筋トレの効果と成果が出る期間|女性の身体作りと男性バルクアップ別に解説

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

筋力トレーニングの効果とその成果が出るまでの期間について、女性の身体作りトレーニング、男性のバルクアップトレーニングそれぞれのケースで解説します。

あわせて、筋力トレーニングの効果が出なくなる停滞期(プラトー)を克服するための、各種トレーニングセット法についても解説します。

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筋力トレーニングの効果

効果にはさまざまがある

筋力トレーニングの本来的な目的は、競技能力向上ですが、これに付随するさまざまな効果が知られており、昨今では付随する効果を主たる目的に筋力トレーニングに取り組む人も少なくありません。

以下に筋力トレーニングのもたらす効果を並べます。

①筋力が上昇し競技能力が向上する

まずは、筋力トレーニング本来の目的である筋力上昇による各種の競技能力向上が挙げられます。

かつて国内では筋力トレーニングに否定的なアスリート・指導者も散見されましたが、現在ではほぼ全てのトップアスリートが何らかの筋力トレーニングを実施していることから、その効果は明らかと言えるでしょう。

②基礎筋力が上昇し生活の質が向上

厚生労働省の指針である「健康つくりのための身体活動基準」にも掲げられているように、継続的な筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)を実施することにより、日常生活に必要な基礎筋力が向上し、より健康的な生活が送れるとともに、加齢による筋力低下への予防にもなり、生活の質が生涯にわたり向上するという有効です。

厚生労働省による筋力トレーニングの効果に関する記載

立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常動作の基盤となる筋肉が、QOL(Quality Of Life:生活の質)に強い影響を与える筋肉といえます。具体的には太腿前の大腿四頭筋・お尻の大臀筋・腹筋群・背筋群があげられます。これらの筋肉を鍛えるトレーニングを継続的に行うこと、また日常から活動的な生活を送ることが大切です。

引用:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-04-002.html

③理想の体型に近づけ自信が持てる

昨今のいわゆる「筋トレブーム」の原動力であり、多くの方が筋力トレーニングのボディメイク効果を期待して取り組んでいます。

実際、適切な筋力トレーニングを実施することにより、男性は筋肉を筋肥大させて逞しい外見になったり、女性は健康的になり美しい外見を手に入れてます。

また、自身の理想とする体型に近づくことで、自分に自信が持てるという副次効果もあります。

なお、筋肥大目的の筋力トレーニングと身体作り目的の筋力トレーニングでは、対象となる筋繊維が異なるため、トレーニングの負荷回数設定が異なります。

具体的には次の項目の通りです。

筋トレ目的別の重さと回数の決め方

筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「速筋繊維Ⅱa」と「速筋繊維Ⅱb」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです。

遅筋(遅筋繊維Ⅰ)

持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。

筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。

速筋(速筋繊維Ⅱa)

持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。

筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。

速筋(速筋繊維Ⅱb)

瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。

筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。

厚生労働省による筋繊維に関する記載

骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。

引用:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/exercise/ys-092

身体作りトレーニングの効果が出る期間

3ヶ月で5kgがおよその目安

パワーリフティング競技をはじめとする階級制スポーツに取り組む女子選手は、実際に2~3ヶ月の期間に筋力トレーニングを実施しながら10kg前後もの減量を行いことも珍しくありません。

ですので、身体作り目的で筋力トレーニングを行った場合、この期間・数値は不可能ではありませんが、一般的な女性の身体作りの場合は、より安全に健康的に行うことを最優先し、3ヶ月で5kg程度を目安にするとよいでしょう。

ただし、次のようなケースも少なくありませんので、体重を絶対的な基準にするのではなく、体脂肪率に着目して「筋密度の高い身体つくり」を基準にすることが大切です。

身体作りトレーニングは体重が増えるケースもある

どうしても気にしてしまうのが体重ですが、これは筋力トレーニングによる成果とは相反する場合があります。

筋力トレーニングによって身体作りを行う場合の基本的な考え方・理論は、筋密度を向上させることにより安静時を含めた消費エネルギーの水準が高い身体を作ることであり、この過程では筋密度向上による体重増加もありえます。

つまり、上図のように体脂肪が多く筋密度が低い「肥満体型」よりも体脂肪が少なく筋密度が高い「痩せ体型」のほうが体重としては多くなってしまう場合もあります。これは、単位体積あたりの筋肉と脂肪の重量差に起因しています。

このようなケースの多くは、BMI数値が標準範囲内の「運動経験の少ないややふくよかな女性」で見られます。

女性にとっての筋トレの効果・メリット

大胸筋:胸周りのボリュームアップにつながる

大胸筋のトレーニングは、胸まわりの筋肉をしっかり動かしていくための基本的な運動のひとつです。とくに上部の筋線維を意識した動作では、肩まわりの動きと連動しながら、胸の上側の筋肉が使われやすくなります。

背筋群:体幹作りや美姿勢作りになる

広背筋のトレーニングは、背中まわりの筋肉を大きく使う動きのひとつです。腕を引く動作や体幹の安定にも関わるため、上半身のさまざまな動きを支える役割を担っています。

僧帽筋のトレーニングは、首から背中にかけて広く分布する筋肉を動かす運動のひとつです。肩甲骨の動きや腕の上下動作と関わりが深く、上半身の動きを支える役割を担っています。

脊柱起立筋のトレーニングは、背骨まわりの筋肉を使いながら体幹を支える動きのひとつです。立つ・座る・身体を起こすといった基本的な動作とも関わりが深く、日常のさまざまな動きを下から支えています。

三角筋:上半身に広がりができる

三角筋のトレーニングは、肩まわりの筋肉をバランスよく使っていくための運動のひとつです。肩関節の動きに関わる筋肉が働くことで、日常動作や上半身の動きが安定しやすくなります。

上腕三頭筋:二の腕にハリが出る

上腕三頭筋は、肘を伸ばす動作に関わる筋肉で、日常生活の中では意識的に使われる機会が少ない部位のひとつです。この筋肉をトレーニングすることで、腕の動きに関わる筋力を維持しやすくなります。

上腕二頭筋:二の腕にしなやか感がでる

上腕二頭筋のトレーニングは、肘を曲げる動作に関わる筋肉を動かしていく運動のひとつです。日常動作や物を持ち上げる動きとも関係があり、腕の基本的な動きを支える役割を担っています。

腹筋群:引き締まった腹部ラインになる

腹直筋と腹斜筋のトレーニングは、体幹前面から側面にかけての筋肉を幅広く使う運動のひとつです。上半身の姿勢保持や、体をひねる・安定させる動きと関わりが深く、日常動作の中でも重要な役割を担っています。

下半身:下半身の安定感が高まる

大腿四頭筋のトレーニングは、膝を伸ばす動作に関わる太もも前側の筋肉を使う運動のひとつです。立ち上がる・歩く・階段を上るといった日常動作とも関係が深く、下半身の基本的な動きを支える役割を担っています。

ハムストリングスのトレーニングは、膝を曲げる動作や股関節を伸ばす動きに関わる太もも裏側の筋肉を使う運動のひとつです。歩行や走行、立ち上がる動作など、下半身のさまざまな動きを支える役割を担っています。

内転筋群のトレーニングは、脚を内側に引き寄せる動作に関わる太もも内側の筋肉を使う運動のひとつです。歩行や立位姿勢の安定など、日常のさまざまな動きとも関係が深い部位になります。

筋肥大トレーニングの成果が出る期間

筋肥大トレーニングにおいて、目に見えた成果が現れるまでには、比較的長い期間がかかります。

これは、筋肥大が筋繊維の超回復理論により、少しずつ少しずつなされるからです。

超回復とは?

筋力トレーニングを行い筋繊維に負荷をかけると、筋繊維はわずかな裂傷を負い、一定の回復期間の後にトレーニング前よりも強く・太くなって回復します。この生体反応を「超回復」と呼び、筋力トレーニングとは、計画的に超回復を繰り返すことにより筋肉を強くしていく行為です。

このため、筋肉に対してレジスタンス負荷をかける頻度・間隔には十分に留意してトレーニングプログラムを組み立てる必要があります。

厚生労働省による超回復とトレーニング頻度に関する記載

筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。

引用:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise

筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。

引用:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/exercise/ys-092

筋肥大トレーニングの成果が出始めるまで半年

筋肥大トレーニングをはじめると、1~2ヶ月で自分自身にはわかる変化が起こります。それは筋肉の張りや形の変化です。

ただし、これはあくまでも自分自身にわかる範囲であり、服を着た状態で他人が外見的変化に気づくような筋肥大効果が出始めるまでには、少なくとも半年はかかります。

そして、明らかに「鍛えて筋肥大した体型」になるためには年単位、3年程度の継続した筋力トレーニングの実施が必要です。

男性にとっての筋トレの効果・メリット

大胸筋:逞しい胸周りの印象になる

大胸筋を鍛えることで、胸板が厚くなるとともに胸囲が増し、逞しい胸周りの印象になります。

背筋群:逆三角形の体形に近づく

背筋群のなかでも、僧帽筋を鍛えることで上半身の厚みが増し、広背筋を鍛えることで逆三角形の体形に近づきます。

三角筋:肩幅が増す

三角筋を鍛えることで肩幅が増します。

上腕三頭筋:腕が太くなる

上腕三頭筋を鍛えることで、腕全体が太くなります。

上腕二頭筋:逞しい腕周りの印象になる

上腕二頭筋を鍛えることで「力こぶ」が発達して逞しい腕周りに近づきます。

腹筋群:メリハリのある腹周りになる

腹筋群を鍛えることで、腹筋が割れてメリハリのある腹部に近づきます。

下半身:逞しい脚周りの印象になる

下半身を鍛えることで、逞しい印象になります。

部位分割メニュー例


週2・3・4回の部位分割筋トレメニュー

主な筋トレ種目一覧


図解付き主要種目の一覧ページ

下記にリンクしています主要種目の個別解説記事は、動画だけでなく一目で理解しやすい図解付きでフォームについて説明しています。

自重トレーニング

腕立て伏せ(大胸筋)
パイクプッシュアップ(三角筋)
ベンチディップス(上腕三頭筋)
懸垂(背筋群)
バックエクステンション(背筋群)
逆手懸垂(上腕二頭筋)
自重スクワット(下半身)

チューブトレーニング

チューブチェストプレス(大胸筋)
チューブチェストフライ(大胸筋)
チューブショルダープレス(三角筋)
チューブキックバック(上腕三頭筋)
チューブローイング(背筋群)
チューブカール(上腕二頭筋)
チューブレッグプレス(下半身)

ダンベルトレーニング

ダンベルプレス(大胸筋)
ダンベルフライ(大胸筋)
ダンベルショルダープレス(三角筋)
ダンベルサイドレイズ(三角筋)
ダンベルキックバック(上腕三頭筋)
ダンベルローイング(背筋群)
ダンベルカール(上腕二頭筋)
ダンベルスクワット(下半身)

マシントレーニング

マシンチェストプレス(大胸筋)
ケーブルフライ(大胸筋)
スミスマシンベンチプレス(大胸筋)
マシンショルダープレス(三角筋)
ケーブルプレスダウン(上腕三頭筋)
ラットプルダウン(背筋群)
ケーブルローイング(背筋群)
スミスマシンデッドリフト(背筋群)
ケーブルカール(上腕二頭筋)
マシンレッグプレス(下半身)
スミスマシンスクワット(下半身)

バーベルトレーニング

バーベルベンチプレス(大胸筋)
バーベルショルダープレス(三角筋)
ナローベンチプレス(上腕三頭筋)
バーベルデッドリフト(背筋群)
バーベルベントオーバーロウ(背筋群)
バーベルグッドモーニング(背筋群)
バーベルカール(上腕二頭筋)
バーベルスクワット(下半身)

全トレーニング種目一覧

筋トレメニュー全200種目一覧|動画つき解説記事(男女別)
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