スロートレーニングの効果と実施方法|筋肥大への有効性も考察

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

スロートレーニングの基本理論と、自宅でも実施できる具体的な腕立て伏せ・腹筋・スクワットのやり方を解説します。

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スロートレーニングとは

スロートレーニングとは、筋繊維の緊張を保ったまま動作するレジスタンス運動(筋力トレーニング)のことで、低負荷でもゆっくりと動作を行うことで筋肥大や筋力向上が期待できるトレーニング方法です。

通常の筋肥大トレーニングは高重量を筋肉にかけることが必要なのに対し、スロートレーニングは関節や靭帯に対するリスクも少なく、特に女性や初心者に有効とされています。

スロートレーニングとは、筋肉の発揮張力を維持しながらゆっくりと動作するレジスタンス運動のひとつの方法です。比較的軽めの負荷であっても、ゆっくりと動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果を得ることができます。関節や筋肉にかかる負荷が小さいことから、安全に行える効果的なレジスタンス運動として期待されています。

引用:厚生労働省eヘルスネット「スロートレーニングとは」

スロートレーニングの負荷回数設定

筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。

遅筋(遅筋繊維Ⅰ)

持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。

速筋(速筋繊維Ⅱa)

持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。

速筋(速筋繊維Ⅱb)

瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。

スロートレーニングは最大重量の50%で行う

一般的な筋力トレーニングで筋肥大・筋力向上を狙う場合、そのターゲットである速筋繊維Ⅱaおよび2bに適切な負荷回数設定は最大重量の70~60%とされています。この設定の場合、6~12回の反復回数で動作限界がきます。

スロートレーニングの場合は、同じく速筋繊維Ⅱaおよび2bをターゲットにする場合、最大重量の50%で行うのが妥当で、低負荷でも動作速度がゆっくりなため、やはり6~12回の反復回数で動作限界がきます。

レジスタンス運動で通常大きな筋肥大・筋力増強効果を得るためには、1回あげることができる最大の重量(1RM)の65%程度以上の負荷重量(65%1RM)が必要とされています。ですから自分の体重を使って行う腕立て伏せのような運動では大きな効果を得るのが難しいとされてきました。しかしスロートレーニングでは、トレーニングの動作の仕方を工夫することで、もっと軽い負荷でも効果的に筋力を増強させることが可能となります。50%1RMの負荷で行ったスロートレーニングでは80%1RMの負荷を用いて通常の速度で行ったトレーニングと同等の筋肥大・筋力増強効果があったという報告があります。

引用:厚生労働省eヘルスネット「スロートレーニングとは」

スロートレーニングの動作方法

ゆっくりとした動作で筋繊維の緊張を発生させる

スロートレーニングの動作方法で、まず重要となるのが「ゆっくりとした動作」で「筋繊維の緊張を保つ」ことです。これは、ウエイトを上げるときの短縮性収縮(コンセントリック収縮)、ウエイトを下げるときの伸張性収縮(エキセントリック収縮)の両方で重要です。

具体的には、3~5秒かけてゆっくりとウエイトを上げ、同じく3~5秒をかけてゆっくりとウエイトを下ろしていきます。

関節を伸ばしきって途中休憩を入れない

スロートレーニングの実践でもうひとつ大事な動作ポイントが、「ノンロック」と呼ばれるもので、関節を伸ばしきって休憩動作を入れない方法です。

腕立て伏せのスロートレーニング

腕立て伏せのスロートレーニングでは、筋繊維の緊張を維持するために、腕を伸ばしきらずに動作を行うことがポイントです。具体的には、ゆっくりと身体を下ろし、ゆっくりと身体を押し上げ、肘を伸ばしきらずに再び身体を下ろしていきます。

腹筋のスロートレーニング

腹筋のスロートレーニングでは、筋繊維の緊張を維持するために、上半身を床につけずに動作を行います。具体的には、ゆっくりと上半身を持ち上げ、ゆっくりと上半身を下ろしていき、上半身を床につけずに再び上半身を持ち上げていきます。

スクワットのスロートレーニング

スクワットのスロートレーニングでは、筋繊維の緊張を維持するために、膝を伸ばしきらずに動作を行います。具体的には、ゆっくりと腰を下ろしていき、ゆっくりと立ち上がり、膝を伸ばしきらずに再び腰を下ろしていきます。

部位分割メニュー例


週2・3・4回の部位分割筋トレメニュー

主な筋トレ種目一覧


図解付き主要種目の一覧ページ

下記にリンクしています主要種目の個別解説記事は、動画だけでなく一目で理解しやすい図解付きでフォームについて説明しています。

自重トレーニング

腕立て伏せ(大胸筋)
パイクプッシュアップ(三角筋)
ベンチディップス(上腕三頭筋)
懸垂(背筋群)
バックエクステンション(背筋群)
逆手懸垂(上腕二頭筋)
自重スクワット(下半身)

チューブトレーニング

チューブチェストプレス(大胸筋)
チューブチェストフライ(大胸筋)
チューブショルダープレス(三角筋)
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブローイング(背筋群)
チューブカール(上腕二頭筋)
チューブレッグプレス(下半身)

ダンベルトレーニング

ダンベルプレス(大胸筋)
ダンベルフライ(大胸筋)
ダンベルショルダープレス(三角筋)
ダンベルサイドレイズ(三角筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルカール(上腕二頭筋)
ダンベルスクワット(下半身)

マシントレーニング

マシンチェストプレス(大胸筋)
ケーブルフライ(大胸筋)
スミスマシンベンチプレス(大胸筋)
マシンショルダープレス(三角筋)
ケーブルプレスダウン(上腕三頭筋)
ラットプルダウン(背筋群)
ケーブルローイング(背筋群)
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
ケーブルカール(上腕二頭筋)
マシンレッグプレス(下半身)
スミスマシンスクワット(下半身)

バーベルトレーニング

バーベルベンチプレス(大胸筋)
バーベルショルダープレス(三角筋)
ナローベンチプレス(上腕三頭筋)
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルベントオーバーロウ(背筋群)
バーベルグッドモーニング(背筋群)
バーベルカール(上腕二頭筋)
バーベルスクワット(下半身)

全トレーニング種目一覧

筋トレメニュー全200種目一覧|動画つき解説記事(男女別)
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