
約4億8540万年前から4億4380万年前まで続いたオルドビス紀は、海の生物相が長期的に大きく多様化した時代として知られています。カンブリア紀に出そろった体の基本設計が、この時代にさまざまな生態へ分化し、海の食物網が一段複雑になっていきました。

オルドビス紀は、生物の多様化がカンブリア紀並に進んだ時代である。オウムガイに代表される軟体動物や三葉虫のような節足動物、筆石のような半索動物が栄えた。また、オルドビス紀後期には顎を持つ魚類が登場した。引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/オルドビス紀
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当時の地球は海が広く、陸上生態系はまだ立ち上がり途上でした。一方で海中では、濾過摂食者が海底に群集をつくり、遊泳性の捕食者が上層を巡る、現代につながる“立体的な海”が形になっていきます。こうした変化はGOBEと呼ばれ、海洋生物の多様性が大きく増えた重要イベントとして扱われます。
ただし、この繁栄の終盤にはオルドビス紀末の大量絶滅が待っています。寒冷化や海退と結びついた環境変動により、海洋生物は大きな打撃を受け、推定で海洋種の約85%が失われたとされます。
オルドビス紀を代表する生物たち
カメロケラス(Cameroceras)

直角に伸びる殻をもつオウムガイ類の仲間で、オルドビス紀の海で目立つ捕食者の一群を代表します。一般向けには超巨大として語られがちですが、確認できる範囲では殻長2m級の推定が中核で、10m級の話は根拠が薄いと指摘されています。
アストラスピス(Astraspis)

顎をもたない初期の脊椎動物(無顎類)の一つで、硬い装甲に守られた体を持ちます。泳ぎの巧拙や食性は推測を含みますが、オルドビス紀に脊椎動物の基盤が育っていく流れを示す題材になります。
三葉虫|イソテルス(Isotelus)

三葉虫はこの時代にも繁栄し、グループとして多様化します。イソテルスは大型三葉虫の代表としてよく取り上げられ、オルドビス紀の海底生態系の豊かさを象徴する存在です。
ウミサソリ|メガログラプトゥス(Megalograptus)

鋏角類に属する海生捕食者で、当時の浅海で重要な捕食者の一角でした。巨大怪物として語るより、最大でも全長0.78m程度の大型捕食者として扱う方が正確です。
筆石(グラプトライト|Graptolithina)

群体性で、化石として地層からよく見つかります。進化の変化が地層対比に使われるため、示準化石として重要です。
オルドビス紀の大量絶滅の主な要因
急激な寒冷化と氷河の発達
超大陸ゴンドワナが南極域に移動したことで大規模な氷河が形成され、地球全体が寒冷化しました。
海水位の低下
海水が氷として陸上に固定されたため、浅瀬(大陸棚)に住んでいた多くの生物が棲息地を失いました。
海洋の酸素欠乏
その後の温暖化による氷河の融解で、海洋の循環が乱れ、低酸素状態が広がったことも追い打ちをかけました。
三葉虫や腕足動物、サンゴ類が大きな打撃を受けましたが、この試練を乗り越えた生物たちが、続くシルル紀の進化を担うことになります。
繁栄と絶滅が作った次の海
オルドビス紀は、海の生物が増えただけではなく、群集構造や食物網がより複雑化した時代です。一方で、大量絶滅がその生態系を大きく壊し、次の時代の生物相を組み替える引き金にもなりました。
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