
女性の肩周りシェイプアップのためのジムマシン筋トレ方法を詳しく解説します。また、あわせて、すっきりと綺麗に肩を細くするために適切な負荷・回数設定についてもご紹介します。
女性が肩を鍛えるメリット

女性のトレーニングのなかで、肩周り=三角筋の筋トレはつい後回しにされがちですが、三角筋を鍛えるメリットは多くあります。それは以下の通りです。
①肩周りがすっきりとシェイプアップする
②肩こりの予防・解消になる
③スポーツ能力が向上する
肩周りシェイプアップで鍛える筋肉
各筋肉の構造や作用および起始停止・支配神経に関しては下記の専門サイトおよび学術文献を参照しています。

Skeletal Muscle: A Brief Review of Structure and Function(PDF)

三角筋は上腕の最上部に位置する表層筋で、前部・中部(側部)・後部に分けられ、全部位が共同して腕を上に上げる作用があります。各部位の作用は以下の通りです。
〇前部:腕を前に上げる
〇中部:腕を横に上げる
〇後部:腕を後ろに上げる
マシントレーニングの特徴

マシントレーニングはフリーウエイトトレーニング(ダンベルやバーベル)と違い、動作の軌道がマシンによってある程度固定されているため、ブレやぐらつきを自分で支える必要がないため、筋肉に負荷をかけることに集中できるのがメリットです。
また、女性にとってフリーウエイトトレーニングはとっつきにくく、まずジムで筋トレを始めるのならばマシントレーニングからというのが定番となっています。
マシンがブレやぐらつきを止めてくれるというのは、反面、自身の体幹の筋力を使う必要がないので体幹インナーマッスルが鍛えられにくいという側面もあります。
マシントレーニングでジムでの筋トレに慣れてきたら、フリーウエイトトレーニングと組み合わせていくのが理想的です。
肩周りシェイプアップのための負荷回数設定
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美しく綺麗に身体をシェイプアップしたり、出したい部分をボリュームアップしてボディーメイクをしていくのに重要なのが、トレーニングする部位と目的(スリムダウンorボリュームアップ)によって、筋トレの負荷と回数を正しく設定することです。
目的別に最適な反復回数でターゲットにする筋繊維を鍛える
筋肉を構成している筋繊維には主に三種類があり、それは、筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)、筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)、筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)で、それぞれの特徴と鍛えるのに適切な反復回数は以下の通りです。

筋繊維TYPE2b(速筋|FG筋)
筋肥大を目的とした筋力トレーニングを実施する場合は、筋肥大しやすい特性を持つ「筋繊維タイプ2b(短時間に爆発的な収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には8~10回前後の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
パワー系スポーツ目的以外の多くの女性にとって、ムキムキにならないためにも刺激をしないほうがよい筋繊維です。
筋繊維TYPE2a(速筋|FO筋)
体力作りを目的とした筋力トレーニングを実施する場合は、中程度に筋肥大する特性を持つ「筋繊維タイプ2a(持久要素のある瞬発的な収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には12~15回前後の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
胸周りのボリュームアップやお尻の位置を上げるなど部分的にボリュームを上げてボディメイクする場合に鍛える筋繊維です。
筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)
筋肥大を伴わない筋力トレーニングを実施する場合は、ほぼ筋肥大せずに緊密度が向上する特性を持つ「筋繊維タイプ1(持久的に収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には20回以上の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
トレーニング種目を実施する順序
トレーング種目を実施する順序は、コンパウンド種目(複数の筋肉と関節を動かす多関節運動種目)を先に行い、その後でアイソレーション種目(単一の筋肉と関節を動かす単関節運動)を行うのが基本です。また、複数のコンパウンド種目・アイソレーション種目を実施する場合は、それぞれ使用重量の高い種目から先に行います。
二の腕・背中・お腹・太ももなどを綺麗にシェイプしてシェイプアップしていくのに鍛える筋繊維です。
【重要】肩周りシェイプアップ筋トレは20回で
以上のことから、肩周りシェイプアップ筋トレの対象となる三角筋をトレーニングしていく場合、ターゲットとする筋繊維は筋繊維TYPE1(遅筋|SO筋)になりますので、最適な負荷回数設定は「20回の反復で限界がくる設定」で行うことです。
筋トレの頻度と順番について

特に初心者の方がやってしまいがちな筋トレの間違いが二つあります。
まずは、「早く結果を出したいから毎日トレーニングする」というものですが、筋繊維は一度鍛えると細かな裂傷が発生し、48~72時間の回復期間をおいて「元よりも強くなって回復」します。これを超回復と言い、適切な超回復を繰り返すことによって身体を変えていくのが筋トレの基本的な理論です。
ですので、早く結果を出したいからと焦ってしまい、毎日トレーニングを行うと筋肉が超回復する時間がなくなり、かえって逆効果になりますので、筋肉を鍛えるのは一箇所あたり週2回が適切です。
次に、「気になる部位から先に鍛えてしまう」というのも多い間違いです。
一日のトレーニングは、正しい順番で行う必要があります。その基本は以下の通りです。
①複数の筋肉を同時に使うトレーニング
②大きな筋肉を個別に使うトレーニング
③小さな筋肉を個別に使うトレーニング
この順番を間違えると、特定の筋肉だけが先に疲れてしまい、そのトレーニング予定の筋肉をまんべんなくトレーニングすることができませんので注意してください。
それでは、次の項目からは具体的なトレーニング方法を解説していきます。
三角筋のジムマシン筋トレ
スミスマシンショルダープレス

スミスマシンショルダープレスはフリーウエイトトレーニングに近い感覚で肩周りシェイプアップエクササイズができるジムマシン筋トレです。
スミスマシンを使ったトレーニング全般に言えることですが、スミスマシンはウエイトのブレをマシンのレールが支えてくれるので、筋肉に負荷をかけることに集中できるメリットがある反面、フォームが良くないと歪みが全て関節や靭帯に帰ってきます。事前にウエイトをつけずにフォームの確認動作を行い、関節や靭帯に負担がかからないフォームを確認することをおすすめします。
本種目の場合は、肩に歪みがかからないように、バーベルショルダープレスに比べ、やや後ろに引いた位置で構えます。
スミスマシンショルダープレスは、シートに座り、胸を張り背すじを伸ばして、シャフトを胸の位置に置いて構えます。
そこから、腕を押し上げていきますが、この時に肘が身体の後ろ側に入らないように気をつけてください。
肘が身体の後ろ側に入ってしまうと、肩関節に開き負荷がかかりますので、常に身体の前側を肘が通る軌道で行います。
本種目は腕を押し上げる時に三角筋の前部と中部に、ウエイトに耐えながら下ろす時に三角筋の後部に効果があります。
元に戻る時も、しっかりと筋力でコントロールして動作を行ってください。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばし、胸の位置でシャフトを構える
②肘が身体の前側を通る軌道で腕を押し上げ、肩甲骨は寄せない
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
スミスマシンアップライトロー

スミスマシンアップライトローは効かせるのがやや難しい肩周りに比較的簡単に効かせられるジムマシン筋トレです。
スミスマシンアップライトローイングは、胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろした位置でシャフトをグリップして構えます。
そこから肘を先行させてバーを引き上げていきますが、この時に肩関節を寄せないように気をつけてください。
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと、負荷が背筋群に分散してしまいますので、肩甲骨を寄せたり、上半身を反らしたりせずに動作を行うことが大切なポイントです。
なお、肘を前に張り出すと三角筋前部に、肘を横に張り出すと三角筋中部に、肘を後ろに引き気味にすると三角筋後部に負荷がかかります。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろした位置でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せず、肘を先行させてバーを引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
マシンショルダープレス

マシンショルダープレスは肩周りシェイプアップに有効な基本ジムマシン筋トレです。
マシンショルダープレスは、シートに座り、胸を張り背すじを伸ばして構えます。
そこから、グリップを上に押し上げて腕を上方に押し出していきますが、この時に肘が身体の後ろ側に入らないように気をつけてください。
背中を反らせて、肘が身体の後ろ側に入ってしまうと、肩関節に開き負荷がかかりますので、常に身体の前側に肘があるようなフォームで行います。
また、三角筋は背筋群と隣接しているため、肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと、負荷が背筋群に分散してしまいますので、肩甲骨は寄せないように気をつけましょう。
なお、本種目は腕を押し上げる時に三角筋の前部と中部に、ウエイトに耐えながら下ろす時に三角の後部に効果があります。
戻す動作もしっかりと筋力でコントロールして効かせるようにしてください。
【正しいやり方と手順】
①シートに座り、胸を張り背すじを伸ばして構える
②肘が身体の前側を通る軌道で腕を押し上げ、肩甲骨を寄せないように気をつける
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
ケーブルアップライトロー

ケーブルアップライトローイングは、効かせるのが難しい三角筋種目のなかでは、比較的動作が簡単なジムマシン筋トレです。
ケーブルアップライトローイングは、ケーブルマシンに正対し、胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップして構えます。
そこから、肘を先行させてバーを引き上げていきますが、この時に肩甲骨を寄せないように気をつけてください。
肩甲骨を寄せてしまうと、隣接している背筋群に負荷が分散してしまいますので、肩甲骨を寄せないイメージを持って動作を行うことが大切です。
なお、本種目は肘を前に張り出すと三角筋前部に、肘を横に張り出すと三角筋中部に、肘を後ろに引き気味にすると三角筋後部に負荷がかかります。
【正しいやり方と手順】
①胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップして構える
②肩甲骨を寄せないように気をつけ、肘を先行させてバーを引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
ケーブルフロントレイズ

ケーブルフロントレイズは肩の前側シェイプに有効なジムマシン筋トレです。
ケーブルフロントレイズは、ケーブルマシンに正対し、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップして構えます。
そこから、肘を伸ばしたままバーを肩の高さまで引き上げますが、この時に上半身を反らしたり、肩甲骨を寄せたりしないように気をつけてください。
これらの動作を行ってしまうと、負荷が僧帽筋に分散してしまいますので、注意が必要です。
なお、どうしても負荷が僧帽筋に逃げてしまうという方には、シングルアタッチメントを使って片手ずつ行うことをおすすめします。
【正しいやり方と手順】
①マシンに正対し、胸を張り背すじを伸ばし、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップして構える
②上半身を反らしたり、肩甲骨を寄せたりせず、肘を伸ばしたままバーを引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
ケーブルサイドレイズ

ケーブルサイドレイズは肩の横側シェイプに有効なジムマシン筋トレです。
ケーブルサイドレイズはケーブルマシンの横に立ち、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップして構えます。
そこから、肘を伸ばしたまま腕を横に上げていきますが、この時に肩甲骨を寄せないように気をつけてください。
肩甲骨を寄せてしまうと、負荷の多くが僧帽筋に分散してしまいますので、肩甲骨を固定する意識を持ちながら動作を行います。
そして、腕が床と平行になるまで上げたら、ゆっくりと元に戻ります。
また、本種目は腕を上げる時だけでなく、下ろす時にゆっくりとウエイトに耐えながら、筋肉にエキセントリック収縮(伸長性収縮)を加えることも大切なポイントです。
【正しいやり方と手順】
①ケーブルマシンの横に立ち、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップする
②肩甲骨を寄せないように気をつけ、肘を伸ばしたまま腕を横に上げる
③腕を床と平行になるまで上げたら、ゆっくりと効かせながら元に戻る
ケーブルリアラテラルレイズ

ケーブルリアラテラルレイズは肩の後ろ側シェイプや肩こり解消に有効なジムマシン筋トレです。
ケーブルリアラテラルレイズは、ケーブルマシンの横でニーベントスタイル(前傾姿勢)を作り、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップして構えます。
そこから、肘を伸ばしたまま腕を後ろに上げていきますが、この時に肩甲骨を寄せないようにしてください。
三角筋後部は僧帽筋と隣接しているため、肩甲骨を寄せる動作を行ってしまうと、負荷のほとんどが僧帽筋に逃げてしまいます。
必ず、肩甲骨をロックして動作を行ってください。
なお、肩甲骨を寄せる動作で行う種目をケーブルリバースフライと言い、僧帽筋の仕上げ種目として知られています。
【正しいやり方と手順】
①ケーブルマシンの横で前傾姿勢をとり、腕を下ろした位置でアタッチメントをグリップして構える
②肩甲骨を寄せないように気をつけ、肘を伸ばしたまま腕を後ろに上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
ケーブルフェイスプル

ケーブルフェイスプルは効かせるのがやや難しい肩の後ろ側に比較的簡単に効かせられるジムマシン筋トレです。
ケーブルフェイスプルは、ケーブルマシンに正対し、腕を伸ばした状態で構えます。
そこから、顔に向けてバー(またはロープ)を引いていきますが、この時に肘を肩より高く上げ、肩甲骨を寄せないようにすることが大切です。
肘を低く構えると、どうしても肩甲骨が寄ってしまい、結果として僧帽筋に負荷が逃げてしまいます。
本種目は、動作イメージとして、肘でウエイトを引き寄せる感覚で行うと上手く効かせられます。
【正しいやり方と手順】
①ケーブルマシンに正対し、腕を伸ばした状態でグリップして構える
②肘を肩より高く上げ、肩甲骨を寄せないようにしてグリップを顔に向けて引く
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
