腕相撲が強くなる自宅筋トレ(自重&ダンベル)をアームレスリング元日本代表が解説

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

腕相撲が強くなる自宅での筋トレ方法をアームレスリング元日本代表・アジア選手権メダリストの筆者が解説します。

なお、本記事は筆者の運営するクラブチームジムでも所属選手が実践しているトレーニングメニューで、何人もの県チャンピオンや数名の日本代表選手を輩出しています。

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腕相撲のための筋トレの頻度は?

腕相撲が強くなるためにもっとも重要なのは「実戦練習」です。そして、そのなかで腕相撲に必要な実戦的な筋肉は強化されていきます。そして、補強的な感じで筋トレを加えていくのが現実的です。

実戦練習を行うと、かなりの疲労が筋肉に蓄積されますので、筋トレは週に1回程度の頻度で行っていくのが効率的です。

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腕相撲に必要な筋肉とは

①前腕筋群

アームレスリングは「前腕のスポーツ」とも呼ばれるほど、前腕筋群の筋力が要求され重要となる競技で、それは腕相撲においてもほぼ同じです。

必要となる前腕筋の部位はトップロールとフックで異なり、トップロールでは親指を立てる方向の筋力(手首の外転力)が非常に重要になります。

この筋力の主働筋となるのが、腕橈骨筋(わんとうこつきん)と呼ばれる前腕筋群でもっとも体積の大きな筋肉です。

前腕筋群の自宅筋トレ

トップロールにはリストハンマー

腕橈骨筋を鍛えるのに最適でほぼ唯一のトレーニング方法が、こちらのようなリストハンマーです。グリップにテーピングなどを巻き、握りにくくするとより実戦的な筋力が培われます。

バーチカルバー(28mmプレート用)+グリップ2種セット | アームレスリング器具・パワーリフティング用品・マズレンコ製作所日本正規輸入代理店
28mmプレートを差し込み前腕をトレーニングするための器具です。ヘッドを立てる力のほか、回内回旋力や回外回旋力を鍛えることができます。スチール製さまざまな握り方で鍛えられるように、グリップボール&メガグリップ(定価2000円相当)をサービスでセットにしました。※プレートは付属しません。

フックにはリストカール

フックにおいてもっとも重要となる前腕筋群が、手首を曲げる(屈曲)させる作用のある前腕屈筋群で、リストカールによって鍛えることができます。

リストカールにはケーブル・バーベル・ダンベルなどバリエーションがありますが、なんと言ってもおすすめなのがダンベルリストカールです。

ケーブルやバーベルと違い、片腕ずつ鍛える必要があるため、ダンベルリストカールは二倍の時間が必要となりますが、ケーブルやバーベルのリストカールは軌道が固定されるのに比べ、ダンベルはフレキシブルに様々な角度・軌道で前腕屈筋群を追い込めます。

【リストカールの種類とやり方】チューブ・ダンベル・マシン・バーベルでの前腕筋群の鍛え方
前腕筋群を鍛えるための基本的な筋トレがリストカール系種目ですが、リストカール系種目にはカールする方向や使用する器具によって様々なバリエーションがあります。それらを動画をまじえて解説します。 リストカールが効果のある筋肉部位各筋肉の構造や...

②上腕二頭筋・上腕筋

腕相撲やアームレスリングで強くなるためには、一般的に考えられている「肘を屈曲させる」コンセントリックな上腕二頭筋の筋力は必要ありません。

これは、腕相撲やアームレスリングで勝つためには「最初から最後まで肘を90度に固定する」ことが理由ですが、肘を90度に固定する上腕二頭筋のアイソメトリックスな筋力は非常に重要です。

また、上腕二頭筋と共働する上腕筋は、体積が小さな筋肉であるため見落とされがちですが、実は半羽状筋という収縮力の強い筋繊維構造をしているため、上腕二頭筋よりも重要ともいえる筋肉です。

なお、上腕筋はどちらかと言えば、上腕二頭筋短頭よりも上腕二頭筋長頭と強い共働関係にあります。

トップロールとフックそれぞれに重要となる上腕二頭筋の部位は異なり、親指を上にした状態で強く働く上腕二頭筋長頭はトップロールに、手の平を上にした状態で強く働く上腕二頭筋短頭はフックに必要となります。

上腕二頭筋の自宅筋トレ

逆手懸垂

ダンベルカール
ダンベルハンマーカール
ダンベルサイドカール
ダンベルインクラインカール
ダンベルコンセントレーションカール
ダンベルドラッグカール
ダンベルリバースカール

③大胸筋・背筋群

大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

pectoralis-major_2018040621421476e.png

読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~第6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜

広背筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

Latissimus_dorsi_muscle_back_20180406214305e8d.png

読みかた:こうはいきん
英語名称:latissimus dorsi muscle
部位詳細:上部|下部
起始:下位第6胸椎~第5腰椎の棘突起・肩甲骨下角第9~12肋骨|正中仙骨稜・腸骨稜後方
停止:上腕骨小結節稜

僧帽筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

Trapezius_lateral4_20180406214353195.png

読みかた:そうぼうきん
英語名称:trapezius muscle
部位詳細:上部|中部|下部
起始:後頭骨上項線・外後頭隆起・頚椎棘突起|第7頚椎・第1~3胸椎棘突起|第4~12胸椎棘突起
停止:肩甲棘・肩峰

腕相撲・アームレスリングで勝つために重要な要素として、脇をしめ上腕を動かさないこともあげられます。アームレスリングでは「腕を固める」と言いますが、腕を固めるためには背筋群と大胸筋の両方を使います。

この二つの大きな筋肉を使う割合は、トップロールとフックでは異なり、トップロールは「背筋群で腕を固める」、フックは「大胸筋で腕を固める」イメージですが、どちらかが100%ではなく、あくまでも比率のことです。

これらは大筋群ですので、個別の筋肉を鍛えるアイソレーション種目ではなく、他の筋肉と連動しながら鍛えるコンパウンド種目(複合関節種目)でトレーニングしていくのが実戦的です。

大胸筋のコンパウンド種目

腕立て伏せ
足上げ腕立て伏せ
ディップス
斜め腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せ

ダンベルプレス
ワンハンドダンベルプレス
ダンベルインクラインプレス
ダンベルデクラインプレス
ダンベルフロアープレス

背筋群のコンパウンド種目

懸垂
パラレル懸垂
斜め懸垂

ダンベルデッドリフト
ダンベルローイング
ワンハンドダンベルローイング
ダンベルベントオーバーロー
ダンベルベンチローイング

④ローテーターカフ

アームレスリングの言葉に「親指の壁」というものがありますが、これはトップロール系選手・フック系選手問わず、親指が倒れたら「間違いなく負ける」からです。

この「親指を倒されない力」に重要な役割をするのが、回旋筋腱板=ローテーターカフと呼ばれる、肩甲骨に張りつくように位置している棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の四つの筋肉群です。

アームレスリング(腕相撲)にローテーターカフ(回旋筋腱板)が重要な理由
アームレスリング(腕相撲)には前腕筋群・上腕筋群以外にも重要な筋肉があり、それは肩甲骨と上腕骨をつないでいる回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)=ローテーターカフです。 ローテーターカフ(回旋筋腱板)を構成する筋肉 ローテーターカフは...

ローテーターカフは、インターナルローテーション・エクスターナルローテーションと呼ばれる肩関節の回旋動作をともなうトレーニングで鍛えることができます。具体的な実施方法は下記の動画をご参照ください。

ダンベルインターナルローテーション

 

ダンベルエクスターナルローテーション

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