この記事は30年以上にわたり博物館に務める生物学の学芸員が執筆した専門記事です。

【シュモクザメ種類図鑑】分布・餌・繁殖など生態をフリー画像をまじえて生物学博物館学芸員が解説

シュモクザメの種類と生態(分布・餌・寿命・繁殖など)について、生物学の博物館学芸員である筆者がフリー画像写真をまじえながら解説します。

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シュモクザメとはどんな生き物?

シュモクザメ(撞木鮫、双髻鯊、犁頭魚、英: Hammerhead shark、単にHammerheadとも)はメジロザメ目のシュモクザメ科(Sphyrnidae)に属するサメの総称。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/シュモクザメ

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シュモクザメの分布

シュモクザメは全9種が知られていますが、いずれも沿岸性で世界中の温帯~熱帯海域にかけて各種が分布しています。

シュモクザメの餌

シュモクザメは主に大型~中型の魚類を捕食しています。稀に水鳥なども襲い、人が襲われた記録もあります。

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シュモクザメの特徴

群れを作る肉食性サメ

シュモクザメはサメとしては珍しく群れを作ることが知られています。大きな群れでは数百匹単位で行動していることも確認されています。

左右に離れた目

シュモクザメの外見的な特徴は、なんと言ってT字型をした頭部と左右に張り出した目です。

この頭部には他のサメに比べて多くのロレンチーニ器官をもっています。ロレンチーニ器官とは微細な電流を感知する感覚器で、これにより餌となる生物の動きを感じており、捕食性のサメ類の狩りには欠かせない器官です。

また、左右に大きく離れた目を持つことにより、立体的に物を見ることができ、その立体視範囲は最大50度にもなると考えらています(一般的なサメは10度前後)。これにより、獲物との距離をより正確に測ることができ、効率的に狩りを行うのです。

しかしながら、この反面、頭部正面に大きな視覚が生じてしまいます。その死角を補うために、シュモクザメを首を振る習性があると考えられています。

それでは、次の項目からは世界に分布する全9種類のシュモクザメをご紹介していきます。

インドシュモクザメ


学名:Eusphyra blochii

英名:Winghead shark

インドシュモクザメはインド洋から東南アジア~オーストラリア北部にかけて分布しています。最大全長は186cmです。生息地の各地で刺し網・地曳網・張り網・延縄・釣りなどによって漁獲されフカヒレや肝油に加工され利用されています。

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シロシュモクザメ


学名:Sphyrna zygaena

英名:Smooth Hammerhead

シロシュモクザメはもっとも低水温に強い種類で、世界各地の温帯から亜寒帯にかけて生息しています。世界各地で主に刺し網と延縄によって漁獲され、フカヒレや肝油・魚粉に加工されます。

ヒラシュモクザメ


学名:Sphyrna mokarran

英名:Great Hammerhead

ヒラシュモクザメは世界各地の熱帯域沿岸部に分布しています。アカエイを好んで捕食することで知られており、その巨大な頭部でアカエイを押さえ込んで捕食する場面も目撃されています。生息域の各地では、延縄・底定置網・釣り・トロール網によって漁獲されています。

アカシュモクザメ


学名:Sphyrna lewini

英名:Scalloped Hammerhead

アカシュモクザメは世界の温帯から熱帯にかけての沿岸部に分布しており、日本でもっともなじみの深い種類でもあります。あまり漁獲対象にはなりません。

ウチワシュモクザメ


学名:Sphyrna tiburo

英名:Bonnethead

ウチワシュモクザメは、あまり発達していない頭部が団扇型をしているためこのように呼ばれています。南北アメリカ大陸の温帯~熱帯の沿岸域に分布しています。

ナミシュモクザメ


学名:Sphyrna tudes

英名:Smalleye Hammerhead

ナミシュモクザメは南アメリカ大陸東部沿岸息に分布している小型のシュモクザメです。

Sphyrna gilberti

学名:Sphyrna gilberti

英名:Carolina hammerhead

従来はアカシュモクザメの亜種とされていましたが、近年別種として記載されました。

Sphyrna corona


学名:Sphyrna corona

英名:Scalloped Bonnethead

南北アメリカ大陸の西海岸沿岸部に生息しています。ウチワシュモクザメに近縁の種類です。

Sphyrna media


学名:Sphyrna media

英名:Scoophead

南北アメリカ大陸の熱帯域沿岸部に分布しています。

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