アメリカザリガニの家庭水槽(アクアテラリウム)での初心者向き飼い方を博物館学芸員の筆者が、長年の経験をもとに解説します。
アメリカザリガニとはどんな生き物？
アメリカザリガニ（学名：Procambarus clarkii）は、エビ目（十脚目）ザリガニ下目アメリカザリガニ科に分類されるザリガニの一種。アメリカ合衆国原産で世界各地へ分布を広げる。
アメリカザリガニの特徴と飼い方
適正水質：中性～弱酸性
適正水温：0～28℃
餌の種類：冷凍赤虫・配合飼料など
繁殖：可能
混泳：困難
アメリカザリガニは夏の暑さにも強い頑健な種類で飼いやすい生き物です。
ただし、酸欠にはとても弱いので深めの水場で飼育する場合はエアレーションが欠かせません
アクアテラリウム飼育では水中が酸欠になると水際に上がって空気中の酸素を鰓に溶け込ませるので、そこまで酸欠に神経質になる必要はありません。
繁殖はいたって容易で、メス親が卵が稚ガニになるまで抱卵してから放出するので親任せで問題ありません。また、孵化した稚ガニも十分に大きく、冷凍赤虫や配合飼料を食べるので育成は簡単です。
何でもよく食べ頑健なため、他の魚類や甲殻類も捕食するので混泳はほぼ無理です。また、同種の多頭飼育でも共食いを避けるため、十分な隠れ場所を用意する必要があります。
※遺伝子のかく乱を避けるため、入手した生物は野外へは放流せずに必ず最後まで飼いきるようにしてください。
※日本産生物は種類・地域により保護されている場合がありますので、野外採集はせずブリード個体を入手してください。
アクアテラリウムとは
「アクアテラリウム」とは陸場と水場がある形式の水槽システムのことで、魚類以外の多くの水生昆虫・甲殻類・両生類・爬虫類を飼育する場合に必要になります。
アクアテラリウムでは、通常の水槽と違って水量が半分程度になりますので、あまり小さな30cmや45cmの水槽では水質が安定しません。やはり60cmクラス以上の水槽が必要でしょう。また、陸場を広くとるためには奥行き30cmタイプではなく45cmタイプをおすすめします。
詳しくは下記の関連記事で必要な機材から具体的な組み立て方まで解説していますのでご参照ください。
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