トライセプスバー筋トレ|手首や肩への負担が少ないパラレルグリップでの鍛え方

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パラレルグリップ(並行持ち)ができる特殊なトレーニングシャフトであるトライセプスバーは、種目により手首や肩への負担が軽減されるだけでなく、通常のバーベルシャフトとは違った角度で筋肉を刺激することができます。その筋トレ方法を解説します。

執筆者・監修者・運営者情報
筆者は、スポーツ競技の元日本代表としての経験に加え、博物館施設の生物学学芸員として30年にわたり生物の筋肉構造・作用にも知見を積み重ねてきました。さらにその後は設備管理責任者として大型機械設備の構造解析・運用・安全管理を担当し、支点構造や負荷伝達といった工学的知見も蓄積しています。このように「競技者としての経験」「学芸員としての知識」「工学的な構造理解」の三面に精通した上で、本記事の解説を行っています。

上半身の押す筋肉グループ

大胸筋・三角筋・上腕三頭筋に有効なトライセプスバー筋トレ

まず、はじめにご紹介するのが、上半身の押す筋肉グループ、すなわち大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を中心とした筋肉群のトライセプスバー筋トレです。トライセプスバーの英語名称「上腕三頭筋のバー」が示すように、この筋肉グループに有効なトライセプスバーを使ったトレーニング種目は豊富です。

トライセプスバープレス

大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の全てに効果があり、もっとも高重量でトレーニングをすることができるのが、こちらのようなトライセプスバーベンチプレスです。通常のベンチプレスと比べ、肘が外に開かないため肩を痛めているときのベンチプレスの代用として非常に有効です。また、通常のベンチプレスに比べ、上腕三頭筋と大胸筋内側に対する負荷が増加します。

トライセプスバープルオーバー

大胸筋に対して縦方向の収縮で刺激を加えることのできる数少ないトレーニング種目がプルオーバーですが、通常のバーベルシャフトで行う場合は、手首の角度的にかなりワイドグリップで行う必要があります。しかし、大胸筋への負荷を増やすことを考えた場合、できる限りグリップは狭くすることが必要になります。そこで、トライセプスバーでプルオーバーを行えば、パラレルグリップのため手幅を狭くしても手首に負担がかかりません。このため、より強く大胸筋を刺激することが可能です。

トライセプスバーフレンチプレス

トライセプスバーを使ったパラレルグリップでのフレンチプレスは、通常のバーベルシャフトに比べて肘が開きにくく、上腕三頭筋のなかでも腕の太さにもっとも影響する上腕三頭筋長頭を集中的に鍛えることが可能です。腕を太くする目的でフレンチプレスをするのならば、トライセプスバーを使用するのが最適と言えるでしょう。

ライイングトライセプスバーエクステンション

床やベンチに仰向けに寝て行うトライセプスエクステンションも、通常のバーベルシャフトで行うより、トライセプスバーで行ったほうがグリップが狭くでき、肘を開かずに動作が行えるので、はるかに上腕三頭筋に有効です。

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上半身の引く筋肉グループ

僧帽筋・広背筋。上腕二頭筋のトライセプスバー筋トレ

上半身の引く筋肉グループの僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋のトライセプスバーを使ったトレーニング方法はカール系の種目が主体となります。いくつかのバリエーションをご紹介します。

トライセプスバーカール

トライセプスバーを使ったバーベルカールはハンマーグリップ(縦持ち)となるため、上腕二頭筋長頭と上腕筋に対して強い負荷を与えることができます。また、ダンベルでのハンマーカールと違い、両手で行えるので、より高重量で鍛えることが可能です。

また、カール台を使ったプリチャーカールをトライセプスバーで行えば、よりストリクトに上腕二頭筋長頭と上腕筋を鍛えることが可能になります。

本サイト「GLINT」は、2019年より筋力トレーニングと運動生理学および生物学に関する専門情報を継続して公開しています。競技経験に基づく実践的な知識と、博物館学芸員としての科学的根拠を重視した解説をもとに、正確で信頼できる情報の提供を目指しています。

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