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収斂進化(読み方|しゅうれんしんか)とは?代表種を一覧形式で生物学の学芸員が解説

収斂進化とは、系統的に離れた生物が同じ環境や生活様式に適応した結果、似た形や機能が独立に成立する現象です。ここでは見た目で分かる7タイプを、収斂しやすい部位と代表種でまとめます。

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サーベル犬歯型捕食者

上顎犬歯の肥大と伸長、開口角の拡大、頸部の筋力強化、前肢で拘束して頸部を狙う戦術が収斂します。

スミロドン(Smilodon)

化石骨格と生体力学研究に基づいて復元されたスミロドン(Smilodon fatalis)が、更新世の草原を歩く様子を再現した学術的生態復元イラスト

更新世の剣歯ネコ類。長い犬歯と強い前肢で獲物を押さえ、頸部へ短時間で致命傷を与える待ち伏せ型捕食者です。

ティラコスミルス(Thylacosmilus)

中新世南米の有袋類捕食者。真獣類と無関係に長大な犬歯と大開口を獲得し、剣歯型の機能を独立に再現しました。

イノストランケビア(Inostrancevia)

後期ペルム紀のゴルゴノプス類。長い犬歯と強い顎を備え、哺乳類以前の系統で剣歯型頂点捕食者に到達しました。

イルカ型高速遊泳体型

紡錘形の体、外部突起の縮小、四肢のひれ化、尾部推進の発達が収斂し、高速巡航と長距離移動に有利になります。

ハンドウイルカ(Tursiops truncatus)

哺乳類として海へ再進出し、流線型の体と尾びれの上下運動で推進します。外洋で高い巡航性能を示す代表種です。

イクチオサウルス (Ichthyosaurus breviceps)

中生代の海生爬虫類ですが、哺乳類と無関係に流線型体型と尾びれを獲得し、外洋を高速遊泳する捕食者へ収斂しました。

メトリオリンクス(Metriorhynchus)

ジュラ紀の海生ワニ形類。四肢はパドル化し尾部が推進器官として発達し、ワニ型祖先からイルカ型遊泳へ近づきました。

皮膜滑空型

四肢間の飛膜、軽量な体、長い尾や四肢での姿勢制御が収斂します。樹間移動の効率化が主な利点です。

モモンガ(Pteromys)

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飛膜で樹間を滑空する齧歯類。尾は空中姿勢の安定と旋回の制御に働き、森林での移動コストを下げます。

フクロモモンガ(Petaurus breviceps)

有袋類の滑空哺乳類。齧歯類の滑空型と似た体制を独立に進化させ、夜間に滑空して採食範囲を広げます。

ヒヨケザル(Galeopterus variegatus)

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皮翼目の滑空哺乳類。頸部から尾端まで広い飛膜をもち、哺乳類でも最大級の滑空距離に到達します。

ワニ型半水生待ち伏せ捕食者

扁平な頭、背腹に低い体、眼と鼻孔の高位配置、側扁尾が収斂します。水辺での待ち伏せに最適化します。

ナイルワニ(Crocodylus niloticus)

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大型の現生ワニ類。水面付近で待ち伏せし、強い咬合と回転運動で獲物を制圧します。ワニ型の基準となる存在です。

プリオノスクス (Prionosuchus)

プリオノスクスはペルム紀中期に南米地域に生息していた超大型分椎類で、既知の両生類の中でも最大級の体サイズに達したと考えられています。細長い吻部と鋭い歯列を備え、主に魚類を捕食する水生捕食者でした。

フィトサウルス(Phytosauria)

三畳紀の主竜形類。外見はワニに酷似しますが系統は別で、半水生待ち伏せという同じ条件下でワニ型に収斂しました。

サルコスクス(Sarcosuchus)

サルコスクス・インペラトル(Sarcosuchus imperator)を、化石資料に基づいて再現した学術的復元図。白亜紀前期の北アフリカの河川環境で、水辺に横たわる巨大なワニ類の姿を描いている。

白亜紀の巨大ワニ形類。長大な体と強い顎で河川環境の大型動物を狙ったと考えられ、ワニ型の極端な大型化例です。

角草食型(サイ型・トリケラトプス型)

角や角状突起、頑丈な頸、樽状の胴、荷重に耐える四肢が収斂します。防御と誇示が同時に働きやすい型です。

シロサイ(Ceratotherium simum)

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奇蹄類の大型草食獣。角質の角と低重心の体で防御力を高め、幅広い口で草を刈り取る採食に特化しています。

トリケラトプス(Triceratops)

白亜紀の角竜類。3本の角と骨質フリルをもち、防御と視覚的誇示の両面で機能した大型の植物食恐竜です。

エラスモテリウム(Elasmotherium)

新生代更新世の大型草食哺乳類です。巨大な対の角状突起を獲得し、恐竜の角竜類やサイと似たシルエットへ収斂しました。

装盾草食型

骨質装甲の発達、体幅拡大、低重心化、尾部の武器化が収斂します。捕食圧が高い環境で成立しやすい型です。

アンキロサウルス(Ankylosaurus)

化石資料と学術研究に基づいて復元したアンキロサウルス(Ankylosaurus magniventris)。白亜紀後期ヘルクリーク層の環境を再現した学術イラスト

白亜紀の曲竜類。全身の骨質装甲と尾の棍棒で防御を完成させ、捕食者に対して装盾型の代表となりました。

グリプトドン(Glyptodon)

更新世の異節類。ドーム状の骨質甲羅で体を覆い、遅い代わりに高い防御で生きる装盾草食型へ収斂しました。

アルマジロ類(Dasypodidae)

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現生の異節類。可動式の装甲で身を守り、体サイズは小さいが装盾型の基本構造を現代に残す系統です。

キリン型長頸高木食型

頸部の伸長、肩高の上昇、前肢の長さ、頭部を高所へ置く姿勢が収斂します。高木の葉を利用するための型です。

キリン(Giraffa camelopardalis)

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現生最大の長頸動物。長い頸と高い肩で高所の葉を採食し、同じ資源を競う草食獣とニッチを分けています。

ブラキオサウルス(Brachiosaurus)

前肢が長い竜脚類。巨大な体と長頸で高所の植生を利用し、陸上で高木食という役割へ到達した代表例です。

パラケラテリウム(Paraceratherium)

中新世前期の中央アジアに生息していたパラケラテリウム(Paraceratherium)の学術的復元図。長い頸部と柱状の四肢をもつ無角サイ類の巨大哺乳類を化石資料に基づき忠実に再現した古生物イラスト

史上最大級の陸上哺乳類。無角サイ類として巨大化し、長い頸と高い肩で樹木の葉へ届く高木食型に収斂しました。

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