
画像引用:エーハイム公式ページ
120cm~200cm程度の中型水槽では、水量が限られるぶん循環と濾過の安定が水質維持の大きなポイントになります。外部式フィルターの代表であるエーハイムは、小型〜中型水槽で扱いやすく、静音性と信頼性の高さから長年アクアリストに支持されてきました。ただし、同じエーハイムでも配管の組み方によって性能や安定性が大きく変わります。本記事では、水槽直結式とクッションタンク式、さらに水槽複数連結方式の三つの組み方を取り上げ、それぞれのメリットと注意点をわかりやすく解説します。
エーハイムの組み方には、大きく2種類あり、①水槽から直接水を吸う組み方、②いったんクッションタンクに水をためる組み方、です。
①は組み方が簡単で省スペースというメリットがある反面、総水量が少なくなり蒸発で水槽水面が変化するというデメリットがあります。
このため、スペースに余裕のある場合は基本的には②の組み方を推奨します。
①水槽直結式の組み方

水槽直結式の組み方がこの図のようなものです。日常の保守管理を考えてエーハイムの前後とチラーの前後にはダブルタップを入れます。また、ヒーターは水槽に直接入れることになりますが、センサーとヒーターの距離をできるだけ離すように設置します。
②クッションタンク式の組み方

クッションタンク式の組み方がこの図のようなものです。停電時のエアーかみ防止を考慮し、クッションタンクはエーハイムよりも若干背の高いものを使用します。
ダブルタップの設置は①と同様にエーハイムの前後およびチラーの前後に設定します。
また、サーモヒーターは水槽の見栄えを良くするために、クッションタンクに設置します。この場合もセンサーとヒーターはできるだけ離すようにします。なお、ヒーターとサーモを別にする(例:ヒーターは水槽・サーモはクッションタンク)と、循環が止まった時にヒーターが入りっぱなしになり飼育水がお湯になってしまうリスクがあります。必ずヒーターとサーモは同じ場所に設置してください。
③連結式の組み方

②の応用になりますが、この図のように一つのエーハイムで複数の水槽を循環させることも可能です。
この場合、バランスをとるために各水槽側の吐出部にはボールバルブを設置します。
まとめ
エーハイムは構造がシンプルで扱いやすい外部式フィルターですが、配管の組み方によって濾過容量、停電時のエアーかみ、温度管理の安定性などが大きく変わります。スペースが限られる場合は水槽直結式が便利で、余裕のある環境ではクッションタンク式にすることでより安定した循環と水量を確保できます。また、複数水槽を一台で回す連結式はバルブ調整を前提にすれば応用が可能です。飼育環境や水槽の目的に合わせて最適な組み方を選ぶことで、中型水槽の管理をより安全かつ安定させることができます。
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