
古生代の掉尾を飾るペルム紀(二畳紀)。約2億9890万年前から2億5190万年前まで続いたこの時代は、地球上のほぼすべての陸地が一つに集まり、巨大な超大陸パンゲアが形成された時期です。
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石炭紀の湿潤な森が消え、大陸内部には広大な砂漠や乾燥地帯が広がりました。この過酷な環境変化に適応するため、生物たちはさらなる進化を遂げます。特に「単弓類(たんきゅうるい)」と呼ばれる、私たち哺乳類の遠い祖先にあたるグループが爆発的に繁栄し、恐竜が現れる前の地球を支配していました。
ペルム紀の地球:多様化する単弓類と植物の交代
ペルム紀は、生命が「水」への依存をさらに断ち切った時代です。乾燥に強い裸子植物(イチョウやソテツの仲間)が広がり、爬虫類や単弓類が大陸の隅々まで進出しました。
しかし、この時代の終わりには、地球史上最大規模の絶滅イベント**「P-T境界絶滅」**が待ち受けています。全生物種の90%以上が死滅するという、文字通りの「生命の危機」を前に、どのような生き物たちが謳歌していたのでしょうか。
ペルム紀を代表する5種の生物
陸上の頂点捕食者から、海中の奇妙な魚類まで、ペルム紀を象徴する5種を紹介します。
ディメトロドン (Dimetrodon)

ペルム紀といえば、背中に大きな「帆」を持つこの姿を思い浮かべる人も多いでしょう。恐竜と間違われやすいですが、実は哺乳類に近い単弓類の仲間です。
特徴: 背中の帆は、体温を調節するための熱交換器の役割を果たしていたと考えられています。鋭い歯を持ち、当時の陸上生態系における最強のハンターの一角でした。
ゴルゴノプス (Gorgonops)

ペルム紀後期のロシアやアフリカに生息していた、獣弓類の中でも「獣歯類」に分類される肉食動物です。
特徴: 最大の特徴は、現代のサーベルタイガーを彷彿とさせる巨大な犬歯です。これにより、自分よりも大きな獲物や、厚い皮膚を持つ草食動物を仕留めることができました。非常に俊敏で、哺乳類への進化の階段を登りつつあった存在です。
モスコプス (Moschops)

ずんぐりとした巨体が特徴の草食性単弓類です。
特徴: 体長は約5メートル。非常に分厚い頭骨を持っており、現代のヒツジやジャコウ牛のように、オス同士が頭をぶつけ合って順位を競っていた(頭突きの儀式)という説があります。ペルム紀の「重戦車」のような存在です。
ヘリコプリオン (Helicoprion)

海の中に目を向けると、信じられないほど奇妙な形をしたサメの親戚が泳いでいました。
特徴: 顎の歯がまるでゼンマイや円盤鋸(のこ)のように螺旋状に巻いているという、異様な形態を持っています。長年その装着部位が議論されてきましたが、現在では下顎の中に格納されていたと考えられており、イカなどの柔らかい獲物を切り裂いて食べていたようです。
パレイアサウルス (Pareiasaurus)

当時の湿地や平原に生息していた、大型の爬虫類です。
特徴: 全身が硬い骨質のプレート(装甲)で覆われていました。動きは緩慢だったと考えられていますが、その頑丈な守りと巨体で捕食者に対抗していました。現代のカメの祖先、あるいはそれに近いグループとする説もあります。
P-T境界:古生代の終焉
ペルム紀の終わり、現在のシベリア付近で起きた超大規模な火山活動(シベリア・トラップ)が引き金となり、地球環境は激変しました。急激な温暖化、海洋の酸欠、そして硫化水素の発生により、豊かなパンゲアの生態系は崩壊します。
この絶滅をかろうじて生き延びたわずかな種(ディキノドン類など)が、次の「中生代三畳紀」へと命を繋ぎ、やがて恐竜たちの時代へとバトンを渡すことになるのです。
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