化物と組み合わせることで筋肉合成に必要なエネルギーを確保できます。減量期には、藁焼きたたきをサラダや冷奴、野菜中心の副菜と組み合わせることで、高タンパク低脂質のメインディッシュとして活用できます。

藁焼きを安全に行うための注意点

藁焼きは非常に強い火力を扱う調理法であるため、安全対策が不可欠です。必ず屋外かつ十分な換気がある場所で行い、周囲に可燃物がないことを確認します。消火用の水や消火器を手元に用意し、風向きによって炎が予期せぬ方向に広がらないように注意します。また、装置の設置や解体の際には耐熱手袋を使用し、焼成中は炎から目を離さないことが重要です。

まとめ

カツオ藁焼きたたきは、本場高知で発展してきた伝統的な調理法を、自宅の藁焼き装置で再現することで初めて体験できる味わいです。藁焼きの原理と装置の構成、火力の作り方や焼き上げ後の処理を理解すれば、カツオだけでなくマグロ・サーモン・焼き鳥・うなぎのかば焼きなど、多くの食材に応用することができます。

高タンパクな食材を中心に使う藁焼き料理は、筋トレ向きの食事としても非常に優れており、バルクアップ期・減量期のどちらにも対応可能です。藁焼きという調理技法を一つの武器として身につけることで、日常の食事とトレーニングの両方を、より充実したものにしていけます。

付録:藁焼きに適した食材の栄養素情報

カツオ

カツオ100gあたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。

エネルギー:165kcal
タンパク質:25g (100kcal)
脂質:6.2g (55.8kcal)
炭水化物:0.2g (0.8kcal)

キハダマグロ

kihadamaguro.gif

中型のマグロで、世界的には漁獲量ナンバーワンの種類です。ツナ缶の主な材料となり、マグロ類のなかでもっとも低脂肪なため、シェイプアップ筋トレの食材として最適です。

キハダマグロ100gあたりのカロリー・栄養素

エネルギー:106kcal
タンパク質:24.3g (97.2kcal)
脂質:0.4g (3.6kcal)
炭水化物:0g (0kcal)

ビンンガマグロ

binnagamaguro.gif

流通量も多く、比較的安価な中型マグロで、マグロ類のなかではもっとも高タンパク質低カロリーです。味も淡白で、野菜サラダと相性もよいことから、シェイプアップのマグロサラダにもよく用いられます。

ビンナガマグロ100gあたりのカロリー・栄養素

エネルギー:117kcal
タンパク質:26g (104kcal)
脂質:0.7g (6.3kcal)
炭水化物:0.2g (0.8kcal)

サーモン

タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)100gあたりのカロリー・栄養素は以下のとおりです。

エネルギー:237kcal
タンパク質:20.1g (80.4kcal)
脂質:16.1g (144.9kcal)
炭水化物:0.1g (0.4kcal)

ウナギ

標準的なうなぎ一匹(200g)のカロリーと栄養素は以下の通りです。

エネルギー:510kcal
タンパク質:34.2g (136.8kcal)
脂質:38.6g (347.4kcal)
炭水化物:0.6g (2.4kcal)

もも肉(皮なし)

エネルギー:116kcal
タンパク質:18.8g (75.2kcal)
脂質:3.9g (35.1kcal)
炭水化物:0g (0kcal)

なお、数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。

身体を鍛えたら食事にも気を使う

筋トレの効果を高めるためには、トレーニングだけでなく食事や栄養に関する基礎知識が欠かせません。下記の記事では、三大栄養素の基本から、目的別の食事設計、具体的な食品例に加えて、筋肥大期と減量期における実践的な食事レシピまでを解説しています。

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【目的別筋トレ食事メニュー例】増量期・減量期の食品と具体的レシピを紹介

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