【ケーブルアタッチメント種類一覧】筋トレの種目のバリエーションを豊富にするハンドル

ケーブルマシンのアタッチメント(ハンドル)には数多くの種類があり、どれがどの筋肉部位に効果的なのか、わかりづらいかと思いますので、主なケーブルアタッチメントの種類とトレーニング種目別の使い方を解説します。

※最新型の人間工学(エルゴノミクス)に基づいたケーブルアタッチメント類もご紹介します(2021年12月追記)。
※マルチロープアタッチメントやアームシャークなど特殊なアタッチメントについても解説しました(2022年12月追記)。
筆者は、スポーツ競技の元日本代表としての経験に加え、博物館施設の生物学学芸員として30年にわたり生物の筋肉構造・作用にも知見を積み重ねてきました。さらにその後は設備管理責任者として大型機械設備の構造解析・運用・安全管理を担当し、支点構造や負荷伝達といった工学的知見も蓄積しています。このように「競技者としての経験」「学芸員としての知識」「工学的な構造理解」の三面に精通した上で、本記事の解説を行っています。
ストレートバーアタッチメント
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IROTECラットプルダウンバー |
上から引くタイプのケーブルマシンの標準アタッチメントが、こちらのようなストレートバー(またはラットバー)と呼ばれるものです。
広背筋側部に効果の高いノーマルラットプルダウンや、上腕三頭筋短頭に効果的なノーマルプレスダウンに使われます。
また、ケーブルローイングの刺激を変えたい時や、ケーブルカールにもストレートバーアタッチメントは使われますが、取り回しの関係で主にショートタイプのものが使用されます。
ワイドパラレルアタッチメント
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IROTECワイドパラレルグリップバー |
ワイドパラレルアタッチメントは、ラットプルダウンやケーブルローイングの刺激を変えたい時に使うと有効なアタッチメントです。
ナローパラレルアタッチメント
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IROTECロウプーリーハンドル |
ナローパラレルアタッチメントは、ケーブルローイングの標準となるケーブルアタッチメントです。
また、ラットマシンに取り付けて、ナローパラレルグリップで行うラットプルダウンは、広背筋中央部と僧帽筋に効果的です。
Vバーアタッチメント
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IROTECプルダウンハンドル |
トライセプスプレスダウン専用とも言えるのがVバーアタッチメントで、縦に手をグリップする=脇が閉まることから、上腕三頭筋長頭を集中的に鍛えることが可能です。
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IROTECシングルハンドル |
シングルハンドアタッチメントは、二台のケーブルマシンを使うケーブルフライの標準となるアタッチメントです。
このほかにも、ケーブルカールやプレスダウンを片手で行い可動範囲を広げるワンハンド系種目でも使われます。

なお、当サイト運営ショップでは本タイプを仲介業者を通さず、海外の生産工場から直接仕入れのため国内最安値レベルで提供できています。
ショートロープアタッチメント
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IROTECトライセップロープ |
ロープアタッチメントには、こちらのようなショートタイプとロープが長めのロングタイプがあります。
ショートタイプのロープアタッチメントは、ケーブルカールやケーブルローイングなどあまり手幅を広げる必要がない種目に使われます。
ロングロープアタッチメント
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IROTECトライセップロープ2 |
一方、ロングタイプのロープアタッチメントは、手を広げて回旋運動も行うロープトライセプスプレスダウンなど、大きな動作のトレーニングに使用されます。
シングルロープアタッチメント
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IROTECシングルロープアタッチメント |
シングルロープアタッチメントは、片手で行うケーブルカールやトライセプスプレスダウンに使用され、通常よりも広い可動範囲と回旋運動で筋肉を最大収縮させるのに適しています。
最新型マルチロープアタッチメント

マルチロープアタッチメントは、北米に大きなシェアを持つLARA★STAR社製の新型ケーブルアタッチメントです。グリップ部分が左右それぞれ2箇所あるので、同一種目でもグリップバリエーションが変えられ、筋肉に対する刺激・負荷を変更することができます。また、布製ケーブルアタッチメントの有利な特性として、ひねり動作が加えられるため筋肉を限界まで収縮させられる点もメリットです。一般的に金属アタッチメントで行うラットプル・ケーブルロー・ケーブルカール・プレスダウンなどで本アタッチメントを使用すると「別種目なみの刺激」を入れることができます。メーカー製ならではの強い裁縫強度=高耐久性も特徴です。
最新の特殊アタッチメント
ここからは、当サイト運営ショップが取り扱いをしている前腕トレーニング用の特殊アタッチメントをご紹介します。
人間工学(エルゴノミクス)に基づいて設計されたハンドル
エルゴノミクスシングルハンドル

エルゴノミクスシングルハンドルは、人間工学に基づいて自然な握り方になるように設計されたケーブルアタッチメントです。
このため、手首や肘に余分な負担がかからない状態で各種トレーニングが可能です。
エルゴノミクスロープハンドル

トライセップスプレスダウン専用に設計されたのが、エルゴノミクスロープハンドルです。
エルゴノミクスプロネーションハンドル

フィットハンドル(プロネーション)は手首を回内した状態でローイング系トレーニングができるケーブルアタッチメントで、背筋群にストレートに刺激が入るのが特徴です。
エルゴノミクスパラレルハンドル

フィットハンドル(パラレル)は、自然な握りのパラレルグリップで各種ローイングトレーニングができるケーブルアタッチメントです。
ロシアンハンドル

このハンドルタイプは通称ロシアンハンドルと呼ばれ、ケーブルフライやケーブルレイズ系種目で斜め引きしても、片側がオープンなため手やシャフトがひっかからずフレキシブルかつスムーズな動作ができので、海外のボディビル選手にも人気のハンドルです。
フライ系では大胸筋の細かい部位を、レイズ系では三角筋の細かい部位をターゲッティングしてのトレーニングが可能です。
しかしながら、世界的にあまり生産されておらず、日本国内では特注品を作らなければならないのが現状です。
本製品は、当サイト運営ショップと関係の深い海外金属器具メーカーに依頼して生産したもので、他では入手できません。
アームシャーク

正式名称プロネーションハンドル、通称アームシャーク(サメの背びれに形が似ているため)は、前腕の回旋力を鍛えるために特化したハンドルアタッチメントで、特に北米で高い人気を誇ります。あらゆるスポーツの前腕強化に最適です。アームシャークを見る
ウルトラグリップ

ウルトラグリップは中心と重心がずれている偏心ローラーで、アームレスリング元世界チャンピオンのイゴール・マズレンコ氏によって開発されました。
重心が偏っているため、手の平のなかでローラーが転がらず、確実に指先からストローク力を鍛えられるアタッチメントです。
ストラップローラー

ストラップローラーは、ローラーがフレキシブルなストラップ生地に接合されていますので、工夫次第でさまざまな使い方ができます。ただストロークするだけでなく、捻りながらストロークすることが可能で、さまざまな競技の前腕トレーニングに有効です。
また、手の甲がストラップで押さえられるため、ローラーを握りしめる必要がなく、手の平や指の腹の任意の箇所に集中したリストトレーニングが実現できます。
プライベートハンドル

プライベートハンドルは最近になり人気が上昇している強化プラスチック製のケーブルアタッチメントで、ジムに持ち込んで使用する個人用ハンドルです。
イーグルストラップ

イーグルストラップは指先一本ずつをループに通し、さまざまなケーブルトレーニング種目を行うことで総合的な握力=「掴む力」を鍛えられるアタッチメントです。
グリップアタッチメント

ケーブルアタッチメントのバー部分に装着する器具としてグリップアタッチメントと呼ばれるものがあります。
これらを使用することにより、主に前腕や上腕に強い刺激を加えることが可能です。
当サイト運営ショップでは最新の楕円偏心グリップから、円筒形・球形のスタンダードなものまで取り揃えています。
種目ごとの解説記事
ケーブルアタッチメントの違いによる効き方の差異




ジムになければマイアタッチメントを
ここまでご紹介してきたような、全てのケーブルアタッチメントが揃っているトレーニングジムは意外と少ないものです。
どうしてもやりたい種目がある場合は、ジムに許可をとってマイアタッチメントを用意するのもおすすめです。

なお、こちらは筆者のバックボーン競技であるアームレスリングの前腕強化のために、鉄工所勤務の友人に頼んで作成したオリジナル自作ケーブルアタッチメントです。
通常のシングルハンドアタッチメントよりも、グリップ部分が数倍太くなっています。
自身の競技にあわせて、ケーブルアタッチメントを自作するのも一つの手段です。
ケーブルマシンのワイヤー交換

ケーブルマシンのワイヤー交換の方法、おすすめの交換部品については下記の記事をご参照ください。
【ケーブルマシンのワイヤー・滑車交換】やり方とおすすめアイテム&ポイント解説
ケーブルマシンアタッチメント概論
ケーブルマシンは、本体の構造が同じであっても、アタッチメントを変更することでまったく異なる筋肉刺激を生み出せるのが最大の特徴です。アタッチメントの形状や握り方の違いによって、筋肉が発揮する力の方向、関節の角度、可動域が変化し、その結果として効く部位も大きく変わります。ここでは主に背筋群と上腕三頭筋のトレーニングに使用される代表的なアタッチメントを、それぞれの特徴と使い分けの観点から解説します。
ストレートバーはもっとも基本的なアタッチメントで、広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋のいずれにも均等に負荷が入りやすい構造です。バーを握ったときに手首が自然な位置に収まり、プル系・プレス系どちらでも扱いやすいという汎用性の高さがあります。ただし、手首の回外が大きくなる動作では負担がかかりやすく、特に逆手でのラットプルダウンでは手首の柔軟性が求められます。
ワイドバーはラットプルダウンで広背筋外側に強い刺激を与えるために適した形状です。手幅を広くとることで肘が外旋し、広背筋の外側線維が最大限に伸展した状態から収縮させることができます。胸を張り、顎をやや上げて、肩甲骨を寄せながら引き下ろすことで背中への効きがより確実になります。
パラレルハンドル(Vバー)は、手のひら同士が向かい合うニュートラルグリップを可能にするアタッチメントで、僧帽筋中央部や広背筋の中央線維に強い刺激を与えることができます。肩関節の負担を軽減しながら引く動作ができるため、肩の柔軟性に不安がある人や、腕に効きやすい体質の人でも背中に刺激を乗せやすくなります。
EZバーは、角度のついたグリップによって手首・肘関節の負担を減らす目的で設計されたアタッチメントです。ラットプルダウンのリバースグリップでは特に有効で、上腕二頭筋を補助筋にしながら広背筋を収縮させることができます。逆手動作で手首に痛みが出やすい場合には、このアタッチメントが非常に適しています。
ロープアタッチメントは三頭筋種目に必須のアタッチメントで、動作の途中から終盤にかけて手のひらを外側へ回旋させることができるため、上腕三頭筋長頭の完全収縮を引き出せる点が最大の特徴です。プレスダウンやオーバーヘッドエクステンションでは、ケーブル角度を調整することで伸展局面を強調でき、三頭筋全体を立体的に仕上げることができます。
トライセップスバーは、上腕三頭筋短頭に強い刺激を与えられるアタッチメントです。ハンマーグリップ(縦方向)で保持するため、肘を安定させながら押し下げる動作を行いやすく、特に負荷の抜けやすい外側頭に確実に刺激が入ります。高重量でのプレスダウンに適したアタッチメントでもあります。
ショートストレートバーは、ライイングフレンチプレスやプレスダウンの仕上げに適しており、肘の開閉によって短頭・長頭を切り替えて鍛えることができます。バーが短いため軌道がブレにくく、仕上げ種目として丁寧に筋肉を追い込む場合に向いています。
このようにアタッチメントの形状と握り方は、単に持ち方が変わるというだけでなく、背筋群や上腕三頭筋のどの部位を強調するか、どの角度で力を発揮させるかといったトレーニング効果そのものを大きく左右します。ラットマシンやケーブルマシンを効果的に使うためには、各アタッチメントの特性を理解し、目的の筋肉が最大限に刺激されるポジションを選び取ることが重要です。
