ベラ類はカラフルで小～中型と熱帯海水魚飼育の人気カテゴリーです。生物学の博物館学芸員として20年以上、魚類飼育の経験を持つ筆者が代表的な種類をご紹介します。
なお、各種類の飼い方に関しては、それぞれのリンク先詳細記事をご参照ください。
ベラとはどんな魚？
ベラ（倍良、遍羅、英名：Wrasse、ラス）は、スズキ目ベラ亜目ベラ科 Labridae に属する魚の総称。世界中の暖かい海に約500種が生息する。日本近海には約130種が生息し、磯やサンゴ礁などで普通に見ることができる。
ベラ科には以下の亜科が含まれます。
ベラ亜科｜Labrinae
タキベラ亜科｜Bodianinae
ブダイベラ亜科｜Pseudodacinae
カンムリベラ亜科｜Corinae
モチノウオ亜科｜Cheilininae
このなかでも、飼育に適した小型美麗種が多いのがカンムリベラ亜科で、以下の属が含まれます。
ニシキベラ属 Thalassoma
ソメワケベラ属 Labroides
カンムリベラ属 Coris
ササノハベラ属 Pseudolabrus
オハグロベラ属 Pteragogus
キュウセン属 Parajulis
ホンベラ属 Halichoeres
それでは、次の項目からは数々の美麗種をご紹介していきます。各種の詳細はそれぞれのリンク先でご確認ください。
ニシキベラ｜Thalassoma cupido
ニシキベラは太平洋西部から東インド洋にかけての亜熱帯〜熱帯海域に分布しています。最大で全長20cmになります。ニシキベラは野生では小型甲殻類などを餌として食べています。
オトメベラ｜Thalassoma lunare
オトメベラは太平洋西部からインド洋にかけての熱帯珊瑚礁海域に分布しています。最大で全長40cmになります。野生では他の魚の卵・甲殻類などの小型の無脊椎動物などを餌として食べています。
コガシラベラ｜Thalassoma amblycephalum
コガシラベラは太平洋西部からインド洋にかけての熱帯珊瑚礁海域に分布しています。全長16cmになります。野生では動物プランクトン・小型甲殻類・貝類などを餌として食べています。
セナスジベラ｜Thalassoma hardwicke)
セナスジベラは太平洋西部からインド洋にかけての熱帯珊瑚礁海域に分布しています。全長20cmになります。野生では小型の甲殻類や環形動物(ゴカイ類)などを餌として食べています。
ヤンセンニシキベラ｜Thalassoma jansenii
ヤンセンニシキベラは太平洋とインド洋の熱帯珊瑚礁海域に分布しています。最大で全長15cmになります。野生では小型甲殻類や環形動物(ゴカイ類)などを餌として食べています。
ハコベラ｜Thalassoma quinquevittatum
ハコベラは太平洋西部からインド洋にかけての熱帯珊瑚礁海域に分布しています。最大で全長15cmになります。野生では小型の甲殻類や環形動物(ゴカイ類)などを餌として食べています。
キヌベラ｜Thalassoma purpureum
キヌベラは太平洋西部～中部からインド洋にかけての亜熱帯～熱帯珊瑚礁海域に分布しています。国内では和歌山県以南で見ることができます。最大で全長40cmになります。野生では甲殻類・貝類・小型魚類・環形動物(ゴカイ類)などを餌として食べています。
リュウグウベラ｜Thalassoma trilobatum
リュウグウベラは太平洋西部からインド洋にかけての熱帯珊瑚礁海域に分布しています。最大で全長30cmになります。野生では小型魚類・小型甲殻類などを餌として食べています。
ツユベラ｜Coris gaimard
ツユベラは太平洋西部からインド洋にかけての亜熱帯～熱帯珊瑚礁海域に分布しています。最大で全長30cmになります。野生では小型魚類・小型甲殻類・貝類・環形動物(ゴカイ類)などを餌として食べています。
ヤマブキベラ｜Thalassoma lutescens
ヤマブキベラは太平洋西部からインド洋にかけての亜熱帯～熱帯珊瑚礁海域に分布しています。国内では駿河湾以南で見ることができます。最大で全長20cmになります。野生では動物プランクトンや底生の小型甲殻類などを餌として食べています。
カザリキュウセン｜Halichoeres melanurus
カザリキュウセンは太平洋西部の亜熱帯～熱帯珊瑚礁海域に分布しています。国内では和歌山県以南で見ることができます。最大で全長13cmになります。野生では小型の甲殻類などを餌として食べています。
イナズマベラ｜Halichoeres nebulosus
イナズマベラは太平洋西部の亜熱帯～熱帯海域に分布しています。国内では相模湾以南で見ることができます。最大で全長10cmになります。野生では小型の甲殻類などを餌として食べています。
ホンベラ｜Halichoeres tenuispinis
ホンベラは日本列島沿岸(下北半島以南)の亜寒帯から温帯にかけての海域に分布しています。最大で全長15cmになります。野生では小型甲殻類・貝類などを餌として食べています。
キュウセン｜Parajulis poecileptera
キュウセンは東アジア(日本列島・朝鮮半島・中国沿岸)に分布しています。最大で全長30cmになります。野生では底生の小型甲殻類・環形動物(ゴカイ類)などを餌として食べています。
クギベラ｜Gomphosus varius
クギベラは太平洋西部・中部からインド洋にかけての亜熱帯～熱帯海域に分布しています。最大で全長20cmになります。野生では小型の甲殻類・貝類・動物プランクトンなどを餌として食べています。
ホンソメワケベラ｜Labroides dimidiatus
ホンソメワケベラは太平洋西部からインド洋にかけての亜熱帯～熱帯海域に分布しています。国内では房総半島以南で見ることができます。最大で全長10cmになります。野生ではウミクワガタなど他の魚類の体表に付着した寄生虫を餌として食べています。
カマスベラ｜Cheilio inermis
カマスベラは太平洋西部からインド洋にかけての亜熱帯～熱帯海域に分布しています。最大で全長35cmになります。生では小型甲殻類・貝類などを餌として食べています。
ギチベラ｜Epibulus insidiator
ギチベラは太平洋からインド洋にかけての熱帯海域に広く分布しています。最大で全長50cmになります。野生では小型魚類や甲殻類などを餌として食べています。
シロタスキベラ｜Hologymnosus doliatus
シロタスキベラは太平洋西部からインド洋にかけての亜熱帯～熱帯海域に生息しています。国内では相模湾以南で見られます。最大で全長30cmになります。野生では底生の甲殻類・環形動物(ゴカイ類)などを餌として食べています。
クジャクベラ｜Paracheilinus carpenteri
クジャクベラは太平洋西部から中南部にかけての熱帯珊瑚礁海域に分布しています。最大で全長8cmになります。野生では小型甲殻類や動物プランクトンなどを餌として食べています。
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