ササミ(鶏ささみ)は「筋トレ食品」に代名詞ともいえる食肉部位ですが、そのカロリー・栄養素をご紹介するとともに、シェイプアップや筋トレの食品として考えた場合の最適な食べ方について解説します。
ササミ(鶏ささみ)とはどんな食べ物?
ササミ(鶏ささみ)は、むね肉に隣接してその内側にある部位のことで、非常に淡白な味わいが特徴です。
なお、ささみを解剖学的な筋肉名であらわすと「深胸筋」となります。深胸筋とは、大胸筋深部に位置するインナーマッスルで、胸壁内側面および肋間隙に接合している胸壁筋の一つです。
鳥類、特に鶏の深胸筋はよく発達しており、形が笹の葉に似ていることから「笹身」=「ささみ」と呼称されています。
ササミ(鶏ささみ)のカロリー・栄養素
ササミ(鶏ささみ)100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:105kcal
タンパク質:23g (92kcal)
脂質:0.8g (7.2kcal)
炭水化物:0g (0kcal)
ササミ(鶏ささみ)は、非常に高タンパク質低カロリーで、特に糖質(炭水化物)の含有量がゼロであることから、とても純度の高いタンパク質食品であると言えます。
このほかに、ATP(アデノシン三リン酸)の体内生成に不可欠なナイアシン(ビタミンB3)、タンパク質(筋肉)の構成に重要な微量元素(ミネラル)であるセレンが豊富に含まれているので、まさに、筋トレやシェイプアップに最高レベルの食材です。
※数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。
ササミ(鶏ささみ)の目的別の食べ方
バルクアップ筋トレの場合
ササミ(鶏ささみ)は、非常に高タンパク質ですので、筋肥大バルクアップ筋トレ後の食事メニューとして優れています。
ただし、筋肉合成カロリーが不足しますので、倍量のご飯と食べるか、ササミカツにするなどカロリーを追加する工夫が必要です。
シェイプアップの場合
ササミ(鶏ささみ)は、とても高タンパク質低カロリーですので、シェイプアップに必要なタンパク質の補給食品として最適な食品の一つです。
ただい、カロリーオーバーになりますのでフライにして食べるのは避けましょう。
ササミの具体的レシピ例
筋トレむきササミチキン南蛮


こちらが、今回の材料の鶏ささみ・パン粉・卵・玉ねぎ・木綿豆腐・キューピーライトです。まずは、タルタルソースから作っていきます。
なお、パン粉は小麦粉・卵いらずのまぶすだけでよい便利パン粉を使用しました。

こちらが、超低カロリータルタルソースの材料の、キューピーライト80(100g)・卵2個(100g)・木綿豆腐100g・玉ねぎ1個です。
※たっぷり家族4人分の分量(出来上がり400g)です。
それぞれのカロリー・栄養素は以下の通りになります。
キューピーライト80・100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:160kcal
たんぱく質:2.0g(8.0kcal)
脂質:14.7g(132.3cal)
炭水化物:18.8g(kcal)
卵2個100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:151kcal
タンパク質:12.3g (49.2kcal)
脂質:10.3g (92.7kcal)
炭水化物:0.3g (1.2kcal)
木綿豆腐100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:56kcal
タンパク質:4.9g (19.6kcal)
脂質:3g (27kcal)
炭水化物:2g (8kcal)
玉ねぎは、ほぼカロリーは無視できるので、これらのカロリーを合計すると、今回のタルタルソース400g分のカロリー・栄養素は以下の通りです。
超低カロリータルタルソース400g(たっぷり4人前)のカロリー・栄養素
エネルギー:367kcal
タンパク質:19.2g (76.8kcal)
脂質:28.0g (252.0kcal)
炭水化物:21.1g (84.4kcal)
なお、一般的なタルタルソース同量のカロリー・栄養素は次のようになります。
一般的なタルタルソース400g(たっぷり4人前)のカロリー・栄養素
エネルギー:1146kcal
タンパク質:23.2g (92.8kcal)
脂質:88.28g (794.52kcal)
炭水化物:30.4g (121.6kcal)
約3倍近いカロリーがあることがわかります。
これだけカロリーが高いと、さすがに分量を気にしながら食べなくてはいけませんが、今回ご紹介するタルタルソースなら、たっぷりかけても低カロリーで安心です。

まずは、みじん切りにした玉ねぎをしっかりと、刺激臭がなくなるまで茹で上げます。

木綿豆腐をゆで卵カッターを使って細かく切ります。

先ほどの玉ねぎの鍋に細かく切った木綿豆腐を入れて、しばらく加熱します。

茹で上がった玉ねぎと木綿豆腐をざるに移し、冷水で冷まします。

このような感じになりました。

次にゆで卵を、いつものようにレンジピヨを使って作っていきます。
難しい火加減や茹で時間を調整する必要がなく、チンするだけで簡単にゆで卵が作れるので、とても重宝しています。

出来上がったゆで卵をカッターで細かく切り、先ほどの玉ねぎ・木綿豆腐に加えます。

キューピーライト80と塩コショウを加えて、よくかき混ぜてタルタルソースは完成です。

まずは、ささみに便利パン粉をまぶし、10分ほど放置してなじませます。パン粉をまぶしてすぐに揚げると衣がはがれやすくなりますので注意してください。

パン粉をまぶしたササミを弱火でじっくりと揚げていきます。そして、十分に火が通ったら、強火にして表面をカラッと仕上げます。

このように、カリッと揚げ上がりました。

野菜とともにササミフライを盛り付けます。
最後に、低カロリータルタルソースをたっぷりとかけて出来上がりです。
是非、お試しください。
筋トレ向き麩を衣にしたササミカツ

材料はササミ・砕いた麩・溶き玉子の三つだけです。
ササミを溶き玉子に浸してから、砕いた麩を表面にまぶしていきます。
この時に、ささみの肉を引き伸ばすようにして衣をまぶしていくと、しっかりと衣がくっつきます。
ささみに衣をまぶしたら、そのまま10分ほど放置してなじませます。これにより、揚げている最中に衣が剥がれないようになります。
また、揚げる時は、はじめは中火で中までしっかりと火を通し、仕上げに強火でカラッと揚げるのが、美味しく作るコツです。

あとは、盛りつけて完成です。パン粉のささみカツより衣にモチモチ感があり、とても美味しいので、是非チャレンジしてみてください。
シェイプ向き鶏ささみの赤身牛肉巻き

こちらが、今回の材料の鶏ささみ肉と牛赤身肉切り落としです。
シェイプアップや筋トレにおけるタンパク質は、その摂取量だけでは計れません。そのタンパク質食材に含まれる各必須アミノ酸の比率を、人体のアミノ酸比率に近づける(アミノ酸スコアの向上)も大切です。
厳密にアミノ酸比率を測定するのは、測定機器も必要で現実的ではありませんが、一般的に複数のタンパク質食品を組み合わせることで、アミノ酸スコアが向上するとされています。

まずは、ささみを牛赤身肉で巻いていきます。特につなぎ等も必要ありません。

ささみを巻き終わったら、あとはフライパンで焼いていくだけです。
テフロン加工のフライパンを使えば、油をしく必要がないので、さらにカロリーカットになります。
焦げないように弱火にし、蓋をしてじっくり蒸し焼きにするのが焼き方のコツです。

美味しくて、シェイプアップ効果も抜群ですので、是非お試しください。
シェイプアップ筋トレ向きササミ大豆タコス

用意するのは、ささみ肉、大豆二種(水煮大豆と冷凍枝豆)、タコス調味料だけです。
大豆は、栄養素的には二種類にする必要はありませんが、料理には彩りも大切ですので、あえて二種類にしました。

まずはササミを茹で、指で割くようにして身をほぐし、後は水煮大豆&枝豆と炒めて調味料で味付けするだけです。
本格的な減量であれば、このチキンビーンズだけを食べ、軽めのシェイプアップであれば少なめのご飯の上に乗せて、タコライスとしていただくと美味しいですよ。
シェイプ向きササミ餃子ハンバーグ

こちらが、今回のメイン材料の豚ヒレ肉と鶏ササミ肉です。
いずれも、非常に高タンパク質低カロリーで、筋トレに最適な肉類です。また、複数の肉類を組み合わせることでアミノ酸スコアも向上し、さらにシェイプアップに有効となります。

まずは、豚ヒレ肉と鶏ササミ肉をフードプロセッサーでミンチにしていきます。
市販のミンチは、かなり脂身が多いのでシェイプアップ中にミンチを使うときは、かならずブロック肉から作るようにしましょう。

豚ヒレと鶏ササミのミンチに、刻んだモヤシとニラを加えて塩コショウをし、しっかりとこねていきます。
モヤシは野菜類のなかでは圧倒的にタンパク質が豊富ですので、筋トレに最適な野菜と言えます。

餃子の具をハンバーグ状に整えて焼いていきます。今回は風味を考えてオリーブオイルを少量使いましたが、本格的な減量時にはテフロン加工のフライパンで、油を使わずに焼くことをおすすめします。

出来上がりました。あとは餃子のタレをかけるだけで、まるで餃子を食べたような満足感が得られます。
シェイプアップ中に、どうしても餃子が食べたくなったら、是非お試しください。
シェイプ向きササミ&エビタコスライス

こちらが、今回の材料のササミ・むきエビ・枝豆・卵・レタスサラダです。
ササミとエビは数ある食品のなかでも高タンパク質低カロリーで知られており、シェイプアップ筋トレの食材としては最良のものです。

まずは、ササミとむきエビを茹でていきます。

その時間を利用して、トッピング用のゆで卵を、レンジピヨを使って電子レンジで作っておきます。

ササミが茹で上がりましたので、細かくほぐします。

このように、フレーク状にほぐします。

下準備ができたら、テフロン加工のフライパンで油を使わずに炒めていきます。

ある程度ササミとエビに焦げ目がついたら、市販のタコスパウダーで味付けをします。

最後に剥いた枝豆を加えてタコスの部分は完成しました。

お皿にご飯を少な目に入れます。

たくさんのレタスを乗せます。シェイプアップの食事の基本はできるだけ多くの野菜をとることです。

レンジピヨでゆで卵も綺麗にできあがりました。

ゆで卵をみぞれにします。

ライスの上にシェイプアップタコスを盛り付けて完成です。
美味しく、満足感があり、さらに高タンパク質低カロリーですので、是非お試しください。
シェイプ向きササミ豆腐そぼろ丼

こちらが、今回の材料の鶏ササミ・木綿豆腐・水煮大豆および卵とネギです。

まずは、鶏ササミ肉をフードプロセッサーを使ってミンチにします。ササミのミンチはスーパーなどでほとんど入手できませんので、自分で作るのが決め手です。
また、むね肉ミンチはスーパーなどでも見かけますが、高カロリーの皮が含まれているので、シェイプアップにはおすすめしません。

ミンチを作ったら、まずはテフロン加工のフライパンで炒めていきます。竹べらなどを使い、丹念にそぼろ状にしてください。

続いて、木綿豆腐を入れて炒めます。こちらもそぼろ状になるまでつぶします。

さらに水煮大豆を加えて炒めますが、豆腐からはかなりの水分がでてきますので、水気が飛ぶまで炒めるのが美味しく仕上げるコツです。

最後に卵を入れて一緒に炒めます。これにより余分な水分を吸いとってくれるので、パラっと従って仕上がります。

砂糖と醤油適量で味付けをしたら、ネギを入れ、火を止めて余熱で加熱します。

お弁当箱にご飯を入れますが、豆腐や水煮大豆にも炭水化物が含まれるので、薄く敷く程度がおすすめです。

あとは、特製そぼろを乗せて完成です。少し手間ですが、比較的有効なシェイプアップランチですので、是非お試しください。
バルクアップ筋トレとシェイプアップ筋トレの食事の特徴

バルクアップ筋トレの場合には、体重1kgあたり2gの純タンパク質(肉類換算で10g)と、その2~3倍の筋肉合成カロリー(糖質と脂質)が必要です。
健康的なシェイプアップ筋トレの場合には、体重1kgあたり1gの純タンパク質(肉類換算で5g)が最低限必要で、糖質と脂質の摂取量を調整してカロリーカットを行います。
筋トレと食事の基礎知識
PFCバランスについての基礎知識

食品は主に「三大栄養素」と呼ばれている3種類の栄養素から構成されています。それは、P=タンパク質・F=脂質・C=炭水化物で、この3種類の栄養素を食事として摂取する比率のことを「PFCバランス」と呼びます。「タンパク質:脂質:炭水化物」の比率として「2:2:6」が一般的に適切とされているPFCバランスですが、筋トレの効果を高める食事のPFCバランスとしては、筋肉合成に重要なタンパク質の比率を増やして「4:1:5」がベストです。
ライフスタイルに合わせたPFCバランスの調整
筋トレの食事としては、先に述べたようにタンパク質の比率を多くするのが定石ですが、カロリーの摂取量はトレーニング量だけでなく、個人のライフスタイルに合わせて調整することも重要です。具体的には運動量の多い仕事をしている場合には脂質・炭水化物を増やし、デスクワーク主体の仕事をしている場合には脂質・炭水化物を減らす、といった微調整が必要になります。
タンパク質とは
タンパク質とはアミノ酸が鎖状に連結して構成される高分子化合物で、人体においては筋肉(筋繊維)の主な構成物質です。このため、筋肉(筋繊維)を太く強くすることが主目的の筋力トレーニングの食事としては、最も重要視されるべき栄養素です。筋肥大をしていくためには、適切な筋力トレーニングだけでなく、体重1kgあたり2gの純タンパク質が必要となります。純タンパク質2g≒肉類魚介類換算で10gに相当。
脂質について
脂質は1gあたり9kcalと高カロリーであることから、筋トレの食事としては「太りやすい」と考えられて敬遠されがちですが、非常にエネルギー効率が良い栄養素であるため、長時間のハードトレーニング前に摂取するカロリー源として優れています。また、腹持ちが良いことから、適度に摂取することで間食を防ぐ効果もあります。
炭水化物について
炭水化物は運動エネルギーの主体となる栄養素で、摂取から吸収されてエネルギーに換わるまでが速やかなことが特徴です。このため、トレーニング中のエネルギー補給、トレーニング直後のエネルギー補給などに有効です。また、筋肉が消化吸収・再合成される過程では多くのエネルギーが必要となるため、筋トレ後の食事においてはタンパク質食品と合わせて炭水化物を摂取していくことが重要です。
具体的な筋トレ向き食品・食事例

下記の記事はバルクアップ・シェイプアップそれぞれの筋トレ目的別に、具体的な食事メニュー・レシピを解説したものです。是非、ご活用ください。
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