【筋トレBIG3だけで鍛える方法】忙しい人にも効果的な順番と自宅補助トレーニング

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

忙しいけれども本格的に鍛えたい…そんな方にはバーベル筋トレBIG3のみの週一回トレーニングがおすすめです。三種目の有効な順番を解説するとともに、もう週一回を自宅で補助トレーニングする場合におすすめの自重&ダンベル種目をご紹介します。

執筆者・監修者・運営者情報

筋トレBIG3とは

ベンチプレス・デッドリフト・スクワット

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筋トレBIG3とは、パワーリフティング競技の公式種目でもあるベンチプレス・デッドリフト・スクワットの三種目のことを指し、これだけでほぼ全身の筋肉を鍛えられることから、通称「筋トレBIG3」と呼ばれています。

なお、下記に日本パワーリフティング協会と世界協会の公式ページをリンクしておきますので、興味のある方は是非、訪れてみてください。当ジムにも5名の登録選手がおり、うち二名は全国大会レベルの選手です。

パワーリフティングとは?

しばしばウエイトリフティング(Weightlifting、重量挙げ)と混同されるが、種目が異なる。
ウエイトリフティングがスナッチやクリーン&ジャークのようにバーベルを頭上に差し上げる種目の重量を競うのに対して、パワーリフティングは、ウエイトトレーニングの種目の中で、基本的で高重量を扱える種目であるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目の最大挙上重量の総計を競うスポーツである。引用:Wikipedia「パワーリフティング」

公益社団法人 日本パワーリフティング協会

IPF – International Powerlifting Federation

筋トレBIG3が「バーベル」だけを指す理由

ベンチプレスはバーベルでなければ全身連動が成立しません

バーベルベンチプレスは左右が完全に連結された一本軸の重量を扱うため、胸・肩・上腕だけでなく背中・脚まで含めた全身連動が求められます。可動域や軌道が固定されることで、高重量でのプレス動作を安全かつ再現性高く行える点も特徴です。ダンベルや自重では軌道が左右に分かれ、重量管理も不安定になるため、競技的な基準を満たすことができません。

スクワットはバーベルでなければ重心軌道の統一ができません

バーベルスクワットは背中に一本の重量軸を担ぐことで、股関節・膝関節・足関節の三つが正しいカーブで連動するようになります。バーベルという一本軸があることでフォームが共通化され、扱う重量も飛躍的に高まります。ダンベルや自重では重心位置が大きく前後し、競技として定義されるスクワット動作とは別物になってしまいます。

デッドリフトはバーベルでなければ床引きの基準が成立しません

バーベルデッドリフトは「床から引き上げる」という競技規格があるため、直径・重量・シャフトの長さが一定でなければ比較が成り立ちません。バーベルは床からの高さが一定化されているため、股関節の角度・引き始めの姿勢・力発揮の方向がすべて統一されます。ダンベルでは高さが合わず重量も不足し、自重では抵抗が軽すぎるため、BIG3としての成立要件を満たしません。

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ベンチプレスのやり方とバリエーション

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まず、ベンチプレスが効果のある筋肉部位は、主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の上半身の押す筋肉群です。

ベンチプレス(bench
press)は、上半身を鍛えるウェイトトレーニングの種目である。主に大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部が鍛えられる。パワーリフティング競技の三種目の1つである(ほかはデッドリフト、スクワット)。引用:Wikipedia「ベンチプレス」

バーベルベンチプレス(大胸筋全体)

ジムで行うバーベルトレーニングのなかで、大胸筋トレーニングの王道とも言えるのが「筋トレBIG3」の一つであるバーベルベンチプレスです。肩甲骨を寄せ、顎をやや引いて行うのがポイントです。

◆バーベルベンチプレスのやり方と動作ポイント

①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える

②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる

③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす

④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス

ストリクトに効かせるためには、勢いをつけてシャフトをバウンドさせないようにすることと、腰を浮かせないようにすることが大切です。

インクラインベンチプレス(大胸筋上部)

インクラインベンチを使い、斜め上方向への軌道で行うインクラインベンチプレスは大胸筋上部に効果のあるベンチプレスのバリエーションです。

◆インクラインベンチプレスのやり方と動作ポイント

①インクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える

②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる

③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋上部と上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス

腰を浮かせると、せっかくの大胸筋上部に効果のある軌道が失われますので、最後までしっかりとベンチに腰をつけて行なってください。

リバースグリップベンチプレス(大胸筋上部)

インクラインベンチがない場合でも大胸筋上部に負荷を加えられるのが、リーバースグリップベンチプレスです。

どうしても、ラックアウトが不安定になりますので、必ずセーフティーバーを用い、できれば補助者をつけて行ってください。

◆リバースグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント

①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、60~70cm前後の手幅でシャフトを逆手にグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える

②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる(補助者をつけることを推奨)

③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす

④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋上部と上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス

補助者がいない場合は、通常グリップでラックアウトして、いったんシャフトをセーフティーバーの上に置き、グリップを逆手に握りなおしてから行うことをおすすめします。

デクラインベンチプレス(大胸筋下部)

逆に、インクラインベンチをデクラインにして行うデクラインベンチプレスでは、腕を押し出す軌道が斜め下方向になるため、大胸筋下部に効果が得られます。

◆デクラインベンチプレスやり方と動作ポイント

①デクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える

②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる

③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす

④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス

セット終盤で少しだけ腰を浮かせることで、セルフ補助が可能ですが、はじめから腰浮きありきの重量設定はおすすめしません。

ワイドグリップベンチプレス(大胸筋外側)

ワイドグリップベンチプレスは大胸筋外側に効果の高いベンチプレスのバリエーションで、通常のベンチプレスより拳一つ分ほど広くグリップ幅をとって行います。

◆ワイドグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント

①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、90cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える

②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる

③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす

④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス

本種目は、肩甲骨の寄せが甘いと、特に肩関節に大きな負担がかかりますので注意してください。

ナローグリップベンチプレス

ジムで上腕三頭筋を鍛える定番トレーニング種目がナローグリップベンチプレスです。

通常のベンチプレスと違い、肩甲骨を寄せずに行うことで上腕三頭筋に刺激が集中します。

◆ナローグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント

①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、60~70cm前後の手幅でシャフトをグリップして構える

②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる

③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす

④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

⑤しっかりと肘を伸ばし上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス

肘を外に張り出すと上腕三頭筋短頭に、肘を絞って行うと上腕三頭筋長頭に効果があります。

世界チャンピオンによる解説

下記の記事は、当サイトGLINTに客員執筆いただいている、パワーリフティング世界ランカー・ベンチプレス世界チャンピオンの奥谷元哉選手によるベンチプレス専門記事です。

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【主な戦歴】

全日本パワーリフティング選手権大会75kg級大会優勝

世界パワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級2位

アジアパワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級1位

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デッドリフトのやり方とバリエーション

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まず、デッドリフトは僧帽筋・広背筋・長背筋・上腕二頭筋などの上半身の引く筋肉群に効果があり、さらに下半身も使用するので下半身の筋肉にも二次的に効果があります。

デッドリフトとは、下背部・臀部・脚部を鍛える代表的なウェイトトレーニングの種目。パワーリフティング競技の3種目の1つである(ほかはベンチプレス、スクワット)。名称の由来はデッドウェイト(静荷重)をリフトアップすることから。主に広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスが鍛えられる。引用:Wikipedia「デッドリフト」

バーベルデッドリフト

ジムで行うバーベル筋トレで背筋に高負荷を加えられるのが「筋トレBIG3」の一つであるバーベルデッドリフトです。腰椎保護のため背中を丸めないように最大の注意を払ってください。なお、デッドリフトにかぎらず、背筋トレーニングで握力が先になくなってしまう人はリストストラップがとても有効です。

なお、本種目には、足の置き方とグリップの仕方で主に二つのスタイルがあり、それぞれの名称と特徴は以下の通りです。

ルーマニアン(ヨーロピアン)スタイル

肩幅よりも狭く構えた足の両側をグリップするスタイルで、背筋群の動員率が高く、背中のトレーニングとして行うのに適しています。

ワイドスタンス(スモウ)スタイル

大きく開いて構えた足の内側をグリップするスタイルで、下半身の動員率が高く、高重量を挙上することを目的として行うのに適しています。

なお、トレーニングとして背筋に効かせる場合は、ルーマニアン(ヨーロピアン)スタイルがおすすめです。

◆バーベルデッドリフトのやり方と動作ポイント

①背すじを伸ばし、足を肩幅程度に開き、膝がつま先よりも前に出ないようにお尻を突き出し、足の外側でシャフトをグリップして構える

②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、バーベルが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりバーベルを引き上げていく

③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる

④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びバーベルルを引き上げていく

◆ワンポイントアドバイス

腰を曲げ、背中が丸まった状態で動作を行うと腰に対して大きな負担がかかりますので、視線を上に向け、背すじを伸ばすことを意識してください。

バーベルスティッフレッグドデッドリフト(ハムストリングス)

膝をほぼ伸ばした状態でデッドリフトを行うバーベルスティッフレッグドデッドリフトは、ハムストリングスを集中的に鍛えることのできるバーベル筋トレ種目です。

高重量を追求するのではなく、軽めの重量でしっかりとハムストリングスのストレッチを行いながら効かせることがポイントです。

◆バーベルスティッフレッグドデッドリフトのやり方と動作ポイント

①足を閉じ、背すじを伸ばし、バーベルを保持して構える

②膝を伸ばしたまま、上半身を前に倒していく

③ハムストリングスに十分にストレッチをかけたら元に戻る

◆ワンポイントアドバイス

本種目は重量を狙うのではなく、いかにハムストリングスを丁寧にストレッチングさせるかが重要です。

世界チャンピオンによる解説

下記の記事は、当サイトGLINTに客員執筆いただいている、パワーリフティング世界ランカー・ベンチプレス世界チャンピオンの奥谷元哉選手によるデッドリフト専門記事です。

【デッドリフトのやり方とフォーム】種類別に効果的なセットメニューを元全日本王者が解説
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スクワットのやり方とバリエーション

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スクワットは、下半身ほぼ全てに負荷がかかり、大腿四頭筋・臀筋群・大腿二頭筋・下腿三頭筋などに有効です。

スクワット(squat)はウエイトトレーニングの基本的な種目でBIG3の1つ(他は、ベンチプレス、デッドリフト)。直立した状態から膝関節の屈曲・伸展を繰り返す運動で、下半身、特に大腿四頭筋・下腿三頭筋・大臀筋・中臀筋などの筋力アップ、筋肥大に大きな効果を持つ。引用:Wikipedia「スクワット」

バーベルスクワット

ジムで行うバーベルトレーニングのなかで、もっとも基本的なトレーニング種目が「筋トレBIG3」の一つであるバーベルスクワットです。自重スクワット同様にニーベントスタイルを作り、やや斜め後方に腰を下ろしてください。

◆バーベルスクワットのやり方と動作ポイント

①足を肩幅程度に開き、背すじを伸ばし、バーベルをかついで構える

②膝がつま先よりも前に出ないように気をつけ、お尻を突き出しながらしゃがんでいく

③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる

◆ワンポイントアドバイス

椅子に座る要領で動作をすると正しいフォームになります。また、背中が丸くならないように、視線をやや上に向けるのがコツです。

バーベルランジ

ハムストリングスに効果的なランジはバーベルを使って行うことも可能です。動作のポイントは先のダンベルランジと同様です。

◆バーベルランジのやり方と動作ポイント

①片側の足を前に出し、片側の足を後ろに引き、バーベルかついで構える

②前にした足の膝がつま先よりも前に出ないように、斜め後ろにしゃがんでいく

③前にした足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる

④所定回数を行った後、足の前後をかえて再び同様の動作を行う

◆ワンポイントアドバイス

前にした足を主働で行うと大腿四頭筋に、後ろにした足を主働で行うとハムストリングスに効果があります。

バーベルサイドランジ(大腿四頭筋側部:内転筋)

大腿四頭筋側部と内転筋群に効果の高いバーベル筋トレ種目がバーベルサイドランジです。曲げる脚のつま先は大きく外に開き、つま先の方向と平行に膝を曲げてください。

◆バーベルサイドランジのやり方と動作ポイント

①足を大きく開き、バーベルをかついで構える

②片側の膝を曲げてしゃがんでいく

③曲げたほうの足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、伸ばしたほうの足で身体を引き寄せるようにして立ち上がる

④反対側にしゃがんでいく

◆ワンポイントアドバイス

曲げたほうの足を主働で行うと大腿四頭筋に、伸ばしたほうの足を主働で行うと内転筋群に効果があります

世界チャンピオンによる解説

下記の記事は、当サイトGLINTに客員執筆いただいている、パワーリフティング世界ランカー・ベンチプレス世界チャンピオンの奥谷元哉選手によるデッドリフト専門記事です。

【バーベルスクワットのフォームとメニュー】元全日本王者が効果的な回数・セット数も解説
バーベルスクワットは下半身全体を鍛えるのに最適なウエイトトレーニングで、その効果の高さは「キングオブトレーニング」と呼ばれるほどです。今回は筋トレとしてのバーベルスクワットの基本知識だけでなく、パワーリフティング競技の種目として、一つの壁で...

BIG3の有効な順番と一日のトレーニング量

スクワット→デッドリフト→ベンチプレス

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まず、BIG3三種目の実施する順番ですが、筋トレの基本通り、「使用筋肉の体積が多い高重量種目」から「使用筋肉の体積が少ない低重量種目」へというのが基本です。このためスクワット→デッドリフト→ベンチプレスというのが正しいセットの順番です。

実際には、ベンチプレスが好きな人が多いので、まずベンチプレスから行っている方を見かけることも少なくありませんが、確実に非効率な鍛え方です。

また、筋トレBIG3のみで一日に全身をトレーニングする場合は、各種目3セットずつというのが一般的です。全身に強い負荷がかかるので、これ以上セット数を増やさず、1セット1セットを大切に確実に効かせていくことをおすすめします。

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自宅での補助トレーニング

広背筋・上腕二頭筋・腹筋群を鍛える

忙しい人が、週一回BIG3のみで筋トレをしていく上で、できれば行って欲しいのが、あともう一回の自宅トレーニングです。

鍛える部分は、筋トレBIG3ではそれほど負荷のかからない部分、広背筋・上腕二頭筋・腹筋群です。

広背筋の自宅トレーニング

広背筋に有効なダンベルトレーニング種目がワンハンドローイングです。胸を張り、前を見て動作をしてください。

▼詳細記事

ダンベルローイングのやり方とポイント

上腕二頭筋の自宅トレーニング

上腕二頭筋に有効なダンベルトレーニング種目がダンベルカールです。さまざまバリエーションがありますが、肘を体側に固定して行うのがポイントです。

▼詳細記事

ダンベルカールのやり方とポイント

腹筋群の自宅トレーニング

腹筋群全体に効果が高く、自宅トレーニングとしておすすめの自重種目がクランチツイストです。

▼詳細記事

クランチツイストのやり方とポイント

バーベルのないジムではどうする?

マシン筋トレBIG3で鍛える

読者の方が通える環境のジムには、ひょっとしたらバーベルのないマシントレーニングジムしかないという場合も考えられます。そのようなジムで行うとよい、バーベル筋トレBIG3に相当するマシントレーニング三種目をご紹介します。

上半身の押す筋肉のマシン筋トレ

マシンチェストプレスは、ベンチプレスのかわりになるマシン筋トレです。グリップが肩より上だと肩関節を痛めてしまうので、シート高を調整して行ってください。

▼詳細記事

マシンチェストプレスのやり方とポイント

上半身の引く筋肉のマシン筋トレ

ケーブルローイングはデッドリフトのかわりにおすすめのマシン筋トレです。胸を張って腕を引き、フィニッシュで完全に肩甲骨を引き寄せるのがポイントです。

▼詳細記事

ケーブルローイングのやり方とやり方とポイント

下半身の筋肉のマシン筋トレ

マシンレッグプレスはスクワットのかわりにおすすめのマシン筋トレです。つま先が膝より上になる位置に構えるようにしてください。

▼詳細記事

マシンレッグプレスのやり方とポイント

自宅での筋トレBIG3

【筋トレBIG3の自宅でのやり方】ダンベル筋トレで全身を鍛える方法を解説
筋トレBIG3は本格的にはバーベルで行っていきますが、自宅でダンベルを使った筋トレでも一定の効果は得られます。特に、女性や初心者の方はまずはダンベルでのBIG3を行い、トレーニングの感覚を身につけていくのもおすすめです。 筋トレBIG3...

筋トレBIG3のメリット

BIG3は最大筋力を最も効率よく高められる

BIG3の最大の強みは、最大筋力を短期間で効率よく高められる点にあります。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトはいずれも多くの筋肉を同時に動員する複合関節運動であり、身体が持つ潜在的な力を引き出しやすい構造になっています。高重量を扱えるため、中枢神経系の発達が促され、筋力全体の底上げにつながります。筋力向上においてBIG3ほど効率の良い体系はほとんどありません。

BIG3は全身の主要筋群を一度に鍛えられる

BIG3は全身の多くの筋群を同時に使うため、全身トレーニングとして非常に優れています。スクワットは下半身の大筋群と体幹、デッドリフトは背部と下半身の連動、ベンチプレスは胸・肩・腕の押す筋群を中心に強い刺激を与えます。複数部位を一度に鍛えられるため、トレーニング時間が限られている人でも効果を得ることができます。効率を考えるうえでBIG3は理想的な構成といえます。

BIG3は基礎代謝と筋量を大きく引き上げやすい

BIG3は大きな筋群を使う運動であるため、筋量の増加につながりやすく、基礎代謝を高める効果があります。特にスクワットとデッドリフトでは、多くの筋肉に高い張力がかかるため、筋肥大の基礎となる全身の筋量を効率よく増やすことができます。筋量が増えることで消費エネルギーが高まり、日常生活の代謝が向上し、身体づくり全体の土台が強化されます。

BIG3はスポーツパフォーマンスを高める基礎になる

BIG3で鍛えられる最大筋力と体幹の安定性は、多くのスポーツに共通する重要な要素です。スクワットで得られる下半身の発揮力、デッドリフトで養われる地面からの引き上げ力と姿勢保持能力、ベンチプレスで向上する押し出す力は、競技パフォーマンス全体の向上に直結します。BIG3は専門競技の前提となる基礎能力を効率よく高める優れた方法です。

BIG3は負荷調整が明確で成長を把握しやすい

BIG3は扱う重量が明確に数値化されるため、成長が把握しやすいというメリットがあります。自分がどれだけ力をつけているのか、前回との比較がどのように変化しているのかが数字として判断できるため、トレーニングの進歩を客観的に理解できます。成長が見えることはモチベーションの維持にもつながり、継続しやすいトレーニング体系を作り上げます。

BIG3は筋力と技術の両面で向上を楽しめる

BIG3は重量だけでなく技術の向上が結果に反映されるため、習熟する過程に楽しさがあります。フォームが安定すると重量が伸びやすくなり、重量が伸びるとさらに技術が洗練されるという相乗効果が生まれます。この「技術×筋力」の成長構造は、他のトレーニング種目では得にくいBIG3ならではの魅力です。

BIG3はトレーニング全体の基盤として活用しやすい

BIG3は補助種目との相性が良く、トレーニングプログラム全体の軸として使いやすいという特徴があります。BIG3で土台となる筋力と安定性を高め、その上に補助種目を積み重ねることで、身体全体のバランスが整い、トレーニング効果が高まります。初心者から上級者まで、トレーニングの中心に置く価値のある体系です。

筋トレBIG3のデメリット

BIG3は全身の筋肉を完全には鍛えられない

BIG3は非常に優れたトレーニング体系ですが、鍛えられる部位には偏りがあります。特に広背筋の下部や中部、上腕二頭筋、三角筋中部、内転筋群、腹筋群の細かな部分などは、BIG3だけでは十分に刺激が入りません。コンパウンド動作中心であるため、細かい筋群を狙った収縮が難しく、全身を完全に均等に鍛えるには補助種目が必要になります。この偏りはBIG3の明確な弱点のひとつです。

BIG3はフォームの再現性が難しく技術依存が強い

BIG3は高重量を扱いやすい反面、フォームの再現性を保つことが難しく、技術的な要素が非常に大きいという弱点があります。フォームがわずかに乱れるだけで負荷が異なる筋群に逃げたり、怪我のリスクが上がったりします。スクワットでは骨格差によって最適なフォームが大きく変わり、ベンチプレスでは肩を痛めやすく、デッドリフトでは腰部への負担が高くなります。技術の習得に時間がかかることは、BIG3の出力を安定させにくいという欠点につながります。

BIG3は疲労が極めて大きく回復コストが高い

BIG3は多くの筋群を同時に使うため、神経系と筋肉の双方に強い疲労を残します。特にデッドリフトは中枢疲労が顕著で、頻度を上げるとパフォーマンスが低下しやすくなります。回復力が高くない人や、仕事・家庭の負担が重い人にとっては、十分な回復を確保することが難しく、トレーニングの質を維持しにくいという問題が生じます。疲労の大きさはBIG3の隠れた弱点であり、適切な頻度管理が必須となります。

BIG3は怪我のリスクが高く安全性の確保が難しい

BIG3は高重量を扱う構造上、肩、腰、股関節、膝などの主要関節に大きな負荷が集中します。フォームが未熟な段階で重量を増やすと怪我につながるリスクが高くなります。特にデッドリフトでは腰部の負担が大きく、ベンチプレスでは肩関節の損傷が起こりやすく、スクワットでは膝と股関節に強いストレスがかかります。安全に行うには高度なフォーム理解だけでなく、設備や補助者の有無も大きな影響を与えます。

BIG3は環境と設備の依存度が高い

BIG3はバーベル、ラック、プレート、ベンチなどの設備が必要であり、自宅環境だけでは十分に行えない場合があります。器具を使わない自重トレーニングと比べると、環境整備のコストが高く、ジムに通える環境でなければ実施が難しくなります。また、混雑したジムではラックが空かず、計画どおりのメニューを組みにくいという問題も生じます。

BIG3は身体の長所と短所が結果に強く影響する

BIG3は骨格や体型との相性の影響が大きく、得意・不得意が明確に出るという弱点があります。四肢の長さ、体幹の長さ、股関節の構造、肩関節の可動域などによって、ある種目は強いのに別の種目では苦手というケースが普通に起こります。体型差による相性の違いを補正しにくい点は、BIG3の性能を安定させにくい要因となります。

BIG3は筋肥大の最適解ではない場合がある

BIG3は筋力向上に強く寄与しますが、筋肥大を最大化するための種目としては必ずしも最適ではありません。高重量・低回数の特性上、筋の伸張性刺激やトップレンジの張力を狙いにくい場面があり、部位によっては単関節種目のほうが肥大効率が高いことがあります。BIG3は強い土台を作る上では優れていますが、筋肥大目的だけで見れば補助種目の重要度が高くなることが弱点として挙げられます。

筋トレBIG3の歴史

筋トレBIG3の起源はストロングマン文化にある

筋トレBIG3であるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの原点は、19世紀後半のストロングマン文化にあります。当時は、床から重りを引き上げる、物を担いで立ち上がる、寝た姿勢から押し上げるといった、現在の筋力トレーニングの基礎となる動作が素朴な力試しとして披露されていました。これらの動作は形式こそ現代とは異なりますが、筋力発揮の本質を示すものとして後のBIG3へとつながっていきます。

20世紀初頭は重量挙げが主役だった

20世紀前半において、筋力競技の中心はオリンピック重量挙げでした。スナッチやクリーン&ジャークのような爆発的な挙上動作が国際的な競技として確立し、筋力を測る標準的な方法とされていました。一方で、現代のBIG3に相当する動きはまだ体系化されておらず、競技として扱われることもありませんでした。筋力トレーニングは存在していましたが、現在のような三種目の枠組みはまだ形成されていなかった時代です。

ベンチプレスは1950年代に急速に広まった

BIG3の中で最も早く一般層に広まったのはベンチプレスです。1950年代のアメリカでは家庭用バーベルセットが普及し、ジム文化が拡大する中で、ベンチプレスが胸を鍛える代表的な種目として急速に浸透しました。ベンチ台やラックが標準設備として定着し、ベンチプレスは筋力トレーニングの中心的な存在としての地位を固めていきます。

スクワットとデッドリフトは1960年代に技術として確立した

スクワットとデッドリフトが現在のように技術体系として整理され始めたのは1960年代後半です。スクワットではバーの担ぎ位置やしゃがむ深さが分析され、バックスクワットやフロントスクワットなどの形式が確立しました。デッドリフトでは足幅や背中の角度、握り方の研究が進み、コンベンショナルとスモウという二つのスタイルが明確に区別されるようになります。この時期に二つの種目が“技術としてのBIG3”の基礎を整えていきました。

BIG3は1970年代に競技として統一された

BIG3が三種目として正式に統一されたのは1970年代です。1972年にアメリカでパワーリフティングが独立した競技として成立し、1973年には国際パワーリフティング連盟(IPF)が設立されました。この流れにより、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目が競技の核として明確に定義され、世界的な統一ルールのもとで実施されるようになりました。

1980年代以降にBIG3は筋トレの基本として定着した

1980年代から1990年代にかけて、BIG3は競技としてだけではなく、一般の筋力トレーニングの基礎として広く浸透していきます。ボディビル文化の発展、ジム人口の増加、トレーニング理論の整備が進む中で、BIG3は全身を効率よく鍛えられる基本種目として強い支持を得るようになりました。この頃から、幅広いトレーニーがトレーニングの中心にBIG3を置くようになります。

2000年以降はBIG3が科学的トレーニングの中心となった

2000年代に入ると運動生理学や筋肥大研究が進み、BIG3は科学的分析の対象としてさらに重視されるようになりました。関節角度や筋活動の解析、RPEやRIRといった指標の普及、ボリューム管理の重要性などが明確になり、BIG3は筋力向上と筋肥大の双方において理論的基盤を持つ存在となりました。現代では、BIG3は単なる重量挙げではなく、科学に基づいたトレーニングモデルとして扱われています。

現在ではBIG3は筋トレ文化の共通言語となっている

今日のフィットネス界では、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目は競技者から一般トレーニーまで広く支持され、筋力トレーニングの中心的存在として扱われています。BIG3は、筋トレの歴史の中で最も研究が進み、最も多くの人々に実践されてきた種目であり、現在では筋トレ文化を象徴する“共通言語”となっています。

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