【高齢者の筋力低下を防ぐ筋トレメニュー】椅子を使ったやり方や一週間の具体的プログラム解説



高齢者の筋力低下防止・健康維持管理のための具体的な一週間の筋トレメニューをご紹介します。いずれのトレーニング方法も、自宅のリビングで自重だけ、または椅子などの家具を使って行えるものです。

※無理をせずに、動悸や強い息切れを感じたらトレーニングを中止してください。



■高齢者の筋トレの意義

●体力の衰えを防止し代謝を高める



人の筋肉は年齢とともに徐々に衰えていきますが、適度な筋トレを行うことで、その衰えるスピードを抑えることが可能です。

また、若い頃と違い、筋トレなどで鍛えている人とそうでない人との体力差は、高齢になるほど顕著になります。

さらに、人間の筋肉組織はその代謝スピードは落ちるものの、いくつになっても新陳代謝をして新しい細胞に入れ替わっています。

適度な筋トレをすることで、この新陳代謝を高めることも可能です。

●QOL(Quality Of Life|生活の質)

・厚生労働省による記載

立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常動作の基盤となる筋肉が、QOL(Quality Of Life:生活の質)に強い影響を与える筋肉といえます。具体的には太腿前の大腿四頭筋・お尻の大臀筋・腹筋群・背筋群があげられます。これらの筋肉を鍛えるトレーニングを継続的に行うこと、また日常から活動的な生活を送ることが大切です。

加齢に伴う筋肉の委縮を廃用性筋委縮症、英語でサルコペニアといいます。このサルコペニアは運動によって防ぐことができます。筋肉は鍛えることで何歳になってからでも強く大きく発達させることができるからです。

引用:厚生労働省eヘルスネット「QOLの維持」

■全身の筋肉を知る



まずは鍛える対象となる全身の主な筋肉とその作用を簡単に把握しましょう。

全身の筋肉はその働きの連動性から以下のようにグループ分けできます。

○上半身の押す筋肉グループ

・大胸筋:腕を前に押し出し閉じる

・三角筋:腕を前・横・後ろに上げる

・上腕三頭筋:肘を伸ばす

○上半身の引く筋肉グループ

・僧帽筋:肩甲骨を引き寄せる

・広背筋:腕を後ろに引き寄せる

・上腕二頭筋:肘を曲げる

○下半身の筋肉グループ

・大腿四頭筋:膝を伸ばす

・ハムストリングス:膝を曲げる

・下腿三頭筋:足首を伸ばす

さらに詳しい全身の筋肉名称と構造・作用については下記のデジタル図鑑をご参照ください。

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筋肉名称スマホ図鑑|筋トレ部位の名前と鍛え方・共働筋・拮抗筋

まずは、初めて筋力トレーニングを行うという方に適切な3種類の軽負荷トレーニング種目をご紹介します。

■壁腕立て伏せ



大胸筋・三角筋・上腕三頭筋といった上半身の押す筋肉に効果的な種目が壁腕立て伏せです。背すじを伸ばした状態を維持し、反動を使わないように気をつけることがポイントです。

押すときに息を吐き、身体を倒すときに息を吸います。

また、倒れる角度で負荷強度を調節できます。

■ドア斜め懸垂



広背筋・僧坊筋・上腕二頭筋といった上半身の引く筋肉に効果的なのがドア斜め懸垂です。先端を丸めて結んだシーツをドアに挟んで用意をします。

胸を張り、身体を引き上げながら肩甲骨をしっかりと寄せることがポイントです。

身体を引き上げるときに息を吐き、戻るときに息を吸います。

また、倒れる角度で負荷強度を調節できます。

■椅子スクワット



椅子スクワットは、大腿四頭筋・ハムストリングスなど下半身の筋肉に効果的です。

実際に椅子に座る要領で、斜め後ろに腰を下ろし、臀部が椅子に触れたら斜め前方に立ち上がります。

胸を張って背すじを伸ばし、膝がつま先よりも前に出ないようにすることが大切です。

立ち上がるときに息を吐き、腰を下ろすときに息を吸います。

■高齢者の筋トレメニュー例

●月曜日の筋トレメニュー(上半身の押す筋トレの日)

・膝つき腕立て伏せ(15回×3セット)



膝つき腕立て伏せは、高齢者でも取り組むことができる、上半身の押す筋肉全体に有効な、おすすめの筋トレ種目です。

【本種目のやり方とコツ】

1:肩幅より少し広く手を置き、肩甲骨をしっかりと寄せ、背すじを真っ直ぐにし、膝をついて構えます

2:肩甲骨を寄せたまま、背すじも真っ直ぐに保って身体を下ろしていきます

3:身体を下ろしたら、反動を使わずに肘を伸ばして身体を押し上げます

4:身体を押し上げたら、やや顎を引いて大胸筋を完全に収縮させます

・または机腕立て伏せ(15回×3セット)



膝つき腕立て伏せを行うのが難しい方は、こちらのような、さらに強度の低い机腕立て伏せで代用することも可能です。

【本種目のやり方とコツ】

1:肩幅より少し広くとって机に手を置き、肩甲骨をしっかりと寄せ、背すじを真っ直ぐにして構えます

2:肩甲骨を寄せたまま、背すじも真っ直ぐに保って身体を下ろしていきます

3:身体を下ろしたら、反動を使わずに肘を伸ばして身体を押し上げます

4:身体を押し上げたら、やや顎を引いて大胸筋を完全に収縮させます

5:動作中は、お腹を突き出したり、腰を曲げたりしないように注意します

・またはチューブチェストプレス(15回×3セット)



体力的に、腕立て伏せ系トレーニングを行うのが難しい方は、こちらのようにトレーニングチューブでプレス運動を行うとよいでしょう。

【本種目のやり方とコツ】

1:後ろからゴムの張力がかかる状態で、トレーニングチューブをグリップして構えます

2:肩甲骨を寄せて腕を前に押し出していきます

3:腕を前に押し出したら、少し顎を引いて大胸筋を完全に収縮させます

4:ゆっくりと筋肉に負荷をかけながら元に戻ります

●水曜日の筋トレメニュー(下半身の筋トレの日)

・椅子スクワット(15回×3セット)



自重スクワットをさらにやりやすくしたのが、こちらのように椅子に座る動作で大腿四頭筋や下半身全体を鍛えることができる椅子スクワットです。

視線をやや斜め上にすることを意識すれば、自然と正しいフォームになります。

【本種目のやり方とコツ】

1:足を肩幅程度に開き、膝がつま先より後ろになるようにして、椅子の前半分に座って構えます

2:背中が丸まらないように、少し上を見て立ち上がります

3:椅子に座る要領で、膝がつま先よりも前に出ないように注意して斜め後ろにしゃがみます

4:お尻が椅子に触れたら、椅子に座らずに再び立ち上がります

・またはチューブレッグプレス(15回×3セット)



体力的に、スクワット系のトレーニングを行うのが難しい方は、こちらのようなチューブレッグプレスで代用することも可能です。

【本種目のやり方とコツ】

1:後ろからゴムの張力がかかる状態でトレーニングチューブをグリップして構えます

2:膝を伸ばして、足を斜め上方に押し上げていきます

3:足を押し上げ、大腿四頭筋を完全に収縮させたら、ゆっくりと筋肉に負荷をかけながら元に戻ります

●金曜日の筋トレメニュー(上半身の引く筋トレの日)

・バックエクステンション(15回×3セット)



背筋下部に有効なバックエクステンションは、手を前について行うことで、さらに強度が下がりやりやすくなります。

上体を軽く反らせるイメージで行ってください。

【本種目のやり方とコツ】

1:床にうつ伏せになり構えます

2:上半身をゆっくりと起こします

3:筋力でコントロールしながら元に戻ります

4:反動を使わずに、再び上半身を起こしていきます

・またはチューブローイング(15回×3セット)



また、日替わりで背筋上部に有効なチューブローイングを行っていくこともおすすめします。

【本種目のやり方とコツ】

1:前からゴムの張力がかかる状態でトレーニングチューブをグリップし、前傾姿勢になり、腕を伸ばした状態で構えます

2:上半身が床と直角になるまで、腕を伸ばしたまま上半身を起こします

3:上半身を起こしたら、後ろに傾けないように注意し、肘を曲げて両手を引き寄せていきます

4:両手をお腹の位置まで引き寄せたら、引くときとおなじ軌道・フォームでゆっくりと筋肉に負荷をかけながら元に戻ります


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