この記事は30年以上にわたり博物館に務める生物学の学芸員が執筆した専門記事です。

配管用バルブの種類と構造|新型・旧型それぞれの塩ビ製ボール弁の分解整備方法を解説

ボールバルブ21・21α型(13~100mm)

引用:旭有機材公式ホームページ

水槽配管に使われる主なバルブの種類とそれぞれの構造を解説するとともに、個人でも比較的簡単にオーバーホールすることができる塩ビ製ボールバルブ(新型と旧型)の分解整備を図解をまじえてご紹介します。

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主な配管バルブの種類

ボールバルブ

ボールバルブは、水槽設備でもっとも多く使用されるバルブで、主に小口径~中口径の配管に使われます。全開時は口径が完全に利用できますが流量調整には不向きです。また、分解整備が簡単でパッキンを交換することで長期間使えて経済的です。

バタフライバルブ

水槽設備では主に大口径配管(65以上が普通)に使用されています。構造的に薄いためスペースが有効利用できることと、口径のわりに安価なことと流量調整に優れていることがメリットです。ただし、中心に弁体があるため異物が挟まりやすいことや、経年劣化で内部のゴムパッキンが傷んで動作が硬くなったり、全閉・全開がしにくくなるというデメリットがあります。

ダイヤフラムバルブ

ダイヤフラムバルブは後述のゲートバルブの発展型のような構造を持っており、ゲートに向かって止水性の高いゴム弁が押し込まれることで水をせき止めます。止水力が高いため、主にドレンバルブ(排水弁)として使用されます。長期間使っているとゴムが若干伸びてくるため、インジケータ部を外してステムのナットを増し締めする必要があります。

ゲートバルブ

ゲートバルブも止水性の高いバルブで、横向きの圧に強いことから、配管途中のストレーナーバルブなどに使用されます。全閉~全開の動作に時間がかかる(ハンドルを多く回さないといけない)ことと、ボールバルブやバタフライバルブに比べて価格が高めなことがデメリットです。

チャッキバルブ

逆止弁(逆流防止弁)のことで、ほとんどのポンプの直上に設置されています。逆に取り付けると水が流れなくなるので、個人で取り付ける場合は取り付け向きに注意する必要があります。

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ボールバルブの分解整備

右側が新型バルブと呼ばれる現行品で、左側が現在は生産されていない旧型バルブです。新旧バルブは面間やネジ径などが異なるため、互換性はなく、旧型バルブが完全に破損してしまった場合は配管ごとやり替えになります。

ですので、特に旧型バルブを使っている水槽では、バールバルブを自分で分解整備することが必要になってきます。

旧型バルブ(旭有機材)

まず、ボディキャップをパイプレンチで挟んで回し、緩めて外します。

次に、ハンドル基部を固定しているビスをプラスドライバーで回して外します。

ハンドルとボディキャップを取り外した状態です。

この状態から、ボディキャップの反対側から力を加え、ボールを押し出します。

最後に、ステムを内側方向に押して取り外して分解完了です。この後、各部パッキンを新替えして復元となります。

新型バルブ(旭有機材)

ハンドルを引っ張って取り外します(工具は不要)。

外したハンドルの凸部分をボディキャップの凹部分にはめ込み、回して緩めて外します。なお、新型バルブはサイズによりボディキャップが逆ねじの場合があります。

後は、旧型バルブと同様にパーツを分解し、各部パッキンを新替えして、再組立てして完了です。

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