
ペルム紀末の史上最大の大量絶滅を経て、地球は古生代から中生代へと足を踏み入れました。約2億5190万年前から2億130万年前まで続いた三畳紀(トリアス紀)は、文字通り「生命の再起」の時代です。
荒廃した超大陸パンゲアを舞台に、生き残ったわずかな種から、後に地球を支配する恐竜、空を舞う翼竜、そして私たち哺乳類の直接の祖先たちが次々と産声を上げました。
三畳紀の地球:超大陸パンゲアと乾燥の王国
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三畳紀の地球は、すべての陸地が一つに繋がった超大陸パンゲアの時代です。巨大な大陸の内部は海から遠く、極度に乾燥した砂漠が広がっていました。
この過酷な気候に適応するため、爬虫類はさらに進化し、特に「主竜類(しゅりゅうるい)」と呼ばれるグループが台頭します。彼らは乾燥に強く、より効率的な呼吸システムや直立に近い歩行能力を獲得し、哺乳類の祖先(単弓類)との覇権争いに挑んでいきました。
三畳紀を代表する5種の生物
この時代の主役は、初期の恐竜から海へ戻った爬虫類まで、多様性に満ちています。
コエロフィシス(Coelophysis)

三畳紀後期に登場した、最初期の恐竜の一種です。
特徴: 体長は約3メートル。中が空洞になった軽い骨(中空骨)を持ち、非常に俊敏に走り回る肉食恐竜でした。現代の鳥類にも通じるこの軽量化構造が、後の恐竜たちの巨大化や多様化を支える基盤となりました。
ショニサウルス(Shonisaurus)

陸上で爬虫類が進化する一方、海へ戻ったグループもいました。その代表格が巨大な魚竜、ショニサウルスです。
特徴: 全長は15〜21メートルに達し、当時の海洋における最大級の生物でした。イルカのような姿をしていますが爬虫類であり、三畳紀の豊かな海を支配していました。
エオラプトル (Eoraptor)

アルゼンチンの三畳紀中期の地層から発見された、「世界最古の恐竜」候補の一筆です。
特徴: 体長はわずか1メートルほど。雑食性であったと考えられており、恐竜が最初から巨大な怪物だったわけではなく、小さく賢い存在からスタートしたことを示しています。
キノグナトゥス(Cynognathus)

哺乳類の直接の祖先に近いグループ、「犬歯類(哺乳類型爬虫類)」の代表格です。
特徴: 名前の通り「犬のような顎」を持ち、鋭い歯が並んでいました。恐竜(主竜類)に地上覇権を譲りつつありましたが、体毛があった可能性も指摘されており、後の哺乳類の進化へと繋がる重要な特徴を備えていました。
プレシオサウルス(Plesiosaurus)

ジュラ紀に全盛期を迎える首長竜ですが、その祖先的なグループ(ノトサウルス類など)はすでに三畳紀に登場していました。
特徴: 水中での生活に適応し始め、四肢が鰭(ひれ)のような形へと変化しつつありました。浅瀬で魚を捕らえる半水生のハンターとして、新たな生態的地位を築いていました。
再びの試練:三畳紀末の大量絶滅
三畳紀の終わり、超大陸パンゲアが分裂を始めると、大規模な火山活動が発生しました。これにより地球環境は再び激変し、三畳紀末の大量絶滅が起こります。
しかし、この絶滅を耐え抜いたのが、他でもない恐竜たちでした。ライバルたちが消えた後の世界で、彼らは爆発的な進化を遂げ、次のジュラ紀という「恐竜の黄金時代」へと突き進んでいくことになります。
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