
女性のウエストライン作りに効果的な広背筋側部の筋トレ方法を、自宅筋トレ(自重・チューブ・ダンベル)およびジム筋トレ(バーベル・マシン)それぞれから厳選し、20年以上の選手・指導実績があるジムトレーナーが解説します。
美しい女性のボディラインを際立たせるためには、ウエストの「ウエストライン」が必要不可欠ですが、お腹の腹筋トレーニングとシェイプアップだけでは、残念ながらウエストラインはあまり作れません。
まずは、その理由をわかりやすく解説していきます。
ウエストラインはウエストの細さだけでは作れない
各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)
ウエスト上下の膨らみがあってはじめて「ウエストライン」になる

まずは、こちらの理想的なウエストライン体型の女性の筋肉図をご覧ください。
ウエストラインを作るためには、まずは適切な食事管理でシェイプアップする必要がありますが、体脂肪が多い体格の方がシェイプアップするときは、体脂肪減少にともない、お腹回りだけでなく上半身も下半身も同時に痩せていきます。
ただシェイプアップするだけだと、メリハリなく「ただ細くなる」だけで、ウエストラインを作るためには上半身(広背筋)も下半身(臀筋群)もある程度の広がりが必要になります。
そして、一般的な日本人女性の場合、下半身よりも上半身(背中・広背筋)を鍛えるのが近道になりますが、それはなぜでしょう?
その理由を次の項目で説明していきます。
ウエストライン作りに背中(広背筋)筋トレが重要な理由
日本人女性の典型的な体型はナス型

この図は、あくまでもイメージですが一般的で典型的な日本人女性の体型を例えるならば「ナス型体型」です。
そして、それをウエストラインのある体型、いわゆる理想体型とされる「落花生型」にするためには、まずは背中の広がりを作ることが先決です。なぜなら、ほとんどの日本人女性は、十分にヒップの広がりはあるからです。
このことが、「ウエストライン作りには広背筋の筋トレが重要」と言われる理由です。
広背筋の構造と作用
広背筋の広がりには上から腕を引く動作が必要

広背筋は背中の脇から腰にかけて位置する、上半身では最大の筋肉で中央部と側部に分けられます。
その部位別の主な作用は以下の通りです。
○広背筋中央部:腕を前から引き寄せる
○広背筋側部:腕を上から引き寄せる
このことから、ウエストライン作りに重要な広背筋側部を鍛えるためには、腕を上から引き寄せる動作のトレーニングをすることが必要になります。
でも、鍛えすぎるとムキムキにならないの?
女性の多くの方はそう考えますが、鍛える筋繊維の種類を理解し、特定の筋繊維をターゲットに筋トレをすることで、ほどよく背中の広がりを作ることが可能です。
ムキムキにならない重さの決め方
ターゲットにする筋繊維を理解する

一般的な女性が筋トレと聞くと連想するのが、ボディービルディングの女性選手の身体だと思いますが、シェイプアップ筋トレをしてもこのようなムキムキの身体にはなりません。
それは、鍛える筋肉の対象が違うからで、ボディービルでは強く筋肥大する瞬発筋(筋繊維TYPE2b)と呼ばれる筋繊維をターゲットにして鍛えるのに対し、シェイプアップ筋トレでは、胸の位置を上げるためやお尻の位置を上げるための部分はほどよく筋肥大する瞬発筋TYPE2a(筋繊維TYPE2a(筋繊維TYPE1))を、シェイプアップする場所は筋肥大しない持久筋をターゲットにして鍛えていきます。
なお、それぞれの筋肉の種類と鍛え方は以下の通りです。
○瞬発筋(筋繊維TYPE2b):高重量高負荷で10回前後の反復回数で鍛える
○瞬発筋(筋繊維TYPE2a):中重量中負荷で15回前後の反復回数で鍛える
○持久筋(筋繊維TYPE1):低重量低負荷で20回以上の反復回数で鍛える
結論として、ウエストライン作りの広背筋トレーニングでは、15回の反復回数で限界がくる負荷重量設定で行うのが適切な重さの決め方です。
自宅での広背筋ウエストライン筋トレ
自重トレーニング
斜め懸垂
斜め懸垂は広背筋側部に効果的な自重トレーニングで、特別な器具がなくても自宅の机を流用して行うことができます。
胸を張り、肩甲骨を寄せながら身体を引き上げるのがポイントです。
チューブトレーニング
チューブラットプル
チューブラットプルは広背筋側部に集中的な負荷を与えられるトレーニング方法です。
広背筋に負荷をかける最大のポイントは、手幅を広くしたまま腕を引き寄せることです。意識をしないと、つい手幅が狭くなりがちですので注意してください。

なお、トレーニングチューブは単品で買い揃えるとかなり割高ですので、複数の強度のチューブがセットになったものがおすすめです。
ダンベル筋トレ
ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーは広背筋を効率的に刺激できるだけでなく、胸郭自体を徐々に広げていく作用もありますので、特に上半身の薄い方にはおすすめの種目です。
肘を曲げてしまうと胸の筋肉(大胸筋)に負荷が逃げてしまいますので、肘を伸ばしたまま動作を行うことがポイントです。

なお、女性の自宅用ダンベルとしては、プラスティックコーティングされ、多角形をしたアーミーダンベルが錆が出ず転がらないのでおすすめです。
ジムでの広背筋ウエストライン筋トレ
マシントレーニング
ラットマシンプルダウン
ケーブルマシンでのワイドグリップラットプルダウンは、広背筋側部に最も効果の高いトレーニング方法です。
必要以上に上半身を倒さないように気をつけ、胸を張り肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せてください。
バーベル筋トレ
バーベルプルオーバー
バーベルを使って広背筋側部を鍛えていくのならば、こちらの動画のような肘を伸ばしたまま行うバーベルプルオーバーが最適です。
肘を曲げてしまうと大胸筋に負荷が逃げてしまいますので、十分に注意してください。
背中の筋トレ全種(女性)
背中の筋肉の筋トレ
懸垂
斜め懸垂
バックエクステンション
スーパーマンバックエクステンション
バランスボールバックエクステンション
チューブデッドリフト
チューブローイング
チューブラットプル
チューブグッドモーニング
ダンベルデッドリフト
ダンベルローイング
ダンベルショルダーシュラッグ
スミスマシンデッドリフト
ケーブルローイング
ケーブルラットプル
ケーブルリバースフライ
ハイパーバックエクステンション
