【筋トレBIG3の自宅でのやり方】ダンベル筋トレで全身を鍛える方法を解説

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

筋トレBIG3は本格的にはバーベルで行っていきますが、自宅でダンベルを使った筋トレでも一定の効果は得られます。特に、女性や初心者の方はまずはダンベルでのBIG3を行い、トレーニングの感覚を身につけていくのもおすすめです。

執筆者・監修者・運営者情報

筋トレBIG3とは?

一般的に筋トレBIG3と呼ばれるウエイトトレーニングは、バーベルベンチプレス・バーベルデッドリフト・バーベルスクワットの三種目で、このビック3だけを行っても十分な筋トレ効果があります。

なお、この三種目はパワーリフティング競技の公式三種目としても知られています。競技としてのBIG3に関しては、下記のリンク先をご参照ください。

公益社団法人 日本パワーリフティング協会

IPF ? International Powerlifting Federation

筋トレBIG3が「バーベル」だけを指す理由

ベンチプレスはバーベルでなければ全身連動が成立しません

バーベルベンチプレスは左右が完全に連結された一本軸の重量を扱うため、胸・肩・上腕だけでなく背中・脚まで含めた全身連動が求められます。可動域や軌道が固定されることで、高重量でのプレス動作を安全かつ再現性高く行える点も特徴です。ダンベルや自重では軌道が左右に分かれ、重量管理も不安定になるため、競技的な基準を満たすことができません。

スクワットはバーベルでなければ重心軌道の統一ができません

バーベルスクワットは背中に一本の重量軸を担ぐことで、股関節・膝関節・足関節の三つが正しいカーブで連動するようになります。バーベルという一本軸があることでフォームが共通化され、扱う重量も飛躍的に高まります。ダンベルや自重では重心位置が大きく前後し、競技として定義されるスクワット動作とは別物になってしまいます。

デッドリフトはバーベルでなければ床引きの基準が成立しません

バーベルデッドリフトは「床から引き上げる」という競技規格があるため、直径・重量・シャフトの長さが一定でなければ比較が成り立ちません。バーベルは床からの高さが一定化されているため、股関節の角度・引き始めの姿勢・力発揮の方向がすべて統一されます。ダンベルでは高さが合わず重量も不足し、自重では抵抗が軽すぎるため、BIG3としての成立要件を満たしません。

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注釈

本記事はあくまでも初心者向けの記載であり、初心者の方が「本物のバーベル筋トレBIG3」に似た感覚を体感できる、という意味でダンベル種目などをご紹介しています。本格的に筋力を伸ばしたり、公式競技としてのBIG3に取り組む場合は、必ずバーベルで行う必要があります。

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ベンチプレスが効果のある筋肉部位

各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

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ベンチプレスは大胸筋・三角筋・上腕三頭筋といった上半身の押す作用の筋肉に効果があります。

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デッドリフトが効果のある筋肉部位

各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

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デッドリフトは僧帽筋・広背筋・長背筋・上腕二頭筋といった上半身の引く作用の筋肉に効果があります。

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スクワットが効果のある筋肉部位

各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

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スクワットは大腿四頭筋・臀筋群・大腿二頭筋・下腿三頭筋といった下半身の主要な筋肉全てに効果があります。

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筋肉の構造と作用について

各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

| Kenhub
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Skeletal muscle: A review of molecular structure and function, in health and disease - PMC
Decades of research in skeletal muscle physiology have provided multiscale insights into the structural and functional complexity of this important anatomical t...

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)

なお、さらに詳しい筋肉の名称と作用については下記の記事をご参照ください。

▼さらに詳しい筋肉の名称・構造・作用

【筋肉名称デジタル図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方

ダンベルで行う自宅BIG3筋トレ

①ダンベルプレス

大胸筋全体に効果のある基本種目がダンベルプレスです。肩関節保護のため、ダンベルが肩より頭側にこないように気をつけてください。

また、ダンベルの特性を最大限に活かすためにはトレーニングベンチを使って最大限ダンベルを下ろすことが重要ですが、ベンチ類がない場合は、床の上で行うフロアープレスでも一定の効果はあります。

◆ダンベルプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、ダンベルを胸の上でグリップして構える

②肩甲骨を寄せたまま、ダンベルを押し上げる

③ダンベルを押し上げたら、肘をしっかりと伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

④ダンベルのウエイトに耐えながら、筋肉に負荷をかけながら元に戻る

◆ワンポイントアドバイス
肩を痛めないためには、ダンベルを肩のラインよりヘソ側に下ろすようにしてください。

ダンベルプレスのバリエーション

ベンチ類がない環境では、こちらの動画のように床に仰向けになって行うダンベルフロアープレスが有効ですが、ダンベルを深く下ろせないため大胸筋が完全伸展せず、ただし、大胸筋に対する効果がやや落ちるというデメリットがあります。

大胸筋上部に効果の高い種目がインクラインダンベルプレスです。インクライン体勢の場合、つい上を向きがちですが、顎を引くことで大胸筋が最大収縮しますので、上を見すぎないようにしてください。

なお、インクラインベンチのかわりにソファーにもたれて行うソファープレスでも一定の効果はあります。

◆インクラインダンベルプレスのやり方と動作ポイント
①インクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、ダンベルを胸の上でグリップして構える

②肩甲骨を寄せたまま、ダンベルを押し上げる

③ダンベルを押し上げたら、肘をしっかりと伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

④ダンベルのウエイトに耐えながら、筋肉に負荷をかけながら元に戻る

◆ワンポイントアドバイス
腰を浮かせると、せっかくの大胸筋上に負荷のかかる軌道が損なわれますので、しっかりとインクラインベンチに背中と腰をつけて動作を行ってください。

なお、インクラインベンチがない環境では、こちらの動画のようにソファーなどに持たれて代用できますが、あまり高重量のセットは難しくなります。

大胸筋下部を鍛えるのに最適な種目がデクラインダンベルプレスです。セット終盤でやや腰を浮かせてセルフ補助することで、より大胸筋を追い込むことが可能です。

◆デクラインダンベルプレスのやり方と動作ポイント
①デクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、ダンベルを胸の上でグリップして構える

②肩甲骨を寄せたまま、ダンベルを押し上げる

③ダンベルを押し上げたら、肘をしっかりと伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

④ダンベルのウエイトに耐えながら、筋肉に負荷をかけながら元に戻る

◆ワンポイントアドバイス
はじめから腰を浮かせる前提で重量設定するのではなく、どうしても最後に挙げられない場合に腰を浮かせてセルフ補助をしてください。

なお、デクラインベンチがない環境では、こちらの動画のようにヒップリフトでダンベルプレスを行うことで代用できますが、あまり高重量は扱いにくくなります。

②ダンベルデッドリフト

広背筋下部を中心に背筋全体に効果的なのがダンベルデッドリフトです。腰を丸めると痛める原因になりますので、胸を張り背中を反らせて行って下さい。また、やや上を見ながら動作する正しいフォームになります。

なお、背筋群は肩甲骨を完全に寄せた状態で収縮しますので、しっかりと肩甲骨を寄せきることが大切です。

◆ダンベルデッドリフトのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、足を閉じて膝を曲げて立ち、足の外側でダンベルを持って構える

②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、ダンベルが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりダンベルを引き上げていく

③ダンベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる

④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びダンベルを引き上げていく

◆ワンポイントアドバイス
腰を曲げ、背中が丸まった状態で動作を行うと腰に対して大きな負担がかかりますので、視線を上に向け、背すじを伸ばすことを意識してください。

ダンベルデッドリフトのバリエーション

膝をほぼ伸ばした状態でダンベルデッドリフトを行うダンベルスティッフレッグドデッドリフトは、ハムストリングスを集中的に鍛えることのできるバーベル筋トレ種目です。

高重量を追求するのではなく、軽めの重量でしっかりとハムストリングスのストレッチを行いながら効かせることがポイントです。

◆ダンベルスティッフレッグドデッドリフトのやり方と動作ポイント
①足を閉じ、背すじを伸ばし、ダンベルを保持して構える

②膝を伸ばしたまま、上半身を前に倒していく

③ハムストリングスに十分にストレッチをかけたら元に戻る

◆ワンポイントアドバイス
本種目は重量を狙うのではなく、いかにハムストリングスを丁寧にストレッチングさせるかが重要です。

③ダンベルスクワット

下半身全体に非常に効果の高いダンベルトレーニングがダンベルスクワットです。膝関節を痛めないために、膝はつま先より前には出さないでください。また、背中を丸めて行うと腰椎を痛める可能性がありますので、必ず胸を張って動作してください。

◆ダンベルスクワットのやり方と動作ポイント
①足を肩幅程度に開き、背すじを伸ばし、ダンベルを保持して構える

②膝がつま先よりも前に出ないように気をつけ、お尻を突き出しながらしゃがんでいく

③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる

◆ワンポイントアドバイス
椅子に座る要領で動作をすると正しいフォームになります。また、背中が丸くならないように、視線をやや上に向けるのがコツです。

◆初心者の方へのアドバイス
上手く動作ができない時は、椅子を準備してそこへ座る軌道で動作を行うと、正しいフォームが習得できます。

ダンベルスクワットのバリエーション

ダンベルワイドスクワットは、下半身全体に効果があるだけでなく、内転筋群にも有効なダンベルトレーニングです。

ハムストリングスに対して効果の高いダンベル筋トレがダンベルフロントランジです。後ろ足に意識をおいて立ち上がるとさらに効果が倍増します。

◆ダンベルフロントランジのやり方と動作ポイント
①片側の足を前に出し、片側の足を後ろに引き、ダンベルを保持し構える

②前にした足の膝がつま先よりも前に出ないように、斜め後ろにしゃがんでいく

③前にした足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる

④所定回数を行った後、足の前後をかえて再び同様の動作を行う

◆ワンポイントアドバイス
前にした足を主働で行うと大腿四頭筋に、後ろにした足を主働で行うとハムストリングスに効果があります。

サイドランジは内転筋群に効果的で、スポーツ競技の横ステップ動作の向上にもつながる種目です。上半身を左右に傾けて反動を使ったりせずに行うのがポイントです。

また、伸ばしたほうの足を主働に動作を行うことで、内転筋群への効果がさらに高まります。

◆ダンベルサイドランジのやり方と動作ポイント
①足を大きく開き、ダンベルを保持して構える

②片側の膝を曲げてしゃがんでいく

③曲げたほうの足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、伸ばしたほうの足で身体を引き寄せるようにして立ち上がる

④反対側にしゃがんでいく

◆ワンポイントアドバイス
曲げたほうの足を主働で行うと大腿四頭筋に、伸ばしたほうの足を主働で行うと内転筋群に効果があります。

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【重要】目的別の重量・負荷・回数設定

ターゲットにする筋繊維に最適な反復回数

筋トレ対象となる筋肉=骨格筋は、筋繊維が束状になり構成されています。そして、その筋繊維は主に2種類(速筋と遅筋)に分類され、さらに速筋は2タイプ(TYPEⅡa・TYPEⅡb)に分類されます。これらの各筋繊維タイプにはそれぞれに特性があり、トレーニングに対する反応や適正な負荷回数設定も異なります。

①遅筋(筋繊維タイプⅠ)

60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

②速筋(筋繊維タイプⅡa)

30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

③速筋(筋繊維タイプⅡb)

30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。

▼厚生労働省公式ページ

骨格筋(こっかくきん)

参照記事:筋トレ目的別の適切な負荷回数設定

一週間のトレーニングプログラムの組み方

筋トレと超回復の関係を知る

ここからは、これまでご紹介した筋トレメニューを組み合わせて、具体的に効果の高い一週間のトレーニングプログラムについて解説していきますが、トレーニングプログラムを組むためには、まずは筋肉の持つ「超回復」という性質を理解する必要があります。

筋肉は筋トレなどで強い負荷を受けると、その筋繊維が破壊されます。そして、回復するときに、筋トレ前より筋繊維は強くなって回復する特徴がありますが、この性質を「超回復」と言います。超回復にかかる時間は、筋肉部位や年齢によって異なりますが、一般的に以下のようになります。

筋肉部位別の超回復期間

・72時間:背筋群・大腿筋群
・48時間:大胸筋・上腕筋群
・24時間:腹筋群・前腕筋群・下腿筋群

これらの超回復期間を考慮すると、一つの筋肉部位に対して筋トレをできるのは、腹筋群・前腕筋群・下腿筋群をのぞくと一週間に1~2回程度になります。ただし、この回復期間は上級者が行うような食事・栄養を補う食品補給と筋トレ中心の生活スタイルをした場合なので、一般的には「一つの筋肉部位は週に一回鍛える」のが最適になります。

このため、全身の筋肉を、その共働グループごとに分け、一週間をかけて全身を鍛えていく「部位分割トレーニング法」=「スプリットトレーニング」が最も理想的なプログラムです。

具体的な一週間のトレーニングプログラム

週3回のダンベル筋トレの具体例

週一回目:胸筋系の筋トレメニュー

ダンベルプレスorワンハンドダンベルプレス:3セット

ダンベルアップライトローorダンベルショルダープレス:2セット

ダンベルトライセプスプレス:2セット

ダンベルフライorダンベルインクラインフライ:2セット

ダンベルサイドレイズorダンベルフロントレイズ:2セット

ダンベルフレンチプレスorダンベルキックバック:2セット

ダンベルクランチorダンベルレッグレイズorダンベルサイドベント:3セット

週二回目:下半身の筋トレメニュー

ダンベルスクワット:3セット

ダンベルフロントランジ:2セット

ダンベルレッグエクステンション:2セット

ダンベルスティッフレッグドデッドリフト:2セット

ダンベルレッグカール:2セット

週三回目:背筋系の筋トレメニュー

ダンベルデッドリフト:3セット

ダンベルローイング:2セット

ダンベルストレートアームプルオーバー:2セット

ダンベルショルダーシュラッグ:2セット

ダンベルカールorダンベルドラッグカールorダンベルハンマーカール:3セット

ダンベルコンセントレーションカールorダンベルサイドカール:1セット

ダンベルクランチorダンベルレッグレイズorダンベルサイドベント:3セット

筋トレ効果を高めるストレッチ

筋トレの効率を良くし、効果を高めるためにはトレーニングの前・中・後それぞれにストレッチを行うことをおすすめします。筋トレ前・中・後のストレッチは効果や行う意味が違いますが、それは以下の通りです。

○筋トレ前:筋肉を温めるアップの効果があり、あわせて神経系を運動をするモードに切り替える意味があります。

○筋トレ中:筋肉が冷めるのを防ぎ、血行を上げ疲労物質が蓄積するのを予防しパフォーマンス維持の意味があります。

○筋トレ後:筋肉を冷まし、緊張した筋肉の収縮感を取り除くことで神経系を休息モードに切り替える意味があります。

ストレッチの基本的なやり方として、ストレッチをする対象筋肉の作用と収縮方向を理解し、その筋肉の逆方向に伸ばしてストレッチを行います。

また、反動を使ったようなやり方は怪我のリスクがあるため、ゆっくりと静かに少しずつストレッチをしていくことが非常に重要です。

全ダンベル筋トレ種目一覧

大胸筋のダンベル筋トレメニュー

ダンベルプレス
ワンハンドダンベルプレス
ダンベルインクラインプレス
ダンベルデクラインプレス
ダンベルフロアープレス
ダンベルフライ
ダンベルインクラインフライ
ダンベルデクラインフライ
ダンベルフライプレス
ダンベルベントアームプルオーバー

背筋群のダンベル筋トレメニュー

ダンベルデッドリフト
ダンベルローイング
ワンハンドダンベルローイング
ダンベルベントオーバーロー
ダンベルベンチローイング
ダンベルリバースフライ
ダンベルショルダーシュラッグ
ダンベルストレートアームプルオーバー

三角筋のダンベル筋トレメニュー

ダンベルショルダープレス
ダンベルアップライトロー
ダンベルフロントレイズ
ダンベルサイドレイズ
ダンベルリアラテラルライズ
ダンベルリアデルタロー

上腕三頭筋のダンベル筋トレメニュー

ダンベルトライセプスプレス
ダンベルフレンチプレス
ダンベルキックバック
ダンベルテイトプレス

上腕二頭筋のダンベル筋トレメニュー

ダンベルカール
ダンベルハンマーカール
ダンベルサイドカール
ダンベルインクラインカール
ダンベルコンセントレーションカール
ダンベルドラッグカール
ダンベルリバースカール

体幹・腹筋のダンベル筋トレメニュー

ダンベルクランチ
ダンベルレッグレイズ
ダンベルサイドベント
ダンベルウッドチョッパー
ダンベルトゥタッチクランチ
ダンベルグッドモーニング

下半身のダンベル筋トレメニュー

ダンベルスクワット
ダンベルワイドスクワット
ダンベルフロントランジ
ダンベルスティッフレッグドデッドリフト
ダンベルサイドランジ
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグカール

筋トレBIG3のメリット

BIG3は最大筋力を最も効率よく高められる

BIG3の最大の強みは、最大筋力を短期間で効率よく高められる点にあります。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトはいずれも多くの筋肉を同時に動員する複合関節運動であり、身体が持つ潜在的な力を引き出しやすい構造になっています。高重量を扱えるため、中枢神経系の発達が促され、筋力全体の底上げにつながります。筋力向上においてBIG3ほど効率の良い体系はほとんどありません。


BIG3は全身の主要筋群を一度に鍛えられる

BIG3は全身の多くの筋群を同時に使うため、全身トレーニングとして非常に優れています。スクワットは下半身の大筋群と体幹、デッドリフトは背部と下半身の連動、ベンチプレスは胸・肩・腕の押す筋群を中心に強い刺激を与えます。複数部位を一度に鍛えられるため、トレーニング時間が限られている人でも効果を得ることができます。効率を考えるうえでBIG3は理想的な構成といえます。


BIG3は基礎代謝と筋量を大きく引き上げやすい

BIG3は大きな筋群を使う運動であるため、筋量の増加につながりやすく、基礎代謝を高める効果があります。特にスクワットとデッドリフトでは、多くの筋肉に高い張力がかかるため、筋肥大の基礎となる全身の筋量を効率よく増やすことができます。筋量が増えることで消費エネルギーが高まり、日常生活の代謝が向上し、身体づくり全体の土台が強化されます。


BIG3はスポーツパフォーマンスを高める基礎になる

BIG3で鍛えられる最大筋力と体幹の安定性は、多くのスポーツに共通する重要な要素です。スクワットで得られる下半身の発揮力、デッドリフトで養われる地面からの引き上げ力と姿勢保持能力、ベンチプレスで向上する押し出す力は、競技パフォーマンス全体の向上に直結します。BIG3は専門競技の前提となる基礎能力を効率よく高める優れた方法です。


BIG3は負荷調整が明確で成長を把握しやすい

BIG3は扱う重量が明確に数値化されるため、成長が把握しやすいというメリットがあります。自分がどれだけ力をつけているのか、前回との比較がどのように変化しているのかが数字として判断できるため、トレーニングの進歩を客観的に理解できます。成長が見えることはモチベーションの維持にもつながり、継続しやすいトレーニング体系を作り上げます。


BIG3は筋力と技術の両面で向上を楽しめる

BIG3は重量だけでなく技術の向上が結果に反映されるため、習熟する過程に楽しさがあります。フォームが安定すると重量が伸びやすくなり、重量が伸びるとさらに技術が洗練されるという相乗効果が生まれます。この「技術×筋力」の成長構造は、他のトレーニング種目では得にくいBIG3ならではの魅力です。


BIG3はトレーニング全体の基盤として活用しやすい

BIG3は補助種目との相性が良く、トレーニングプログラム全体の軸として使いやすいという特徴があります。BIG3で土台となる筋力と安定性を高め、その上に補助種目を積み重ねることで、身体全体のバランスが整い、トレーニング効果が高まります。初心者から上級者まで、トレーニングの中心に置く価値のある体系です。

筋トレBIG3のデメリット

BIG3は全身の筋肉を完全には鍛えられない

BIG3は非常に優れたトレーニング体系ですが、鍛えられる部位には偏りがあります。特に広背筋の下部や中部、上腕二頭筋、三角筋中部、内転筋群、腹筋群の細かな部分などは、BIG3だけでは十分に刺激が入りません。コンパウンド動作中心であるため、細かい筋群を狙った収縮が難しく、全身を完全に均等に鍛えるには補助種目が必要になります。この偏りはBIG3の明確な弱点のひとつです。


BIG3はフォームの再現性が難しく技術依存が強い

BIG3は高重量を扱いやすい反面、フォームの再現性を保つことが難しく、技術的な要素が非常に大きいという弱点があります。フォームがわずかに乱れるだけで負荷が異なる筋群に逃げたり、怪我のリスクが上がったりします。スクワットでは骨格差によって最適なフォームが大きく変わり、ベンチプレスでは肩を痛めやすく、デッドリフトでは腰部への負担が高くなります。技術の習得に時間がかかることは、BIG3の出力を安定させにくいという欠点につながります。


BIG3は疲労が極めて大きく回復コストが高い

BIG3は多くの筋群を同時に使うため、神経系と筋肉の双方に強い疲労を残します。特にデッドリフトは中枢疲労が顕著で、頻度を上げるとパフォーマンスが低下しやすくなります。回復力が高くない人や、仕事・家庭の負担が重い人にとっては、十分な回復を確保することが難しく、トレーニングの質を維持しにくいという問題が生じます。疲労の大きさはBIG3の隠れた弱点であり、適切な頻度管理が必須となります。


BIG3は怪我のリスクが高く安全性の確保が難しい

BIG3は高重量を扱う構造上、肩、腰、股関節、膝などの主要関節に大きな負荷が集中します。フォームが未熟な段階で重量を増やすと怪我につながるリスクが高くなります。特にデッドリフトでは腰部の負担が大きく、ベンチプレスでは肩関節の損傷が起こりやすく、スクワットでは膝と股関節に強いストレスがかかります。安全に行うには高度なフォーム理解だけでなく、設備や補助者の有無も大きな影響を与えます。


BIG3は環境と設備の依存度が高い

BIG3はバーベル、ラック、プレート、ベンチなどの設備が必要であり、自宅環境だけでは十分に行えない場合があります。器具を使わない自重トレーニングと比べると、環境整備のコストが高く、ジムに通える環境でなければ実施が難しくなります。また、混雑したジムではラックが空かず、計画どおりのメニューを組みにくいという問題も生じます。


BIG3は身体の長所と短所が結果に強く影響する

BIG3は骨格や体型との相性の影響が大きく、得意・不得意が明確に出るという弱点があります。四肢の長さ、体幹の長さ、股関節の構造、肩関節の可動域などによって、ある種目は強いのに別の種目では苦手というケースが普通に起こります。体型差による相性の違いを補正しにくい点は、BIG3の性能を安定させにくい要因となります。


BIG3は筋肥大の最適解ではない場合がある

BIG3は筋力向上に強く寄与しますが、筋肥大を最大化するための種目としては必ずしも最適ではありません。高重量・低回数の特性上、筋の伸張性刺激やトップレンジの張力を狙いにくい場面があり、部位によっては単関節種目のほうが肥大効率が高いことがあります。BIG3は強い土台を作る上では優れていますが、筋肥大目的だけで見れば補助種目の重要度が高くなることが弱点として挙げられます。

筋トレBIG3の歴史

筋トレBIG3の起源はストロングマン文化にある

筋トレBIG3であるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの原点は、19世紀後半のストロングマン文化にあります。当時は、床から重りを引き上げる、物を担いで立ち上がる、寝た姿勢から押し上げるといった、現在の筋力トレーニングの基礎となる動作が素朴な力試しとして披露されていました。これらの動作は形式こそ現代とは異なりますが、筋力発揮の本質を示すものとして後のBIG3へとつながっていきます。


20世紀初頭は重量挙げが主役だった

20世紀前半において、筋力競技の中心はオリンピック重量挙げでした。スナッチやクリーン&ジャークのような爆発的な挙上動作が国際的な競技として確立し、筋力を測る標準的な方法とされていました。一方で、現代のBIG3に相当する動きはまだ体系化されておらず、競技として扱われることもありませんでした。筋力トレーニングは存在していましたが、現在のような三種目の枠組みはまだ形成されていなかった時代です。


ベンチプレスは1950年代に急速に広まった

BIG3の中で最も早く一般層に広まったのはベンチプレスです。1950年代のアメリカでは家庭用バーベルセットが普及し、ジム文化が拡大する中で、ベンチプレスが胸を鍛える代表的な種目として急速に浸透しました。ベンチ台やラックが標準設備として定着し、ベンチプレスは筋力トレーニングの中心的な存在としての地位を固めていきます。


スクワットとデッドリフトは1960年代に技術として確立した

スクワットとデッドリフトが現在のように技術体系として整理され始めたのは1960年代後半です。スクワットではバーの担ぎ位置やしゃがむ深さが分析され、バックスクワットやフロントスクワットなどの形式が確立しました。デッドリフトでは足幅や背中の角度、握り方の研究が進み、コンベンショナルとスモウという二つのスタイルが明確に区別されるようになります。この時期に二つの種目が“技術としてのBIG3”の基礎を整えていきました。


BIG3は1970年代に競技として統一された

BIG3が三種目として正式に統一されたのは1970年代です。1972年にアメリカでパワーリフティングが独立した競技として成立し、1973年には国際パワーリフティング連盟(IPF)が設立されました。この流れにより、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目が競技の核として明確に定義され、世界的な統一ルールのもとで実施されるようになりました。


1980年代以降にBIG3は筋トレの基本として定着した

1980年代から1990年代にかけて、BIG3は競技としてだけではなく、一般の筋力トレーニングの基礎として広く浸透していきます。ボディビル文化の発展、ジム人口の増加、トレーニング理論の整備が進む中で、BIG3は全身を効率よく鍛えられる基本種目として強い支持を得るようになりました。この頃から、幅広いトレーニーがトレーニングの中心にBIG3を置くようになります。


2000年以降はBIG3が科学的トレーニングの中心となった

2000年代に入ると運動生理学や筋肥大研究が進み、BIG3は科学的分析の対象としてさらに重視されるようになりました。関節角度や筋活動の解析、RPEやRIRといった指標の普及、ボリューム管理の重要性などが明確になり、BIG3は筋力向上と筋肥大の双方において理論的基盤を持つ存在となりました。現代では、BIG3は単なる重量挙げではなく、科学に基づいたトレーニングモデルとして扱われています。


現在ではBIG3は筋トレ文化の共通言語となっている

今日のフィットネス界では、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目は競技者から一般トレーニーまで広く支持され、筋力トレーニングの中心的存在として扱われています。BIG3は、筋トレの歴史の中で最も研究が進み、最も多くの人々に実践されてきた種目であり、現在では筋トレ文化を象徴する“共通言語”となっています。

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