【スミスマシンの使い方】BIG3と各種筋トレ種目を解説|おすすめもご紹介

スミスマシンの使い方を、ビッグ3(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)を中心に詳しく解説するとともに、その他の各種目も詳細に解説します。また、あわせて、おすすめの自宅用スミスマシンもご紹介します。

執筆者・監修者・運営者情報
筆者は、スポーツ競技の元日本代表としての経験に加え、博物館施設の生物学学芸員として30年にわたり生物の筋肉構造・作用にも知見を積み重ねてきました。さらにその後は設備管理責任者として大型機械設備の構造解析・運用・安全管理を担当し、支点構造や負荷伝達といった工学的知見も蓄積しています。このように「競技者としての経験」「学芸員としての知識」「工学的な構造理解」の三面に精通した上で、本記事の解説を行っています。

スミスマシンの構造と特徴

スミスマシンは、この図のように左右にシャフトを支えるためのレールが設置されており、単純な垂直軌道をとるマシンです。

マシンレールがウエイトの前後左右のブレを受け止め支えるため、トレーニーはウエイトを挙げる動作のみに集中でき、バーベルフリーウエイトトレーニングに比べて、高負荷で集中的に筋肉を鍛えることが可能です。

反面、軌道の逃げ場がなく、誤ったフォームで行うと軌道のブレやズレは全てトレーニーの関節や靭帯にひずみとして加わります。

ですので、特に高重量でのスミスマシントレーニングにおいては、事前にシャフトだけでのフォームチェックや軌道確認が重要です。

また、スミスマシンは高負荷で表層筋に負荷をかけられますが、軌道のブレを支える必要がないことから深層筋(体幹インナーマッスル)が強くなりにくいというデメリットもあります。バーベルやダンベルを使ったフリーウエイトトレーニングと組み合わせていくのが、総合的な身体作りには必須で、具体的にはフリーウエイト種目である程度筋肉を追い込んでおき、最終的な追い込みとしてターゲットの筋肉に高負荷をかえるというやり方です。

そして、最後は低負荷フリーウエイト種目で仕上げる、というのが定番になります。

【スミスマシンとフリーウエイトの組み合わせ例】

①バーベルベンチプレス→スミスマシンベンチプレス→ダンベルフライ

②バーベルデッドリフト→スミスマシンデッドリフト→ダンベルローイング

③バーベルスクワット→スミスマシンスクワット→ダンベルレッグエクステンション

Wikipediaによる記載

スミスマシン(Smith machine)は、筋力トレーニングを行う際に使用される器具である。重量トレーニングに使われ、バーベルがマシンに取り付けられ、固定されていることが特徴である。

バーベルが固定されていることから、フリーウエイトよりも高重量に挑戦しやすく、可動域は狭くなるがパワーラックと違い軌道も安定するので怪我をしにくい。

引用:Wikipedia「スミスマシン」

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スミスマシンの歴史

スミスマシンの歴史は、1950年代にアメリカ西海岸で広がり始めたフィットネス文化の中で誕生しました。当時、大手ジムチェーンであるヴィック・タニー・ジムに勤務していたルディ・スミスという人物が、バーベルをレールに沿って上下させる装置を改良し、安全に高重量を扱えるトレーニングマシンとして完成させたことが始まりです。このため、現在の「スミスマシン」という名称は、ルディ・スミスの名前に由来しています。

ただし、ガイドレール付きのバーベルという発想そのものは、さらに前の1940年代にフィットネス界の先駆者ジャック・ラランによって考案されていました。ラランは、フリーウエイト特有のバランス維持の難しさによるケガのリスクを減らしつつ、高重量でのトレーニング効果を得られる装置を模索しており、そのアイデアが後にルディ・スミスの手によって実用化された形になります。

ラランの発想とスミスの改良が結びついたことで、現在につながるスミスマシンの原型が誕生しました。そのマシンはヴィック・タニー・ジムチェーンに導入され、当時としては画期的な「垂直軌道の固定式バーベル」として多くのトレーニーに受け入れられ、アメリカ全土に普及していきました。初期型のスミスマシンはパイプレールの中をシャフトが滑る構造で、安全フックが備えられていたため、フリーウエイトでは難しかった安全な高重量トレーニングが実現しました。

その後、1970年代〜1980年代のボディビル黄金期には、アーノルド・シュワルツェネッガーをはじめとするトップボディビルダーたちが集まるゴールドジムを中心に、スミスマシンがさらに広く普及していきます。この時代にはベアリングが強化され、フレーム剛性も高まり、滑らかに可動する現在のスミスマシンに近い仕様が整えられました。著名選手のトレーニング映像にも頻繁に登場したことで、一般のジムでもスミスマシンがスタンダードな設備として認知されていきました。

1990年代に入ると家庭用トレーニング器具の市場が拡大し、組み立て式で導入しやすいホームジム向けスミスマシンが登場します。耐荷重はジム用に比べるとやや低いものの、自宅で安全にトレーニングしたいユーザーの需要に応え、多くのメーカーが参入していきました。

さらに2000年代以降は、スミスマシンの多機能化が進みます。スミスマシンにケーブルマシンを組み合わせたタイプや、パワーラック機能を統合したハイブリッドモデルが登場し、スミスマシンは単なる“垂直軌道のマシン”ではなく、「高重量を安全に扱えるトレーニングステーション」として進化してきました。

このようにスミスマシンは、フリーウエイトの危険性を軽減しつつ、高重量に挑戦するための安全性と利便性を追求する中で発展してきた歴史があります。現在ではジムの標準設備として定着し、ホームジムでも最も人気の高い大型マシンのひとつとなっています。

スミスマシンの種類

スミスマシンには、大きく分けて垂直軌道タイプとスラント軌道タイプの二種類が存在します。どちらもシャフトがレールに沿って動くという基本構造は共通していますが、軌道の角度の違いによって、筋肉への効き方や動作の自由度、関節への負担が大きく変わるため、目的に応じた使い分けが必要になります。

垂直軌道タイプ

垂直軌道タイプは、シャフトが完全に真上と真下に動くよう設計された最も標準的なスミスマシンです。軌道が固定されているため動作が安定しやすく、高重量を扱う際の安全性が高いという特徴があります。ベンチプレスやスクワット、デッドリフトなど、いわゆるBIG3を高重量で実施する際には、動作ブレが抑えられるメリットが大きく、狙った筋肉を確実に刺激したい場面でも効果を発揮します。一方で、軌道が完全に固定されているため、人によっては関節の自然な動線と合わず、肩や肘に負担がかかるケースもあります。また、体幹の安定性を使わずに済む構造であるため、深層筋を動員しにくいという側面もあります。

スラント軌道タイプ

これに対し、スラント軌道タイプは、シャフトがわずかに前後に傾いた軌道を描くよう設計されたモデルで、角度は機種によって異なります。わずかに斜めの軌道が加えられることで、フリーウエイトの動きに近い自然なバーベル軌道を再現しやすく、関節の動きにも馴染みやすいのが特徴です。特にベンチプレスでは、押し出しの軌道が身体の構造に沿いやすくなるため、大胸筋のストレッチや収縮を意識しやすく、インクラインベンチプレスでは大胸筋上部を狙ったトレーニングがよりスムーズになります。またスクワットでは、わずかな傾斜がヒップドライブを自然に起こしやすく、大臀筋やハムストリングスへの刺激が深く入ることもあります。ただし、垂直軌道に比べて安定性がやや落ちるため、高重量を扱う際には軌道の角度による押し返しを感じる場合があり、特定の種目とは相性が悪いこともあります。

2タイプの使い分け

どちらが優れているかは目的によって変わります。BIG3を高重量で行いたい場合や、動作ブレを最小限にして特定の筋肉に負荷を集中させたい場合には、垂直軌道タイプが適しています。一方で、関節への負担を減らしつつ、フリーウエイトに近い自然な感覚でトレーニングしたい場合、または大胸筋上部や広背筋などの“軌道の微妙な変化で効き方が変わる筋群”を狙う場合には、スラント軌道タイプのほうが扱いやすくなります。

スミスマシンは単純なマシンのように見えて、軌道の違いによって得られる刺激は大きく変化します。トレーニーがどの筋肉を優先的に鍛えたいのか、またどの重量帯を扱うのかによって、適したタイプが明確に分かれます。このため、どちらのタイプも特徴を理解したうえで、目的に応じて選ぶことが、効率的で安全なトレーニングにつながります。

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スミスマシンで鍛えられる筋肉部位

各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

| Kenhub
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Skeletal muscle: A review of molecular structure and function, in health and disease - PMC
Decades of research in skeletal muscle physiology have provided multiscale insights into the structural and functional complexity of this important anatomical t...

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)

トレーニングの基本として重要

筋肉を鍛えていく上で、重要なのが全身の主な筋肉のグループ分けとそれぞれの作用を知ることです。

【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
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全身の筋肉は、主に4つのグループに分けられ、それぞれの主な作用は以下の通りです。

上半身の押す筋肉グループ

大胸筋

胸の筋肉で腕を前に押し出す・前で閉じる作用がある

三角筋

肩の筋肉で腕を上・横・前・後ろに上げる作用がある

上腕三頭筋

腕の後ろの筋肉で肘を伸ばす作用がある

上半身の引く筋肉グループ

広背筋

背中の筋肉で腕を上や前から引き寄せる作用がある

僧帽筋

背中の筋肉で腕を下から引き寄せる作用がある

上腕二頭筋

腕の前の筋肉で肘を曲げる作用がある

体幹の筋肉グループ

腹筋群

体幹前側の筋肉で胴体を曲げる・捻る作用がある

脊柱起立筋群

体幹後ろ側の筋肉で胴体を伸ばす作用がある

下半身の筋肉グループ

大腿四頭筋

太腿前側の筋肉で膝を伸ばす作用がある

ハムストリングス

太腿後ろ側の筋肉で膝を曲げる作用がある

臀筋群

お尻の筋肉で股関節を伸ばす作用がある

以上は、あくまでも筋トレをしていく上で、最低限知っておくべき筋肉で、このほかの数多くの筋肉があります。

▼さらに詳しい筋肉の構造と作用

【筋肉名称デジタル図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方

筋トレ目的に合わせた重量設定

筋トレを始めるにあたって、まず知っておきたいのがトレーニング目的別の重量設定の方法で、そのためには筋肉を構成する3種類の筋繊維の特徴を理解しなくてはいけません。それは、以下の通りです。

ターゲットにする筋繊維に最適な反復回数

筋トレ対象となる筋肉=骨格筋は、筋繊維が束状になり構成されています。そして、その筋繊維は主に2種類(速筋と遅筋)に分類され、さらに速筋は2タイプ(TYPEⅡa・TYPEⅡb)に分類されます。これらの各筋繊維タイプにはそれぞれに特性があり、トレーニングに対する反応や適正な負荷回数設定も異なります。

①遅筋(筋繊維タイプⅠ)

60秒を超えるような持続的かつ持久的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングをしてもあまり筋肥大は起こさず、筋スタミナや筋密度が向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは20回以上の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

②速筋(筋繊維タイプⅡa)

30~60秒程度の短時間の持続的な瞬発運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって筋肥大するとともに筋スタミナも向上する傾向にあります。筋力トレーニングでは12~15回程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

③速筋(筋繊維タイプⅡb)

30未満の極めて短時間かつ瞬発的な運動において、中心となって収縮する筋繊維タイプです。レジスタンストレーニングによって強く筋肥大する傾向にあります。筋力トレーニングでは6~12回程度 程度の反復で限界がくるような負荷回数設定でトレーニングを実施します。

厚生労働省による記載

骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。老化が早く、20歳前後から急速に衰えるといわれています。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。年齢を重ねても衰えにくいといわれています。骨格筋の収縮は、筋繊維の中にあるアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる化合物が分解してリン酸基がひとつはずれ、アデノシン二リン(ADP)になるときに発生するエネルギーを利用しています。

引用:厚生労働省eヘルスネット「骨格筋」

筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。

引用:厚生労働省eヘルスネット「筋力・筋持久力」

Wikipediaによる記載

筋線維には大きく2種類あり、ミトコンドリアに富んで酸素を利用した持続的な収縮の可能な遅筋線維(Type 1、赤筋、色の原因は、酸素結合性タンパク質、ミオグロビンである)と、ミトコンドリアは比較的少なく解糖系による瞬発的な収縮の可能な速筋線維(Type 2、白筋)にわけられる。速筋線維の中でもやや持続的収縮に向いたものはType 2a、そうでないものはType 2X、Type 2bとさらに細分される。なお、遅筋線維、速筋線維はそれぞれ遅筋、速筋と呼ばれることが多い。さらには、両者の性質を備えた中間筋の存在も認められている。

引用:Wikipedia「速筋繊維と遅筋繊維」

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筋トレBIG3とは

ベンチプレス・デッドリフト・スクワット

筋トレBIG3とはバーベルで行うベンチプレス・デッドリフト・スクワットの三種目のことで、この三種目を行えばほぼ全ての筋肉が鍛えられることから命されました。

Wikipediaによる記載

ベンチプレス(bench press)は、上半身を鍛えるウェイトトレーニングの種目である。主に大胸筋、上腕三頭筋、三角筋前部が鍛えられる。パワーリフティング競技の三種目の1つである(ほかはデッドリフト、スクワット)。引用:Wikipedia「ベンチプレス」

デッドリフトとは、下背部・臀部・脚部を鍛える代表的なウェイトトレーニングの種目。パワーリフティング競技の3種目の1つである(ほかはベンチプレス、スクワット)。名称の由来はデッドウェイト(静荷重)をリフトアップすることから。主に広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスが鍛えられる。引用:Wikipedia「デッドリフト」

スクワット(squat)はウエイトトレーニングの基本的な種目でBIG3の1つ(他は、ベンチプレス、デッドリフト)。直立した状態から膝関節の屈曲・伸展を繰り返す運動で、下半身、特に大腿四頭筋・下腿三頭筋・大臀筋・中臀筋などの筋力アップ、筋肥大に大きな効果を持つ。引用:Wikipedia「スクワット」

これら三種目はスミスマシンに置き換えることが可能で、スミスマシンベンチプレス・スミスマシンデッドリフト・スミスマシンスクワットが、それぞれバーベルBIG3種目に対応します。

それでは、ここからは全身の筋肉部位別にスミスマシントレーニングを詳しく解説していきます。

大胸筋のスミスマシントレーニング

スミスマシンベンチプレス

フリーウエイトトレーニングのバーベルベンチプレスに近い感覚で大胸筋を鍛えることのできるマシン筋トレがスミスマシンベンチプレスです。

スミスマシンはウエイトのグラつきをマシンのレールが支えてくれるので挙上動作に集中でき、バーベルベンチプレスよりも高重量で鍛えることができるメリットがあります。

反面、グラつきやブレを止める体幹インナーマッスルが鍛えられにくいというデメリットもあります。

バリエーションとして、インクライン・デクライン・ナローグリップ・ワイドグリップ等のやり方があります。

◆スミスマシンベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える

②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる

③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす

④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス
ストリクトに効かせるためには、勢いをつけてシャフトをバウンドさせないようにすることと、腰を浮かせないようにすることが大切です。

スミスマシンインクラインベンチプレス

スミスマシンインクラインベンチプレスは、上半身を斜めに起こして行うバリエーションで、大胸筋上部に有効です。

スミスマシンデクラインベンチプレス

スミスマシンデクラインベンチプレスは、上半身を斜め下むきにして行うバリエーションで、大胸筋下部に有効です。

スミスマシンワイドベンチプレス

スミスマシンワイドベンチプレスは、手幅を広くグリップして行うバリエーションで、大胸筋外側に有効です。

スミスマシンリバースグリップベンチプレス

スミスマシンリバースグリップベンチプレスは、フラットベンチしかない環境でも大胸筋上部に集中的な負荷をかけられるバリエーションで、逆手でグリップして行います。

三角筋のスミスマシントレーニング

スミスマシンショルダープレス

スミスマシンショルダープレスはバーベルトレーニングに近い感覚で行える三角筋の筋トレ方法です。

マシンのレールがウエイトのブレを止めてくれるので、バーベルより高重量で負荷をかけることができます。

◆スミスマシンショルダープレスのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、肩の高さでシャフトをグリップして構える

②背中が丸くならないように視線を上に向け、腕を上に押し出していく

③腕を押し出したら、腕をしっかりと伸ばし三角筋を完全収縮させる

④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る

◆ワンポイントアドバイス
三角筋は背筋や大胸筋に隣接しているため、肩甲骨を動かしてしまうと負荷がそれらの体幹表層筋に逃げてしまいますので、セット中は肩甲骨を動かさないことが大切です。

スミスマシンアップライトロー

スミスマシンアップライトローは動作にコツのいる三角筋トレーニングのなかでもテクニックがあまりいらず、さらにウエイトのぐらつきをマシンが支えてくれるので効率よく三角筋を鍛えることが可能な種目です。

◆スミスマシンアップライトローのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える

②肘を先行させて、肩甲骨を寄せないように気をつけて、シャフトを真上に引き上げていく

③シャフトを肩の高さまで引き上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る

◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。

上腕三頭筋のスミスマシントレーニング

スミスマシンナローベンチプレス

スミスマシンナローグリップベンチプレスは、上腕三頭筋を中心に大胸筋内側にも効果的なマシントレーニングです。

手幅を狭めたクローズグリップで不安定になりがちなバーベルを、マシンのレールが支えてくれるので、より高負荷で鍛えることが可能です。

ただし、軌道が一直線になるため、あまり手幅を狭めすぎると動作の逃げ場がなくなり、手首関節に負担がかかりますので注意が必要です。

◆スミスマシンナローグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、60~70cm前後の手幅でシャフトをグリップして構える

②肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす

③肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる

④しっかりと肘を伸ばし上腕三頭筋を完全収縮させる

◆ワンポイントアドバイス
肘を外に張り出すと上腕三頭筋短頭に、肘を絞って行うと上腕三頭筋長頭に効果があります。

背筋群のスミスマシントレーニング

スミスマシンデッドリフト

スミスマシンデッドリフトはフリーウエイトの感覚で行えるマシントレーニングです。

膝をつま先より前に出さず、胸を張り腰を反らせる動作ポイントはバーベルデッドリフトと同様です。

◆スミスマシンデッドリフトのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、足を肩幅程度に開き、膝がつま先よりも前に出ないようにお尻を突き出し、足の外側でシャフトをグリップして構える

②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、ウエイトが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりシャフトを引き上げていく

③シャフトを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる

④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びバーベルルを引き上げていく

◆ワンポイントアドバイス
スミスマシンは軌道が垂直に固定されているので腰がシャフト重心から離れやすく、腰を痛める原因になりますので、バーベルデッドリフトよりもさらに足を前に置き、シャフトから身体が離れないようにすることが重要です。

スミスマシングッドモーニング

スミスマシンを使ったグッドモーニングは、バーベルで行う場合と比べて軌道をマシンが支えてくれるので、より安全に行うことができるというメリットがあります。

反面、グラつきを体幹側部で支える必要がないため、回旋筋には効果が低いというデメリットがありますので、バーベルやダンベルのグッドモーニングと組み合わせることをおすすめします。

◆スミスマシングッドモーニングのやり方と動作ポイント
①シャフトを肩に担ぎ、背すじを伸ばして構える

②背中を丸めないように気をつけ、上半身を倒していく

③上半身を倒したら、ゆっくりと効かせながら元に戻る

◆ワンポイントアドバイス
背中が丸くなると腰を痛めるリスクがありますので、前を見て背すじを伸ばした状態を保ってください。

また、転倒のおそれがありますので、上半身は90度以上倒さないようにします。

スミスマシンベントオーバーロー

スミスマシンベントオーバーローは背筋群全体に有効なバーベルトレーニングです。

本種目は、肩幅程度の手幅でシャフトをグリップし、胸を張り、背すじを伸ばし、膝を曲げ、お尻を突き出した前傾姿勢をとります。これを「ニーベントスタイル」と呼び、多くのトレーニング種目の基本となる姿勢です。

スミスマシンショルダーシュラッグ

スミスマシンショルダーシュラッグは、僧帽筋に集中的な効果があるジムマシン筋トレです。

上腕二頭筋のスミスマシントレーニング

スミスマシンドラッグカール

スミスマシンドラッグカールは、本来はアイソレーション種目(単関節運動)であるカール系種目を、あえて肘を引く動作を加えてコンパウンド種目(複合関節運動)にした種目で、通常のカール系トレーニングよりもより高重量で上腕二頭筋短頭を鍛えられるトレーニングです。

下半身のスミスマシントレーニング

スミスマシンスクワット

バーベルトレーニングに近い感覚で大腿四頭筋を鍛えることのできるのが、スミスマシンを使ったスミスマシンスクワットです。

マシンがウエイトのブレを止めてくれるので、バーベルスクワットに比べ、より高重量で集中的に鍛えることが可能です。

◆スミスマシンスクワットのやり方と動作ポイント
①足を肩幅程度に開き、背すじを伸ばし、シャフトをかついで構える

②膝がつま先よりも前に出ないように気をつけ、お尻を突き出しながらしゃがんでいく

③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる

◆ワンポイントアドバイス
フリーウエイトでのスクワットと違い、軌道が垂直に固定されているため、膝への負担を避けるために、やや足を前においてマシンにもたれる意識で構えてください。

全スミスマシン種目一覧

スミスマシンベンチプレス
スミスマシンデッドリフト
スミスマシンショルダープレス
スミスマシンアップライトロー
スミスマシンナロープレス
スミスマシンドラッグカール
スミスマシングッドモーニング
スミスマシンスクワット

自宅用スミスマシン

ファイティングロード

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自宅用スミスマシンとしてもっともリーズナブルなのが、ファイティングロード製のスミスマシンですが、角材の厚みが普及品よりは厚いTORUSTタイプですので、一般的な自宅トレーニングには十分な強度があります。

ワイルドフィット

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ワイルドフィット製のスミスマシンも、ファイティングロード製とほぼ同等の性能を持つ、自宅使用におすすめのタイプです。

BODYSOLID

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ジム用に近い性能の、高耐久タイプがBODYSOLID製スミスマシンで、本格的なホームジム(目安として200kg使用)に導入するのであれば、このランクがおすすめです。

なお、ジム用との違いは接合部分が溶接(ジム用)かボルト止め(家庭用)の違いです。

本サイト「GLINT」は、2019年より筋力トレーニングと運動生理学および生物学に関する専門情報を継続して公開しています。競技経験に基づく実践的な知識と、博物館学芸員としての科学的根拠を重視した解説をもとに、正確で信頼できる情報の提供を目指しています。

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