
巨大で優しい海の王者=超大型クジラや大型イルカの生態・種類・写真(フリー画像)などをご紹介します。あわせて、生物学的なクジラについての基礎知識も解説します。
クジラとはどんな生き物?
ヒゲクジラとハクジラに大別される

クジラは哺乳動物のクジラ目に分類される海生動物で、現生動物としては最大のシロナガスクジラを含む仲間です。歯の形状からヒゲクジラとハクジラに大別され、イルカ類は全てハクジラになります。
生物学的にはクジラとイルカの分類上の区分はなく、クジラ類のなかで大きなものをクジラ、小さなものをイルカと慣例上区分しています。一般的にクジラと称されるものはほとんどがヒゲクジラですが、唯一マッコウクジラのみハクジラに分類されます。
それでは、次の項目からは主な大型クジラを壮大な写真とともにご紹介していきます。なお。各種類ごとの詳細な生態情報(分布・餌・繁殖)については各項目にリンクしている詳細記事をご覧ください。
シロナガスクジラ

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現存する動物だけでなく、恐竜を含む過去に存在した動物全てのなかでも最大の種で、その体長は最大で30mを超えます。普段は北極圏や南極圏でオキアミを主食にして生活しており、繁殖期には出産・育児のために亜熱帯海域まで進出します。
シロナガスクジラはオキアミやイワシなど小型の甲殻類・魚類を餌にしていますが、その食べ方は泳ぎながら口を開け、水ごと餌を吸い込んで、ブラシ状に進化した歯(ひげ)で濾しとるという豪快なものです。大きく口を広げた場合の直径は、実に10mにも達します。
シロナガスクジラは、夏場は餌の豊富な北極海や南極周辺に移動し、冬場は熱帯付近で繁殖を行うという回遊性の一年を送ります。妊娠期間は約11ヶ月で、体長7mほどの赤ちゃんを産み、その寿命は100年前後とされています。
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ザトウクジラ


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最大体長15メートルにもなるクジラで、豪快なブリーチングを行うことから、ホェールウォッチングの対象としても人気の種類です。夏は極地でオキアミなどを食べて生活し、冬には集団で暖かい海域を訪れて出産育児を行います。
水面上に豪快なジャンプをするブリーチングと呼ばれる行動が有名で、ホェールウォッチングの対象としても人気があります。このブリーチングは、天敵のシャチを威嚇したり、体表の寄生虫を落とす意味などがあるとされています。
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ザトウクジラは世界中の海に生息していますが、夏場は北極や南極の極周辺でオキアミを主食に生活し、冬場には暖かい海域に移動し、繁殖活動や出産・育児を行います。
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マッコウクジラ



ハクジラのなかで最も大きなクジラで(第二位はシャチ)、歯のある動物の中では世界最大の種類です。頭部に大量の脂質を貯蔵しており、油目的の捕鯨対象として乱獲され、激減しましたが、現在は保護により生息数が回復しつつあります。

マッコウクジラは北極から南極にかけて、広く世界規模で生息していますが、特に深海沖に分布が集中しています。

ホェールウォッチングなどでは、この写真のように尾を高く持ち上げる行動が観察されますが、これは深海へ潜水するときの動作で、2000mもの深さに潜ると考えられています。この時の呼吸は1時間以上も持つことが確認されており、深海へもっとも適応したクジラです。
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【マッコウクジラ生態フリー画像図鑑】分布・餌・寿命・繁殖などを解説
セミクジラ
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セミクジラも大きなヒゲクジラとして有名ですが、セミクジラ・タイヘイヨウセミクジラ・ミナミセミクジラの3種類がいます。全長は最大で18mにもなります。
セミクジラはハクジラ類なので、そのブラシ化した歯(いわゆるクジラヒゲ)でオキアミや動物プランクトンなどの小動物を濾過食しています。
セミクジラ
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セミクジラは日本からベーリング海峡を経てアラスカにかけての太平洋北部と北極海に分布しています。
タイセイヨウセミクジラ
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タイセイヨウセミクジラは大西洋北部に分布しており、季節的な回遊生活を送っています。
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タイセイヨウセミクジラの繁殖生態はいまだ解明されていない部分が多く残りますが、北半球の近縁種であるセミクジラと同様に、3~5年に1度というかなり長い繁殖周期で出産をしており、1度に1頭を出産すると考えられています。
ミナミセミクジラ
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ミナミセミクジラは南極周辺から南アメリカ大陸南部・アフリカ大陸南部・オーストラリア大陸南部にかけての南半球極地~寒帯海域に分布しています。
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【タイセイヨウセミクジラ生態フリー画像図鑑】分布・餌・繁殖などを解説
【ミナミセミクジラ生態フリー画像図鑑】分布・餌・繁殖などを解説
ホッキョククジラ
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ホッキョククジラはセミクジラに近い仲間で北極海に生息しており、最大全長24m・体重100tの記録がある巨大なクジラです。
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ホッキョククジラはヒゲクジラ類に共通の、ブラシ化した歯(いわゆるヒゲ)でオキアミや動物プランクトンを濾しとって食べる濾過食をしています。
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【ホッキョククジラ生態フリー画像図鑑】分布・餌・繁殖などを解説
ナガスクジラ
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ナガスクジラはクジラのなかでもシロナガスクジラについで二番目に大きな種類で、最大全長は26m・最大体重は80tにもなります。
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ナガスクジラは北極海をのぞく全ての海洋に分布していますが、熱帯海域での目撃は少なく、北半球群と南半球群に分断されて生息していると考えられています。

ナガスクジラは魚食傾向の強い濾過食者で、南半球群は主にオキアミを食べていますが、北半球群はサンマ・シシャモ・ニシン・イワシ類・サバ類などの小型魚類を主に食べています。
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コセミクジラ
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コセミクジラは最大全長6.5m・最大体重3.5tと、ヒゲクジラの仲間ではもっとも小さな種類です。
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コセミクジラは南半球の温帯域から寒帯域にかけて分布しています。
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【コセミクジラ生態フリー画像図鑑】分布・餌・繁殖などを生物学博物館学芸員が解説
コククジラ
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コククジラ最大全長13m・最大体重25tの記録があります。
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コククジラは太平洋北部の温帯~寒帯にかけての海域に分断的に分布しています。かつては大西洋にも分布していましたが、そのグループは絶滅しました。
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